ポケット
独特な幸福感
那智さんが映像を貼ってきた。
昔のポルノ映画だ。
しかも、SM物らしい。
わたしはこういうものをほとんど観たことがない。
当然、映画館に行くわけでもないし、いまどきは手っ取り早くエロ動画サイトなんていうのもあるけれど、わたしは那智さん推薦のひとつのサイトしか観ないし、それもなんていうか、抜くためだけの材料なわけで一瞬だけ観ればよくて、しかも、この推薦動画サイトはあまりSM物がなかったりするので、じつは、わたしは『ストーリーのある動くSM』というものにほとんど触れたことがないのだ。
余談ですが、団鬼六さんの小説も読んだことない。
わたしのSM情報源は極めて限られていて、かなり情報のない状態、多くは頭の中でSM欲が育っていったのだ。
2本送られてきた。
わたし映画やドラマもそうなんだけど、あまり映像物に長時間費やすのそんなに好きじゃなくて、誰かと一緒に楽しむ以外はあまりしないのだけど、この日はちょっと体調万全じゃなくて横になっている時間があったから観てみることにした。
一本目を観はじめてすぐ二本目が来て、さすがにふたつはお腹いっぱいだなと思ったから、那智さんのオススメを聞いてきたら二本目のほうだとおっしゃった。
視覚的に好み、なのだそうだ。
小一時間のポルノ映画。
かの有名な団鬼六さん原作で別ヴァージョンが最近になっても放映されていたからタイトルは知っていた。
昭和の香りがぷんぷんする画面からは、監禁や拘束やロウソク、浣腸にレズ、『SMショーに売り飛ばす』なんてシチュエーションだったり。
恥ずかしいのだけど食い入るように観てしまった。
見終わったことを知らせると那智さんはわたしの反応を聞きたがる。
文字で「欲情した?」と聞かれても、なんて打ち返していいか戸惑っていた。
たしかにM的嗜好があるのだから興奮した。
現に、とっても濡れていたし^^;
でも、そんな一直線の感情ではないから戸惑うのだ。
衝撃を受けてしまったのだ。
いや、エッチな映像は推薦サイトでいっぱい観ている(笑)
もっともっと過激な画像だって、いまどきは個人のブログでだってたくさんある。
だけど、わたしが幼い頃から時代劇やアニメや盗み見した雑誌から想像を広げた妄想の世界が(いちおう)ちゃんとしたストーリーになって目の前で繰り広げられているのだ。
見たくてしかたなかったものなのに見てしまってはいけないもののように感じられて、ザワつく心をどうお伝えしていいか、戸惑ってしまっていたのだ。
那智さんは、ふたりにとって興味深く楽しい話題になると思って送ってくれたのだどうけど、どうも良い反応を返すことができない。
感想とわたし自身の反応を聞かれているのに
那智さんは何才くらいのときに観たのですか?
思春期にこれを観たらたまりませんね!!
なんて、はぐらかす。
陵辱に拘束にロウソクなんて、もうわたしの妄想の宝庫じゃないか!!
でも、それを口にすることができない。
このザワつきはモンスターのうずきと『妄想は叶わない』という諦めの気持ちのせめぎ合いだ。
ううん、那智さんはずっとずっとわたしを可愛がってくれている。
痛いことであの世界に行くことだって、お外でおもらしやわんこのような露出願望だって、叶わないと思っていたことがたくさん叶っている。
リクエストしてやってもらってもぜんぜんよろこべないこともわかっているから、那智さんのしたいことをしたいようにしてもらうことが、那智さんの存在によって何よりの充足になっているのだ。
わたしはしたいようにしてもらうことが幸せで、だから、自分の願望というものは基本的に引き出しにしまっておくものだと思っている。
(鍵はかけない 笑 だから、那智さんとの会話によっては出すこともある^^)
何より、わたしは脅されてもいないし、監禁もされていないし、そんなことになったら願望も何も言っていられないわけで、結局、妄想なんて基本叶わないものなのだ。
それはわかっているけれど、あんなふうに妄想の世界が映像で押し寄せるとピンポイントで叶っていないことが浮き彫りになりモンスターのヤツがうずくのだ。
このうずきはないほうがラクだと押さえ込もうとしながら、ふと、わたし(側)の願望って叶いにくいものだなと、ちょっとため息が出る。
那智さん(側)の願望だって、犯罪になってしまうようなものだってあるわけで、そりゃあ叶えにくいものばかりだよね。
でも、する側なのだから、すこしでも自分の妄想に沿うような行為だって主導できる。
相手任せのされる側というのは、ある意味ギャンブルでもある。
毎度、ピッタリ痒いところに手が届くってわけでもないものね^^;
ただ、ある程度長く付き合っているとこなれてくるのは確かで、願望よりふたりで作る世界がいいと思えるようなので、日頃はほとんどそんなことは意識しないのだけどね。
モンスターのうずきを押さえ込みながら、ふと、そんなふうに思って、ちょっとため息だった。
那智さんとわたしだったら、那智さんのほうが自分の願望を叶える、近づけることがしやすいかもしれませんね
なんて、なんの脈絡もなく投げかけたりしてしまう。
まったく面倒なわたし。
那智さんは最初に送ったほうも観てほしいようだ。
視覚的にはさっきのほうが好みだけど、最初に送ったほうが、那智さんがはじめて観たSMの映画で那智さんのSM願望の象徴的な映画だったそうだ。
それをわたしが観て共有したいみたいなのだ。
でも、さっきので充分衝撃を受けモンスターがうずいているのだから、これ以上刺激したくなかったから「この先も観ないかも」なんて可愛くない言葉を打ってしまう。
観なさい(笑)
と(笑)マークで命令してくれる
でも、観たら、那智さん叶えてくれない!!って言い出すかもしれませんよ
わたしは那智さんに可愛がってもらうことが満足なのです
だから、あんまりいろいろな情報を与えられないほうが幸せなのですよ
と牽制して、しまいには
あのポルノ映画だけで衝撃を受けてしまうわたしのある意味ウブな心を、面倒ではあるけれど、褒めてくださいませんか?(笑)
なんて、絡む。
「よしよし」となだめてくれながら、「願望に火がついた?」とまた聞いてくる^^;
もう、モンスター暴れさせたくないのですよ、リクエスト聞いてもらってもうれしくないの!!
