コートの下1
非日常的な日常
「今日はコートの下は下着だけ。○○駅のトイレで用意してくるように。」
そう指示を出されて、着ていく服を変更する。
脱ぎ着の楽なニットのワンピ。
那智さんのお仕事場にコートに全裸で行ってから、それほど間の空いてないデートの日だった。
好きなことは確実にエスカレートしていく。
那智さんの好きなこと、そして、わたしの反応のよいもの。
「今日は、いつもの坂の下からコートを脱ごうね。」
どんどんエスカレートしていくのだ。
那智さん、どこまで本気なのだろう。
ううん、本気なんだ。
長い付き合いで那智さんのことはだいぶわかってるつもり。
那智さんはまず「すごいこと」を口にする。
「そんなの無理です!!」とか「○○はどうするんですか!?」とか、わたしの反応で拍車がかかると同時にわたしの頭の中でシミュレーションが膨らむ、そして、それで感じてしまう。
そして、ある日「それ」をすると予告されるのだ(もしくは、いきなり!!)。
当日。
いくらシミュレーションの段階で感じていたとしても、実際は怖いこと。
いつするの?どれくらいするの?と怖くてビクビクして待っていると、条件が合わずにその一歩手前までしかできなかったり、わざとしなかったりして、最初に口にした「すごいこと」より「すごくないこと」でおしまいにするの。
「次にとっておこうね。」そう言って手前で終わる。
ホッとする反面、一瞬の寂しさやがっかりした心が片隅にあるのに気付いて、自分自身驚きながらも、それを期待してしまっていたことを認めざるを得ないのだ。
気が付けば、怖い怖いと思いながら、それを待ってしまっている。
そして、次、その次、と確実にエスカレートして、いつの間にか最初に言った「すごいこと」をする。
だから、那智さんが口にしたことは、いつか必ずするということはわかってるの。
(そうそう、別のやり方で「いきなりすごいことして、しばらくしない」っていうのもあります。それはそれで、それを恋しく思ってしまう自分に驚き、結局欲してしまうという情けないやつです。)
特に計画を立てて積み上げているつもりはないのでしょうけど、思いつきで楽しむ那智さんの行動は立派にわたしを「変えている」のだ。
露出(お外)は、那智さんの好きなこと。
それも、わんこ(わんこいっぱいだからどれリンクしよう^^;)だったり市中引き回しだったり、ちょっと変わったことが好き。
それで、最近の流行が「コートの下は…」なのだ。(あ、コートの下は正統派な露出かな?これの実行はわたしのワードローブによるところが大きい)
ずーっと前から、「裸(下着)で○○」というのは言われていた。(交差点とかホテル街の坂とかコンビニとか)
その話が出るたびに、数ヶ月後か5年後か、いつかするのだろうと他人事のような感じで思ってた。
でも、いろんな露出をして、徐々に核心に近付いてると感じている。
そんな状況で前回の「コートで全裸でお仕事場訪問」になったので、また一歩進んだと恐怖とともに認めるしかない。
今度は、「何かしら」必ずする。
この日の指示を受けたとき、そう思って、覚悟なのか回避方法なのか喜びなのか、それぞれの思いが交錯して複雑な気持ちで支度をした。
「今日はコートの下は下着だけ。○○駅のトイレで用意してくるように。」
そう指示を出されて、着ていく服を変更する。
脱ぎ着の楽なニットのワンピ。
那智さんのお仕事場にコートに全裸で行ってから、それほど間の空いてないデートの日だった。
好きなことは確実にエスカレートしていく。
那智さんの好きなこと、そして、わたしの反応のよいもの。
「今日は、いつもの坂の下からコートを脱ごうね。」
どんどんエスカレートしていくのだ。
那智さん、どこまで本気なのだろう。
ううん、本気なんだ。
長い付き合いで那智さんのことはだいぶわかってるつもり。
那智さんはまず「すごいこと」を口にする。
「そんなの無理です!!」とか「○○はどうするんですか!?」とか、わたしの反応で拍車がかかると同時にわたしの頭の中でシミュレーションが膨らむ、そして、それで感じてしまう。
そして、ある日「それ」をすると予告されるのだ(もしくは、いきなり!!)。
当日。
いくらシミュレーションの段階で感じていたとしても、実際は怖いこと。
いつするの?どれくらいするの?と怖くてビクビクして待っていると、条件が合わずにその一歩手前までしかできなかったり、わざとしなかったりして、最初に口にした「すごいこと」より「すごくないこと」でおしまいにするの。
「次にとっておこうね。」そう言って手前で終わる。
ホッとする反面、一瞬の寂しさやがっかりした心が片隅にあるのに気付いて、自分自身驚きながらも、それを期待してしまっていたことを認めざるを得ないのだ。
気が付けば、怖い怖いと思いながら、それを待ってしまっている。
そして、次、その次、と確実にエスカレートして、いつの間にか最初に言った「すごいこと」をする。
だから、那智さんが口にしたことは、いつか必ずするということはわかってるの。
