『いいこいいこ』3
独特な幸福感
前々回と前回『いいこいいこ』しないで迎えた会う日。
すこし欲情していたこともあり、『いいこいいこ』からはじまり那智さんに可愛がってもらうことにそわそわ、ワクワク。
お風呂の用意をしてベッドに転がりスマホで用事済ませていると、メールチェックを終えた那智さんがスカートをたくし上げてきた。
今日の下着も那智さんのお気に入り。
喜んでくれたみたいで嬉しいけど、用事をしているし、まだ素の状態なのでやめてほしい。
早くお風呂入ってマッサージして『いいこいいこ』までこぎつけたい。
太腿やお尻に触れられて気持ちがいい。
感じてしまいそうな体に頭がブレーキをかける。
この自分内の攻防がしんどい。
今日は触って欲しかったのに、リラックスして触ってもらったら絶対没頭できるのに。
儀式をする前にはじめないで。
自分内攻防がしんどいのと、中途半端に触られてお風呂やマッサージになって想像していたマックス気持ちいいになれない気がするので抵抗しまくる。
いま触られるのもったいない!!(とまでいってしまった^^;)
それでも那智さんはやめてくれない。
感じるほうに流れていってしまいたいのと『いいこいいこ』をしていないからブレーキかかってることの葛藤。
気がつけば全部脱がされていた。
もう、じゃあ、はじめちゃいましょう!!
やけっぱちになってベッドの上の洋服たちを床に落とす。
『いいこいいこ』してもらえない、全然想像していた展開じゃない。
不本意なセックスがはじまろうとしている。
那智さんが道具を用意する間、この強い羞恥心やブレーキをどうしたらいいのだろうと考える。
一回抵抗してハードルを上げるから崩れづらくなるのだ。
スカートをめくられて『那智さん、ちょっと待ってください』と軽く抵抗すると羞恥心やブレーキが一段上がる。
それでも那智さんが続ければ、また抵抗するから一段一段ハードルが上がって意固地になってしまう。
だとしたら、最初の抵抗をしなければいいのか。
羞恥心とか性的に感じる自分へのブレーキとかかなぐり捨てて、まるで外国映画のシーンのように最初に触れられたらそれを受け入れ、こちらから舌を差し込むようなキスをすればハードルができなくて精神的負担が軽減されるのか。
でも、那智さんはそのわたしが好きだろうか。
(できるかどうかは置いといて^^;)
きっと『いつも』そうだとイヤなはずだ。
(たまには楽しいと思うけど)
わかっているけど、この『いいこいいこ』をしないセックスに毎度過剰なほどに抵抗するのはふたりにとってもよくないのもわかるから、後で那智さんに伝えよう。
これからは那智さんの好みではないと思うけど羞恥心を見せないように努力して、最初の抵抗をなくしてみると。
そんなことを考えていた。
(で、いつも通り気持ちよかった^^;)
いわゆる賢者タイム(ホントは那智さん、あまりこれないのだけど)。
まだふたりとも息が整ってないのだけど、さっき考えたことを話す。
話さずにはいられないわたし^^;
羞恥心ゆえ一旦抵抗すると崩せなくなるから、今度からは抵抗しないように努める。
なので、外国映画みたいになるかもしれないけど、ご了承ください、と。
りん子は『ねばならない』になっちゃってるんだよ
腕枕の中から見上げると那智さんは目を瞑りながらそんなことをいった。
『いいこいいこ』しなければならないって
でも、羞恥心や感じる自分へのブレーキを取り払うには『いいこいいこ』が必要ですと反論しようとするけど、次の言葉ではたとたちどまる。
5年くらい前から
ああ、そうだ。
『いいこいいこ』は『普通のひとで愛し合おう』でわたしが那智さんを支えたときに必要に迫られてはじまったのだ。
あれ?
じゃあ、その前のわたしはどうしていた?