今、新鮮な気持ちで書きなさい
と命令までしてくれて、なんだか、もうどうにでもなれ!!という気持ちになってしまって、那智さんに促されるまま、映画を観て浮き彫りになった願望をどんどん羅列していった。
縛られたいし
縛られて動けなくされたいし
あんなふうに手と足をまとめて吊られたいし
女同士でセックスしたいし
ロウソクもしてほしいです。
たくさんの人が見ている前で縛られたり、恥ずかしいことされたりしたいです
映像で見たものを次々打つ。
その間「あとは?」「それで?」と相づちを打ち、まだ入るよ、まだ入るよとポケットを広げ那智さんの許容を示してくれる。
やっと吐き出し終わり「それくらいです」と打つ。
とても勇気のいることだったけど、すこしの爽快感みたいなものも感じていた。
そのわたしを那智さんは
偉いね〜
よく書いたね
と褒めてくれる。
勇気がいることだし、本当は言うつもりありませんでした
というわたしに
あれを見て、りん子が夢の世界で描いたものをみて衝撃を受けて興奮したからだよね。
でも、大丈夫だよ、落ち着くよ。
明日になれば。
明日会えれば。
翌日わたしたちは会う予定だった。
「ああいうの映像で見たの初めてだった」というわたしに会えば落ち着くと話してくれる。
そして、こんな文字が送られてきた。
俺がりん子の欲望を理解している。と3回心の中で唱えて。
深い安堵のため息。
この文字にじわっと涙が競り上がる。
ああ、そうなんだ。
わたしの欲望が叶うかどうかではないんだ、那智さんが知っていてくれている、どんな願望も許容のポケットに入れてくれている。
その安心感こそがわたしを満たしてくれるのだ。
そして、こんなことも話してくれる。
りん子の欲望はりん子だけの物ではないと理解しなさい。
わたしの欲望は『二人の物』だという。
ずっと昔から叶えたいと思っていた変態的なこと。
そう思う自分を嫌悪し、暴れるモンスターに手を焼いていた厄介な欲望。
これがわたしだけのものではなく、那智さんとふたりのものだというのだ。
ひとりでは抱えきれなかったものを一緒に持ってくれる人がいる、そして、それは同じように那智さんの欲望にもなるという事実はさらなる安心をくれる。
俺に理解してもらえることが大事で大切なのだよ。
那智さんの許容のポケットにたくさん入れた果実がポケットの中で熟して甘みを増す、それをふたりで一緒に食べる幸福を那智さんは教えてくれたのだ。
ひとしきり安堵の涙を流し、ふと聞いてみる
そしたら、那智さんの欲望は誰のもの?
そのお返事はとても那智さんらしいものだった。
二人の物にしたい。
『あなたのもの』と同じだ。
那智さんは『俺の物』というのは、わたし側から『あなたのもの』と思わないと成立しないと思っている。
それと同じことだ。
那智さんの欲望は、ふたりのもの。
そうなれているだろうか、立ち止まり考える。
ああ、もう、とっくの昔からそうといえるのではないか。
わたしは、那智さんのしたいようにしてもらうことで自分の欲望を満たしている。
それは言葉を変えれば、那智さんの欲望がわたしの欲望でもある、ゆえに、那智さんの欲望はふたりのもの、だ。
だから、あらためてお伝えする。
わたしは那智さんのしたいようにしていただきたい、だから、那智さんの欲望はふたりのものです!!
これは人にはいえないな。
叶うことはないだろう。
ひっそりと押さえ込んでいた欲望たちは共有してくれる那智さんに『知ってもらう』ことで安心できて、那智さんのポケットで熟成されて、やがてふたりの欲望になって那智さんのタイミングで食べさせてもらうのだ。
那智さんの欲望はふたりのもの。
わたしの欲望は二人の物。
観ないほうがいいと思っていたもう1本の映画を、その夜全部観た。
思春期の頃、はじめてこれを観た那智少年はわたしがSMを意識したときと同じように『叶うはずない』という途方に暮れただろうか。
那智少年の手を少女のわたしが両手で握りしめているような気持ちだ。
那智さんに寄り添い、那智さんの欲望に自分を重ねてふたりのものにして、明日きちんと欲情して会いに行こうと思うのだった。
「等式」感想です。「きちんと欲情する」って何か立派な感じがするね。そうなってくれないと寂しいしね。(笑)
那智さんが映像を貼ってきた。
昔のポルノ映画だ。
しかも、SM物らしい。
わたしはこういうものをほとんど観たことがない。
当然、映画館に行くわけでもないし、いまどきは手っ取り早くエロ動画サイトなんていうのもあるけれど、わたしは那智さん推薦のひとつのサイトしか観ないし、それもなんていうか、抜くためだけの材料なわけで一瞬だけ観ればよくて、しかも、この推薦動画サイトはあまりSM物がなかったりするので、じつは、わたしは『ストーリーのある動くSM』というものにほとんど触れたことがないのだ。
余談ですが、団鬼六さんの小説も読んだことない。
わたしのSM情報源は極めて限られていて、かなり情報のない状態、多くは頭の中でSM欲が育っていったのだ。
2本送られてきた。
わたし映画やドラマもそうなんだけど、あまり映像物に長時間費やすのそんなに好きじゃなくて、誰かと一緒に楽しむ以外はあまりしないのだけど、この日はちょっと体調万全じゃなくて横になっている時間があったから観てみることにした。
一本目を観はじめてすぐ二本目が来て、さすがにふたつはお腹いっぱいだなと思ったから、那智さんのオススメを聞いてきたら二本目のほうだとおっしゃった。
視覚的に好み、なのだそうだ。
小一時間のポルノ映画。
かの有名な団鬼六さん原作で別ヴァージョンが最近になっても放映されていたからタイトルは知っていた。
昭和の香りがぷんぷんする画面からは、監禁や拘束やロウソク、浣腸にレズ、『SMショーに売り飛ばす』なんてシチュエーションだったり。
恥ずかしいのだけど食い入るように観てしまった。
見終わったことを知らせると那智さんはわたしの反応を聞きたがる。
文字で「欲情した?」と聞かれても、なんて打ち返していいか戸惑っていた。
たしかにM的嗜好があるのだから興奮した。
現に、とっても濡れていたし^^;
でも、そんな一直線の感情ではないから戸惑うのだ。
衝撃を受けてしまったのだ。
いや、エッチな映像は推薦サイトでいっぱい観ている(笑)
もっともっと過激な画像だって、いまどきは個人のブログでだってたくさんある。
だけど、わたしが幼い頃から時代劇やアニメや盗み見した雑誌から想像を広げた妄想の世界が(いちおう)ちゃんとしたストーリーになって目の前で繰り広げられているのだ。
見たくてしかたなかったものなのに見てしまってはいけないもののように感じられて、ザワつく心をどうお伝えしていいか、戸惑ってしまっていたのだ。
那智さんは、ふたりにとって興味深く楽しい話題になると思って送ってくれたのだどうけど、どうも良い反応を返すことができない。
感想とわたし自身の反応を聞かれているのに
那智さんは何才くらいのときに観たのですか?
思春期にこれを観たらたまりませんね!!
なんて、はぐらかす。
陵辱に拘束にロウソクなんて、もうわたしの妄想の宝庫じゃないか!!
