苦戦
独り言
なかなか苦戦を強いられるお仕事だった。
20代前半、まだ若いからと年齢で括りたくはない。
さほど変わらない年齢でも気遣いができる人もいたじゃないか。
ただ、ついそう思いたくなるようなふたりだった。
まず、最初の顔合わせ。
この打ち合わせはまだ詳細を決めるものではないので、拘りや不安のあるカップルの場合は一時間くらいかかるけど、まあ30分もあればひとまず大丈夫なもの。
担当の打ち合わせの後に続けてわたしが顔合わせをするというスケジュールを挨拶の電話をしたときに決定していた。
担当が〜14:00までで、14:00〜わたしみたいな具合い。
ところが14:00過ぎても音沙汰ない。
多少前の打ち合わせが伸びることはあるから想定内と思っていると、14:10を回ったあたり担当が慌てて事務所に来て
りん子さん、ごめん!
レンタカー返さないといけないから14:20には出ないといけないんだって!!
えええ!?
レンタカー??
だいたい30分から一時間くらいと伝えてあったはずなんだけど。
たった10分^^;
まあ、詳しく決める段階ではないのでご挨拶だけでもできれば安心してもらえるからいいか。
と出だしからつまずく雰囲気。
次は本格的な打ち合わせもやってくれた。
進行やプロフィール紹介用にプロフィールの確認などを1時間半ほどかけて行うのだけど、まず、14:00からの打ち合わせに30分遅れてきた。
しかも、新婦は15:00からメイクリハを入れているから途中でいなくなるという。
1時間半はかかるって言っておいたよね^^;
この人たちは自分の披露宴だっていう自覚があるのだろうか!?
とりあえず、30分、新婦も同席のうちにおおまかな進行を決める。
あれこれ脱線するふたりを引き戻しながら、なんとか進行はメイクリハまでには終えた。
残るはプロフィールの確認。
後日メールでプロフィールの確認をしてもらう約束をして「あとはよろしく〜」と悪びれることなく席を立つ新婦を見送り、新郎とプロフィール紹介のため確認をした。
資料のプロフィールシートをもとに話しを進めるも、シートには新婦の現会社名しかかかれておらず、新郎は「新婦転勤したから、前の会社名がわからない」とのことだったので後日新婦にメールで確認することにして、ひとまず新郎に確認とインタビューを終えた。
で、後日原稿を作成しメールを送るのだけど、またこれが、ぜんぜん返信をくれないの!!
いちおう、『生年月日、出身地、学歴、職歴、趣味…』など紹介する項目はこれでいいですねと確認のメールをまず送った。
自分のスケジュールで切り上げるわりには、勝手に決められることには快く思わなさそうだったから原稿を送る前に項目だけ聞いておいたのだ。
で、それに返信がない。
職歴の部分「前勤務先も教えて」と書いているにも関わらず。
あまりしつこくするのもためらわれるから、しつこくならない程度に連絡をするけど、やっぱり返信をくれない。
しかたなく、原稿をメールするけど、それにも返信してくれない。
うう、なかなかモチベーション保てない^^;
祝福より『何事もなく終わる』に気持ちが傾きそう。
いまひとつ集中できない案件にだんだん低空飛行な気持ちになっていった。
それでも、しあわせな一日をお祝いする気持ちだけ、それだけでも『祝福の種』にできなくはない。
その一点に焦点を当て、プリントアウトしたプロフィール紹介の原稿を当日さっと読んでもらうことで事前確認できないフォローをすることにした。
当日。
顔なじみの介添えさんに事情を説明して挙式後の集合写真の後、新婦ベールアウトの前の短い時間写真室に入れてもらうようにお願いした。
集合写真が済んで急いで用紙を見せて確認をすれど、新婦は列席者に声をかけたりしてほとんど上の空。
あなた自分のプロフィールでしょ!!
頼む、ちょっとは『祝福の種』をくれ!!(笑)
で、とにかく職歴についてだけは指を指して、前会社を紹介するなら社名を教えてと念を押すと
あ、これ、前の会社、いまは『◯(株)』
と…。
えええ、資料の社名前の会社だったの!!!
ちゃんと直しておいてよ〜!!
でもって、新郎、新婦の勤め先くらい把握しててよ〜〜〜!!!
