夏の旅行1
独特な幸福感
8月、那智さんと旅行に行った。
今回はその珍道中(?)記録。
長くなるかな〜、途中でわたし自身が飽きちゃうかな〜。
見切り発車ですが、お付き合いくださいませ^^
『危機管理能力』で書いた『那智さんと遠出した』のがこの旅行。
Aラインのミニワンピの下に履いたレギンスをいつどこで脱ぐかであわあわしたコーヒーショップ。
気がつけば特急列車の発車時刻が迫っていた。
一緒にいると一時間なんてあっという間だ。
「そろそろ行くか。トイレで脱いでおいで。」
そう促されてトイレに立った。
発車時刻10分前。
ちょっとぎりぎりだなぁと急ぎ足でトイレに向かう…、向かうけど、看板が見当たらない!!
新幹線や特急列車が止まる大きな駅構内。
売店やら飲食店はずらっと並んでいるのに、トイレがわからない。
角をふたつほど曲がって、やっと見つけた看板を頼りにトイレに急ぐ。
やばい、やばい、そんなに余裕ないのに、これがまたトイレが遠い。
到着したトイレに駆け込み、がしがしっとレギンスを脱ぐ、色気もなにもないね^^;
時計代わりの携帯を見たら、発車5分前。
ああ、急がなきゃ!!
あら、携帯に着信履歴?
と思ったら、また着信!!
ブルブル震える携帯。
「もしもし、いまどこ?」
「トイレを出たところです。」
と会話を始めたら、目の前に那智さんが来た。
「ああ、那智さん。」
「思ったより時間がなかったから、トイレは後にしようと電話していたんだよ。急ごう。」
わあ、トイレを見つけるのに必死で電話に気がつかなかった。
実は、那智さんもわたしもこの駅には馴染みが薄いの。
でも、事前にホームのある方向は確認してある。
その方向に歩き出すけど、またこのホームがやけに遠いのだ。
行けども行けどもホームを指す矢印ばかり。
さすがの那智さんもちょっと急ぎ足。
エスカレーターを駆け下りる。
時間確認、あと2分。
この階下にホームがあるはずだから、とりあえず下りきれば大丈夫だ。
その安堵が甘かった。
エスカレーターを下りきった、その先には。
これだけで一駅分!?ってくらい数の乗り場がずらーーっと広がっていたのだ。
ホームも数本ある、しかも、全部に何かしらの電車が止まっている!!
どれ?わたしたちが乗るのは、どれ!?
乗り場案内の電光掲示板を探すけど、瞬時には見つけられない。
この数本のホームひとつひとつ確認していたら、間に合わないよ!!
万事休す。
ひとり、がーーーーーんと途方に暮れたいるわたしからすっと離れて、那智さんが案内所に向かっている。
ああ、その手がありましたね…。
「一番線だって、あれだ、急ごう。」
急いで、でも、落ち着いて対処してくれる那智さんに付いていく。
那智さん引率係。
わたし、慌てる係^^;
相変わらず、慌てているわたしの横で、那智さんが小さく吹き出した。
「俺たちの席2号車だよ、先頭の方だ。ホームのずっと奥^^;」
ちらりと車両を見ると『16号車』のプレート…、いやーーどんだけ奥なの!!!
一難去ってまた一難。
多分、那智さんもそう思ったのでしょう。
だから、思わず吹き出しちゃったのね。
なんだか、おかしくて、ふたりでくすくす笑いながらホームの奥に急ぐ。
1分前。
もう、いつ発車ベルが鳴ってもおかしくない。
わたしは、とにかく安心したくて、一刻も早く電車に乗ってしまいたいのに、那智さんはなかなか乗ってくれない。
電車に沿ってホームを急ぐのだ。
たしかに、ホームの方が歩きやすいけど。
わたし、こういうドキドキ苦手なのだ、だから、急ぎ足の那智さんにいう。
「那智さん、もう怖いから乗っちゃいましょうよ〜。」
反応ない。
「那智さ〜ん。」
「んん、じゃあ、乗る?」
ちょっとためらいながら近くのドアから車内へ。
ああ、これで安心。
いつ発車してもかまわないわ。
いま7両目辺りでしょうから、車内をゆっくり歩いていけば2号車に着く。
ほっと安心して歩き出す。
歩き出して、前方に視線を向ける。
この車両の先頭が視界に入る。
ん?なにか閉塞感?
