不自由の幸福2
非日常的な日常
まだ涙が溢れているなか、今度は那智さんが鞭を手にした。
ああ、この状態で鞭…。
拘束された状態であの強烈な鞭を受け止めることは恐怖以外のなにものでもない。
痛みが快感になるには【恐怖は邪魔】だって、以前から言っているのに!!
手を後ろで縛られて足もひとつにまとめられた体でどうやって地団駄を踏めばいいのだ、どうやって痛みをやり過ごせばいいのだ、痛みに耐えるために半身を起こし体勢を整える両腕がいまのわたしにはない。
その恐怖と絶望に震える。
イヤイヤと首を振っている記憶があるけど、すこし曖昧。
さらに涙が溢れたことは覚えている。
恐怖と絶望の涙。
ううん、それだけじゃない、わたしはよろこんでいる。
逃れられないよろこびが涙の量を増やしているのだ。
たぶん、ほとんど無抵抗に抱きかかえられるままにベッドに上半身を預ける。
足はベッドの下だ。
こんなふうにお尻の皮膚がピンと張っているとより一層痛くなるんだ。
だから、いつもは全身をベッドに横たえてお尻にお肉を寄せるの^^;
だから、この体勢は痛い。
その痛いことがわかっていることと拘束されて鞭の恐怖のせいで、いつもより痛さが強く感じさせてしまったのだろう。
一発目がとんでもなく痛くて、パニックになりそうなほどだった。
痛いです、痛いです!!
パンツ履いているからいつもより痛くないはずだよ?
ちょっと気にしてくれるけど、そこから先もほとんど容赦ない。
耐えられるだろうか、最初の数発、不安がよぎる。
2発、3発。
痛い痛いと限られた動きしかできない体で訴える。
右から左に移動する那智さんを恐怖とともに辛うじて自由な首を動かし目で追う。
髪がかかって視界が悪い、でも、それさえどうすることもできない不自由。
目で負いきれなくて、恐くて、また涙が溢れる。
お尻から太もも、背中、と打つ場所が変わる。
太ももは痺れるように、背中は刺さるように、分散されたそれらをひとまとめにしたような力で最後お尻。
なんとか体勢を整えようとするけど、どんどん意識が混濁してくる。
那智さんの手がお尻に触れる、乳首に触れる。
おかしくなりそうなほどの快感が全身を走る。
ああ、もう、ダメ、痛いのに痛いのに、わたしはよろこんで泣いている。
何度も何度も打つ。
体中のいろいろなところを。
意識が遠のき、どんどん海の底に沈んでいく。
お尻への強打が連発。
ぐわーーーっと覚醒させられる。
あまりの痛さにベッドから滑り落ちる。
わんわん、泣いている。
床にぺたりと座り泣いているわたしにさらに鞭を振るう。
背中で組んだ腕、背中を打った一本が金魚がパクパクしているように漂う指に当たる。
皮膚が裂けそうな痛みに、パニックの中、必死に『グー』にして自衛する。
肩、胸、脇腹、ふくらはぎ、すこししか自分ではずらせない体で懸命に鞭を受ける。
パニックと痛みと恐怖と那智さんがわたしを夢中にさせて知らない世界へ連れて行く。
もういったいどれくらいの時間こうしているのかわからない。
股縄を握り、ぐーーーっと引き上げる。
おまんこに縄が食い込み、また違う痛さ。
ああ、でも、この痛いことが気持ちいい、手を離されじわっと緩和するときも気持ちいい。
何度もして、って思う。
記憶が曖昧で覚えていないことが多いと思う。
いま書いてあることがくり返しくり返し続けられたはずで、痛みと恐怖と混乱と、それを施す那智さんに酔っている時間だった。
たぶん、最後のほうはあまり痛がることもなかったような気がする。
全身を使って思い切り鞭を振り下ろす那智さんが視界に映っているだけだった。
肩が痛くなったことですこし正気が戻り、それをきっかけに鞭が終わった。
起き上がり向かい合った状態で背中に腕を回して解いてくれる那智さんにキスをせがみ、胸を舐め、お口をさせてくださいとお願いする。
こんなことできるのは、まだ朦朧としている証拠だ。
両手が自由になって、なんだか、残念で不自然な感覚でソファに移動して那智さんの足下に座りフェラチオをする。
ああ、両手が不自由なときにしたかったなとかちょっと思う。
那智さんが頭を抱え上下に動かす。
ぐわぐわぐわと頭を押し込み喉を突く。
ダメです、おえってなります。
床、タイルだ。
お昼ご飯を食べて、消化がどれくらい進んでいるだろう。
これくらいのことは考えられるくらいになってきた。
ぶわっ!!と嘔吐く。
同時に腰が揺れた(らしい)
このパニックにも感じるわたしがいる。
いまだにイラマチオが苦手だ。
戻すことにものすごい抵抗感があるからだ。
でも、きっとわたしが苦手なのは那智さんがその気になっていないからなのだろう。
那智さんがその気になれば、それはいつしか、わたしの『する』ことに決まり、苦手という感情を排除してくれるはずだろう。
りん子、腰が動いていたね
今度はもっとしてあげるね
俺、最近、マゾのりん子が可愛くなってるんだ
那智さんが、すこしその気になったみたいだった。
立ち上がり縄を解かれる。
嘔吐いたせいもあるのか、またすこし朦朧としていて、縄を解かれながらゆらゆらと快感に浸っていた。
縄酔いじゃなくて、縄解き酔いだ(笑)
解かれて下着を取ってもらいながら、ああ、あの赤い下着と縄で溢れた歪な乳房を写真に残しておきたかったなとちょっと悔しい気持ちになる。
ブログに載せたら人気出るかも、とか、思っていた(笑)
次はクンニ。
やっとじかに触ってもらって、やっぱりとてもうれしい。
そこからたくさんたくさん指で可愛がってもらう。
おまんことクリトリスを同時に責め、鞭の恍惚とはまた違う快感が押し寄せる。
イッてもいいですか?