(そうそう、別のやり方で「いきなりすごいことして、しばらくしない」っていうのもあります。それはそれで、それを恋しく思ってしまう自分に驚き、結局欲してしまうという情けないやつです。)
特に計画を立てて積み上げているつもりはないのでしょうけど、思いつきで楽しむ那智さんの行動は立派にわたしを「変えている」のだ。
露出(お外)は、那智さんの好きなこと。
それも、わんこ(わんこいっぱいだからどれリンクしよう^^;)だったり市中引き回しだったり、ちょっと変わったことが好き。
それで、最近の流行が「コートの下は…」なのだ。(あ、コートの下は正統派な露出かな?これの実行はわたしのワードローブによるところが大きい)
ずーっと前から、「裸(下着)で○○」というのは言われていた。(交差点とかホテル街の坂とかコンビニとか)
その話が出るたびに、数ヶ月後か5年後か、いつかするのだろうと他人事のような感じで思ってた。
でも、いろんな露出をして、徐々に核心に近付いてると感じている。
そんな状況で前回の「コートで全裸でお仕事場訪問」になったので、また一歩進んだと恐怖とともに認めるしかない。
今度は、「何かしら」必ずする。
この日の指示を受けたとき、そう思って、覚悟なのか回避方法なのか喜びなのか、それぞれの思いが交錯して複雑な気持ちで支度をした。
コートの下2
非日常的な日常
駅のトイレで支度をして、急いで待ち合わせ場所に向かわなきゃ。
階段を登るのが怖い。
後ろから見えないだろうか。
見えないとしても、不自然ではないかしら。
朝のラッシュの名残りでまだ人の波ができている階段を上がる。
人がいっぱいだけど、そのほうがむしろ安心。
だって、足下見えないもんね。
気持ち摺り足で急いで改札を抜ける。
ああ、早く、早く、那智さんに会いたい。
こういう不安なときは、いつもよりずっと那智さんに会いたい(笑)
顔を見て、ちょっと安心して、一緒に歩きはじめる。
安心したら、興奮が溢れてしまって、どれだけヒヤヒヤしながら来たか、キーキーなりながら訴える。
那智さんがチラッとコートの裾に視線を落として、後ろの裾をペラッとめくった。
ええええ!?
那智さん!!
いま、めくりましたね、めくりましたね。
め、く、り、ま、し、た、ね!!!!
那智さん、いま、わたし、確実にパンツ見せましたよ!!!!
心の中は七転八倒。
声を上げたいけど、そうすると余計に変だからグッと堪える。
「那智さん、後ろ、人いましたか…!?」
「さあ〜、振り返ったら、目立つでしょ?(笑)」
もうヒーヒーしてるわたし。
那智さんは、平然としてるけど、こういうの楽しいんだろうなぁ(泣)
すでにちょっとヘトヘトでマ○○の3階へ。
けっこう人がたくさんいる。
これだけの人が最初からいると、那智さんルールでなにもしないだろう。(元々誰かがいたらしない 例外ありですけど)
コートのボタンをしっかり上まで締めて腰掛ける。
寒がり風なわたし^^;
あんまり人が多いからか、このマ○○ではまったくそういう空気はなく、話題も普通のものだった。
回避することを考えたら、敢えて話題に出さないほうがいいかもしれない。
それに、これは感触なんだけど、那智さんの「やる」というテンションが感じられないのだ。
これも長年の付き合いから感じる勘のようなもの。
那智さんは、やると決めたら有無を言わさずやる。
その時の空気ってあるんだ。
で、その「絶対やる」っていうのは、実はそんなに頻繁になくって、普段は割と気分で変わるの。
むしろ、それまでのわたしの「キーキー」を楽しんだり、その様子で那智さん自身の気分が変わったりするのを楽しんでる感じ。(でも、やると言ったことは、いつか必ずやるのだけど 泣)
だから、わたしは、たまにしかない「絶対やる」テンションを嗅ぎ分けることができるようになったみたい。
この時の那智さんからはそれが感じられなかったのね。
だから、わたしが、大人しくしていれば発展しないと思ったのだ。
他愛もない会話を楽しんで「じゃ、出ようか」と席を立った。
この後どうするという話は一切出なかった。
フロアの出入り口にあるダストボックスにゴミを捨てる。
わたしはそれを那智さんに任せて、ダストボックスより階段よりの階段の降り口あたりで待ってる。
那智さんとの距離は4、50m。
でも、壁があるから、フロアからは那智さんの後ろ姿は見えてもわたしの姿は見えない。
トレーからゴミを捨てながら、こちらを見て。
「めくって。」
そんな空気なかったから、驚く。
ああ、でも、わたし、待ってたかもしれない。
誰も上がってきませんように。
誰も、フロアを出ませんように。
祈るような気持ちで、恐る恐るコートの裾をめくる。
太腿、下着があらわになっているはずだ。
このとき、いままでの露出では感じなかった快感がわたしにやってきた。
ほんの3秒間。
でも、違う快感だとはっきりとわかった。
自分でする。
それが、こんなにもいままでと違う快感をくれるものなの?