新幹線などに見られる『デッキ』ってやつにつながるドアとは違う、何か閉ざされた空気を感じさせる先頭のドア付近。
ちょっとずつ近づく。
ドアに何か書いてある。
なんだか、いやな予感。
『#&●室』
さらに近づく。
……『乗務員室』
うっわあ〜〜〜〜〜。
乗務員室ですって!!!!
ここは、切り離しをする車両だったんだ。
ということは、行き止まり。
このドアは開かない。
ということは次の車両には行かれない!!
ということは、いま発車しちゃったら、2号車にたどり着けない、しばらくここで立ち往生だ。
万事休す、一難去ってまた一難part2。
「ぎゃーー、ごめんなさい!!那智さん!!!」
二人顔を見合わせて、慌ててまたホームに下りる。
発車のベル。
切り離し車両の先の車両に飛び乗る。
ふう、間に合った。
もう、那智さん大笑い。
わたしはごめんなさいやら、安心やらで泣き笑い。
「やばいと思ったんだよ〜、絶対途中で車両切り離しとかあるから、連結部分があって行き止まりになると思ったんだけど、俺もりん子につられちゃった。そしたら、ほんとに行き止まりなんだもんな〜。」
「わたし、そんなのあるなんて思ってもみませんでしたよぉ、ごめんなさい。」
愛しの2号車に辿りついても、まだふたりとも笑いが止まらない。
普段ほとんど慌てない、慌てても極力表に出さない那智さんが、心の中でちょっと『あわあわ』してしまったり、思わずわたしにつられて冷静な判断ができなかった事実が自分自身でおかしいのでしょう。
珍しく大ウケ。
わたしは、基本的にこういうときは慌て係でいいと思っている。
わりと普段は自分が先頭に立ってしまうところがあるから(それほど得意じゃないのにね)、那智さんといるときにはおんぶしてしまって慌て係でいいと思っている。
でも、つい焦って提案したことで、行き止まりのぶつかるというトラブルが起こってしまった。
これも、いままでのわたしならただただ『ごめんなさい』で、自分を責めてしまうところなんだけど、笑い飛ばしてくれる那智さんと一緒に笑っていられることが、心地よい。
必要以上に恐縮したり顔色を伺うことのない関係は、心地よいなと思いながら、愛しの2号車でずっと笑っているのでした。
わあ、発車までで一話…。
どうなることでしょう^^;
8月、那智さんと旅行に行った。
今回はその珍道中(?)記録。
長くなるかな〜、途中でわたし自身が飽きちゃうかな〜。
見切り発車ですが、お付き合いくださいませ^^
『危機管理能力』で書いた『那智さんと遠出した』のがこの旅行。
Aラインのミニワンピの下に履いたレギンスをいつどこで脱ぐかであわあわしたコーヒーショップ。
気がつけば特急列車の発車時刻が迫っていた。
一緒にいると一時間なんてあっという間だ。
「そろそろ行くか。トイレで脱いでおいで。」
そう促されてトイレに立った。
発車時刻10分前。
ちょっとぎりぎりだなぁと急ぎ足でトイレに向かう…、向かうけど、看板が見当たらない!!
新幹線や特急列車が止まる大きな駅構内。
売店やら飲食店はずらっと並んでいるのに、トイレがわからない。
角をふたつほど曲がって、やっと見つけた看板を頼りにトイレに急ぐ。
やばい、やばい、そんなに余裕ないのに、これがまたトイレが遠い。
到着したトイレに駆け込み、がしがしっとレギンスを脱ぐ、色気もなにもないね^^;
時計代わりの携帯を見たら、発車5分前。
ああ、急がなきゃ!!
あら、携帯に着信履歴?
と思ったら、また着信!!
ブルブル震える携帯。
「もしもし、いまどこ?」
「トイレを出たところです。」
と会話を始めたら、目の前に那智さんが来た。
「ああ、那智さん。」
「思ったより時間がなかったから、トイレは後にしようと電話していたんだよ。急ごう。」
わあ、トイレを見つけるのに必死で電話に気がつかなかった。
実は、那智さんもわたしもこの駅には馴染みが薄いの。
でも、事前にホームのある方向は確認してある。
その方向に歩き出すけど、またこのホームがやけに遠いのだ。
行けども行けどもホームを指す矢印ばかり。
さすがの那智さんもちょっと急ぎ足。
エスカレーターを駆け下りる。
時間確認、あと2分。
この階下にホームがあるはずだから、とりあえず下りきれば大丈夫だ。
その安堵が甘かった。
エスカレーターを下りきった、その先には。
これだけで一駅分!?ってくらい数の乗り場がずらーーっと広がっていたのだ。
ホームも数本ある、しかも、全部に何かしらの電車が止まっている!!