と聞くけど、ダメの答え。
何度もお願いする。
那智さんの許可を得ることが苦しくもしあわせ。
那智さんはこのときのわたしの我慢する表情がお好みなのだ。
それがわかっているから、しあわせ。
あなたの好みの表情をお見せできるのなら、何度も我慢したいと思うのだ。
鞭であの世界にいざない、指やおちんぽ様で突きながら、わたしを翻弄させる。
こういうときの那智さんの表情は本当に魅力的だ。
楽しそうに口角を上げ、それでいて慈しむような眼差しを注ぐ。
那智さんから注がれる愛情を一滴たりともこぼすまいと思うわたしと同じように、那智さんも自分のすることで恍惚の世界を漂い落下しのぼりつめるわたしを一瞬たりとも見逃すまいと思っているようだ。
幼い頃から思い描いていたわたしの夢は『那智さんに叶えてもらう』ことではじめて叶っている。
那智さんはもしかしたら、ひとりの女を自分がコントロールしているという支配感が夢を叶えていることになっているのではないかと、その目を見ながら思うのだ。
<関連エントリー>
痛みに恐怖は邪魔!!
『徒然に『縛る』』
「等式」感想です。支配したい気持ちは、相手から肯定され、許容され、「懇願」されないと支配にはならない。支配する側の気持ちなんて表現するのは簡単だが指示や命令で支配は出来ない。
まだ涙が溢れているなか、今度は那智さんが鞭を手にした。
ああ、この状態で鞭…。
拘束された状態であの強烈な鞭を受け止めることは恐怖以外のなにものでもない。
痛みが快感になるには【恐怖は邪魔】だって、以前から言っているのに!!
手を後ろで縛られて足もひとつにまとめられた体でどうやって地団駄を踏めばいいのだ、どうやって痛みをやり過ごせばいいのだ、痛みに耐えるために半身を起こし体勢を整える両腕がいまのわたしにはない。
その恐怖と絶望に震える。
イヤイヤと首を振っている記憶があるけど、すこし曖昧。
さらに涙が溢れたことは覚えている。
恐怖と絶望の涙。
ううん、それだけじゃない、わたしはよろこんでいる。
逃れられないよろこびが涙の量を増やしているのだ。
たぶん、ほとんど無抵抗に抱きかかえられるままにベッドに上半身を預ける。
足はベッドの下だ。
こんなふうにお尻の皮膚がピンと張っているとより一層痛くなるんだ。
だから、いつもは全身をベッドに横たえてお尻にお肉を寄せるの^^;
だから、この体勢は痛い。
その痛いことがわかっていることと拘束されて鞭の恐怖のせいで、いつもより痛さが強く感じさせてしまったのだろう。
一発目がとんでもなく痛くて、パニックになりそうなほどだった。
痛いです、痛いです!!
パンツ履いているからいつもより痛くないはずだよ?