危なかった、やっぱりギリギリでも確認してよかった。
まったくもう、次から次へとテンション下げろと仕かけてくる。
いや、しかし、むしろギリギリで踏みとどまれるあたり、「わたしもまだいける」と若干の自画自賛もなきにしもあらずで、テンションどん底にはならずにすんだ。
もはや、最低限、プロとしてのテンション維持とわけわからない自画自賛でなんとか『祝福の種』を胸に披露宴はスタートした。
それでも、はじまってしまえば、良い雰囲気を作ろうとわたしなり気分を上げていかれるもの。
ぜんぜんコミュニケーション取れないふたりだったけど、自分が披露宴の一番のお客様状態なふたりだったけど、晴れの門出は、やっぱり祝福だ。
そんな気持ちになれるもの。
なれる、はず。
のつもり、だった。
だったのに〜〜〜〜。
敵の攻撃はまだ残っていた。
司会台の目の前の新郎友人席が、わたしの最後の一粒の『祝福の種』をもぎ取るのだ。
この友人席。
全員がそういうわけではないのだけど、ふたりほど『イヤな感じで人をからかう』人がいたの。
わかるかな。
ふたりがちょこちょこひとりの友人にちょっかい出したり、無理を言ったりして笑うの。
で、そういう人がふたりくらいいてしまうと、その場全体がそれに引っぱられる空気になるもので、わたし、そういうの苦手なのよ。
ひとりを笑いながらいじる様子を見れば見るほどテンション下がる。
昔からの友人たちで、それも許容の範囲なのかもしれないから、気にしてはいけないだけど、もう気になっちゃって、気になっちゃって、なんとか保っていたテンションも落ちまくり。
しまいには、サービススタッフにまでちょっとしたイタズラをして嘲笑しだしたのを見たら、もうダメ(笑)
ったく、ここは居酒屋じゃないんだよ!!
君たちは友達をお祝いする気はないか!!
なんとか保とうと努めたテンションもあえなく、撃沈。
さすがのわたしも、これじゃあ、良好なテンションは保てない。
もちろんプロなので手は抜かないよ。
だけど、ひたすら笑顔で時間が過ぎるのを待ってしまうようなお仕事だった。
たぶん、ここまでははじめてだなぁ。
基本はいつでも全力投球。
お手紙でうる、お母さんの涙でうるうる、どんな小さな種でも祝福は見つけられると豪語していたわたしだけど、無理なこともあった。
司会者のスキルとしてはイマイチだけど、『祝福の種』を見つけることに関してはけっこうイケてると思っていたけど、わたしもまだまだってことが身にしみただけでもよしとするか〜。
なかなか苦戦の一戦でした^^;
追伸
ということは、わたしはいつもはお客様に恵まれているんだなと、ちょっとキレイにまとめて、おしまい^^
<関連エントリー>
祝福の種いろいろ
限りなく素人に近い…
覚悟を決めるとき
接客業
普段通り
鳥肌
心を動かす力
ヘビーローテーション
困った〜〜〜
祝福の種
共感
新人さん
本当の心
いい人
母の愛
なかなか苦戦を強いられるお仕事だった。
20代前半、まだ若いからと年齢で括りたくはない。
さほど変わらない年齢でも気遣いができる人もいたじゃないか。
ただ、ついそう思いたくなるようなふたりだった。
まず、最初の顔合わせ。
この打ち合わせはまだ詳細を決めるものではないので、拘りや不安のあるカップルの場合は一時間くらいかかるけど、まあ30分もあればひとまず大丈夫なもの。
担当の打ち合わせの後に続けてわたしが顔合わせをするというスケジュールを挨拶の電話をしたときに決定していた。
担当が〜14:00までで、14:00〜わたしみたいな具合い。
ところが14:00過ぎても音沙汰ない。
多少前の打ち合わせが伸びることはあるから想定内と思っていると、14:10を回ったあたり担当が慌てて事務所に来て
りん子さん、ごめん!
レンタカー返さないといけないから14:20には出ないといけないんだって!!
えええ!?
レンタカー??
だいたい30分から一時間くらいと伝えてあったはずなんだけど。
たった10分^^;
まあ、詳しく決める段階ではないのでご挨拶だけでもできれば安心してもらえるからいいか。
と出だしからつまずく雰囲気。
次は本格的な打ち合わせもやってくれた。
進行やプロフィール紹介用にプロフィールの確認などを1時間半ほどかけて行うのだけど、まず、14:00からの打ち合わせに30分遅れてきた。
しかも、新婦は15:00からメイクリハを入れているから途中でいなくなるという。
1時間半はかかるって言っておいたよね^^;
この人たちは自分の披露宴だっていう自覚があるのだろうか!?