回路が繋がるように頭がクリアになると同時に大きなため息がもれる。
そうだ、『普通のひとで愛し合おう』の前のわたしは那智さんのすることに恥ずかしながら、抵抗しながら、でもするようになっていた。
あの頃のわたしの感覚がぼんやりと蘇ってくる。
『いいこいいこ』なんてしなくても、恥ずかしさを抱えながら那智さんのすることに委ねていた。
ひとの感覚や認識って都合よく改ざんされる。
『いいこいいこ』は羞恥心ゆえに必要だったのではなかった。
那智さんを支えるために必要だったのだ。
深層ではそう認識していても表層では違うように認識していて問題の本質から目をそむけていた。
あの時はそれが必要だったし、いまだって支えてもらってるけど
りん子の中で『いいこいいこ』をしなければならないになっちゃってるんだよ
それをなくしたいと、最近思ってたんだ
今年に入ってはじめたダイエットが功を奏して、わたしは洋服や下着を楽しむようになっている。
それは那智さんにとっても嬉しいことで、りん子をもっと可愛がりたいなと思うようになったそうだ。
おそらく、那智さん自身『いいこいいこ』が絶対必要と感じる状態ではなくなってきたこともあるだろう。
りん子の『ねばならない』をなくして、那智さん自身の情熱や衝動を大切にしたいと思ってきたそうだ。
順番とか関係ない
風呂入る前だって『いいこいいこ』する前だって、やりたいと思うことをやる
そう思って、前々回みたいなことをしたんだ
でも、こういうことは事前にいっても素直に入ってこないだろ?
それに、俺がいえばりん子は身構えてしまう
だからいわずに自然にやっていこうと思ってた
那智さんらしい。
実際、事前に「『ねばならない』となしにしよう、そのためには俺はやりたいようにやる」と説明されていたら、わたしは身構えてしまって自然に振る舞えないだろう。
素直に受け取れず、いろいろ反論して終わってしまうか、逆に『那智さんの思うようにしなきゃ』と無意識に無理をしてしまう。
そのどちらも那智さんの本意ではない。
那智さんは、わたしが意識せず自然に変わっていくことがよいのだ(その方が楽しいだろうし、わたしも楽だということだ)
口でいってしまえば簡単なのに、これ、本当にありがたい。
問題の解決は本人が問題だと気づくことからはじまる。
那智さんは行動することでわたしを変えるか、わたし自身が問題に気づくか時間をかけようと思った。
それで前々回と今回で行動を起こしたところで、わたしがしんどいあまり問題解決を申し出たわけだ。
(わたしの解決方法は的外れだったけど^^;)
思いの外早くわたしが気づいたから素直に問題解決に進めたことになる。
なんていうタイミングだったのだろう。
それに俺自身が『いいこいいこ』すればいいってことに甘えないためにもね
たしかにあの時のわたしには『いいこいいこ』は必要だった。
弁護士と話し合うために、心療内科につきそうために、那智さんの状態にのみアンテナを張り自分の感情を二の次にしていたわたしが那智さんの前で無防備になるには、切実に必要だった。
でも、いまは違う。
わたしは5年より前のわたしを思い出した。
恥ずかしったりブレーキ踏んだりしていてもそれを上回る快感を。
素直に那智さんに委ねていればよかっただけだったことを。
そこには『儀式』なんてなかった。
だからといってオセロのようにくるっとひっくり変えることはできないかもしれないし、もしかしたら『いいこいいこ』の儀式が必要なときもあるかもしれない。
『いいこいいこ』の究極のリラックスからはじまるセックスだっていいだろう。
でも『ねばならない』ことなんてないのだ。
これからは素直に委ねる経験を、またひとつひとつ積み重ねていくのもいいなと思えている。
でもね、那智さん「りん子、残念だったね」なんていうのですよ。
たしかに、那智さんの情熱に任せて思考と行動で知らぬ間に『ねばならない』の壁を少しずつ崩されていくなんて機会を逃してしまったのだ(笑)
もったいないといえば、もったいない。
あんな感じにしたかな。
こんなふうにすることもあったかな。
と、惜しい気もする。
那智さんもじわじわ崩す楽しみがなくなって残念かもしれませんけど^^
まあ、でも、わたし自身、問題の本質がわかってないとしんどいので、これでよしとしよう^^
とにかく、那智さんが考えたことを行動に移したのと、わたしが問題解決したいと思うタイミングが見事にあったこと。