でも、それを口にすることができない。
このザワつきはモンスターのうずきと『妄想は叶わない』という諦めの気持ちのせめぎ合いだ。
ううん、那智さんはずっとずっとわたしを可愛がってくれている。
痛いことであの世界に行くことだって、お外でおもらしやわんこのような露出願望だって、叶わないと思っていたことがたくさん叶っている。
リクエストしてやってもらってもぜんぜんよろこべないこともわかっているから、那智さんのしたいことをしたいようにしてもらうことが、那智さんの存在によって何よりの充足になっているのだ。
わたしはしたいようにしてもらうことが幸せで、だから、自分の願望というものは基本的に引き出しにしまっておくものだと思っている。
(鍵はかけない 笑 だから、那智さんとの会話によっては出すこともある^^)
何より、わたしは脅されてもいないし、監禁もされていないし、そんなことになったら願望も何も言っていられないわけで、結局、妄想なんて基本叶わないものなのだ。
それはわかっているけれど、あんなふうに妄想の世界が映像で押し寄せるとピンポイントで叶っていないことが浮き彫りになりモンスターのヤツがうずくのだ。
このうずきはないほうがラクだと押さえ込もうとしながら、ふと、わたし(側)の願望って叶いにくいものだなと、ちょっとため息が出る。
那智さん(側)の願望だって、犯罪になってしまうようなものだってあるわけで、そりゃあ叶えにくいものばかりだよね。
でも、する側なのだから、すこしでも自分の妄想に沿うような行為だって主導できる。
相手任せのされる側というのは、ある意味ギャンブルでもある。
毎度、ピッタリ痒いところに手が届くってわけでもないものね^^;
ただ、ある程度長く付き合っているとこなれてくるのは確かで、願望よりふたりで作る世界がいいと思えるようなので、日頃はほとんどそんなことは意識しないのだけどね。
モンスターのうずきを押さえ込みながら、ふと、そんなふうに思って、ちょっとため息だった。
那智さんとわたしだったら、那智さんのほうが自分の願望を叶える、近づけることがしやすいかもしれませんね
なんて、なんの脈絡もなく投げかけたりしてしまう。
まったく面倒なわたし。
那智さんは最初に送ったほうも観てほしいようだ。
視覚的にはさっきのほうが好みだけど、最初に送ったほうが、那智さんがはじめて観たSMの映画で那智さんのSM願望の象徴的な映画だったそうだ。
それをわたしが観て共有したいみたいなのだ。
でも、さっきので充分衝撃を受けモンスターがうずいているのだから、これ以上刺激したくなかったから「この先も観ないかも」なんて可愛くない言葉を打ってしまう。
観なさい(笑)
と(笑)マークで命令してくれる
でも、観たら、那智さん叶えてくれない!!って言い出すかもしれませんよ
わたしは那智さんに可愛がってもらうことが満足なのです
だから、あんまりいろいろな情報を与えられないほうが幸せなのですよ
と牽制して、しまいには
あのポルノ映画だけで衝撃を受けてしまうわたしのある意味ウブな心を、面倒ではあるけれど、褒めてくださいませんか?(笑)
なんて、絡む。
「よしよし」となだめてくれながら、「願望に火がついた?」とまた聞いてくる^^;
もう、モンスター暴れさせたくないのですよ、リクエスト聞いてもらってもうれしくないの!!
今、新鮮な気持ちで書きなさい
と命令までしてくれて、なんだか、もうどうにでもなれ!!という気持ちになってしまって、那智さんに促されるまま、映画を観て浮き彫りになった願望をどんどん羅列していった。
縛られたいし
縛られて動けなくされたいし
あんなふうに手と足をまとめて吊られたいし
女同士でセックスしたいし
ロウソクもしてほしいです。
たくさんの人が見ている前で縛られたり、恥ずかしいことされたりしたいです
映像で見たものを次々打つ。
その間「あとは?」「それで?」と相づちを打ち、まだ入るよ、まだ入るよとポケットを広げ那智さんの許容を示してくれる。
やっと吐き出し終わり「それくらいです」と打つ。
とても勇気のいることだったけど、すこしの爽快感みたいなものも感じていた。
そのわたしを那智さんは
偉いね〜
よく書いたね
と褒めてくれる。
勇気がいることだし、本当は言うつもりありませんでした
というわたしに
あれを見て、りん子が夢の世界で描いたものをみて衝撃を受けて興奮したからだよね。
でも、大丈夫だよ、落ち着くよ。
明日になれば。
明日会えれば。
翌日わたしたちは会う予定だった。
「ああいうの映像で見たの初めてだった」というわたしに会えば落ち着くと話してくれる。
そして、こんな文字が送られてきた。
俺がりん子の欲望を理解している。と3回心の中で唱えて。
深い安堵のため息。
この文字にじわっと涙が競り上がる。
ああ、そうなんだ。
わたしの欲望が叶うかどうかではないんだ、那智さんが知っていてくれている、どんな願望も許容のポケットに入れてくれている。
その安心感こそがわたしを満たしてくれるのだ。
そして、こんなことも話してくれる。
りん子の欲望はりん子だけの物ではないと理解しなさい。
わたしの欲望は『二人の物』だという。
ずっと昔から叶えたいと思っていた変態的なこと。
そう思う自分を嫌悪し、暴れるモンスターに手を焼いていた厄介な欲望。
これがわたしだけのものではなく、那智さんとふたりのものだというのだ。
ひとりでは抱えきれなかったものを一緒に持ってくれる人がいる、そして、それは同じように那智さんの欲望にもなるという事実はさらなる安心をくれる。
俺に理解してもらえることが大事で大切なのだよ。
那智さんの許容のポケットにたくさん入れた果実がポケットの中で熟して甘みを増す、それをふたりで一緒に食べる幸福を那智さんは教えてくれたのだ。
ひとしきり安堵の涙を流し、ふと聞いてみる
そしたら、那智さんの欲望は誰のもの?
そのお返事はとても那智さんらしいものだった。
二人の物にしたい。
『あなたのもの』と同じだ。
那智さんは『俺の物』というのは、わたし側から『あなたのもの』と思わないと成立しないと思っている。
それと同じことだ。
那智さんの欲望は、ふたりのもの。
そうなれているだろうか、立ち止まり考える。
ああ、もう、とっくの昔からそうといえるのではないか。
わたしは、那智さんのしたいようにしてもらうことで自分の欲望を満たしている。
それは言葉を変えれば、那智さんの欲望がわたしの欲望でもある、ゆえに、那智さんの欲望はふたりのもの、だ。
だから、あらためてお伝えする。
わたしは那智さんのしたいようにしていただきたい、だから、那智さんの欲望はふたりのものです!!
これは人にはいえないな。
叶うことはないだろう。
ひっそりと押さえ込んでいた欲望たちは共有してくれる那智さんに『知ってもらう』ことで安心できて、那智さんのポケットで熟成されて、やがてふたりの欲望になって那智さんのタイミングで食べさせてもらうのだ。
那智さんの欲望はふたりのもの。
わたしの欲望は二人の物。
観ないほうがいいと思っていたもう1本の映画を、その夜全部観た。
思春期の頃、はじめてこれを観た那智少年はわたしがSMを意識したときと同じように『叶うはずない』という途方に暮れただろうか。
那智少年の手を少女のわたしが両手で握りしめているような気持ちだ。
那智さんに寄り添い、那智さんの欲望に自分を重ねてふたりのものにして、明日きちんと欲情して会いに行こうと思うのだった。
「等式」感想です。「きちんと欲情する」って何か立派な感じがするね。そうなってくれないと寂しいしね。(笑)
癒し系
独特な幸福感
モカちゃんの身の上話を聞くはずだったのだけど、それほど深刻ではなかったようで、結局ただの酔っぱらいな居酒屋^^
めずらしく那智さんビールしか飲まなかったから、たぶん、わたしのほうが飲んだ。
お酒の飲めないモカちゃんは、たしかジンジャエール、最後に抹茶白玉ぜんざいも頼んでいた。
ビールをたくさん飲むとおしっこ近くなっちゃう^^;
何回目かのトイレから戻るとちょっと真面目な雰囲気で
それはお姉ちゃんの努力もあるって…
みたいなモカちゃんの声。
なんだ、なんだ?
わたしがどうした?
席に座ると那智さんが
モカちゃんがね、お姉ちゃんのどこが好きかって聞いてきたんだ
だから『合うところ』って答えたの
ふ〜ん。
合うんだって〜
そうなのねぇ。
そうなんだよな、一緒にいて『ひとりになりたい』って思ったことないんだよな
で、それってお姉ちゃん努力もあるんじゃない?って言ってたの
なるほど^^
那智さんとわたしは最長で2泊3日を過ごしている。
まあ、この程度の長さだったら猫もかぶれるし、お互いに粗さがしもしないでいられるかもしれないよね。
好きなもの同士なんだもの、ひとりになりたいって思うほうがおかしいんじゃない?