とりあえず、30分、新婦も同席のうちにおおまかな進行を決める。
あれこれ脱線するふたりを引き戻しながら、なんとか進行はメイクリハまでには終えた。
残るはプロフィールの確認。
後日メールでプロフィールの確認をしてもらう約束をして「あとはよろしく〜」と悪びれることなく席を立つ新婦を見送り、新郎とプロフィール紹介のため確認をした。
資料のプロフィールシートをもとに話しを進めるも、シートには新婦の現会社名しかかかれておらず、新郎は「新婦転勤したから、前の会社名がわからない」とのことだったので後日新婦にメールで確認することにして、ひとまず新郎に確認とインタビューを終えた。
で、後日原稿を作成しメールを送るのだけど、またこれが、ぜんぜん返信をくれないの!!
いちおう、『生年月日、出身地、学歴、職歴、趣味…』など紹介する項目はこれでいいですねと確認のメールをまず送った。
自分のスケジュールで切り上げるわりには、勝手に決められることには快く思わなさそうだったから原稿を送る前に項目だけ聞いておいたのだ。
で、それに返信がない。
職歴の部分「前勤務先も教えて」と書いているにも関わらず。
あまりしつこくするのもためらわれるから、しつこくならない程度に連絡をするけど、やっぱり返信をくれない。
しかたなく、原稿をメールするけど、それにも返信してくれない。
うう、なかなかモチベーション保てない^^;
祝福より『何事もなく終わる』に気持ちが傾きそう。
いまひとつ集中できない案件にだんだん低空飛行な気持ちになっていった。
それでも、しあわせな一日をお祝いする気持ちだけ、それだけでも『祝福の種』にできなくはない。
その一点に焦点を当て、プリントアウトしたプロフィール紹介の原稿を当日さっと読んでもらうことで事前確認できないフォローをすることにした。
当日。
顔なじみの介添えさんに事情を説明して挙式後の集合写真の後、新婦ベールアウトの前の短い時間写真室に入れてもらうようにお願いした。
集合写真が済んで急いで用紙を見せて確認をすれど、新婦は列席者に声をかけたりしてほとんど上の空。
あなた自分のプロフィールでしょ!!
頼む、ちょっとは『祝福の種』をくれ!!(笑)
で、とにかく職歴についてだけは指を指して、前会社を紹介するなら社名を教えてと念を押すと
あ、これ、前の会社、いまは『◯(株)』
と…。
えええ、資料の社名前の会社だったの!!!
ちゃんと直しておいてよ〜!!
でもって、新郎、新婦の勤め先くらい把握しててよ〜〜〜!!!
危なかった、やっぱりギリギリでも確認してよかった。
まったくもう、次から次へとテンション下げろと仕かけてくる。
いや、しかし、むしろギリギリで踏みとどまれるあたり、「わたしもまだいける」と若干の自画自賛もなきにしもあらずで、テンションどん底にはならずにすんだ。
もはや、最低限、プロとしてのテンション維持とわけわからない自画自賛でなんとか『祝福の種』を胸に披露宴はスタートした。
それでも、はじまってしまえば、良い雰囲気を作ろうとわたしなり気分を上げていかれるもの。
ぜんぜんコミュニケーション取れないふたりだったけど、自分が披露宴の一番のお客様状態なふたりだったけど、晴れの門出は、やっぱり祝福だ。
そんな気持ちになれるもの。
なれる、はず。
のつもり、だった。
だったのに〜〜〜〜。
敵の攻撃はまだ残っていた。
司会台の目の前の新郎友人席が、わたしの最後の一粒の『祝福の種』をもぎ取るのだ。
この友人席。
全員がそういうわけではないのだけど、ふたりほど『イヤな感じで人をからかう』人がいたの。
わかるかな。
ふたりがちょこちょこひとりの友人にちょっかい出したり、無理を言ったりして笑うの。
で、そういう人がふたりくらいいてしまうと、その場全体がそれに引っぱられる空気になるもので、わたし、そういうの苦手なのよ。
ひとりを笑いながらいじる様子を見れば見るほどテンション下がる。
昔からの友人たちで、それも許容の範囲なのかもしれないから、気にしてはいけないだけど、もう気になっちゃって、気になっちゃって、なんとか保っていたテンションも落ちまくり。
しまいには、サービススタッフにまでちょっとしたイタズラをして嘲笑しだしたのを見たら、もうダメ(笑)
ったく、ここは居酒屋じゃないんだよ!!