いままで、那智さんの意志で那智さんの手で、わたしを晒してきた。
指示があったから、これだって那智さんがしているといえないこともない。
ううん、「自分で」というのは何回かあったかもしれない。
でも、この違う気持ち良さはなんだろう。
自分の手でコートの裾を広げ下着を晒す。
ゾクゾクする。
ナルシズムを刺激するような快感。(語彙が少ないよぉ、この感覚ナルシズムであってるのかな〜泣)
那智さんの指示という従属感。
露出願望。
そして、自己愛。
そう、わたし、自分に「愛される価値がない」と思っていたくせに、「自己愛」なんだ。
この矛盾が、わたしを苦しめてるひとつだったの。
「愛される価値がある」と最近はやっと思えるようになってきて、矛盾がひとつ解消されて、残ったそれは快感になったみたいです。
従属感。
願望。
自己愛。
それらがごちゃ混ぜになった海に身を投げるような、落ちていく快感。
わずか3秒間。
思い返すと、こんな感じ。
その3秒間で、知った新しい快感を肌の上でヒリヒリとさせながら、マ○○を出た。
那智さんの気分は「絶対やる」じゃない。
わたしだって下着姿で数十mを歩くことは避けたい。
でも、わたしの中で芽吹いた新しい感覚が「なくていいの〜!?」と、わたしを突く。
こら、おとなしくしてるの!!わたしの中の「変態」さん。
そんなに焦らなくても、那智さんは「必ずやる」。
煽れば、予想以上に酷いことになるんだから。
快感の余韻とか人目とか、コートの下を意識していろんなことでぐるぐるしながら、あの坂に向かう。
駅のトイレで支度をして、急いで待ち合わせ場所に向かわなきゃ。
階段を登るのが怖い。
後ろから見えないだろうか。
見えないとしても、不自然ではないかしら。
朝のラッシュの名残りでまだ人の波ができている階段を上がる。
人がいっぱいだけど、そのほうがむしろ安心。
だって、足下見えないもんね。
気持ち摺り足で急いで改札を抜ける。
ああ、早く、早く、那智さんに会いたい。
こういう不安なときは、いつもよりずっと那智さんに会いたい(笑)
顔を見て、ちょっと安心して、一緒に歩きはじめる。
安心したら、興奮が溢れてしまって、どれだけヒヤヒヤしながら来たか、キーキーなりながら訴える。
那智さんがチラッとコートの裾に視線を落として、後ろの裾をペラッとめくった。
ええええ!?
那智さん!!
いま、めくりましたね、めくりましたね。
め、く、り、ま、し、た、ね!!!!
那智さん、いま、わたし、確実にパンツ見せましたよ!!!!
心の中は七転八倒。
声を上げたいけど、そうすると余計に変だからグッと堪える。
「那智さん、後ろ、人いましたか…!?」
「さあ〜、振り返ったら、目立つでしょ?(笑)」
もうヒーヒーしてるわたし。
那智さんは、平然としてるけど、こういうの楽しいんだろうなぁ(泣)
すでにちょっとヘトヘトでマ○○の3階へ。
けっこう人がたくさんいる。
これだけの人が最初からいると、那智さんルールでなにもしないだろう。(元々誰かがいたらしない 例外ありですけど)
コートのボタンをしっかり上まで締めて腰掛ける。
寒がり風なわたし^^;
あんまり人が多いからか、このマ○○ではまったくそういう空気はなく、話題も普通のものだった。
回避することを考えたら、敢えて話題に出さないほうがいいかもしれない。
それに、これは感触なんだけど、那智さんの「やる」というテンションが感じられないのだ。
これも長年の付き合いから感じる勘のようなもの。
那智さんは、やると決めたら有無を言わさずやる。
その時の空気ってあるんだ。
で、その「絶対やる」っていうのは、実はそんなに頻繁になくって、普段は割と気分で変わるの。
むしろ、それまでのわたしの「キーキー」を楽しんだり、その様子で那智さん自身の気分が変わったりするのを楽しんでる感じ。(でも、やると言ったことは、いつか必ずやるのだけど 泣)
だから、わたしは、たまにしかない「絶対やる」テンションを嗅ぎ分けることができるようになったみたい。
この時の那智さんからはそれが感じられなかったのね。
だから、わたしが、大人しくしていれば発展しないと思ったのだ。
他愛もない会話を楽しんで「じゃ、出ようか」と席を立った。
この後どうするという話は一切出なかった。
フロアの出入り口にあるダストボックスにゴミを捨てる。
わたしはそれを那智さんに任せて、ダストボックスより階段よりの階段の降り口あたりで待ってる。
那智さんとの距離は4、50m。
でも、壁があるから、フロアからは那智さんの後ろ姿は見えてもわたしの姿は見えない。
トレーからゴミを捨てながら、こちらを見て。
「めくって。」
そんな空気なかったから、驚く。
ああ、でも、わたし、待ってたかもしれない。
誰も上がってきませんように。
誰も、フロアを出ませんように。
祈るような気持ちで、恐る恐るコートの裾をめくる。
太腿、下着があらわになっているはずだ。
このとき、いままでの露出では感じなかった快感がわたしにやってきた。
ほんの3秒間。
でも、違う快感だとはっきりとわかった。
自分でする。
それが、こんなにもいままでと違う快感をくれるものなの?