それを話し合えたことがうれしい。
なによりわたしの感じた問題に、那智さんには『答え』があるのがとてもうれしい。
わたしにとって那智さんに『答え』てもらうことも『いいこいいこ』なのかもしれないね^^
<関連エントリー>
無視する(笑)
調子に乗ろう
普通のひとで愛し合おう
「等式」「いいこいいこ」感想です。
これは我々にとって難しい課題です。
いいこいいこを「ねばならない」ことと私が「いいこいいこをすればよい」ことのせめぎ合い。(笑)
5年かかったのだから、5年かけて無くなれば良いと思う。
前々回と前回『いいこいいこ』しないで迎えた会う日。
すこし欲情していたこともあり、『いいこいいこ』からはじまり那智さんに可愛がってもらうことにそわそわ、ワクワク。
お風呂の用意をしてベッドに転がりスマホで用事済ませていると、メールチェックを終えた那智さんがスカートをたくし上げてきた。
今日の下着も那智さんのお気に入り。
喜んでくれたみたいで嬉しいけど、用事をしているし、まだ素の状態なのでやめてほしい。
早くお風呂入ってマッサージして『いいこいいこ』までこぎつけたい。
太腿やお尻に触れられて気持ちがいい。
感じてしまいそうな体に頭がブレーキをかける。
この自分内の攻防がしんどい。
今日は触って欲しかったのに、リラックスして触ってもらったら絶対没頭できるのに。
儀式をする前にはじめないで。
自分内攻防がしんどいのと、中途半端に触られてお風呂やマッサージになって想像していたマックス気持ちいいになれない気がするので抵抗しまくる。
いま触られるのもったいない!!(とまでいってしまった^^;)
それでも那智さんはやめてくれない。
感じるほうに流れていってしまいたいのと『いいこいいこ』をしていないからブレーキかかってることの葛藤。
気がつけば全部脱がされていた。
もう、じゃあ、はじめちゃいましょう!!
やけっぱちになってベッドの上の洋服たちを床に落とす。
『いいこいいこ』してもらえない、全然想像していた展開じゃない。
不本意なセックスがはじまろうとしている。
那智さんが道具を用意する間、この強い羞恥心やブレーキをどうしたらいいのだろうと考える。
一回抵抗してハードルを上げるから崩れづらくなるのだ。
スカートをめくられて『那智さん、ちょっと待ってください』と軽く抵抗すると羞恥心やブレーキが一段上がる。
それでも那智さんが続ければ、また抵抗するから一段一段ハードルが上がって意固地になってしまう。
だとしたら、最初の抵抗をしなければいいのか。
羞恥心とか性的に感じる自分へのブレーキとかかなぐり捨てて、まるで外国映画のシーンのように最初に触れられたらそれを受け入れ、こちらから舌を差し込むようなキスをすればハードルができなくて精神的負担が軽減されるのか。
でも、那智さんはそのわたしが好きだろうか。
(できるかどうかは置いといて^^;)
きっと『いつも』そうだとイヤなはずだ。
(たまには楽しいと思うけど)
わかっているけど、この『いいこいいこ』をしないセックスに毎度過剰なほどに抵抗するのはふたりにとってもよくないのもわかるから、後で那智さんに伝えよう。
これからは那智さんの好みではないと思うけど羞恥心を見せないように努力して、最初の抵抗をなくしてみると。
そんなことを考えていた。
(で、いつも通り気持ちよかった^^;)
いわゆる賢者タイム(ホントは那智さん、あまりこれないのだけど)。
まだふたりとも息が整ってないのだけど、さっき考えたことを話す。
話さずにはいられないわたし^^;
羞恥心ゆえ一旦抵抗すると崩せなくなるから、今度からは抵抗しないように努める。
なので、外国映画みたいになるかもしれないけど、ご了承ください、と。
りん子は『ねばならない』になっちゃってるんだよ
腕枕の中から見上げると那智さんは目を瞑りながらそんなことをいった。
『いいこいいこ』しなければならないって
でも、羞恥心や感じる自分へのブレーキを取り払うには『いいこいいこ』が必要ですと反論しようとするけど、次の言葉ではたとたちどまる。
5年くらい前から
ああ、そうだ。
『いいこいいこ』は『普通のひとで愛し合おう』でわたしが那智さんを支えたときに必要に迫られてはじまったのだ。
あれ?
じゃあ、その前のわたしはどうしていた?