君たちは友達をお祝いする気はないか!!
なんとか保とうと努めたテンションもあえなく、撃沈。
さすがのわたしも、これじゃあ、良好なテンションは保てない。
もちろんプロなので手は抜かないよ。
だけど、ひたすら笑顔で時間が過ぎるのを待ってしまうようなお仕事だった。
たぶん、ここまでははじめてだなぁ。
基本はいつでも全力投球。
お手紙でうる、お母さんの涙でうるうる、どんな小さな種でも祝福は見つけられると豪語していたわたしだけど、無理なこともあった。
司会者のスキルとしてはイマイチだけど、『祝福の種』を見つけることに関してはけっこうイケてると思っていたけど、わたしもまだまだってことが身にしみただけでもよしとするか〜。
なかなか苦戦の一戦でした^^;
追伸
ということは、わたしはいつもはお客様に恵まれているんだなと、ちょっとキレイにまとめて、おしまい^^
<関連エントリー>
祝福の種いろいろ
限りなく素人に近い…
覚悟を決めるとき
接客業
普段通り
鳥肌
心を動かす力
ヘビーローテーション
困った〜〜〜
祝福の種
共感
新人さん
本当の心
いい人
母の愛
COMMENT
イイカゲン(良い加減でわナイ)なふたり。
。。。いいたかナイけどそのふたり きっと永くはモニョモニョ。っとwww
。。。いいたかナイけどそのふたり きっと永くはモニョモニョ。っとwww
ゆう。さん
うーん、そうは思いたくないけど、ねぇ^^;
そこはあまり考えないようにしてるよ(笑)
うーん、そうは思いたくないけど、ねぇ^^;
そこはあまり考えないようにしてるよ(笑)
先日初めてコメントしたpinkです。
私は以前ホテルに勤めていました。婚礼担当をしていたこともあります。
祝福の種のあるなしに関わらず、業務をこなす人のことを「プロ」というのかもしれません。でも、やっぱり人間のすることですもの、私自身はプロっぽい人ではなかったし、サービスを受ける立場であっても心から仕事をしてくれる人が好きです。
それに、いい感じのカップルの結婚式は不思議とすべてがうまくいくことが多かった。
りん子さんのような方に受け持って(&祝福してもらった)カップルは、幸せですね。
私は以前ホテルに勤めていました。婚礼担当をしていたこともあります。
祝福の種のあるなしに関わらず、業務をこなす人のことを「プロ」というのかもしれません。でも、やっぱり人間のすることですもの、私自身はプロっぽい人ではなかったし、サービスを受ける立場であっても心から仕事をしてくれる人が好きです。
それに、いい感じのカップルの結婚式は不思議とすべてがうまくいくことが多かった。
りん子さんのような方に受け持って(&祝福してもらった)カップルは、幸せですね。
pinkさん
こんにちは〜^^
pinkさん、ホテルに勤務されていたことがあるのですね。
さらに婚礼を担当されていたとは!
間近で見ているので担当の大変さはひしひしと感じていますよ^^;
どんな状況でも一定のクオリティを提供できることが司会のプロだとするなら、わたしは司会のプロではないかもしれないなぁと思います。
だから、一般宴会やイベントなどのお仕事は極端に少ないです(事務所もあてにしていない?笑)
でも、pinkさんのおっしゃるような『心から仕事をする』ことをよしとくれる人や場面にとっては、まだわたしにも需要はありそうです^^
ということは、わたしは司会のプロではなくて、祝福するプロなのかもしてない^^
善し悪しはおいといて(笑)自分の特性を改めて理解できるコメントでした、ありがとうございます^^
こんにちは〜^^
pinkさん、ホテルに勤務されていたことがあるのですね。
さらに婚礼を担当されていたとは!
間近で見ているので担当の大変さはひしひしと感じていますよ^^;
どんな状況でも一定のクオリティを提供できることが司会のプロだとするなら、わたしは司会のプロではないかもしれないなぁと思います。
だから、一般宴会やイベントなどのお仕事は極端に少ないです(事務所もあてにしていない?笑)
でも、pinkさんのおっしゃるような『心から仕事をする』ことをよしとくれる人や場面にとっては、まだわたしにも需要はありそうです^^
ということは、わたしは司会のプロではなくて、祝福するプロなのかもしてない^^
善し悪しはおいといて(笑)自分の特性を改めて理解できるコメントでした、ありがとうございます^^