心を動かす力
独り言
瞬時に空気が変わるというのを体験したことがある。
披露宴で演奏というのは、まあたまにある余興のひとつ。
中でもピアノ演奏は比較的多い。
ゲストが弾いたり、新郎と新婦がバイオリンとピアノでセッションしたり、いろいろだ。
小さい頃ピアノを習っていたとか幼稚園の先生とか、その日のために練習して、ちょっぴり緊張しながらも祝福や感謝の気持ちを表す様子にこちらまで応援したい気持ちになる。
中には新婦のために1から練習したなんてどこかで聞いたことがあるような新郎もいた。
ぎこちなくはあったけれど、それはそれでステキな時間で新婦は号泣、隣りでわたしまでうるうる。
人の心を動かすのは、『人の心』なんだなぁと思ったりする。
そんな微笑ましい余興で、一度だけ空気が変わることを体験したことがあった。
その新婦はピアノの講師をしていた。
真面目な雰囲気で、ともすれば堅物とも感じられるような女性だった。
自分はピアノでしか感謝の気持ちを伝えられないから、とほとんど余興のない穏やかな進行の披露宴のトリに自ら演奏することに決めていた。
同じように新郎も真面目そうな男性で、新婦のその気持ちを後押ししてくれるような感じの人。
ぜんぜんクラシックに触れたことがなかったけど、新婦の演奏会やオペラやコンサートなどに新婦に連れて行かれていたそうだ。
なんとなく、そんなエピソードもうなずける2人だった。
披露宴はごく穏やかに進み。
途中、新婦が講師をしているピアノ教室の生徒からのビデオメッセージの上映があった。
こんな感じの『お祝いメッセージ』はたまにある。
どれも微笑ましかったり趣向を凝らしていたり笑えてほろっとさせてくるものが多い中、このビデオメッセージはちょっとだけ雰囲気が違っていた。
「○○(新婦)先生のご指導いただきながら頑張ります」
「○○(新婦)先生に教えていただいて○○合格を目指します」
もちろんお祝いの言葉はあるのだけど、その後にやけに生真面目なひと言が多いのだ。
どうやら新婦が教えているピアノ教室は本格的なもの(?)で将来まで見据えた生徒さんが通うようなところだったらしい。
新婦の『堅物』な印象からも、ああ、けっこう厳しい教室で厳しい指導をしているのかなと推測できた。
こういう道もあるんだよねって、漠然と思っていた。
披露宴も終盤になり新婦の演奏になった。
「皆様に感謝の気持ちをお伝えしたく」新婦から託された気持ちを代弁しながら演奏の紹介をする。
水色のカラードレスを纏った新婦はわたしに背を向ける形で椅子に座る。
照明が一段落とされて、新婦にスポットが当たった。
ラヴェルの『水の戯れ』。
新婦が鍵盤を叩いた瞬間、一気に空気が変わった。
クラシックなんてまーーーーったく知らないわたしでもわかるほど、ガラリと。
ここは披露宴会場で、わたしは仕事中で、この人は新婦だというようないろいろな諸条件をいとも簡単に消し去る空気。
真面目な堅物な印象の新婦の背中は優雅に大きく揺れ、その揺れに同調するように会場の空気も揺れる。
いままでお仕事でピアノ演奏を何度も見てきた。
姪っ子のかわいらしい演奏。
新婦と妹さんの息の合った連弾。
音がはずれてもテンポがバラバラでも、どれもみんな温かく、それこそ世界にひとつだけの演奏。
人の心を動かすのは『人の心』だなぁと、いつもうるっとさせてもらっていた。
でも、空気を変えるほどの技量は、それで十分人の心を動かすのだとあらためて思う。(もちろん新婦の感謝の気持ちだって十分あるけどね)
わたし、お仕事なのにすごいもの見させてもらっているよ〜〜〜と普段感じたことのない感動を味わってしまっていた。
以前新聞でクラシックに疎い記者が辻井伸行さんの演奏を取材で聴いたら涙が溢れて止まらなかったという記事を読んだことがある。
きっとわたしが感じたものは、それに近いのかもしれない。
わたしはじつは全然芸術関係に疎くて、美術館に行ったり画集を見たりと美しいものに触れることを特別積極的にしない人でして^^;
それより家で本を読んだり更新作業したりして、那智さんからのご連絡を犬のように待っているほうが好きだったりする。
でも、本当は心を動かされる経験は好きだし、たぶん、あっさり感動する(笑)
昨年、幸運にも違うお友達から違うお芝居に誘ってもらう機会があって、二度も観劇することができた。
ひとつは途中から泣きっぱなしで、もうひとつはあまりに切実で見終わったあとぐったりしてしまったほど、心動かしてもらった。
自分から積極的に動かないくせに連れて行ったもらったら人一倍心を動かしますので、どうかお友達の皆様、遠慮なくわたしを連れ出してくださいませ、お願いします(笑)
と横道に逸れながら、大小さまざま、心を動かせることは幸せなことだよね。