どれ?わたしたちが乗るのは、どれ!?
乗り場案内の電光掲示板を探すけど、瞬時には見つけられない。
この数本のホームひとつひとつ確認していたら、間に合わないよ!!
万事休す。
ひとり、がーーーーーんと途方に暮れたいるわたしからすっと離れて、那智さんが案内所に向かっている。
ああ、その手がありましたね…。
「一番線だって、あれだ、急ごう。」
急いで、でも、落ち着いて対処してくれる那智さんに付いていく。
那智さん引率係。
わたし、慌てる係^^;
相変わらず、慌てているわたしの横で、那智さんが小さく吹き出した。
「俺たちの席2号車だよ、先頭の方だ。ホームのずっと奥^^;」
ちらりと車両を見ると『16号車』のプレート…、いやーーどんだけ奥なの!!!
一難去ってまた一難。
多分、那智さんもそう思ったのでしょう。
だから、思わず吹き出しちゃったのね。
なんだか、おかしくて、ふたりでくすくす笑いながらホームの奥に急ぐ。
1分前。
もう、いつ発車ベルが鳴ってもおかしくない。
わたしは、とにかく安心したくて、一刻も早く電車に乗ってしまいたいのに、那智さんはなかなか乗ってくれない。
電車に沿ってホームを急ぐのだ。
たしかに、ホームの方が歩きやすいけど。
わたし、こういうドキドキ苦手なのだ、だから、急ぎ足の那智さんにいう。
「那智さん、もう怖いから乗っちゃいましょうよ〜。」
反応ない。
「那智さ〜ん。」
「んん、じゃあ、乗る?」
ちょっとためらいながら近くのドアから車内へ。
ああ、これで安心。
いつ発車してもかまわないわ。
いま7両目辺りでしょうから、車内をゆっくり歩いていけば2号車に着く。
ほっと安心して歩き出す。
歩き出して、前方に視線を向ける。
この車両の先頭が視界に入る。
ん?なにか閉塞感?
新幹線などに見られる『デッキ』ってやつにつながるドアとは違う、何か閉ざされた空気を感じさせる先頭のドア付近。
ちょっとずつ近づく。
ドアに何か書いてある。
なんだか、いやな予感。
『#&●室』
さらに近づく。
……『乗務員室』
うっわあ〜〜〜〜〜。
乗務員室ですって!!!!
ここは、切り離しをする車両だったんだ。
ということは、行き止まり。
このドアは開かない。
ということは次の車両には行かれない!!
ということは、いま発車しちゃったら、2号車にたどり着けない、しばらくここで立ち往生だ。
万事休す、一難去ってまた一難part2。
「ぎゃーー、ごめんなさい!!那智さん!!!」
二人顔を見合わせて、慌ててまたホームに下りる。
発車のベル。
切り離し車両の先の車両に飛び乗る。
ふう、間に合った。
もう、那智さん大笑い。
わたしはごめんなさいやら、安心やらで泣き笑い。
「やばいと思ったんだよ〜、絶対途中で車両切り離しとかあるから、連結部分があって行き止まりになると思ったんだけど、俺もりん子につられちゃった。そしたら、ほんとに行き止まりなんだもんな〜。」
「わたし、そんなのあるなんて思ってもみませんでしたよぉ、ごめんなさい。」
愛しの2号車に辿りついても、まだふたりとも笑いが止まらない。
普段ほとんど慌てない、慌てても極力表に出さない那智さんが、心の中でちょっと『あわあわ』してしまったり、思わずわたしにつられて冷静な判断ができなかった事実が自分自身でおかしいのでしょう。
珍しく大ウケ。
わたしは、基本的にこういうときは慌て係でいいと思っている。
わりと普段は自分が先頭に立ってしまうところがあるから(それほど得意じゃないのにね)、那智さんといるときにはおんぶしてしまって慌て係でいいと思っている。
でも、つい焦って提案したことで、行き止まりのぶつかるというトラブルが起こってしまった。
これも、いままでのわたしならただただ『ごめんなさい』で、自分を責めてしまうところなんだけど、笑い飛ばしてくれる那智さんと一緒に笑っていられることが、心地よい。
必要以上に恐縮したり顔色を伺うことのない関係は、心地よいなと思いながら、愛しの2号車でずっと笑っているのでした。
わあ、発車までで一話…。
どうなることでしょう^^;
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