那智さんの嫉妬5
独特な幸福感
誰もいないバーのカウンター。
わたしは大好きなジントニック。
オダギリくんは、忘れた(笑)。
始発電車の時間を調べ、ちょうど一杯くらいだねと確認する。
いろんな話をした。
心地良い、「お互い頑張ってきたね」と肩を抱き合いたくなるような。
あっという間に時間は過ぎる。
そもそも一杯なんて、あっという間だよね。
そろそろ出ようと店を後にした。
ここから、ぽつぽつと歩いたら、ちょうど駅に着くころに始発が走り出すだろう。
まだ、外は暗かった。
時折車が通る以外は、なにもない。
「オダギリくん、わたしね、オダギリくんを同じ種類の人って感じてる、数少ない人なんだ。」
「うん。」
「それに、魅力も感じてる。」
「うん、僕もそうだな。」
「今日はお話しできたよかった。」
肩を並べて歩いていたオダギリくんの体が、不意にわたしのほうを向きぐっと近付いた。
驚いて、反射的に体を引いた。
わたしを抱きしめようとしたのだ。
「驚いた…。」
「ごめん。」
うつむいて歩いた。
黙って。
「ごめん、りん子さん、やっぱりハグしていい?ハグするだけ。」
「うん。」
うなずいてしまった。
正直な気持ちを言おう。
ハグしたかった。
肩を組むような親愛の情を感じていた。
そして、「抱かれたらどうだろう、と考えてみたらどうだろう」と思った。(ややこしい^^;)
那智さんに出会って、理不尽な「浮気の定義」の影響ではなく、「那智さん以外の人に抱かれてみたい」と思ったことはない。
「抱かれたら、どうだろう?」という想像のテーブルに載せた人もいない。
載せてみようとさえ思ったこともない。
だけど、このとき、わたしはオダギリくんを、その想像のテーブルに載せてみたらどうだろうと思ったのだ。
抱かれたらどうだろうの、ひとつ手前の想像だ。
だから、ハグしてもいいと思ってしまった。
オダギリくんは大切なものを扱うように静かにわたしを抱きしめた。
わたしは両手を胸に置き、抱きしめられていた。
トントンと背中を優しく叩く。
それほど長い時間ではなかったように思う。
一分もなかったかもしれない。
体が離れた。
うつむいたまま。
ほっとした。
「抱かれたらどうだろう」と考えてみようとしたけど、考えられなかった。
具体的に想像できないし、したくないと思った。
「オダギリくん、わたしね、20年前より純情になっちゃってるんだ。」
「うん。」
ちょうど電車が走り出す時間だった。
電車に乗り、わたしが先に降りた。
バイバイと手を振り、別れた。
「本当に会えてよかった。楽しい時間をありがとう。おやすみね。また会おうね。」
早朝の帰り道、こんなメールが届いた。
わたしもお返事をして、それからオダギリくんからメールはなかった。
翌日、那智さんに全部お話して、約束を守らなかったことを謝った。
那智さんは怒ることはせず、ただ約束を守らなかったことを注意した。
そして、「もう、オダギリくんとは、ふたりで会ってはいけない」と言った。
このまま次会えば、きっともっとオダギリくんはりん子を誘うだろう。
そうなれば、りん子が悲しくて、困るだけだ。
最初の約束を守らなかったのだから、次の約束は仕方がないのかなと、ぼんやりと思っていた。
それから、オダギリくんからメールは来なかった。
わたしからも、しなかった。
なんだか、20年前の再現みたいだなって思った。
そのうちまたオダギリくんのことを考えなくなった数週間後、オダギリくんからメールが届いた。
誰もいないバーのカウンター。
わたしは大好きなジントニック。
オダギリくんは、忘れた(笑)。
始発電車の時間を調べ、ちょうど一杯くらいだねと確認する。
いろんな話をした。
心地良い、「お互い頑張ってきたね」と肩を抱き合いたくなるような。
あっという間に時間は過ぎる。
そもそも一杯なんて、あっという間だよね。
そろそろ出ようと店を後にした。
ここから、ぽつぽつと歩いたら、ちょうど駅に着くころに始発が走り出すだろう。
まだ、外は暗かった。
時折車が通る以外は、なにもない。
「オダギリくん、わたしね、オダギリくんを同じ種類の人って感じてる、数少ない人なんだ。」
「うん。」
「それに、魅力も感じてる。」
「うん、僕もそうだな。」
「今日はお話しできたよかった。」
肩を並べて歩いていたオダギリくんの体が、不意にわたしのほうを向きぐっと近付いた。
驚いて、反射的に体を引いた。
わたしを抱きしめようとしたのだ。
「驚いた…。」
「ごめん。」
うつむいて歩いた。
黙って。
「ごめん、りん子さん、やっぱりハグしていい?ハグするだけ。」
「うん。」
うなずいてしまった。
正直な気持ちを言おう。
ハグしたかった。
肩を組むような親愛の情を感じていた。
そして、「抱かれたらどうだろう、と考えてみたらどうだろう」と思った。(ややこしい^^;)
那智さんに出会って、理不尽な「浮気の定義」の影響ではなく、「那智さん以外の人に抱かれてみたい」と思ったことはない。
「抱かれたら、どうだろう?」という想像のテーブルに載せた人もいない。
載せてみようとさえ思ったこともない。
だけど、このとき、わたしはオダギリくんを、その想像のテーブルに載せてみたらどうだろうと思ったのだ。
抱かれたらどうだろうの、ひとつ手前の想像だ。
だから、ハグしてもいいと思ってしまった。
オダギリくんは大切なものを扱うように静かにわたしを抱きしめた。
わたしは両手を胸に置き、抱きしめられていた。
トントンと背中を優しく叩く。
それほど長い時間ではなかったように思う。
一分もなかったかもしれない。
体が離れた。
うつむいたまま。
ほっとした。
「抱かれたらどうだろう」と考えてみようとしたけど、考えられなかった。
具体的に想像できないし、したくないと思った。
「オダギリくん、わたしね、20年前より純情になっちゃってるんだ。」
「うん。」
ちょうど電車が走り出す時間だった。
電車に乗り、わたしが先に降りた。
バイバイと手を振り、別れた。
「本当に会えてよかった。楽しい時間をありがとう。おやすみね。また会おうね。」
早朝の帰り道、こんなメールが届いた。