とは思うけど。
わたしにとって、この言葉はじつはものすごい褒め言葉なのだ。
なぜなら、おそらく普通の人より一緒にいる人の快適をも引き受け舵取りする那智さんは『ひとりになりたい』瞬間が、もしかしたら普通の人より多いかもしれないんだ。
だから、その言葉の重要性がよくわかる。
だからこそ、とてもうれしい言葉だったのだ。
まあ、それでも最長で2泊3日ですからねぇ
うれしい気持ちをちょっとの謙遜で包んでみせていると
あ〜、わたしも2泊3日したよ!!
と、さんにんで過ごした時間のことをいうモカちゃん。
そうそう、たしかに過ごしたね。
那智さん途中お仕事だったり、わたしだけ早く帰ったりしたけど、トータル2泊3日。
さんにんをはじめてまだ一ヶ月ちょっとの頃だったね、いやいや、なかなかよくやったもんだよとそれぞれの絶妙な気遣いのバランスで、全員褒めてあげたいくらいだね(笑)
そんなことも思い出しつつ、またビールをガブ飲みするのでした^^
『等式』では生意気いっぱい書いているけど、りん子、けっこう癒し系なんですよっていう、数少ない男性読者さんへの点数稼ぎのエントリーでした^^
<関連エントリー>
2泊3日のいろいろ
『夏の旅行1 2 3 4 5 6 7 』
『殿のご乱心』
『雪』
『小旅行覚え書き1 2 3 4』
こっちも2泊3日の断片
『傷つく性癖』
『ふたつの影』
「等式」感想です。"一人になりたいと思わない"の感想はどうして実現したのか。自分が気を使いたくない、相手に気を使われたくない。と思わないから?モカちゃんが言うように一人になりたいと思わない環境はりん子のおかげ?確かに、良い環境だと思えるのはりん子が努力しているからでしょう。
りん子(^-^)良い環境なのはわたしの努力『も』あるからでしょう、ということですね。
「等式」感想その2です。"一人になりたい"と考えるのはどんな時だろう。自分が気を使いたくない時、使われたくない時だろう。でも、疑問なのはモカちゃんが言うように一人になりたいと思わない環境はお互いに気を使わない、平時に存在出来るのか。お互いが無の心でも良い環境になるのか楽しみです。
モカちゃんの身の上話を聞くはずだったのだけど、それほど深刻ではなかったようで、結局ただの酔っぱらいな居酒屋^^
めずらしく那智さんビールしか飲まなかったから、たぶん、わたしのほうが飲んだ。
お酒の飲めないモカちゃんは、たしかジンジャエール、最後に抹茶白玉ぜんざいも頼んでいた。
ビールをたくさん飲むとおしっこ近くなっちゃう^^;
何回目かのトイレから戻るとちょっと真面目な雰囲気で
それはお姉ちゃんの努力もあるって…
みたいなモカちゃんの声。
なんだ、なんだ?
わたしがどうした?
席に座ると那智さんが
モカちゃんがね、お姉ちゃんのどこが好きかって聞いてきたんだ
だから『合うところ』って答えたの
ふ〜ん。
合うんだって〜
そうなのねぇ。
そうなんだよな、一緒にいて『ひとりになりたい』って思ったことないんだよな
で、それってお姉ちゃん努力もあるんじゃない?って言ってたの
なるほど^^
那智さんとわたしは最長で2泊3日を過ごしている。
まあ、この程度の長さだったら猫もかぶれるし、お互いに粗さがしもしないでいられるかもしれないよね。
好きなもの同士なんだもの、ひとりになりたいって思うほうがおかしいんじゃない?
とは思うけど。
わたしにとって、この言葉はじつはものすごい褒め言葉なのだ。
なぜなら、おそらく普通の人より一緒にいる人の快適をも引き受け舵取りする那智さんは『ひとりになりたい』瞬間が、もしかしたら普通の人より多いかもしれないんだ。
だから、その言葉の重要性がよくわかる。
だからこそ、とてもうれしい言葉だったのだ。
まあ、それでも最長で2泊3日ですからねぇ
うれしい気持ちをちょっとの謙遜で包んでみせていると
あ〜、わたしも2泊3日したよ!!
と、さんにんで過ごした時間のことをいうモカちゃん。
そうそう、たしかに過ごしたね。
那智さん途中お仕事だったり、わたしだけ早く帰ったりしたけど、トータル2泊3日。
さんにんをはじめてまだ一ヶ月ちょっとの頃だったね、いやいや、なかなかよくやったもんだよとそれぞれの絶妙な気遣いのバランスで、全員褒めてあげたいくらいだね(笑)
そんなことも思い出しつつ、またビールをガブ飲みするのでした^^
『等式』では生意気いっぱい書いているけど、りん子、けっこう癒し系なんですよっていう、数少ない男性読者さんへの点数稼ぎのエントリーでした^^
<関連エントリー>
2泊3日のいろいろ
『夏の旅行1 2 3 4 5 6 7 』
『殿のご乱心』
『雪』
『小旅行覚え書き1 2 3 4』
こっちも2泊3日の断片
『傷つく性癖』
『ふたつの影』
「等式」感想です。"一人になりたいと思わない"の感想はどうして実現したのか。自分が気を使いたくない、相手に気を使われたくない。と思わないから?モカちゃんが言うように一人になりたいと思わない環境はりん子のおかげ?確かに、良い環境だと思えるのはりん子が努力しているからでしょう。
りん子(^-^)良い環境なのはわたしの努力『も』あるからでしょう、ということですね。
「等式」感想その2です。"一人になりたい"と考えるのはどんな時だろう。自分が気を使いたくない時、使われたくない時だろう。でも、疑問なのはモカちゃんが言うように一人になりたいと思わない環境はお互いに気を使わない、平時に存在出来るのか。お互いが無の心でも良い環境になるのか楽しみです。
徒然に「繰り返し」
140字もどき
「等式」感想です。安全を考え尻しか打たなかった。尻に対してはMaxで打てるようになった、そして満足出来なくなった。Maxで打てない場所に打ちたくなった。今、様子を見ながら他の部位も打っている。加減が必要だが楽しい。
『繰り返し』の感想。
那智さんらしいなって思う。
普通、SMから連想する鞭打ちは『思い切り打つ』だよね。
どんなに泣き叫んでも容赦なく打つ。
ご主人様に思い切り打っていただきたい。
そんなイメージ。
でも、那智さんは様子を見ながら、加減が必要なことも楽しいと書いている。
ああ、でも、『調教』自体を楽しいと思うご主人様は、加減も楽しいと思うのかな。
わからないけど、とにかく、自分がコントロールしている状態が好きなのだろう。
那智さんは鞭(に限らずだけど)、ヒュンと空気を裂く音が好きなんですって。
それと本来ならマイナスなことだけど、那智さんの手によってそれをよろこべるように変えていくことが好き。
那智さんがしてくれるから頑張れるとかよろこびに変わるとはすこし違うと思うんだ。
那智さんの手によって、そのこと自体もよろこびになる(ニュアンスむずかしい)
おそらく、それが支配欲を満たすのだ。
那智さんの支配欲は肯定さえていると感じたいにとても近い。
支配したいと思う人は『肯定されたい』気持ちが強い人なのかもしれないね。
あれ?