いままで、那智さんの意志で那智さんの手で、わたしを晒してきた。
指示があったから、これだって那智さんがしているといえないこともない。
ううん、「自分で」というのは何回かあったかもしれない。
でも、この違う気持ち良さはなんだろう。
自分の手でコートの裾を広げ下着を晒す。
ゾクゾクする。
ナルシズムを刺激するような快感。(語彙が少ないよぉ、この感覚ナルシズムであってるのかな〜泣)
那智さんの指示という従属感。
露出願望。
そして、自己愛。
そう、わたし、自分に「愛される価値がない」と思っていたくせに、「自己愛」なんだ。
この矛盾が、わたしを苦しめてるひとつだったの。
「愛される価値がある」と最近はやっと思えるようになってきて、矛盾がひとつ解消されて、残ったそれは快感になったみたいです。
従属感。
願望。
自己愛。
それらがごちゃ混ぜになった海に身を投げるような、落ちていく快感。
わずか3秒間。
思い返すと、こんな感じ。
その3秒間で、知った新しい快感を肌の上でヒリヒリとさせながら、マ○○を出た。
那智さんの気分は「絶対やる」じゃない。
わたしだって下着姿で数十mを歩くことは避けたい。
でも、わたしの中で芽吹いた新しい感覚が「なくていいの〜!?」と、わたしを突く。
こら、おとなしくしてるの!!わたしの中の「変態」さん。
そんなに焦らなくても、那智さんは「必ずやる」。
煽れば、予想以上に酷いことになるんだから。
快感の余韻とか人目とか、コートの下を意識していろんなことでぐるぐるしながら、あの坂に向かう。
コートの下3
非日常的な日常
このまま「絶対やる」空気のないままホテルに入ることになるのかしら。
数十m、下着姿で歩くなんて妄想ではありかもしれないけど、実際するというのはやっぱりありえない。
だから、このまま何もない空気でいてほしいと思う。
片隅のわたしの「変態」さんは「何か」を期待しているみたいだけど、大多数のわたしがそれを押しとどめる。
だってね、ここで何かわたしからアクションを起こしたら、寝た子を起こしてしまいそう。
この那智さんの「寝た子」は人から起こされると、必要以上に起きちゃうのだ(笑)
「全裸になる」とか「坂の下で浣腸して下着姿」とか、オプションを付け加えられる可能性があるの。
だから、そーっと、ホテルへ向かう。
ホテル街の坂へ曲がる角の手前、100mくらいかな。
歩きながら、那智さんがコートのボタンを上から外しだした。
ひとつ、ふたつ…。
わわわ、そういう展開ですか!?
抵抗すればするほど酷くなるから、あわあわしながらされるがまま。
マフラーの位置を整えて変に見えないようにする。
やっぱり何もないということは、ないのね。
そうなると、俄然回避へ神経が集中する。
変態さんは影を潜める。
今日の回避方法はこう。
「那智さん、今日は下着になるのやめませんか?そんな凄いこといっぺんにしちゃったら、面白くないでしょ、那智さん。とっておくというのは、いかがですか?」
凶と出るか、吉と出るか。
「それもありだよな〜。」
コートの下を気にしながら、必死に回避方法をプレゼンするわたしは、上のセリフのように冷静じゃないの。
実際は、はあはあ、あわあわな状態。
那智さんは、そのわたしだけで(多分)ある程度満足なはず。
今日は、そんな日なんだ、きっと。
コンビニに寄って飲み物を買ったり。
角を曲がる。
誰もいない。
ホテルまで50m。
何もない?
何かする?
何か、してくれる?
普通のりん子と変態りん子が揺れ動く。
那智さんが、もうひとつボタンを外した。
ベルトも。
あとボタンはひとつ。
マフラーと交差した腕を解けば、無防備だ。
下着が露になるのは、体の揺れや風次第。
那智さんが立ち止まり、わたしの前に立つ。
最後のひとつを外した。
ああ、どうしよう、もうわたしを守ってくれたものがなくなってしまった。
その時、少し先のホテルから若いカップルが出て来た。
いや!!ダメ!!これは危険。
腕で前を死守する。
那智さんがわたしの腕を掴み、すっと下にさげる。
ああ、だめ、自然にしてたら、ヒラヒラとコートが揺れる。
見えちゃう。
カップルさん、ごめんなさい。
歩きながら必死にうつむくしかできない。
コートの摘んで、ちらっと広げる那智さん。
すーっと冷たい空気は肌を撫でる。
いやぁぁぁぁぁ、下着が見えちゃう。
でも、隠すと、もっと酷くなるから、うつむいて我慢。
恥ずかしくて、申し訳なくて、駆け出してしまいたい。
それなのに、いつもいつもわたしの変態さんは、わたしを困らせる。
さっきのマ○○みたいに「めくって」って指示してほしいと、思ってる。
あの時感じた、快感。
ゾクゾクするような快感。
あれをもう一度味わいたい。
悪趣味なのは百も承知で、見せてしまいたい。
「めくって」と指示されて、自らの手ではしたない悪趣味な行為をしてしまいたい。
カップルは通り過ぎ、わたしたちはそのままホテルへ。
羞恥心と変態で揺さぶられ、ぐちゃぐちゃなわたし。
コートを脱ぐことはなく、それはいつかに持ち越されたのだけど、充分にヘロヘロで那智さんは満足したでしょう。
わたし…、この行為だけでぐったり。
でも、わたしは。
「下着姿で歩く」ということをより具体的に想像する材料ができてしまって、またいつの間にかそれに一歩近付いてる。
そして、あの快感。
従属感と露出願望と自己愛を満たす、あれを知ってしまって困ってる。
だって、気持ちよくてたまらないのだもの。
まともなわたしと、変態りん子、振り子のように揺れて気付いたら大きく大きく振れている。
あぁ、いつか、ほんとうにするんでしょうか、那智さん。
喜んでしまいそうで、途方に暮れてしまいます。
このまま「絶対やる」空気のないままホテルに入ることになるのかしら。
数十m、下着姿で歩くなんて妄想ではありかもしれないけど、実際するというのはやっぱりありえない。
だから、このまま何もない空気でいてほしいと思う。
片隅のわたしの「変態」さんは「何か」を期待しているみたいだけど、大多数のわたしがそれを押しとどめる。
だってね、ここで何かわたしからアクションを起こしたら、寝た子を起こしてしまいそう。
この那智さんの「寝た子」は人から起こされると、必要以上に起きちゃうのだ(笑)
「全裸になる」とか「坂の下で浣腸して下着姿」とか、オプションを付け加えられる可能性があるの。
だから、そーっと、ホテルへ向かう。
ホテル街の坂へ曲がる角の手前、100mくらいかな。
歩きながら、那智さんがコートのボタンを上から外しだした。
ひとつ、ふたつ…。
わわわ、そういう展開ですか!?