わたしもお返事をして、それからオダギリくんからメールはなかった。
翌日、那智さんに全部お話して、約束を守らなかったことを謝った。
那智さんは怒ることはせず、ただ約束を守らなかったことを注意した。
そして、「もう、オダギリくんとは、ふたりで会ってはいけない」と言った。
このまま次会えば、きっともっとオダギリくんはりん子を誘うだろう。
そうなれば、りん子が悲しくて、困るだけだ。
最初の約束を守らなかったのだから、次の約束は仕方がないのかなと、ぼんやりと思っていた。
それから、オダギリくんからメールは来なかった。
わたしからも、しなかった。
なんだか、20年前の再現みたいだなって思った。
そのうちまたオダギリくんのことを考えなくなった数週間後、オダギリくんからメールが届いた。
那智さんの嫉妬6
独特な幸福感
約束を守らずにオダギリくんとふたりきりになったこと。
二度目の抱擁を受け入れてしまったこと。
それにより「ふたりで会ってはいけない」と新しい約束をさせた、この時点で那智さんがわたしにしたことは「嫉妬による束縛」ではないはず。
これは約束を守らなかったことに対する「制裁」。
多少の嫉妬はあったにしても、それは過ぎたこと、過去に対する嫉妬を引きずることは那智さんの美意識では「かっこ悪い」ことだものね。
だから、そこは切り替えた。
そして、その「制裁」も一時的なものと考えていたはずだ。
もしいつかオダギリくんとりん子が会う機会が巡ってきたら、今度はりん子が傷付くことなく良い関係が築けるように、また「那智説教(笑)」でもして、気持ち良く送り出してあげようとさえ思っていたはずだ。
那智さんが「嫉妬による行動制限」を選んだのは、オダギリくんから数週間ぶりにメールが来てからのこと。
そうなの、那智さんは、それを選んだんだ。
「りん子さん、元気?僕はいま仕事で○○に来ています。○月に発売になる商品のレセプションでえらい人の相手。この前はありがとう。とても楽しかったです。 でも、りん子さん幸せそうだったから、連絡をするのをためらってました。この仕事が終わったら少し楽になるので、そしたら会ってもらえませんか。」
こんなメールが届いた。
わたしは、会いたいなと思った。
でも、那智さんと約束したし、いま会ったら誰にとっても幸福な結果にならないだろうなと想像できて、やはり会わないほうがいいとも思った。
でも、ただ「やっぱり会えません」ということだけ、お返事するのはいやだった。
それじゃあ、20年前の一時帰国の時にわざと避けてしまったことと変わらないもの。
わたしにとってあなたは大事な友達、心を許せる貴重な人材。
ハグをしたことと許してしまったことで、その関係が歪んでしまう、だから、会っちゃいけないの。
みんなで会おう、そのときいっぱいお話ししよう、とても大事な人だから。
と、きちんと説明したかった。
20年前のような幼稚な方法で関係を歪ませたくなかった。
だから、その気持ちを含めてお返事をしてよいか確認をしようと思って那智さんにメールが来たことを知らせた。
もちろんOK。
わたしはパソコンに向かって、なんて気持ちを伝えようか思いついたことを打ちはじめた。
叩き台だった。
そこから、少しずつ言葉を変えていくための叩き台。
那智さんから連絡が入り、オダギリくんに送る前に読ませてほしいと言ったきた。
まだ、叩き台だということを伝えて、それを那智さんに送信した。
(人に送るメールを読ませることに抵抗を感じる人もいるかもしれないけど、オダギリくんのことに関してはわたしはもう那智さんを悲しませたくなかったので、できるだけ透明でいたかったから、送りました)
しばらくして、来た返信には、たくさんの突っ込みや添削がされていた。
「りん子は被害者だということを忘れるな。」
そうなの。
わたしね、わたし寄りの男の人をぐいぐいこちらに引き寄せることを楽しんでることを自覚してるから、その結果なにか起きたら、それは自分のせいだと思ってた、ずっと。
男の人がわたしを抱こうとするのはわたしはその気にさせたからで、責任とって抱かせるか増長させるか関係をおしまいにするか、わたしがなんとかしないといけない、と思ってた。
だから、その「叩き台」には、オダギリくんは悪くない、あたはにハグをさせそれを受け入れたわたしが悪い、あなたは魅力的な人、それを伝えたかったわたしのやり方が、あたにハグをさせてしまったというような、相手を加害者にしないような言葉がいっぱいだったのだ。
それは、ともすれば「あなたが好き」と取られてもしかたがないような書き方だった。
りん子は被害者なんだ。
男女の関係において、どんなに誘惑してるような態度を取られても、男が一歩踏み出すときには結果的にその関係が終わるかもしれないと覚悟を決めて踏み出さないといけない。
オダギリくんは、そのリスクを背負ってりん子をハグしなきゃいけなかった。
だから、ほんとは、りん子は一度引いてから、もう一度ハグしてきたことを怒らないといけないんだよ。
たくさんの添削と電話で補足。
「オダギリくんが好き。だけど、わたしがいけなかったから会えません。」というような書き方をしていると。
面食らった。
確かに「叩き台」とはいえ、甘い言葉が書かれていたかもしれない。
でも、那智さんがこんな形で「制限」をすることははじめてだったから。
なにか、急にわたしの中で危険信号はチカチカしだした。
那智さんの言わんとしてることはわかる。
でも、大事な友人を過去と同じように傷付けたくないということと、ついなんでも自分のせいにしてしまう悪いクセが、その言葉を、メールの文章にして表すことを難しくしていた。
那智さんにお願いをした。
一度、オダギリくんに会わせてもらえないか。
メールで伝えにくいニュアンスを会って伝えたい。
過去も含めて謝罪して、もう会えないと伝えたい。
那智さんは、了承してくれた。
その代わりに、そのことを伝えるメールの内容を細かく指示しだしたのだ。
また面食らった。
那智さんとの約束を守らなかったことは反省している。
でも、なぜ、そこまで那智さんに指示されないといけないの。
それも、わざとオダギリくんを誘うような言葉を書かせようとしている。
なぜ?