何が書きたいんだっけ?(笑)
ああいう、鞭のエントリーや那智さんの感想を読んで、そんな支配したい側の男性はどう思うんだろうなって『繰り返し』をアップした後、めずらしく男性の感想が聞いてみたくなったんだ。
まあ、あれだけ読んだら、痛いことをよろこぶ変態女ってことになりそうだけど、もし過去のものを読んでくれていたら、最初は無理だったところからはじまっているから、その変化を『調教』と思うのかな。
那智さんのことを「立派に調教していますね」なんて思ってくれるかな(ちょっと言われてみたい 笑)
それとも、快感に変えちゃうのは『調教』にならないのかな。
だとしたら、あの変化や結果はどう映るんだろう。
と、する側の人の感想がめずらしく気になるエントリーでした^^
危険だからお尻。
そういっていたのに、打つ場所をどんどん広げている。
恐ろしくも、うっとりしてしまうわたしはちょっと危険。
ちょっとふたりして、わたしの『マゾ』の部分に魅了されている感じは否めない、このところです。
カテゴリ『足跡』の鞭2を作ろうかな^^
「等式」感想です。鞭など、道具をパワーアップすることも考えましたが、普段使い馴れた鞭の使用は尻以外の場所を打つのも、力加減が容易であるから安全との自己結論しました。(笑)
「等式」感想です。安全を考え尻しか打たなかった。尻に対してはMaxで打てるようになった、そして満足出来なくなった。Maxで打てない場所に打ちたくなった。今、様子を見ながら他の部位も打っている。加減が必要だが楽しい。
『繰り返し』の感想。
那智さんらしいなって思う。
普通、SMから連想する鞭打ちは『思い切り打つ』だよね。
どんなに泣き叫んでも容赦なく打つ。
ご主人様に思い切り打っていただきたい。
そんなイメージ。
でも、那智さんは様子を見ながら、加減が必要なことも楽しいと書いている。
ああ、でも、『調教』自体を楽しいと思うご主人様は、加減も楽しいと思うのかな。
わからないけど、とにかく、自分がコントロールしている状態が好きなのだろう。
那智さんは鞭(に限らずだけど)、ヒュンと空気を裂く音が好きなんですって。
それと本来ならマイナスなことだけど、那智さんの手によってそれをよろこべるように変えていくことが好き。
那智さんがしてくれるから頑張れるとかよろこびに変わるとはすこし違うと思うんだ。
那智さんの手によって、そのこと自体もよろこびになる(ニュアンスむずかしい)
おそらく、それが支配欲を満たすのだ。
那智さんの支配欲は肯定さえていると感じたいにとても近い。
支配したいと思う人は『肯定されたい』気持ちが強い人なのかもしれないね。
あれ?
何が書きたいんだっけ?(笑)
ああいう、鞭のエントリーや那智さんの感想を読んで、そんな支配したい側の男性はどう思うんだろうなって『繰り返し』をアップした後、めずらしく男性の感想が聞いてみたくなったんだ。
まあ、あれだけ読んだら、痛いことをよろこぶ変態女ってことになりそうだけど、もし過去のものを読んでくれていたら、最初は無理だったところからはじまっているから、その変化を『調教』と思うのかな。
那智さんのことを「立派に調教していますね」なんて思ってくれるかな(ちょっと言われてみたい 笑)
それとも、快感に変えちゃうのは『調教』にならないのかな。
だとしたら、あの変化や結果はどう映るんだろう。
と、する側の人の感想がめずらしく気になるエントリーでした^^
危険だからお尻。
そういっていたのに、打つ場所をどんどん広げている。
恐ろしくも、うっとりしてしまうわたしはちょっと危険。
ちょっとふたりして、わたしの『マゾ』の部分に魅了されている感じは否めない、このところです。
カテゴリ『足跡』の鞭2を作ろうかな^^
「等式」感想です。鞭など、道具をパワーアップすることも考えましたが、普段使い馴れた鞭の使用は尻以外の場所を打つのも、力加減が容易であるから安全との自己結論しました。(笑)
不自由の幸福1
非日常的な日常
前日の映画と会話のおかげで、欲情と那智さんを求める気持ちがとてもとても溢れていた。
ソファで向かい合い。
ちょっと遊んであげるね
そういってビンタ。
左右2発ずつ。
じーんとする痛みと恐怖は快感を引き寄せようとするけれど、わたしは、その後首を振ってお願いをした。
怖くしないでください
前日の映画の余韻で楽しもうと、きっとこのビンタを皮切りに『それっぽく』しようと思っているのがわかるから、それをやめてもらったのだ。
那智さんとのSM行為は、ずっとずっと『可愛がる』だった。
わたしはこの自然な空気が大好きだし、もともと恐がりのわたしが恐い雰囲気に対して自然でいられる自信がなかった。
そういうとき、頭であれこれ考えてしまうのがイヤだったのだ。
那智さんと自然にSMをして自然に反応したい。
そう?遊んであげようと思ったのに?(笑)
どうしてもやりたいときはやる那智さんだけど、那智さん自身が『遊んであげる』気持ちだったから、それならやめようと思ってくれた。
まだ恐い雰囲気遊びに切り替える前だったから、ビンタからほとんど変わらぬ雰囲気のままわたしを下着姿にして麻縄を取り出す。
ああ、やっぱり縛ってくれるんだ。
昨日の今日で気恥ずかしい気持ちはあるけれど、それよりもうれしいほうが大きい。
赤い下着姿のわたしにするすると縄が施される。
乳房を絞り出し、足の間に食い込ませ。
縄酔いなんて言葉があるけど、いまの段階のわたしは縛られるだけでは陶酔しない。
粛々と受け入れる。
なんていう縛り方かわからないけど、胴体が縛られた。
そんなに頻繁にしないけど、縛るときはいつもここまでのことが多い。
昨日、『縛って動けない』ことへの憧れを書いたから、もしここまでになったら残念な気持ちになるだろうなと思いながら、那智さんの次の行動を目で追う。
残りの縄と腕を背中に回し、後ろで拘束してくれた。
ああ、手が不自由だ。
じんわりと目に涙が滲む。
わたしは、いわゆる『緊縛』というイメージのものより『拘束』を欲していたんだな。
動けなくなる恐怖、絶望、そんなものを愛しい人が施してくれることで甘美なものになり、それは『あなたのもの』だと思わせてくれることに変わる。
そんな『拘束感』をわたしは求めていたのだ。
床に座るよ
抱きかかえるようにして床に座らせてくれた。
足を出して
心もとなげに足を伸ばす。
自分がいたいけな存在に思えてくる。
リードが足首に巻かれた。
ああ、うれしい、うれしい!!
足も拘束された!!
こんなに那智さんに不自由にされることがうれしくて、こんなに求めていたのだと競り上がる涙を感じながら思う。
首輪もされ、足首のリードの先を取り付ける。
わあ、首を足首まで繋げられちゃった!!
幼い頃から、何度となく思い描いた姿にいま自分がなっている恍惚。
抱きかかえてベッドに座らせてくれた。
隣りに腰かけタバコに火をつける那智さんに
くっついてもいいですか?
と許可を得る。
わずかに離れた位置から不自由な体をじりじりとずらして那智さんの肩に顔をくっつける。
不自由がうれしい。
那智さんのものであることがしあわせ。
でも、もっと那智さんのものと感じたい。
下に降りてもいいですか?