抵抗すればするほど酷くなるから、あわあわしながらされるがまま。
マフラーの位置を整えて変に見えないようにする。
やっぱり何もないということは、ないのね。
そうなると、俄然回避へ神経が集中する。
変態さんは影を潜める。
今日の回避方法はこう。
「那智さん、今日は下着になるのやめませんか?そんな凄いこといっぺんにしちゃったら、面白くないでしょ、那智さん。とっておくというのは、いかがですか?」
凶と出るか、吉と出るか。
「それもありだよな〜。」
コートの下を気にしながら、必死に回避方法をプレゼンするわたしは、上のセリフのように冷静じゃないの。
実際は、はあはあ、あわあわな状態。
那智さんは、そのわたしだけで(多分)ある程度満足なはず。
今日は、そんな日なんだ、きっと。
コンビニに寄って飲み物を買ったり。
角を曲がる。
誰もいない。
ホテルまで50m。
何もない?
何かする?
何か、してくれる?
普通のりん子と変態りん子が揺れ動く。
那智さんが、もうひとつボタンを外した。
ベルトも。
あとボタンはひとつ。
マフラーと交差した腕を解けば、無防備だ。
下着が露になるのは、体の揺れや風次第。
那智さんが立ち止まり、わたしの前に立つ。
最後のひとつを外した。
ああ、どうしよう、もうわたしを守ってくれたものがなくなってしまった。
その時、少し先のホテルから若いカップルが出て来た。
いや!!ダメ!!これは危険。
腕で前を死守する。
那智さんがわたしの腕を掴み、すっと下にさげる。
ああ、だめ、自然にしてたら、ヒラヒラとコートが揺れる。
見えちゃう。
カップルさん、ごめんなさい。
歩きながら必死にうつむくしかできない。
コートの摘んで、ちらっと広げる那智さん。
すーっと冷たい空気は肌を撫でる。
いやぁぁぁぁぁ、下着が見えちゃう。
でも、隠すと、もっと酷くなるから、うつむいて我慢。
恥ずかしくて、申し訳なくて、駆け出してしまいたい。
それなのに、いつもいつもわたしの変態さんは、わたしを困らせる。
さっきのマ○○みたいに「めくって」って指示してほしいと、思ってる。
あの時感じた、快感。
ゾクゾクするような快感。
あれをもう一度味わいたい。
悪趣味なのは百も承知で、見せてしまいたい。
「めくって」と指示されて、自らの手ではしたない悪趣味な行為をしてしまいたい。
カップルは通り過ぎ、わたしたちはそのままホテルへ。
羞恥心と変態で揺さぶられ、ぐちゃぐちゃなわたし。
コートを脱ぐことはなく、それはいつかに持ち越されたのだけど、充分にヘロヘロで那智さんは満足したでしょう。
わたし…、この行為だけでぐったり。
でも、わたしは。
「下着姿で歩く」ということをより具体的に想像する材料ができてしまって、またいつの間にかそれに一歩近付いてる。
そして、あの快感。
従属感と露出願望と自己愛を満たす、あれを知ってしまって困ってる。
だって、気持ちよくてたまらないのだもの。
まともなわたしと、変態りん子、振り子のように揺れて気付いたら大きく大きく振れている。
あぁ、いつか、ほんとうにするんでしょうか、那智さん。
喜んでしまいそうで、途方に暮れてしまいます。
ながーい独り言
りん子的独り言(生意気)
主従ってなんだろう。
そもそも、この現代の日本に於いて「絶対服従」するなんて関係成立するはずないんだ。
「その場面に於いて、従う立場を選ぶ」というだけのこと。
そして、その立場を選ぶのは、主側ではなくて従側なんだ。
わたしは「あなたのもの」と思いたい。
わたしには、従属願望があって、ずっと圧倒的な存在につき従いたいと漠然と思ってた。
蓋を開けてみたら、それは「父性」とかが根っこにあって、お父さんと同化したい娘というものも含まれていたんだなってわかった。
だからね、わたしはただの「主」に従うという従属願望だけでは無理だったのね。
まして、「その場面」だけのロールプレイングではまったく満たされない、むしろ冷める。
従うだけじゃなくて、あなたの中に入ってしまいたい、あなたの一部になって愛されたい。
それを叶えるためには、従わせるだけの男性ではダメだった、「奴隷」とかいう言葉に胸がきゅっとなるけど、結局わたしを同化(依存)させてくれない男性にどんどん心は離れていった。
あなたの一部になりたい。
自分の一部は愛するでしょ?