わたしが最初に書いたメールではだめだったのに、なぜ、彼がその気になるようなことを。
いままで那智さんの言っていることは、納得するしないは別にとりあえず心に滲みていた。
なにが言いたいか、結果的にどうしたいか。
そこが「合う」ところの大きな要因だと自負していたのに、この那智さんの矛盾を孕んだ指示が理解できなかった。
理解できない不安。
根拠のない危険信号。
お仕事の合間に何度も電話をくれた。
夜も時間の許す限り話した。
メールの添削。
危険信号による抵抗。
その繰り返し。
那智さんだけでなく自分の心の警告も理解できなくて、首を縦に振れぬままその日は終わった。
約束を守らずにオダギリくんとふたりきりになったこと。
二度目の抱擁を受け入れてしまったこと。
それにより「ふたりで会ってはいけない」と新しい約束をさせた、この時点で那智さんがわたしにしたことは「嫉妬による束縛」ではないはず。
これは約束を守らなかったことに対する「制裁」。
多少の嫉妬はあったにしても、それは過ぎたこと、過去に対する嫉妬を引きずることは那智さんの美意識では「かっこ悪い」ことだものね。
だから、そこは切り替えた。
そして、その「制裁」も一時的なものと考えていたはずだ。
もしいつかオダギリくんとりん子が会う機会が巡ってきたら、今度はりん子が傷付くことなく良い関係が築けるように、また「那智説教(笑)」でもして、気持ち良く送り出してあげようとさえ思っていたはずだ。
那智さんが「嫉妬による行動制限」を選んだのは、オダギリくんから数週間ぶりにメールが来てからのこと。
そうなの、那智さんは、それを選んだんだ。
「りん子さん、元気?僕はいま仕事で○○に来ています。○月に発売になる商品のレセプションでえらい人の相手。この前はありがとう。とても楽しかったです。 でも、りん子さん幸せそうだったから、連絡をするのをためらってました。この仕事が終わったら少し楽になるので、そしたら会ってもらえませんか。」
こんなメールが届いた。
わたしは、会いたいなと思った。
でも、那智さんと約束したし、いま会ったら誰にとっても幸福な結果にならないだろうなと想像できて、やはり会わないほうがいいとも思った。
でも、ただ「やっぱり会えません」ということだけ、お返事するのはいやだった。
それじゃあ、20年前の一時帰国の時にわざと避けてしまったことと変わらないもの。
わたしにとってあなたは大事な友達、心を許せる貴重な人材。
ハグをしたことと許してしまったことで、その関係が歪んでしまう、だから、会っちゃいけないの。
みんなで会おう、そのときいっぱいお話ししよう、とても大事な人だから。
と、きちんと説明したかった。
20年前のような幼稚な方法で関係を歪ませたくなかった。
だから、その気持ちを含めてお返事をしてよいか確認をしようと思って那智さんにメールが来たことを知らせた。
もちろんOK。
わたしはパソコンに向かって、なんて気持ちを伝えようか思いついたことを打ちはじめた。
叩き台だった。
そこから、少しずつ言葉を変えていくための叩き台。
那智さんから連絡が入り、オダギリくんに送る前に読ませてほしいと言ったきた。
まだ、叩き台だということを伝えて、それを那智さんに送信した。
(人に送るメールを読ませることに抵抗を感じる人もいるかもしれないけど、オダギリくんのことに関してはわたしはもう那智さんを悲しませたくなかったので、できるだけ透明でいたかったから、送りました)
しばらくして、来た返信には、たくさんの突っ込みや添削がされていた。
「りん子は被害者だということを忘れるな。」
そうなの。
わたしね、わたし寄りの男の人をぐいぐいこちらに引き寄せることを楽しんでることを自覚してるから、その結果なにか起きたら、それは自分のせいだと思ってた、ずっと。
男の人がわたしを抱こうとするのはわたしはその気にさせたからで、責任とって抱かせるか増長させるか関係をおしまいにするか、わたしがなんとかしないといけない、と思ってた。
だから、その「叩き台」には、オダギリくんは悪くない、あたはにハグをさせそれを受け入れたわたしが悪い、あなたは魅力的な人、それを伝えたかったわたしのやり方が、あたにハグをさせてしまったというような、相手を加害者にしないような言葉がいっぱいだったのだ。
それは、ともすれば「あなたが好き」と取られてもしかたがないような書き方だった。
りん子は被害者なんだ。
男女の関係において、どんなに誘惑してるような態度を取られても、男が一歩踏み出すときには結果的にその関係が終わるかもしれないと覚悟を決めて踏み出さないといけない。
オダギリくんは、そのリスクを背負ってりん子をハグしなきゃいけなかった。
だから、ほんとは、りん子は一度引いてから、もう一度ハグしてきたことを怒らないといけないんだよ。
たくさんの添削と電話で補足。
「オダギリくんが好き。だけど、わたしがいけなかったから会えません。」というような書き方をしていると。
面食らった。
確かに「叩き台」とはいえ、甘い言葉が書かれていたかもしれない。
でも、那智さんがこんな形で「制限」をすることははじめてだったから。
なにか、急にわたしの中で危険信号はチカチカしだした。
那智さんの言わんとしてることはわかる。
でも、大事な友人を過去と同じように傷付けたくないということと、ついなんでも自分のせいにしてしまう悪いクセが、その言葉を、メールの文章にして表すことを難しくしていた。
那智さんにお願いをした。
一度、オダギリくんに会わせてもらえないか。
メールで伝えにくいニュアンスを会って伝えたい。
過去も含めて謝罪して、もう会えないと伝えたい。
那智さんは、了承してくれた。
その代わりに、そのことを伝えるメールの内容を細かく指示しだしたのだ。
また面食らった。
那智さんとの約束を守らなかったことは反省している。
でも、なぜ、そこまで那智さんに指示されないといけないの。
それも、わざとオダギリくんを誘うような言葉を書かせようとしている。
なぜ?
わたしが最初に書いたメールではだめだったのに、なぜ、彼がその気になるようなことを。
いままで那智さんの言っていることは、納得するしないは別にとりあえず心に滲みていた。
なにが言いたいか、結果的にどうしたいか。
そこが「合う」ところの大きな要因だと自負していたのに、この那智さんの矛盾を孕んだ指示が理解できなかった。
理解できない不安。
根拠のない危険信号。
お仕事の合間に何度も電話をくれた。
夜も時間の許す限り話した。
メールの添削。
危険信号による抵抗。
その繰り返し。
那智さんだけでなく自分の心の警告も理解できなくて、首を縦に振れぬままその日は終わった。
那智さんの嫉妬7
独特な幸福感
長いけど、これで一気におしまいにします!!
もうちょっとお付き合いくださーい^^
翌日も危険信号は点滅したまま。
那智さんは、わたしが書いたメールには「好きといっているようだ」とダメ出しするくせに、誘うような言葉を書けと指示する。
そして、わたしの中のわたしは従っちゃいけないと、ずっと言ってる。
その気になったらいけないくせに、なぜ、そうなるようなことを書かせようとするの?
わたしは、いかにオダギリくんが貴重な人材で、過去に避けたことと同じように欺くことはしたくないと何度も伝え、なんとかして、その誘惑じみたメールを書くことを拒否しようとした。
そして、一番の抵抗は、例え那智さんといえども、メールの一言一句まで言いなりになりたくなかったのだ。
ううん、わたしは、那智さんの言いなりになることは幸せだと思ってる。
それは、那智さんが発してくれることはほとんどが「りん子のため」ということがわかっていたからだ。
その、安心の依存先那智さんの言いなりは幸せだもの。
だけど、なんていうのかな、わたしはわたしが自由な上で、那智さんの言いなりでいられることが幸せなのだ。
那智さんだって、わたしが伸び伸びとしていて、そして、あなたの足下にいたいと思うことがいいはずなの。
盲目的に「あなたの言う通り」なんて、ぜったい嫌いなはずなんだ。
それなのに、どうして、ここまでわたしに介入して自由を奪うように指示するの。
これに従ったら、この先のふたりの関係に歪みが生じてしまいそうで、問題の本質とは違う所で抵抗してしまっていた。
那智さんは矛盾したことをいい、わたしは本質と違うところで抵抗してる。
こんなふたりの話し合いは、平行線や堂々巡りといった混乱しか生まない。
お互い、「言いたいことはわかってる、でも!!」という枕詞を並べて、同じ会話を繰り返していた。
それでも、話し合いって無駄じゃないな〜と思えることもあるのね。
この話し合いで「ハグ」に対してのお互いの認識の違いが理解できたんだよね。
わたしはオダギリくんとしたハグ。
そこから想像する「ハグ」は、親愛の情の表れが多くを占めていて、そこから「なにか」に発展することもあるし、しないこともある、そんな感じに思っていた。
那智さんのそれは、「ハグ」=その先に進む、一歩。
要するに、オダギリくんはりん子を抱きたいと思いその手始めとしてハグしたと、それを受け入れたのだから、次はもう一歩進むつもりだろうと思っていたのだった。
その認識の違いから、那智さんの意図が少しずつ見えてきた。
那智さん自身の口から出る矛盾に対する説明。
それは、あのハグを肯定するような誘うような言葉には「その先に進むことを意図して、ハグしたのか」や「わたしに友情とは別に恋愛感情があるのか」、そんなことを探る意図が含まれていたらしい。
そこまで聞いても、まだ、那智さんの真意がわからず、わからないものに従うことへの抵抗感で、話し合いは平行線のまま。
その日の、仕事の時間の大半をわたしとの電話に費やしてくれてる。
でも、従えない。
闇雲に「はい、言う通りにします」と投げ出せたら、どんなに楽か。
「俺の言う通りにしろ」と言ってしまえば、どんなに簡単か。
それでも、ふたりともそれはしたくない。
那智さんにはウソをつきたくない。
心を押し殺したくない。
2日目の夕方。
ほとほと疲れ果てたとき、ふと、この話し合いが意味のないことだと気づいた。
だって、わたし、もうオダギリくんに会わないということは、決まってるんだよ。
最後に会うにしても、もう、結果は決まってる。
だから、どんな書き方してもいいじゃない!?