回路が繋がるように頭がクリアになると同時に大きなため息がもれる。
そうだ、『普通のひとで愛し合おう』の前のわたしは那智さんのすることに恥ずかしながら、抵抗しながら、でもするようになっていた。
あの頃のわたしの感覚がぼんやりと蘇ってくる。
『いいこいいこ』なんてしなくても、恥ずかしさを抱えながら那智さんのすることに委ねていた。
ひとの感覚や認識って都合よく改ざんされる。
『いいこいいこ』は羞恥心ゆえに必要だったのではなかった。
那智さんを支えるために必要だったのだ。
深層ではそう認識していても表層では違うように認識していて問題の本質から目をそむけていた。
あの時はそれが必要だったし、いまだって支えてもらってるけど
りん子の中で『いいこいいこ』をしなければならないになっちゃってるんだよ
それをなくしたいと、最近思ってたんだ
今年に入ってはじめたダイエットが功を奏して、わたしは洋服や下着を楽しむようになっている。
それは那智さんにとっても嬉しいことで、りん子をもっと可愛がりたいなと思うようになったそうだ。
おそらく、那智さん自身『いいこいいこ』が絶対必要と感じる状態ではなくなってきたこともあるだろう。
りん子の『ねばならない』をなくして、那智さん自身の情熱や衝動を大切にしたいと思ってきたそうだ。
順番とか関係ない
風呂入る前だって『いいこいいこ』する前だって、やりたいと思うことをやる
そう思って、前々回みたいなことをしたんだ
でも、こういうことは事前にいっても素直に入ってこないだろ?
それに、俺がいえばりん子は身構えてしまう
だからいわずに自然にやっていこうと思ってた
那智さんらしい。
実際、事前に「『ねばならない』となしにしよう、そのためには俺はやりたいようにやる」と説明されていたら、わたしは身構えてしまって自然に振る舞えないだろう。
素直に受け取れず、いろいろ反論して終わってしまうか、逆に『那智さんの思うようにしなきゃ』と無意識に無理をしてしまう。
そのどちらも那智さんの本意ではない。
那智さんは、わたしが意識せず自然に変わっていくことがよいのだ(その方が楽しいだろうし、わたしも楽だということだ)
口でいってしまえば簡単なのに、これ、本当にありがたい。
問題の解決は本人が問題だと気づくことからはじまる。
那智さんは行動することでわたしを変えるか、わたし自身が問題に気づくか時間をかけようと思った。
それで前々回と今回で行動を起こしたところで、わたしがしんどいあまり問題解決を申し出たわけだ。
(わたしの解決方法は的外れだったけど^^;)
思いの外早くわたしが気づいたから素直に問題解決に進めたことになる。
なんていうタイミングだったのだろう。
それに俺自身が『いいこいいこ』すればいいってことに甘えないためにもね
たしかにあの時のわたしには『いいこいいこ』は必要だった。
弁護士と話し合うために、心療内科につきそうために、那智さんの状態にのみアンテナを張り自分の感情を二の次にしていたわたしが那智さんの前で無防備になるには、切実に必要だった。
でも、いまは違う。
わたしは5年より前のわたしを思い出した。
恥ずかしったりブレーキ踏んだりしていてもそれを上回る快感を。
素直に那智さんに委ねていればよかっただけだったことを。
そこには『儀式』なんてなかった。
だからといってオセロのようにくるっとひっくり変えることはできないかもしれないし、もしかしたら『いいこいいこ』の儀式が必要なときもあるかもしれない。
『いいこいいこ』の究極のリラックスからはじまるセックスだっていいだろう。
でも『ねばならない』ことなんてないのだ。
これからは素直に委ねる経験を、またひとつひとつ積み重ねていくのもいいなと思えている。
でもね、那智さん「りん子、残念だったね」なんていうのですよ。
たしかに、那智さんの情熱に任せて思考と行動で知らぬ間に『ねばならない』の壁を少しずつ崩されていくなんて機会を逃してしまったのだ(笑)
もったいないといえば、もったいない。
あんな感じにしたかな。
こんなふうにすることもあったかな。
と、惜しい気もする。
那智さんもじわじわ崩す楽しみがなくなって残念かもしれませんけど^^
まあ、でも、わたし自身、問題の本質がわかってないとしんどいので、これでよしとしよう^^
とにかく、那智さんが考えたことを行動に移したのと、わたしが問題解決したいと思うタイミングが見事にあったこと。
それを話し合えたことがうれしい。
なによりわたしの感じた問題に、那智さんには『答え』があるのがとてもうれしい。
わたしにとって那智さんに『答え』てもらうことも『いいこいいこ』なのかもしれないね^^
<関連エントリー>
無視する(笑)
調子に乗ろう
普通のひとで愛し合おう
「等式」「いいこいいこ」感想です。
これは我々にとって難しい課題です。
いいこいいこを「ねばならない」ことと私が「いいこいいこをすればよい」ことのせめぎ合い。(笑)
5年かかったのだから、5年かけて無くなれば良いと思う。