ちょっと無茶してしまうかもしれないけど、でも、基本的には大切にするでしょ?
(ほんとは、一部にならなくても大切にされるのかもしれなけど、同化願望があるからね)
わたしの「あなたのもの」になりたい願望は、従わせたい男性では叶わなかった。
一部になりたいのだもの。
いま、わたしは「那智さんのもの」というお伽噺を、すこしでも実感したいと思ってる。
同化願望を叶えたいと思ってる。
だから、時々甘いお菓子をねだるように那智さんに聞く。
「那智さん、わたしは誰のもの?」
そうすると、「はいはい」と言った感じでお菓子をくれる。
「俺の物」と。
でも、那智さんはそれと同じくらいわたしに言う。
「俺がいくら俺の物といっても、それは成立しない。それはりん子が決めること。」
そうなの、わたしが決めることなの。
ただ、「従う」という関係では、わたしはだめだった。
大切に尊重され対等な立場が必要だった。
それが「依存してるけど、対等」という一見矛盾してる言葉になる。
じゃあ、「対等」って何?
辞書に載ってることじゃなくて、わたしたちにとって。
至極当たり前の答えになってしまうけど。
「互いに言いたいことが言えて、自分に非があった場合はそれを認め謝罪できること」
その良好な人間関係の基本中の基本のようなこと。
その上で、依存したい、同化したい、従いたいなのだ。(那智さんが、それらをさせたいと強く思っているかは、ちょっとリサーチ不足です^^)
もし、那智さんとわたしの間に「主従」のようなものがあるとするならば、それはお互いの収まりの良いポジションというだけのこと。(どうやら、主従らしい^^)
もともとある形に当てはめるのではなくて、その収まりの良い形は後から付いてくるもの。
そして、それはどちらか一方が決めることではないのだ。
「俺のもの」は、甘美な言葉だ。
プレイなら、それでいい。
従属したいだけなら、それでもいい。(わたしのイメージでは従属だけってあんまりないと思うけど)
でも、従属=依存を抱えている場合は、「俺のもの」では満たされない。
わたしがどう思うか、わたしが選ばないと満たされないと思うのです。
わたしの場合は、それには「対等」が必要だったのです。
このブログは心に溜まったものを吐き出したいということがきっかけではじめました。
那智さんに、わかってもらうために全部書けと言われて、書いた。
わたしと那智さんのためのものだけど、初期のころ、もうひとつ「理由」があるねと話してた。
生意気だけど、それは、「これもひとつのサンプル」になればいいねということだった。
恋愛もSMも主従もいっぱいある。
その中のひとつに、こんなのがありますよっていうサンプル。
だから、「依存してるくせに対等」とか「依存を客観視」とか言いながら「那智さんのもの」とか言ってるし、なんだかメチャクチャ。
あなたは、何者!?って感じです。
どっち付かずな感じだけど、でも、そういうのもあっていいかなと思ってる。
これもひとつのサンプルだって。
サンプル、けっこう孤独です(笑)
でも、既存の関係に違和感を感じている人がいるなら、いろんな道があるよって思ってほしい。
で、自分で選んだ道を歩いていけば、きっと一時孤独でも、絶対しあわせ。
サンプル仲間はきっといる^^
主従とか、依存とか、あれこれ考えて、そんなふうに思いました。
主従ってなんだろう。
そもそも、この現代の日本に於いて「絶対服従」するなんて関係成立するはずないんだ。
「その場面に於いて、従う立場を選ぶ」というだけのこと。
そして、その立場を選ぶのは、主側ではなくて従側なんだ。
わたしは「あなたのもの」と思いたい。
わたしには、従属願望があって、ずっと圧倒的な存在につき従いたいと漠然と思ってた。
蓋を開けてみたら、それは「父性」とかが根っこにあって、お父さんと同化したい娘というものも含まれていたんだなってわかった。
だからね、わたしはただの「主」に従うという従属願望だけでは無理だったのね。
まして、「その場面」だけのロールプレイングではまったく満たされない、むしろ冷める。
従うだけじゃなくて、あなたの中に入ってしまいたい、あなたの一部になって愛されたい。
それを叶えるためには、従わせるだけの男性ではダメだった、「奴隷」とかいう言葉に胸がきゅっとなるけど、結局わたしを同化(依存)させてくれない男性にどんどん心は離れていった。
あなたの一部になりたい。
自分の一部は愛するでしょ?
ちょっと無茶してしまうかもしれないけど、でも、基本的には大切にするでしょ?