那智さんに細かく指示される意味はないのよ、とにかく会わないのだから。
そう気づいたら、この話し合いが無意味に思えた。
ちょうど、那智さんから連絡が来たから、開口一番そのことを伝えた。
「那智さん、那智さんがいろいろ言ってくれてるけど、大前提で会わないとわたし決めてるのだから、どんな書き方してもいいのではないですか?わたし、最終的には、会わないのですよ。」
「もう、いいよ、もう疲れちゃった。俺、自分がいやになっちゃったよ。」
それと重なるように、那智さんが大きなため息を吐きながら口を挟んだ。
そして、この2日間の那智さんの矛盾に満ちた発言の説明をしはじめたのだ。
りん子がハグしたことに確かに嫉妬したけど、それはもう済んだことだから、今回オダギリくんからメールが来て、まず思ったのは、りん子にとって良い関係で会わせてあげられないだろうかということだった。
心を許せる人をりん子から一人減らしたくなかったから。
いまここで軌道修正すれば、安心して会わせてあげられる、りん子も良い関係が築けるだろう。
そう思って、叩き台を読ませてもらった。
そこに書かれていることは、男なら誰でも誤解してしまいそうな誘い文句とも取れる「会わない」宣言だった。
突っ込みどころ満載で、ちょっと頭のいい男なら簡単に「会う」ことに漕ぎ着け、次の誘いができそうな書き方だった。
その文字に、一番嫉妬したのだ。
男を甘く誘い結局自分が傷付いてきたりん子の、その隙だらけの文章に得も言われぬ腹立たしさを感じたのだ。
これは嫉妬だ。
自分が忌み嫌う嫉妬。
ひと言「会うな」と制限したい気持ちが湧いて来た。
それと、同時に最初から思っていた「りん子のために良い関係と作ってあげたい」という思い。
このふたつで那智さんは葛藤した。
そして、「嫉妬による制限」を抑え、りん子をオダギリくんに会わせてあげようという気持ちを優先したのだ。
だから、罠を仕掛けるようなこと書かせようとした。
それをクリアしオダギリくんに下心がないということが証明できれば、安心してりん子を会わせてあげられる。
そのための踏み絵のような誘い言葉だった。
抵抗するりん子に真意を伝えずに、それをさせることは至難の技。
そのうち、会わせてあげたいがために仕掛ける罠があまりにも姑息なことに、だんだん自己嫌悪してきてしまったのだ。
一万円札を差し出し、それを手にしたら「盗った」と責めるような。
男なら「普通いくよね」という状態を作っていかないことを試すような、それでいったら「ほらね」責めるような。
会わせてあげたい気持ちの表れが、オダギリくんをおとしいれるような罠になってしまっている。
最後には、そんな自分が心底いやになってしまったのだ。
「もういいよ。」
那智さんは、会わせてあげたいという気持ちをやめた。
結果的にオダギリくんを悪者にしてしまうような罠を仕掛ける自己嫌悪。
有無を言わさず「会っちゃいけない」という「嫉妬による束縛」をする自己嫌悪。
那智さんは、後者を選んだのだった。
誰かのせいにすることをせず、「かっこ悪い」自分になることを選んだ。
「もう、俺、自分がいやになっちゃったよ。りん子が会わないと言ってるんだから、それでいいや。なんて書くかは任せる。だから、もうオダギリくんとふたりで会っちゃいけないよ。」
そういうことだったの?
わたしは、はじめて那智さんの真意を知って、全身の力が抜けた。
那智さんは、わたしがオダギリくんとまっとうな関係を作れるように考えて、わたしのためを思って指示をしていたの!?
そのために、この2日間、仕事の時間を割いてくれたの。
ひと言「会っちゃダメ」と言えば、わたしは不服ながらも従ったはずだ。
それをせず、わたしのためを思って話し合いを続けてくれた。
ことの経緯を知り、そのあとに下された「嫉妬による束縛」に、わたしは喜んで従おうと思った。
オダギリくんは大切な人だ、でも、それ以上に、この心を削り取るような話し合いをしてくれた那智さんのほうが、ずっとずっと大切だ。
那智さんの大きな心に感謝して、わたしは改めてオダギリくんへ「会えない」というメールを書いた。
真摯に、素直に、いつかオダギリくんと会うときに、ちゃんと向かえ合えるように。
一生懸命、書いた。
翌朝。
「那智さん、オダギリくんへのメールチェックしたいですか?」
「う〜ん、チェックはしなくていいや、任せる。でも、気になるから送ったあとで読ませてほしい。」
オダギリくんに送信して、そのあと一言一句直さず那智さんに転送した。
誰も傷付けず、自分もオダギリくんも責めずに書けたから、胸を張って那智さんに転送できた。
数日後。
「メール読みました。りん子さんの気持ちよくわかりました。僕も懐かしい幼なじみに会ったような 感じになって羽目を外してしまったかもしれません。ごめんね。また、みんなで会いましょう。そのときはたくさん話そうね。いつまでも、まっすぐで正直なりん子さんでいてね。オダギリ」
オダギリくんから、こんなお返事が来た。
彼の真意はわからない。
でも、きっとわたしはこの次に会う機会があったら、後ろめたい気持ちを持たずに、そして伸び伸びとできるだろう。
オダギリくんとは、ふたりで会うという友情の育み方はできなくなった。
でも、とても清々しい気分。
相手のためを思う。
あなたを傷付けたくない。
言葉にするのは簡単だ。
でも、それを形にすること、それを継続しつづけてくれるはとても難しいことだと思う。
それをしてくれる那智さんに感謝の気持ちを持つ機会を与えてくれた「那智さんの嫉妬」だった。
それにしても、この2日間の話し合いは、ふたりしてほんとにほんとに疲れた。
わかりたい、わかってほしい、でも、譲れない、そんなことの繰り返し。
大切な人と関係を作っていくのは、とても面倒で大変なこと。
でも、そこで生まれた絆はぜったい強い。
ノロケついでに^^
今回これを書くにあたって、もう一度ふたりで掘り下げて話してわかったことがある。
なぜ、わたしが先に書いた「隙だらけ」のメールではダメで、那智さんの言葉で書かせようとしたの?
どちらも「誘う」ことには変わりないのでは?