また許可を得て、ベッドから床に下ろしてもらう。
足下まで、またじりじりと動いて近づく。
那智さんの足に顔をうずめて、なんてしあわせなんだろうと思う。
そのまま転がされ、ベッドに腰かけた那智さんがわたしを踏む。
不自由なわたしは転がるのも起き上がるのも那智さんに手伝ってもらわないとできない。
今度はソファに座った那智さんに、また近づく。
すこし距離があるから、じりじりよちよち、手足を拘束されて体育座りの体勢のままにじり寄る。
大好きなわたしの飼い主のもとへ、一生懸命。
一生懸命であればあるほど、不自由であればあるほど、幸福だ。
やっとの思いで那智さんの足下にくっつき、タバコを吸う那智さんの片手がわたしの頭を撫でる。
拘束されたわたし。
恐怖や絶望が那智さんの手によって甘美な拘束に変わる。
ああ、いまわたし夢が叶っているなとしみじみと思う。
わたしにとって夢を叶えるということは『那智さんに叶えてもらう』ことなのだ。
動けなくされたことは那智さん以前の人でもある。
でも、それが一瞬の恍惚で終わってしまったのは『この人』ではなかったからだ。
わたしの場合は『那智さん』。
那智さんに叶えてもらってはじめて夢が叶うのだ。
那智さんとお付き合いして夢が叶っていると感じる瞬間は何度かあったけど、人の夢が叶うときって『静か』なんだ。
じわーっと波紋が広がるように思い描いていたものに輪郭が生まれ色が乗せられ、自分の姿と重なる。
その波紋はとても静かなのだ。
同じように静かに涙が溢れる。
那智さん、わたし、いま夢が叶っています;;
那智さんにもそういう瞬間ありますか?
涙を拭いやさしくキスをしてくれる那智さんにも、いまのわたしのような瞬間があるといいのになって、ちょっと的外れなことを思いながら、しあわせに浸っていた。
モンスターが安心して目を閉じ、ぱたんと尻尾を動かしていた。
「等式」感想です。私が好きな映画を見せて、興奮させ、自分もその感覚に乗る。もしくは、私にとってもある意味、夢のかなった瞬間なのかもしれない。
前日の映画と会話のおかげで、欲情と那智さんを求める気持ちがとてもとても溢れていた。
ソファで向かい合い。
ちょっと遊んであげるね
そういってビンタ。
左右2発ずつ。
じーんとする痛みと恐怖は快感を引き寄せようとするけれど、わたしは、その後首を振ってお願いをした。
怖くしないでください
前日の映画の余韻で楽しもうと、きっとこのビンタを皮切りに『それっぽく』しようと思っているのがわかるから、それをやめてもらったのだ。
那智さんとのSM行為は、ずっとずっと『可愛がる』だった。
わたしはこの自然な空気が大好きだし、もともと恐がりのわたしが恐い雰囲気に対して自然でいられる自信がなかった。
そういうとき、頭であれこれ考えてしまうのがイヤだったのだ。
那智さんと自然にSMをして自然に反応したい。
そう?遊んであげようと思ったのに?(笑)
どうしてもやりたいときはやる那智さんだけど、那智さん自身が『遊んであげる』気持ちだったから、それならやめようと思ってくれた。
まだ恐い雰囲気遊びに切り替える前だったから、ビンタからほとんど変わらぬ雰囲気のままわたしを下着姿にして麻縄を取り出す。
ああ、やっぱり縛ってくれるんだ。
昨日の今日で気恥ずかしい気持ちはあるけれど、それよりもうれしいほうが大きい。
赤い下着姿のわたしにするすると縄が施される。
乳房を絞り出し、足の間に食い込ませ。
縄酔いなんて言葉があるけど、いまの段階のわたしは縛られるだけでは陶酔しない。
粛々と受け入れる。
なんていう縛り方かわからないけど、胴体が縛られた。
そんなに頻繁にしないけど、縛るときはいつもここまでのことが多い。
昨日、『縛って動けない』ことへの憧れを書いたから、もしここまでになったら残念な気持ちになるだろうなと思いながら、那智さんの次の行動を目で追う。
残りの縄と腕を背中に回し、後ろで拘束してくれた。
ああ、手が不自由だ。
じんわりと目に涙が滲む。
わたしは、いわゆる『緊縛』というイメージのものより『拘束』を欲していたんだな。
動けなくなる恐怖、絶望、そんなものを愛しい人が施してくれることで甘美なものになり、それは『あなたのもの』だと思わせてくれることに変わる。
そんな『拘束感』をわたしは求めていたのだ。
床に座るよ
抱きかかえるようにして床に座らせてくれた。
足を出して
心もとなげに足を伸ばす。
自分がいたいけな存在に思えてくる。
リードが足首に巻かれた。
ああ、うれしい、うれしい!!
足も拘束された!!
こんなに那智さんに不自由にされることがうれしくて、こんなに求めていたのだと競り上がる涙を感じながら思う。
首輪もされ、足首のリードの先を取り付ける。
わあ、首を足首まで繋げられちゃった!!
幼い頃から、何度となく思い描いた姿にいま自分がなっている恍惚。
抱きかかえてベッドに座らせてくれた。
隣りに腰かけタバコに火をつける那智さんに
くっついてもいいですか?
と許可を得る。
わずかに離れた位置から不自由な体をじりじりとずらして那智さんの肩に顔をくっつける。
不自由がうれしい。
那智さんのものであることがしあわせ。
でも、もっと那智さんのものと感じたい。
下に降りてもいいですか?
また許可を得て、ベッドから床に下ろしてもらう。
足下まで、またじりじりと動いて近づく。
那智さんの足に顔をうずめて、なんてしあわせなんだろうと思う。
そのまま転がされ、ベッドに腰かけた那智さんがわたしを踏む。
不自由なわたしは転がるのも起き上がるのも那智さんに手伝ってもらわないとできない。
今度はソファに座った那智さんに、また近づく。
すこし距離があるから、じりじりよちよち、手足を拘束されて体育座りの体勢のままにじり寄る。
大好きなわたしの飼い主のもとへ、一生懸命。
一生懸命であればあるほど、不自由であればあるほど、幸福だ。
やっとの思いで那智さんの足下にくっつき、タバコを吸う那智さんの片手がわたしの頭を撫でる。
拘束されたわたし。
恐怖や絶望が那智さんの手によって甘美な拘束に変わる。
ああ、いまわたし夢が叶っているなとしみじみと思う。
わたしにとって夢を叶えるということは『那智さんに叶えてもらう』ことなのだ。
動けなくされたことは那智さん以前の人でもある。
でも、それが一瞬の恍惚で終わってしまったのは『この人』ではなかったからだ。
わたしの場合は『那智さん』。
那智さんに叶えてもらってはじめて夢が叶うのだ。
那智さんとお付き合いして夢が叶っていると感じる瞬間は何度かあったけど、人の夢が叶うときって『静か』なんだ。
じわーっと波紋が広がるように思い描いていたものに輪郭が生まれ色が乗せられ、自分の姿と重なる。
その波紋はとても静かなのだ。
同じように静かに涙が溢れる。
那智さん、わたし、いま夢が叶っています;;
那智さんにもそういう瞬間ありますか?