(ほんとは、一部にならなくても大切にされるのかもしれなけど、同化願望があるからね)
わたしの「あなたのもの」になりたい願望は、従わせたい男性では叶わなかった。
一部になりたいのだもの。
いま、わたしは「那智さんのもの」というお伽噺を、すこしでも実感したいと思ってる。
同化願望を叶えたいと思ってる。
だから、時々甘いお菓子をねだるように那智さんに聞く。
「那智さん、わたしは誰のもの?」
そうすると、「はいはい」と言った感じでお菓子をくれる。
「俺の物」と。
でも、那智さんはそれと同じくらいわたしに言う。
「俺がいくら俺の物といっても、それは成立しない。それはりん子が決めること。」
そうなの、わたしが決めることなの。
ただ、「従う」という関係では、わたしはだめだった。
大切に尊重され対等な立場が必要だった。
それが「依存してるけど、対等」という一見矛盾してる言葉になる。
じゃあ、「対等」って何?
辞書に載ってることじゃなくて、わたしたちにとって。
至極当たり前の答えになってしまうけど。
「互いに言いたいことが言えて、自分に非があった場合はそれを認め謝罪できること」
その良好な人間関係の基本中の基本のようなこと。
その上で、依存したい、同化したい、従いたいなのだ。(那智さんが、それらをさせたいと強く思っているかは、ちょっとリサーチ不足です^^)
もし、那智さんとわたしの間に「主従」のようなものがあるとするならば、それはお互いの収まりの良いポジションというだけのこと。(どうやら、主従らしい^^)
もともとある形に当てはめるのではなくて、その収まりの良い形は後から付いてくるもの。
そして、それはどちらか一方が決めることではないのだ。
「俺のもの」は、甘美な言葉だ。
プレイなら、それでいい。
従属したいだけなら、それでもいい。(わたしのイメージでは従属だけってあんまりないと思うけど)
でも、従属=依存を抱えている場合は、「俺のもの」では満たされない。
わたしがどう思うか、わたしが選ばないと満たされないと思うのです。
わたしの場合は、それには「対等」が必要だったのです。
このブログは心に溜まったものを吐き出したいということがきっかけではじめました。
那智さんに、わかってもらうために全部書けと言われて、書いた。
わたしと那智さんのためのものだけど、初期のころ、もうひとつ「理由」があるねと話してた。
生意気だけど、それは、「これもひとつのサンプル」になればいいねということだった。
恋愛もSMも主従もいっぱいある。
その中のひとつに、こんなのがありますよっていうサンプル。
だから、「依存してるくせに対等」とか「依存を客観視」とか言いながら「那智さんのもの」とか言ってるし、なんだかメチャクチャ。
あなたは、何者!?って感じです。
どっち付かずな感じだけど、でも、そういうのもあっていいかなと思ってる。
これもひとつのサンプルだって。
サンプル、けっこう孤独です(笑)
でも、既存の関係に違和感を感じている人がいるなら、いろんな道があるよって思ってほしい。
で、自分で選んだ道を歩いていけば、きっと一時孤独でも、絶対しあわせ。
サンプル仲間はきっといる^^
主従とか、依存とか、あれこれ考えて、そんなふうに思いました。
コートの下4(前振りです)
非日常的な日常
「なあ、りん子、最近りん子、気持ち良いだろ。」
いきなりそんなこと言われた。
「へ!?なんでですか?」
そりゃ、たしかに気持ち良いですけど…、突然の言葉にきょとんとしてしまう。
「だって、最近濃いもんな。」
そうですね、那智さんも自覚されていたのですね。
最近のわたしたちは、より濃くなってる。
それもここ数ヶ月。
する内容とそれに掛ける時間が濃度を増していると那智さん自身が感じたの。
だから、「りん子、気持ち良いだろう」という結論に至ったのね。
鞭の打ち方を変えてわたしが「違う場所」に行くことができるようになったあたりからだと思う。
それを追うように、お外も拍車が掛かっている。
那智さんが濃くなるのは、わたしの反応によるらしい。
鞭で違う場所にいっているを那智さんは楽しんでるんだ。
そうすると、もっともっとかまいたくなる。
同じ方法だけじゃなくて、違う方法ででもかまいたくなる。
違う方法は、自分の好きなことだ。
それが、お外。
那智さんがかまってくれればくれるほど、わたしの反応はよくなる(しかもわたしは露出願望がある)。
それを見ると、那智さんももっとと思う。
そんなふうにして濃くなっているみたい。
那智さんが「いつまでする?」「どれくらいする?」と問いかけたのも、この濃さからの反動なんじゃないかなって思ってる。
那智さん自身が、飽きることなくむしろ濃度を増していく自分に、驚き感心し、永遠にそれが続くはずないと疑問に感じたのでしょう。
わたしは、わたしに対して「期限」を付けられたようで、ちょっと傷付きましたけど、「りん子ちゃんとのそれが、よくてよくてたまらないから、なくなっちゃうのいや」と思って、そういう疑問を持ったのだと都合良く解釈することにしましたけど(笑)
話が逸れちゃった。
何が言いたかったのかというと、わたしの反応、那智さんのしたいこと、それらが折り重なってどんどんと濃くなっていくのだなって思ったのです。
那智さんの「したいこと」をする情熱は、こちらが圧倒され感動してしまうほど。(大げさ!?)
いま、那智さんの「したいこと」は、お外で下着だ。
(ああ、那智さんは、そんな気合い入ってないかな〜、楽しみのひとつくらいな感じかな。ってことは、わたしが気合い入ってるの!?いや、そりゃ、いろんな意味で気合い入りますよ!!!!)