そんな疑問が浮かび、那智さんに聞いてみた。
「俺は、りん子の書いたことで、りん子を責めたくなかったんだ。俺が書かせたことに彼が乗ってくれば、りん子を責めずにすむだろ?同じような内容でもりん子の書い たものをそのまま使えば、結果的に『ほらね』とりん子を責めることになる。俺は、大事な人を責めることはしたくなかったんだな。」
これにはノックアウト。
人はつい自分が優位に立ちたいがために、相手のミスを探し責任転嫁するところがあるよね。
それは大好きな人にもしてしまいがち。
那智さんの、わたし(大切な人)に対する思いやりの深さに、やられました。
こんなこといわれたら、こんなふうに大切にされたら、わたしは、那智さんも自分も大切にしなきゃって思っちゃう。
わたしは、「わたし寄り」の男の人を引きつけ、その後始末のように自分を傷付けていた。
そして、なんでもつい「自分のせい」にしてしまうクセがある。
もう、そんなことはしないと思いたい、わたしはどんどん、わたしを大切にできるようになっているのだもの。
だから、もし、この次、引き寄せることがあったとしたら、上手に引き寄せて、傷付けることのない良い関係を作るのだ^^
って、まだ、引き寄せるつもりでいる、わたし(笑)
ふう、これで「嫉妬」のお話はおしましです。
いつものことだけど、ノロケ過ぎかな〜、自己陶酔過ぎかな〜。
でも、あの話し合ったときみたいに、書くだけで疲れちゃったからこのままアップしちゃいます^^
長い間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
ほんと、お疲れさまでした!!
長いけど、これで一気におしまいにします!!
もうちょっとお付き合いくださーい^^
翌日も危険信号は点滅したまま。
那智さんは、わたしが書いたメールには「好きといっているようだ」とダメ出しするくせに、誘うような言葉を書けと指示する。
そして、わたしの中のわたしは従っちゃいけないと、ずっと言ってる。
その気になったらいけないくせに、なぜ、そうなるようなことを書かせようとするの?
わたしは、いかにオダギリくんが貴重な人材で、過去に避けたことと同じように欺くことはしたくないと何度も伝え、なんとかして、その誘惑じみたメールを書くことを拒否しようとした。
そして、一番の抵抗は、例え那智さんといえども、メールの一言一句まで言いなりになりたくなかったのだ。
ううん、わたしは、那智さんの言いなりになることは幸せだと思ってる。
それは、那智さんが発してくれることはほとんどが「りん子のため」ということがわかっていたからだ。
その、安心の依存先那智さんの言いなりは幸せだもの。
だけど、なんていうのかな、わたしはわたしが自由な上で、那智さんの言いなりでいられることが幸せなのだ。
那智さんだって、わたしが伸び伸びとしていて、そして、あなたの足下にいたいと思うことがいいはずなの。
盲目的に「あなたの言う通り」なんて、ぜったい嫌いなはずなんだ。
それなのに、どうして、ここまでわたしに介入して自由を奪うように指示するの。
これに従ったら、この先のふたりの関係に歪みが生じてしまいそうで、問題の本質とは違う所で抵抗してしまっていた。
那智さんは矛盾したことをいい、わたしは本質と違うところで抵抗してる。
こんなふたりの話し合いは、平行線や堂々巡りといった混乱しか生まない。
お互い、「言いたいことはわかってる、でも!!」という枕詞を並べて、同じ会話を繰り返していた。
それでも、話し合いって無駄じゃないな〜と思えることもあるのね。
この話し合いで「ハグ」に対してのお互いの認識の違いが理解できたんだよね。
わたしはオダギリくんとしたハグ。
そこから想像する「ハグ」は、親愛の情の表れが多くを占めていて、そこから「なにか」に発展することもあるし、しないこともある、そんな感じに思っていた。
那智さんのそれは、「ハグ」=その先に進む、一歩。
要するに、オダギリくんはりん子を抱きたいと思いその手始めとしてハグしたと、それを受け入れたのだから、次はもう一歩進むつもりだろうと思っていたのだった。
その認識の違いから、那智さんの意図が少しずつ見えてきた。
那智さん自身の口から出る矛盾に対する説明。
それは、あのハグを肯定するような誘うような言葉には「その先に進むことを意図して、ハグしたのか」や「わたしに友情とは別に恋愛感情があるのか」、そんなことを探る意図が含まれていたらしい。
そこまで聞いても、まだ、那智さんの真意がわからず、わからないものに従うことへの抵抗感で、話し合いは平行線のまま。
その日の、仕事の時間の大半をわたしとの電話に費やしてくれてる。
でも、従えない。
闇雲に「はい、言う通りにします」と投げ出せたら、どんなに楽か。
「俺の言う通りにしろ」と言ってしまえば、どんなに簡単か。
それでも、ふたりともそれはしたくない。
那智さんにはウソをつきたくない。
心を押し殺したくない。
2日目の夕方。
ほとほと疲れ果てたとき、ふと、この話し合いが意味のないことだと気づいた。
だって、わたし、もうオダギリくんに会わないということは、決まってるんだよ。
最後に会うにしても、もう、結果は決まってる。
だから、どんな書き方してもいいじゃない!?
那智さんに細かく指示される意味はないのよ、とにかく会わないのだから。
そう気づいたら、この話し合いが無意味に思えた。
ちょうど、那智さんから連絡が来たから、開口一番そのことを伝えた。
「那智さん、那智さんがいろいろ言ってくれてるけど、大前提で会わないとわたし決めてるのだから、どんな書き方してもいいのではないですか?わたし、最終的には、会わないのですよ。」
「もう、いいよ、もう疲れちゃった。俺、自分がいやになっちゃったよ。」
それと重なるように、那智さんが大きなため息を吐きながら口を挟んだ。
そして、この2日間の那智さんの矛盾に満ちた発言の説明をしはじめたのだ。
りん子がハグしたことに確かに嫉妬したけど、それはもう済んだことだから、今回オダギリくんからメールが来て、まず思ったのは、りん子にとって良い関係で会わせてあげられないだろうかということだった。
心を許せる人をりん子から一人減らしたくなかったから。
いまここで軌道修正すれば、安心して会わせてあげられる、りん子も良い関係が築けるだろう。
そう思って、叩き台を読ませてもらった。
そこに書かれていることは、男なら誰でも誤解してしまいそうな誘い文句とも取れる「会わない」宣言だった。
突っ込みどころ満載で、ちょっと頭のいい男なら簡単に「会う」ことに漕ぎ着け、次の誘いができそうな書き方だった。
その文字に、一番嫉妬したのだ。
男を甘く誘い結局自分が傷付いてきたりん子の、その隙だらけの文章に得も言われぬ腹立たしさを感じたのだ。
これは嫉妬だ。
自分が忌み嫌う嫉妬。
ひと言「会うな」と制限したい気持ちが湧いて来た。
それと、同時に最初から思っていた「りん子のために良い関係と作ってあげたい」という思い。
このふたつで那智さんは葛藤した。
そして、「嫉妬による制限」を抑え、りん子をオダギリくんに会わせてあげようという気持ちを優先したのだ。
だから、罠を仕掛けるようなこと書かせようとした。
それをクリアしオダギリくんに下心がないということが証明できれば、安心してりん子を会わせてあげられる。
そのための踏み絵のような誘い言葉だった。
抵抗するりん子に真意を伝えずに、それをさせることは至難の技。
そのうち、会わせてあげたいがために仕掛ける罠があまりにも姑息なことに、だんだん自己嫌悪してきてしまったのだ。
一万円札を差し出し、それを手にしたら「盗った」と責めるような。
男なら「普通いくよね」という状態を作っていかないことを試すような、それでいったら「ほらね」責めるような。
会わせてあげたい気持ちの表れが、オダギリくんをおとしいれるような罠になってしまっている。
最後には、そんな自分が心底いやになってしまったのだ。
「もういいよ。」
那智さんは、会わせてあげたいという気持ちをやめた。
結果的にオダギリくんを悪者にしてしまうような罠を仕掛ける自己嫌悪。
有無を言わさず「会っちゃいけない」という「嫉妬による束縛」をする自己嫌悪。
那智さんは、後者を選んだのだった。
誰かのせいにすることをせず、「かっこ悪い」自分になることを選んだ。
「もう、俺、自分がいやになっちゃったよ。りん子が会わないと言ってるんだから、それでいいや。なんて書くかは任せる。だから、もうオダギリくんとふたりで会っちゃいけないよ。」
そういうことだったの?