涙を拭いやさしくキスをしてくれる那智さんにも、いまのわたしのような瞬間があるといいのになって、ちょっと的外れなことを思いながら、しあわせに浸っていた。
モンスターが安心して目を閉じ、ぱたんと尻尾を動かしていた。
「等式」感想です。私が好きな映画を見せて、興奮させ、自分もその感覚に乗る。もしくは、私にとってもある意味、夢のかなった瞬間なのかもしれない。
不自由の幸福2
非日常的な日常
まだ涙が溢れているなか、今度は那智さんが鞭を手にした。
ああ、この状態で鞭…。
拘束された状態であの強烈な鞭を受け止めることは恐怖以外のなにものでもない。
痛みが快感になるには【恐怖は邪魔】だって、以前から言っているのに!!
手を後ろで縛られて足もひとつにまとめられた体でどうやって地団駄を踏めばいいのだ、どうやって痛みをやり過ごせばいいのだ、痛みに耐えるために半身を起こし体勢を整える両腕がいまのわたしにはない。
その恐怖と絶望に震える。
イヤイヤと首を振っている記憶があるけど、すこし曖昧。
さらに涙が溢れたことは覚えている。
恐怖と絶望の涙。
ううん、それだけじゃない、わたしはよろこんでいる。
逃れられないよろこびが涙の量を増やしているのだ。
たぶん、ほとんど無抵抗に抱きかかえられるままにベッドに上半身を預ける。
足はベッドの下だ。
こんなふうにお尻の皮膚がピンと張っているとより一層痛くなるんだ。
だから、いつもは全身をベッドに横たえてお尻にお肉を寄せるの^^;
だから、この体勢は痛い。
その痛いことがわかっていることと拘束されて鞭の恐怖のせいで、いつもより痛さが強く感じさせてしまったのだろう。
一発目がとんでもなく痛くて、パニックになりそうなほどだった。
痛いです、痛いです!!
パンツ履いているからいつもより痛くないはずだよ?
ちょっと気にしてくれるけど、そこから先もほとんど容赦ない。
耐えられるだろうか、最初の数発、不安がよぎる。
2発、3発。
痛い痛いと限られた動きしかできない体で訴える。
右から左に移動する那智さんを恐怖とともに辛うじて自由な首を動かし目で追う。
髪がかかって視界が悪い、でも、それさえどうすることもできない不自由。
目で負いきれなくて、恐くて、また涙が溢れる。
お尻から太もも、背中、と打つ場所が変わる。
太ももは痺れるように、背中は刺さるように、分散されたそれらをひとまとめにしたような力で最後お尻。
なんとか体勢を整えようとするけど、どんどん意識が混濁してくる。
那智さんの手がお尻に触れる、乳首に触れる。
おかしくなりそうなほどの快感が全身を走る。
ああ、もう、ダメ、痛いのに痛いのに、わたしはよろこんで泣いている。
何度も何度も打つ。
体中のいろいろなところを。
意識が遠のき、どんどん海の底に沈んでいく。
お尻への強打が連発。
ぐわーーーっと覚醒させられる。
あまりの痛さにベッドから滑り落ちる。
わんわん、泣いている。
床にぺたりと座り泣いているわたしにさらに鞭を振るう。
背中で組んだ腕、背中を打った一本が金魚がパクパクしているように漂う指に当たる。
皮膚が裂けそうな痛みに、パニックの中、必死に『グー』にして自衛する。
肩、胸、脇腹、ふくらはぎ、すこししか自分ではずらせない体で懸命に鞭を受ける。
パニックと痛みと恐怖と那智さんがわたしを夢中にさせて知らない世界へ連れて行く。
もういったいどれくらいの時間こうしているのかわからない。
股縄を握り、ぐーーーっと引き上げる。
おまんこに縄が食い込み、また違う痛さ。
ああ、でも、この痛いことが気持ちいい、手を離されじわっと緩和するときも気持ちいい。
何度もして、って思う。
記憶が曖昧で覚えていないことが多いと思う。
いま書いてあることがくり返しくり返し続けられたはずで、痛みと恐怖と混乱と、それを施す那智さんに酔っている時間だった。
たぶん、最後のほうはあまり痛がることもなかったような気がする。
全身を使って思い切り鞭を振り下ろす那智さんが視界に映っているだけだった。
肩が痛くなったことですこし正気が戻り、それをきっかけに鞭が終わった。
起き上がり向かい合った状態で背中に腕を回して解いてくれる那智さんにキスをせがみ、胸を舐め、お口をさせてくださいとお願いする。
こんなことできるのは、まだ朦朧としている証拠だ。
両手が自由になって、なんだか、残念で不自然な感覚でソファに移動して那智さんの足下に座りフェラチオをする。
ああ、両手が不自由なときにしたかったなとかちょっと思う。
那智さんが頭を抱え上下に動かす。
ぐわぐわぐわと頭を押し込み喉を突く。
ダメです、おえってなります。
床、タイルだ。
お昼ご飯を食べて、消化がどれくらい進んでいるだろう。
これくらいのことは考えられるくらいになってきた。
ぶわっ!!と嘔吐く。
同時に腰が揺れた(らしい)
このパニックにも感じるわたしがいる。
いまだにイラマチオが苦手だ。
戻すことにものすごい抵抗感があるからだ。
でも、きっとわたしが苦手なのは那智さんがその気になっていないからなのだろう。
那智さんがその気になれば、それはいつしか、わたしの『する』ことに決まり、苦手という感情を排除してくれるはずだろう。
りん子、腰が動いていたね
今度はもっとしてあげるね
俺、最近、マゾのりん子が可愛くなってるんだ
那智さんが、すこしその気になったみたいだった。
立ち上がり縄を解かれる。
嘔吐いたせいもあるのか、またすこし朦朧としていて、縄を解かれながらゆらゆらと快感に浸っていた。
縄酔いじゃなくて、縄解き酔いだ(笑)
解かれて下着を取ってもらいながら、ああ、あの赤い下着と縄で溢れた歪な乳房を写真に残しておきたかったなとちょっと悔しい気持ちになる。
ブログに載せたら人気出るかも、とか、思っていた(笑)
次はクンニ。
やっとじかに触ってもらって、やっぱりとてもうれしい。
そこからたくさんたくさん指で可愛がってもらう。
おまんことクリトリスを同時に責め、鞭の恍惚とはまた違う快感が押し寄せる。
イッてもいいですか?
と聞くけど、ダメの答え。
何度もお願いする。
那智さんの許可を得ることが苦しくもしあわせ。
那智さんはこのときのわたしの我慢する表情がお好みなのだ。
それがわかっているから、しあわせ。
あなたの好みの表情をお見せできるのなら、何度も我慢したいと思うのだ。
鞭であの世界にいざない、指やおちんぽ様で突きながら、わたしを翻弄させる。
こういうときの那智さんの表情は本当に魅力的だ。
楽しそうに口角を上げ、それでいて慈しむような眼差しを注ぐ。
那智さんから注がれる愛情を一滴たりともこぼすまいと思うわたしと同じように、那智さんも自分のすることで恍惚の世界を漂い落下しのぼりつめるわたしを一瞬たりとも見逃すまいと思っているようだ。
幼い頃から思い描いていたわたしの夢は『那智さんに叶えてもらう』ことではじめて叶っている。
那智さんはもしかしたら、ひとりの女を自分がコントロールしているという支配感が夢を叶えていることになっているのではないかと、その目を見ながら思うのだ。
<関連エントリー>
痛みに恐怖は邪魔!!