コートの前を開けて歩いたその次のデートの朝の電話。(コートの下1、2、3)
那智さんはいつも一旦お仕事場に寄ってから待ち合わせの○○駅に向かうの。
だから、いつもこの朝の電話はお仕事場から。
でも、その日、携帯から聞こえてきたのは、外の雑踏だった。
「いま○○。これからそっちに向かうから、××駅まで行くよ、一緒に○○へ行こう。」
いつもデートをする○○駅は、那智さんとわたしの住んでるところの中間にある。
那智さんは、○○を通り越してわたしの最寄りまで迎えにきてくれるというのだ。
それは優しさからじゃないの、なぜならそのあとこう付け加えられたから。
「××駅のトイレで下着になるんだ。それで一緒に電車に乗る、いいね。」
電車の中で何が起こるかは、推して知るべし。
いつものことだけど、わたしの予想を超えた「すごいこと」を宣告されると、慌てる心と急激に静かになる心があるの。
恐怖とか覚悟とか諦めとか、喜びとか、あわあわしながらも、それらの胸を押しつぶされたように大きなため息をついて目を閉じるような静かな心。
その計画を聞いたときも、その両極端な心で頭はぐわんぐわん。
急いで、それでも大丈夫なような支度に取りかかる。
那智さんは、どんどんわたしのそばに近付いてきてくれてる。
その情熱に大きな不安を感じて、でもちょっと感動と感謝でガーターストッキングに足を通す。
「なあ、りん子、最近りん子、気持ち良いだろ。」
いきなりそんなこと言われた。
「へ!?なんでですか?」
そりゃ、たしかに気持ち良いですけど…、突然の言葉にきょとんとしてしまう。
「だって、最近濃いもんな。」
そうですね、那智さんも自覚されていたのですね。
最近のわたしたちは、より濃くなってる。
それもここ数ヶ月。
する内容とそれに掛ける時間が濃度を増していると那智さん自身が感じたの。
だから、「りん子、気持ち良いだろう」という結論に至ったのね。
鞭の打ち方を変えてわたしが「違う場所」に行くことができるようになったあたりからだと思う。
それを追うように、お外も拍車が掛かっている。
那智さんが濃くなるのは、わたしの反応によるらしい。
鞭で違う場所にいっているを那智さんは楽しんでるんだ。
そうすると、もっともっとかまいたくなる。
同じ方法だけじゃなくて、違う方法ででもかまいたくなる。
違う方法は、自分の好きなことだ。
それが、お外。
那智さんがかまってくれればくれるほど、わたしの反応はよくなる(しかもわたしは露出願望がある)。
それを見ると、那智さんももっとと思う。
そんなふうにして濃くなっているみたい。
那智さんが「いつまでする?」「どれくらいする?」と問いかけたのも、この濃さからの反動なんじゃないかなって思ってる。
那智さん自身が、飽きることなくむしろ濃度を増していく自分に、驚き感心し、永遠にそれが続くはずないと疑問に感じたのでしょう。
わたしは、わたしに対して「期限」を付けられたようで、ちょっと傷付きましたけど、「りん子ちゃんとのそれが、よくてよくてたまらないから、なくなっちゃうのいや」と思って、そういう疑問を持ったのだと都合良く解釈することにしましたけど(笑)
話が逸れちゃった。
何が言いたかったのかというと、わたしの反応、那智さんのしたいこと、それらが折り重なってどんどんと濃くなっていくのだなって思ったのです。
那智さんの「したいこと」をする情熱は、こちらが圧倒され感動してしまうほど。(大げさ!?)
いま、那智さんの「したいこと」は、お外で下着だ。
(ああ、那智さんは、そんな気合い入ってないかな〜、楽しみのひとつくらいな感じかな。ってことは、わたしが気合い入ってるの!?いや、そりゃ、いろんな意味で気合い入りますよ!!!!)
コートの前を開けて歩いたその次のデートの朝の電話。(コートの下1、2、3)
那智さんはいつも一旦お仕事場に寄ってから待ち合わせの○○駅に向かうの。
だから、いつもこの朝の電話はお仕事場から。
でも、その日、携帯から聞こえてきたのは、外の雑踏だった。
「いま○○。これからそっちに向かうから、××駅まで行くよ、一緒に○○へ行こう。」
いつもデートをする○○駅は、那智さんとわたしの住んでるところの中間にある。
那智さんは、○○を通り越してわたしの最寄りまで迎えにきてくれるというのだ。
それは優しさからじゃないの、なぜならそのあとこう付け加えられたから。
「××駅のトイレで下着になるんだ。それで一緒に電車に乗る、いいね。」
電車の中で何が起こるかは、推して知るべし。
いつものことだけど、わたしの予想を超えた「すごいこと」を宣告されると、慌てる心と急激に静かになる心があるの。
恐怖とか覚悟とか諦めとか、喜びとか、あわあわしながらも、それらの胸を押しつぶされたように大きなため息をついて目を閉じるような静かな心。
その計画を聞いたときも、その両極端な心で頭はぐわんぐわん。
急いで、それでも大丈夫なような支度に取りかかる。
那智さんは、どんどんわたしのそばに近付いてきてくれてる。
その情熱に大きな不安を感じて、でもちょっと感動と感謝でガーターストッキングに足を通す。