わたしは、はじめて那智さんの真意を知って、全身の力が抜けた。
那智さんは、わたしがオダギリくんとまっとうな関係を作れるように考えて、わたしのためを思って指示をしていたの!?
そのために、この2日間、仕事の時間を割いてくれたの。
ひと言「会っちゃダメ」と言えば、わたしは不服ながらも従ったはずだ。
それをせず、わたしのためを思って話し合いを続けてくれた。
ことの経緯を知り、そのあとに下された「嫉妬による束縛」に、わたしは喜んで従おうと思った。
オダギリくんは大切な人だ、でも、それ以上に、この心を削り取るような話し合いをしてくれた那智さんのほうが、ずっとずっと大切だ。
那智さんの大きな心に感謝して、わたしは改めてオダギリくんへ「会えない」というメールを書いた。
真摯に、素直に、いつかオダギリくんと会うときに、ちゃんと向かえ合えるように。
一生懸命、書いた。
翌朝。
「那智さん、オダギリくんへのメールチェックしたいですか?」
「う〜ん、チェックはしなくていいや、任せる。でも、気になるから送ったあとで読ませてほしい。」
オダギリくんに送信して、そのあと一言一句直さず那智さんに転送した。
誰も傷付けず、自分もオダギリくんも責めずに書けたから、胸を張って那智さんに転送できた。
数日後。
「メール読みました。りん子さんの気持ちよくわかりました。僕も懐かしい幼なじみに会ったような 感じになって羽目を外してしまったかもしれません。ごめんね。また、みんなで会いましょう。そのときはたくさん話そうね。いつまでも、まっすぐで正直なりん子さんでいてね。オダギリ」
オダギリくんから、こんなお返事が来た。
彼の真意はわからない。
でも、きっとわたしはこの次に会う機会があったら、後ろめたい気持ちを持たずに、そして伸び伸びとできるだろう。
オダギリくんとは、ふたりで会うという友情の育み方はできなくなった。
でも、とても清々しい気分。
相手のためを思う。
あなたを傷付けたくない。
言葉にするのは簡単だ。
でも、それを形にすること、それを継続しつづけてくれるはとても難しいことだと思う。
それをしてくれる那智さんに感謝の気持ちを持つ機会を与えてくれた「那智さんの嫉妬」だった。
それにしても、この2日間の話し合いは、ふたりしてほんとにほんとに疲れた。
わかりたい、わかってほしい、でも、譲れない、そんなことの繰り返し。
大切な人と関係を作っていくのは、とても面倒で大変なこと。
でも、そこで生まれた絆はぜったい強い。
ノロケついでに^^
今回これを書くにあたって、もう一度ふたりで掘り下げて話してわかったことがある。
なぜ、わたしが先に書いた「隙だらけ」のメールではダメで、那智さんの言葉で書かせようとしたの?
どちらも「誘う」ことには変わりないのでは?
そんな疑問が浮かび、那智さんに聞いてみた。
「俺は、りん子の書いたことで、りん子を責めたくなかったんだ。俺が書かせたことに彼が乗ってくれば、りん子を責めずにすむだろ?同じような内容でもりん子の書い たものをそのまま使えば、結果的に『ほらね』とりん子を責めることになる。俺は、大事な人を責めることはしたくなかったんだな。」
これにはノックアウト。
人はつい自分が優位に立ちたいがために、相手のミスを探し責任転嫁するところがあるよね。
それは大好きな人にもしてしまいがち。
那智さんの、わたし(大切な人)に対する思いやりの深さに、やられました。
こんなこといわれたら、こんなふうに大切にされたら、わたしは、那智さんも自分も大切にしなきゃって思っちゃう。
わたしは、「わたし寄り」の男の人を引きつけ、その後始末のように自分を傷付けていた。
そして、なんでもつい「自分のせい」にしてしまうクセがある。
もう、そんなことはしないと思いたい、わたしはどんどん、わたしを大切にできるようになっているのだもの。
だから、もし、この次、引き寄せることがあったとしたら、上手に引き寄せて、傷付けることのない良い関係を作るのだ^^
って、まだ、引き寄せるつもりでいる、わたし(笑)
ふう、これで「嫉妬」のお話はおしましです。
いつものことだけど、ノロケ過ぎかな〜、自己陶酔過ぎかな〜。
でも、あの話し合ったときみたいに、書くだけで疲れちゃったからこのままアップしちゃいます^^
長い間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
ほんと、お疲れさまでした!!
実行計画と妄想
非日常的な日常
フィクションです^^
首輪にリードを着けて今日は百貨店へお買い物。
正面玄関じゃない少し小さめの入り口から入るの。
「正面玄関からだと売り場まで距離があるから、売り場に着く前に声をかけられそうだもんね。帰りは正面玄関から出ようね。」
声?