ちょっと気にしてくれるけど、そこから先もほとんど容赦ない。
耐えられるだろうか、最初の数発、不安がよぎる。
2発、3発。
痛い痛いと限られた動きしかできない体で訴える。
右から左に移動する那智さんを恐怖とともに辛うじて自由な首を動かし目で追う。
髪がかかって視界が悪い、でも、それさえどうすることもできない不自由。
目で負いきれなくて、恐くて、また涙が溢れる。
お尻から太もも、背中、と打つ場所が変わる。
太ももは痺れるように、背中は刺さるように、分散されたそれらをひとまとめにしたような力で最後お尻。
なんとか体勢を整えようとするけど、どんどん意識が混濁してくる。
那智さんの手がお尻に触れる、乳首に触れる。
おかしくなりそうなほどの快感が全身を走る。
ああ、もう、ダメ、痛いのに痛いのに、わたしはよろこんで泣いている。
何度も何度も打つ。
体中のいろいろなところを。
意識が遠のき、どんどん海の底に沈んでいく。
お尻への強打が連発。
ぐわーーーっと覚醒させられる。
あまりの痛さにベッドから滑り落ちる。
わんわん、泣いている。
床にぺたりと座り泣いているわたしにさらに鞭を振るう。
背中で組んだ腕、背中を打った一本が金魚がパクパクしているように漂う指に当たる。
皮膚が裂けそうな痛みに、パニックの中、必死に『グー』にして自衛する。
肩、胸、脇腹、ふくらはぎ、すこししか自分ではずらせない体で懸命に鞭を受ける。
パニックと痛みと恐怖と那智さんがわたしを夢中にさせて知らない世界へ連れて行く。
もういったいどれくらいの時間こうしているのかわからない。
股縄を握り、ぐーーーっと引き上げる。
おまんこに縄が食い込み、また違う痛さ。
ああ、でも、この痛いことが気持ちいい、手を離されじわっと緩和するときも気持ちいい。
何度もして、って思う。
記憶が曖昧で覚えていないことが多いと思う。
いま書いてあることがくり返しくり返し続けられたはずで、痛みと恐怖と混乱と、それを施す那智さんに酔っている時間だった。
たぶん、最後のほうはあまり痛がることもなかったような気がする。
全身を使って思い切り鞭を振り下ろす那智さんが視界に映っているだけだった。
肩が痛くなったことですこし正気が戻り、それをきっかけに鞭が終わった。
起き上がり向かい合った状態で背中に腕を回して解いてくれる那智さんにキスをせがみ、胸を舐め、お口をさせてくださいとお願いする。
こんなことできるのは、まだ朦朧としている証拠だ。
両手が自由になって、なんだか、残念で不自然な感覚でソファに移動して那智さんの足下に座りフェラチオをする。
ああ、両手が不自由なときにしたかったなとかちょっと思う。
那智さんが頭を抱え上下に動かす。
ぐわぐわぐわと頭を押し込み喉を突く。
ダメです、おえってなります。
床、タイルだ。
お昼ご飯を食べて、消化がどれくらい進んでいるだろう。
これくらいのことは考えられるくらいになってきた。
ぶわっ!!と嘔吐く。
同時に腰が揺れた(らしい)
このパニックにも感じるわたしがいる。
いまだにイラマチオが苦手だ。
戻すことにものすごい抵抗感があるからだ。
でも、きっとわたしが苦手なのは那智さんがその気になっていないからなのだろう。
那智さんがその気になれば、それはいつしか、わたしの『する』ことに決まり、苦手という感情を排除してくれるはずだろう。
りん子、腰が動いていたね
今度はもっとしてあげるね
俺、最近、マゾのりん子が可愛くなってるんだ
那智さんが、すこしその気になったみたいだった。
立ち上がり縄を解かれる。
嘔吐いたせいもあるのか、またすこし朦朧としていて、縄を解かれながらゆらゆらと快感に浸っていた。
縄酔いじゃなくて、縄解き酔いだ(笑)
解かれて下着を取ってもらいながら、ああ、あの赤い下着と縄で溢れた歪な乳房を写真に残しておきたかったなとちょっと悔しい気持ちになる。
ブログに載せたら人気出るかも、とか、思っていた(笑)
次はクンニ。
やっとじかに触ってもらって、やっぱりとてもうれしい。
そこからたくさんたくさん指で可愛がってもらう。
おまんことクリトリスを同時に責め、鞭の恍惚とはまた違う快感が押し寄せる。
イッてもいいですか?
と聞くけど、ダメの答え。
何度もお願いする。
那智さんの許可を得ることが苦しくもしあわせ。
那智さんはこのときのわたしの我慢する表情がお好みなのだ。
それがわかっているから、しあわせ。
あなたの好みの表情をお見せできるのなら、何度も我慢したいと思うのだ。
鞭であの世界にいざない、指やおちんぽ様で突きながら、わたしを翻弄させる。
こういうときの那智さんの表情は本当に魅力的だ。
楽しそうに口角を上げ、それでいて慈しむような眼差しを注ぐ。
那智さんから注がれる愛情を一滴たりともこぼすまいと思うわたしと同じように、那智さんも自分のすることで恍惚の世界を漂い落下しのぼりつめるわたしを一瞬たりとも見逃すまいと思っているようだ。
幼い頃から思い描いていたわたしの夢は『那智さんに叶えてもらう』ことではじめて叶っている。
那智さんはもしかしたら、ひとりの女を自分がコントロールしているという支配感が夢を叶えていることになっているのではないかと、その目を見ながら思うのだ。
<関連エントリー>
痛みに恐怖は邪魔!!
『徒然に『縛る』』
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