『徒然に『縛る』』
「等式」感想です。支配したい気持ちは、相手から肯定され、許容され、「懇願」されないと支配にはならない。支配する側の気持ちなんて表現するのは簡単だが指示や命令で支配は出来ない。
まだ涙が溢れているなか、今度は那智さんが鞭を手にした。
ああ、この状態で鞭…。
拘束された状態であの強烈な鞭を受け止めることは恐怖以外のなにものでもない。
痛みが快感になるには【恐怖は邪魔】だって、以前から言っているのに!!
手を後ろで縛られて足もひとつにまとめられた体でどうやって地団駄を踏めばいいのだ、どうやって痛みをやり過ごせばいいのだ、痛みに耐えるために半身を起こし体勢を整える両腕がいまのわたしにはない。
その恐怖と絶望に震える。
イヤイヤと首を振っている記憶があるけど、すこし曖昧。
さらに涙が溢れたことは覚えている。
恐怖と絶望の涙。
ううん、それだけじゃない、わたしはよろこんでいる。
逃れられないよろこびが涙の量を増やしているのだ。
たぶん、ほとんど無抵抗に抱きかかえられるままにベッドに上半身を預ける。
足はベッドの下だ。
こんなふうにお尻の皮膚がピンと張っているとより一層痛くなるんだ。
だから、いつもは全身をベッドに横たえてお尻にお肉を寄せるの^^;
だから、この体勢は痛い。
その痛いことがわかっていることと拘束されて鞭の恐怖のせいで、いつもより痛さが強く感じさせてしまったのだろう。
一発目がとんでもなく痛くて、パニックになりそうなほどだった。
痛いです、痛いです!!
パンツ履いているからいつもより痛くないはずだよ?
ちょっと気にしてくれるけど、そこから先もほとんど容赦ない。
耐えられるだろうか、最初の数発、不安がよぎる。
2発、3発。
痛い痛いと限られた動きしかできない体で訴える。
右から左に移動する那智さんを恐怖とともに辛うじて自由な首を動かし目で追う。
髪がかかって視界が悪い、でも、それさえどうすることもできない不自由。
目で負いきれなくて、恐くて、また涙が溢れる。
お尻から太もも、背中、と打つ場所が変わる。
太ももは痺れるように、背中は刺さるように、分散されたそれらをひとまとめにしたような力で最後お尻。
なんとか体勢を整えようとするけど、どんどん意識が混濁してくる。
那智さんの手がお尻に触れる、乳首に触れる。
おかしくなりそうなほどの快感が全身を走る。
ああ、もう、ダメ、痛いのに痛いのに、わたしはよろこんで泣いている。
何度も何度も打つ。
体中のいろいろなところを。
意識が遠のき、どんどん海の底に沈んでいく。
お尻への強打が連発。
ぐわーーーっと覚醒させられる。
あまりの痛さにベッドから滑り落ちる。
わんわん、泣いている。
床にぺたりと座り泣いているわたしにさらに鞭を振るう。
背中で組んだ腕、背中を打った一本が金魚がパクパクしているように漂う指に当たる。
皮膚が裂けそうな痛みに、パニックの中、必死に『グー』にして自衛する。
肩、胸、脇腹、ふくらはぎ、すこししか自分ではずらせない体で懸命に鞭を受ける。
パニックと痛みと恐怖と那智さんがわたしを夢中にさせて知らない世界へ連れて行く。
もういったいどれくらいの時間こうしているのかわからない。
股縄を握り、ぐーーーっと引き上げる。
おまんこに縄が食い込み、また違う痛さ。
ああ、でも、この痛いことが気持ちいい、手を離されじわっと緩和するときも気持ちいい。
何度もして、って思う。
記憶が曖昧で覚えていないことが多いと思う。
いま書いてあることがくり返しくり返し続けられたはずで、痛みと恐怖と混乱と、それを施す那智さんに酔っている時間だった。
たぶん、最後のほうはあまり痛がることもなかったような気がする。
全身を使って思い切り鞭を振り下ろす那智さんが視界に映っているだけだった。
肩が痛くなったことですこし正気が戻り、それをきっかけに鞭が終わった。
起き上がり向かい合った状態で背中に腕を回して解いてくれる那智さんにキスをせがみ、胸を舐め、お口をさせてくださいとお願いする。
こんなことできるのは、まだ朦朧としている証拠だ。
両手が自由になって、なんだか、残念で不自然な感覚でソファに移動して那智さんの足下に座りフェラチオをする。
ああ、両手が不自由なときにしたかったなとかちょっと思う。
那智さんが頭を抱え上下に動かす。
ぐわぐわぐわと頭を押し込み喉を突く。
ダメです、おえってなります。
床、タイルだ。
お昼ご飯を食べて、消化がどれくらい進んでいるだろう。
これくらいのことは考えられるくらいになってきた。
ぶわっ!!と嘔吐く。
同時に腰が揺れた(らしい)
このパニックにも感じるわたしがいる。
いまだにイラマチオが苦手だ。
戻すことにものすごい抵抗感があるからだ。
でも、きっとわたしが苦手なのは那智さんがその気になっていないからなのだろう。
那智さんがその気になれば、それはいつしか、わたしの『する』ことに決まり、苦手という感情を排除してくれるはずだろう。
りん子、腰が動いていたね
今度はもっとしてあげるね
俺、最近、マゾのりん子が可愛くなってるんだ
那智さんが、すこしその気になったみたいだった。
立ち上がり縄を解かれる。
嘔吐いたせいもあるのか、またすこし朦朧としていて、縄を解かれながらゆらゆらと快感に浸っていた。
縄酔いじゃなくて、縄解き酔いだ(笑)
解かれて下着を取ってもらいながら、ああ、あの赤い下着と縄で溢れた歪な乳房を写真に残しておきたかったなとちょっと悔しい気持ちになる。
ブログに載せたら人気出るかも、とか、思っていた(笑)
次はクンニ。
やっとじかに触ってもらって、やっぱりとてもうれしい。
そこからたくさんたくさん指で可愛がってもらう。
おまんことクリトリスを同時に責め、鞭の恍惚とはまた違う快感が押し寄せる。
イッてもいいですか?
と聞くけど、ダメの答え。
何度もお願いする。
那智さんの許可を得ることが苦しくもしあわせ。
那智さんはこのときのわたしの我慢する表情がお好みなのだ。
それがわかっているから、しあわせ。
あなたの好みの表情をお見せできるのなら、何度も我慢したいと思うのだ。
鞭であの世界にいざない、指やおちんぽ様で突きながら、わたしを翻弄させる。
こういうときの那智さんの表情は本当に魅力的だ。
楽しそうに口角を上げ、それでいて慈しむような眼差しを注ぐ。
那智さんから注がれる愛情を一滴たりともこぼすまいと思うわたしと同じように、那智さんも自分のすることで恍惚の世界を漂い落下しのぼりつめるわたしを一瞬たりとも見逃すまいと思っているようだ。
幼い頃から思い描いていたわたしの夢は『那智さんに叶えてもらう』ことではじめて叶っている。
那智さんはもしかしたら、ひとりの女を自分がコントロールしているという支配感が夢を叶えていることになっているのではないかと、その目を見ながら思うのだ。
<関連エントリー>
痛みに恐怖は邪魔!!
『徒然に『縛る』』
「等式」感想です。支配したい気持ちは、相手から肯定され、許容され、「懇願」されないと支配にはならない。支配する側の気持ちなんて表現するのは簡単だが指示や命令で支配は出来ない。