そう、警備の人や売り場の主任さんとかに早く気づかれちゃうと、入っちゃいけませんって言われちゃうかもしれないものね。
だって、リードで引かれて四つん這いでお買い物なんだもの。
ちょっと勇気がいるけど、今日はわたしにアクセサリーを買ってくれるって言ってくれているので、しゃんとしなきゃ。
ペタペタ。
乳白色の冷たい床。
膝がゴツゴツと当たって、ちょっと痛い。
でも、アスファルトのゴツゴツよりは、ずっと快適。
リードを引く那智さんの少し後ろを歩く。
店内の空気がざわつく。
でも、しゃんと歩くのだ。
だって、わたしを連れてお散歩してくれて、アクセサリーまで買ってくれるんだもの。
ガラスケースの中を見て、良さそうなものを見繕う那智さんの足下で大人しく待ってる。
わたしは「わんこ」だから、それを覗くことはできないの。
どんなのを選んでくれるか、ちょっとわくわく。
「着けてみてもいいですか?あ、ごめんなさい、この子立たないからこのままでお願いできますか?」
困惑の笑みを浮かべた女性の店員さんが床に手を付いてわんこ座りしてるわたしの首に手を回し、アクセサリーを着けてくれる。
「うん、似合うね。りん子、気に入った?…じゃあ、これを包んでください。」
それだけでも可愛らしいジュエリーショップの小さな手提げ袋。
中には同じ色のリボンを掛けたジュエリーボックス。
でも、それをいまは見ることはできないんだ。
「はい、りん子、自分で持つんだよ。」
渡された小さな袋を、口にくわえる。
くわえてるから、中を覗き見ることができないの。
くいっとリードが引かれ、ショップを出る。
「ありがとうございました。」
店員さんの愛想笑いに見送られ、わたしはちょっと誇らしげに袋をくわえて、またペタペタと歩く。
「あ、くわえてたから口紅がはげてきちゃったね。化粧品売り場で直してもらおう。」
アクセサリー売り場に負けないくらいきらきらした売り場。
揃いの制服に身を包んだ店員さんたち。
その中のひとりの女性に那智さんが声をかけた。
「すみません、この子の口紅がはげちゃったんで、直していただけませんか?」
ざわつく店内。
髪をひとつに束ねたわたしよりずっと若い綺麗な店員さんが、しっかりとした声でいう。
「どうぞ、お椅子にお掛けくださいませ。」
「この子、ここがいいんですよ。すみませんが、ここでお願いできませんか。」
「はい、かしこまりました。」
臆することなくしゃがみこみ、わたしと同じ目線になる店員さん。
「まあ、かわいいわんちゃんですね。」
そういって、口紅を塗り直してくれた。
顎に添えられた指、香水の香り、どれもわたしを優しく迎え入れてくれているようで、嬉しくて静かに目を閉じる。
「おとなしくて、いいこ。撫でてもいいですか?」
「どうぞ。」
顎にあった細い指がわたしの首筋に。
那智さんのそれとは違う、冷たく柔らかい手。
気持ち良くて、うっとりしてしまう。
また、小さな袋をくわえて、化粧品売り場を後にする。
「お客様。」
呼び止められた。
スーツを着た、きっとえらい人だ。
振り返る那智さん。
「お客様、大変申し訳ございませんが、他のお客様のご迷惑にならないように、ご配慮いただけませんでしょうか。」
やっぱり四つん這いはダメなんだ。
困った顔して遠回しに注意してる。
「すみません、もう帰るところです。すぐ退散しますから、そこの正面玄関までこのままで行かせてください。あ、なんなら、引いてみます?」
「い、いえ!!」
慌てるえらい人、那智さん、趣味悪い。
堂々と正面玄関に向かって歩き出す那智さんから離れないように、くわえた小袋を揺らして急いで歩く。
狂いそうに恥ずかしく、でも、ちょっと誇らしげにペタペタと四つ足で。
百貨店のはす向かいのコンビニに向かう。
ここは、一度四つん這いになったところだ。
「百貨店では、出てくださいって言われちゃったし、ここは通路が狭いから中には入れてあげられないよ。」
そういって、駐輪スペースの白い柵にリードを繋ぐ。
「いいこで待っているんだよ。」
頭をトントンと撫でて、那智さんはコンビニに入っていく。
わたしは四つん這いのまま、そこでじっと待つの。
手提げをくわえた口もとに唾液が溜まり、したたり落ちる。
それでもじっと待っている。
「いいこでね」と言われたから。
ガラス張りのコンビニを見て、一心不乱に那智さんを探す。
いとしいわたしの飼い主さん。
早く、早く戻ってきてね。
恥ずかしいから?それはもちろん。
でも、違うの、わたしは片時もあなたから離れていたくないから。
だけど、同時に、ゆっくりと店内を物色する那智さんをじっと「いいこ」で待っているこの誇らしい気持ち。
「いいこ」でいられる喜び。
道行く人の驚きの目線や、侮蔑の表情、立ち止まり友達同士で囁き合う、わざと早足で見て見ぬふり。
どれもわたしを傷付ける。
でも、どれも、わたしには気持ちいい。
だって、わたしは那智さんのものなんだもの。
自動ドアが開く、ゆっくり近付く那智さんに見えない尻尾を思いっきり振って、「あなたが大好き」って伝えるの。
こんなのどうでしょう!?
普段ふたりの会話に出てくる那智さんのお楽しみ「実行計画」の想像に、わたしのスーパー妄想をからめてみました。
この「実行計画の想像」と「スーパー妄想」は似ているけれど、大きな隔たりがあります。
だから、できるできない、するしないは別にして、この妄想、どう?
ぜーったい大変だけど、なんか幸せそうじゃない!?って、わたしは思って、困ってます。
フィクションです^^
首輪にリードを着けて今日は百貨店へお買い物。
正面玄関じゃない少し小さめの入り口から入るの。
「正面玄関からだと売り場まで距離があるから、売り場に着く前に声をかけられそうだもんね。帰りは正面玄関から出ようね。」
声?
そう、警備の人や売り場の主任さんとかに早く気づかれちゃうと、入っちゃいけませんって言われちゃうかもしれないものね。
だって、リードで引かれて四つん這いでお買い物なんだもの。
ちょっと勇気がいるけど、今日はわたしにアクセサリーを買ってくれるって言ってくれているので、しゃんとしなきゃ。
ペタペタ。
乳白色の冷たい床。
膝がゴツゴツと当たって、ちょっと痛い。
でも、アスファルトのゴツゴツよりは、ずっと快適。
リードを引く那智さんの少し後ろを歩く。
店内の空気がざわつく。
でも、しゃんと歩くのだ。
だって、わたしを連れてお散歩してくれて、アクセサリーまで買ってくれるんだもの。
ガラスケースの中を見て、良さそうなものを見繕う那智さんの足下で大人しく待ってる。
わたしは「わんこ」だから、それを覗くことはできないの。
どんなのを選んでくれるか、ちょっとわくわく。
「着けてみてもいいですか?あ、ごめんなさい、この子立たないからこのままでお願いできますか?」
困惑の笑みを浮かべた女性の店員さんが床に手を付いてわんこ座りしてるわたしの首に手を回し、アクセサリーを着けてくれる。
「うん、似合うね。りん子、気に入った?…じゃあ、これを包んでください。」
それだけでも可愛らしいジュエリーショップの小さな手提げ袋。
中には同じ色のリボンを掛けたジュエリーボックス。
でも、それをいまは見ることはできないんだ。
「はい、りん子、自分で持つんだよ。」
渡された小さな袋を、口にくわえる。
くわえてるから、中を覗き見ることができないの。
くいっとリードが引かれ、ショップを出る。
「ありがとうございました。」
店員さんの愛想笑いに見送られ、わたしはちょっと誇らしげに袋をくわえて、またペタペタと歩く。
「あ、くわえてたから口紅がはげてきちゃったね。化粧品売り場で直してもらおう。」
アクセサリー売り場に負けないくらいきらきらした売り場。
揃いの制服に身を包んだ店員さんたち。
その中のひとりの女性に那智さんが声をかけた。
「すみません、この子の口紅がはげちゃったんで、直していただけませんか?」
ざわつく店内。
髪をひとつに束ねたわたしよりずっと若い綺麗な店員さんが、しっかりとした声でいう。
「どうぞ、お椅子にお掛けくださいませ。」
「この子、ここがいいんですよ。すみませんが、ここでお願いできませんか。」
「はい、かしこまりました。」
臆することなくしゃがみこみ、わたしと同じ目線になる店員さん。
「まあ、かわいいわんちゃんですね。」
そういって、口紅を塗り直してくれた。
顎に添えられた指、香水の香り、どれもわたしを優しく迎え入れてくれているようで、嬉しくて静かに目を閉じる。
「おとなしくて、いいこ。撫でてもいいですか?」
「どうぞ。」
顎にあった細い指がわたしの首筋に。
那智さんのそれとは違う、冷たく柔らかい手。
気持ち良くて、うっとりしてしまう。
また、小さな袋をくわえて、化粧品売り場を後にする。
「お客様。」
呼び止められた。
スーツを着た、きっとえらい人だ。
振り返る那智さん。
「お客様、大変申し訳ございませんが、他のお客様のご迷惑にならないように、ご配慮いただけませんでしょうか。」
やっぱり四つん這いはダメなんだ。
困った顔して遠回しに注意してる。
「すみません、もう帰るところです。すぐ退散しますから、そこの正面玄関までこのままで行かせてください。あ、なんなら、引いてみます?」
「い、いえ!!」
慌てるえらい人、那智さん、趣味悪い。
堂々と正面玄関に向かって歩き出す那智さんから離れないように、くわえた小袋を揺らして急いで歩く。
狂いそうに恥ずかしく、でも、ちょっと誇らしげにペタペタと四つ足で。
百貨店のはす向かいのコンビニに向かう。
ここは、一度四つん這いになったところだ。
「百貨店では、出てくださいって言われちゃったし、ここは通路が狭いから中には入れてあげられないよ。」
そういって、駐輪スペースの白い柵にリードを繋ぐ。
「いいこで待っているんだよ。」
頭をトントンと撫でて、那智さんはコンビニに入っていく。
わたしは四つん這いのまま、そこでじっと待つの。
手提げをくわえた口もとに唾液が溜まり、したたり落ちる。
それでもじっと待っている。
「いいこでね」と言われたから。
ガラス張りのコンビニを見て、一心不乱に那智さんを探す。
いとしいわたしの飼い主さん。
早く、早く戻ってきてね。
恥ずかしいから?それはもちろん。
でも、違うの、わたしは片時もあなたから離れていたくないから。
だけど、同時に、ゆっくりと店内を物色する那智さんをじっと「いいこ」で待っているこの誇らしい気持ち。
「いいこ」でいられる喜び。
道行く人の驚きの目線や、侮蔑の表情、立ち止まり友達同士で囁き合う、わざと早足で見て見ぬふり。
どれもわたしを傷付ける。
でも、どれも、わたしには気持ちいい。
だって、わたしは那智さんのものなんだもの。
自動ドアが開く、ゆっくり近付く那智さんに見えない尻尾を思いっきり振って、「あなたが大好き」って伝えるの。
こんなのどうでしょう!?
普段ふたりの会話に出てくる那智さんのお楽しみ「実行計画」の想像に、わたしのスーパー妄想をからめてみました。
この「実行計画の想像」と「スーパー妄想」は似ているけれど、大きな隔たりがあります。
だから、できるできない、するしないは別にして、この妄想、どう?
ぜーったい大変だけど、なんか幸せそうじゃない!?って、わたしは思って、困ってます。
恋しい(アップ10分後の追記あり)
独り言
那智さんと一緒にいると安心する。
もちろん、いろんなことをされるから、ハラハラドキドキはするけれど。
根っこはいつも安心してる。
那智さんの掌の中でコロコロしてるみたい。
泣いたり笑ったり、でも、手の中だから、安心。
ドキドキのことをしていても、お食事をしているだけでも、一緒に雑誌を読んでるときにも、いつもいつも同じ安心感。
那智さんのそばにいれば大丈夫という、漠然とした、でも確固たる安心感。
その安心感が恋しいと思う。
離れていることが、さみしいというのではなくて。
離れていても俺という存在があるだけで大丈夫だろ、ずっとそう教えてもらってた。
それが、最近のわたしは少しずつ実になっているようで、さみしくて泣くということはずいぶん減ったの。
でも、ふと、あの一緒にいるときの安心感を思い出す。
そうすると、恋しいと思うの。
離れていることが、さみしいんじゃなくて。
とってもとっても、恋しい。
那智さんが、恋しいよぉ。
アップを知らせたあとすぐに来た、第一報。(ここから、追記です)
「ベタだね(笑)」
「わあ、やりすぎですか?」
「他の話題に絡めてならいいけど、これだけってベタだろ〜。」
「ええ、じゃあ、消します?」
「そんなのりん子の好きにすれば?」
「いや、なんか急に恥ずかしくなってきました。消したほうがいいですか?」
「だから〜、書くことに関しては、りん子の自由で俺がどうしろとは言わないの。」
「ええ〜、那智さん決めてください。」
「だめ、自分で決めるの!!」
「那智さん決めてください〜。」
「だめだって言ってるだろ!!自分で決めなさい(笑)」
「だって、那智さんが『ベタ』っていうから、恥ずかしくなっちゃったんですよ、だから、今回だけ那智さんが決めてください。」
「ったく、だったら、消せばぁ!!(苦笑)」
って、ことで、なんかに絡められたので消さずにおきまーす^^
那智さんと一緒にいると安心する。
もちろん、いろんなことをされるから、ハラハラドキドキはするけれど。
根っこはいつも安心してる。
那智さんの掌の中でコロコロしてるみたい。
泣いたり笑ったり、でも、手の中だから、安心。
ドキドキのことをしていても、お食事をしているだけでも、一緒に雑誌を読んでるときにも、いつもいつも同じ安心感。
那智さんのそばにいれば大丈夫という、漠然とした、でも確固たる安心感。
その安心感が恋しいと思う。
離れていることが、さみしいというのではなくて。
離れていても俺という存在があるだけで大丈夫だろ、ずっとそう教えてもらってた。
それが、最近のわたしは少しずつ実になっているようで、さみしくて泣くということはずいぶん減ったの。
でも、ふと、あの一緒にいるときの安心感を思い出す。
そうすると、恋しいと思うの。
離れていることが、さみしいんじゃなくて。
とってもとっても、恋しい。
那智さんが、恋しいよぉ。
アップを知らせたあとすぐに来た、第一報。(ここから、追記です)
「ベタだね(笑)」
「わあ、やりすぎですか?」
「他の話題に絡めてならいいけど、これだけってベタだろ〜。」
「ええ、じゃあ、消します?」
「そんなのりん子の好きにすれば?」
「いや、なんか急に恥ずかしくなってきました。消したほうがいいですか?」
「だから〜、書くことに関しては、りん子の自由で俺がどうしろとは言わないの。」
「ええ〜、那智さん決めてください。」
「だめ、自分で決めるの!!」
「那智さん決めてください〜。」
「だめだって言ってるだろ!!自分で決めなさい(笑)」
「だって、那智さんが『ベタ』っていうから、恥ずかしくなっちゃったんですよ、だから、今回だけ那智さんが決めてください。」
「ったく、だったら、消せばぁ!!(苦笑)」
って、ことで、なんかに絡められたので消さずにおきまーす^^