そうそう、これを書きながら、その新婦のお母様という人もピアノの講師をされているそうで、そのお母様から披露宴内でわたしの声をほめていただいたことを思い出してしまったから、書いちゃう(笑)
NHKのアナウンサーみたいな声で心地よい声だってほめていただいたんだ〜^^
あまり高音ボイスではないので司会者っぽくないかなと思っていたけど、これはうれしい言葉だった。
それでもわたしの声だけで空気を変えるなんて大それたことは目論んではおりませんが、祝福の空気を作る一旦は担えるかなと、空気が変わる瞬間を思い出して、こんなエントリーでした。
今朝の「等式」感想です。
りん子には人の心のトゲトゲした部分を和ますオーラがあると思う。1回も披露宴をみたことがありませんがね。列席者りん子に対して協力してあげようと思う空気、私はその空気やオーラの存在が見えたので強くこの仕事の後押しをした。いつか、列席者として参加したいな。
瞬時に空気が変わるというのを体験したことがある。
披露宴で演奏というのは、まあたまにある余興のひとつ。
中でもピアノ演奏は比較的多い。
ゲストが弾いたり、新郎と新婦がバイオリンとピアノでセッションしたり、いろいろだ。
小さい頃ピアノを習っていたとか幼稚園の先生とか、その日のために練習して、ちょっぴり緊張しながらも祝福や感謝の気持ちを表す様子にこちらまで応援したい気持ちになる。
中には新婦のために1から練習したなんてどこかで聞いたことがあるような新郎もいた。
ぎこちなくはあったけれど、それはそれでステキな時間で新婦は号泣、隣りでわたしまでうるうる。
人の心を動かすのは、『人の心』なんだなぁと思ったりする。
そんな微笑ましい余興で、一度だけ空気が変わることを体験したことがあった。
その新婦はピアノの講師をしていた。
真面目な雰囲気で、ともすれば堅物とも感じられるような女性だった。
自分はピアノでしか感謝の気持ちを伝えられないから、とほとんど余興のない穏やかな進行の披露宴のトリに自ら演奏することに決めていた。
同じように新郎も真面目そうな男性で、新婦のその気持ちを後押ししてくれるような感じの人。
ぜんぜんクラシックに触れたことがなかったけど、新婦の演奏会やオペラやコンサートなどに新婦に連れて行かれていたそうだ。
なんとなく、そんなエピソードもうなずける2人だった。
披露宴はごく穏やかに進み。
途中、新婦が講師をしているピアノ教室の生徒からのビデオメッセージの上映があった。
こんな感じの『お祝いメッセージ』はたまにある。
どれも微笑ましかったり趣向を凝らしていたり笑えてほろっとさせてくるものが多い中、このビデオメッセージはちょっとだけ雰囲気が違っていた。
「○○(新婦)先生のご指導いただきながら頑張ります」
「○○(新婦)先生に教えていただいて○○合格を目指します」
もちろんお祝いの言葉はあるのだけど、その後にやけに生真面目なひと言が多いのだ。
どうやら新婦が教えているピアノ教室は本格的なもの(?)で将来まで見据えた生徒さんが通うようなところだったらしい。
新婦の『堅物』な印象からも、ああ、けっこう厳しい教室で厳しい指導をしているのかなと推測できた。
こういう道もあるんだよねって、漠然と思っていた。
披露宴も終盤になり新婦の演奏になった。
「皆様に感謝の気持ちをお伝えしたく」新婦から託された気持ちを代弁しながら演奏の紹介をする。
水色のカラードレスを纏った新婦はわたしに背を向ける形で椅子に座る。
照明が一段落とされて、新婦にスポットが当たった。
ラヴェルの『水の戯れ』。
新婦が鍵盤を叩いた瞬間、一気に空気が変わった。
クラシックなんてまーーーーったく知らないわたしでもわかるほど、ガラリと。
ここは披露宴会場で、わたしは仕事中で、この人は新婦だというようないろいろな諸条件をいとも簡単に消し去る空気。
真面目な堅物な印象の新婦の背中は優雅に大きく揺れ、その揺れに同調するように会場の空気も揺れる。
いままでお仕事でピアノ演奏を何度も見てきた。
姪っ子のかわいらしい演奏。
新婦と妹さんの息の合った連弾。
音がはずれてもテンポがバラバラでも、どれもみんな温かく、それこそ世界にひとつだけの演奏。
人の心を動かすのは『人の心』だなぁと、いつもうるっとさせてもらっていた。
でも、空気を変えるほどの技量は、それで十分人の心を動かすのだとあらためて思う。(もちろん新婦の感謝の気持ちだって十分あるけどね)
わたし、お仕事なのにすごいもの見させてもらっているよ〜〜〜と普段感じたことのない感動を味わってしまっていた。
以前新聞でクラシックに疎い記者が辻井伸行さんの演奏を取材で聴いたら涙が溢れて止まらなかったという記事を読んだことがある。
きっとわたしが感じたものは、それに近いのかもしれない。
わたしはじつは全然芸術関係に疎くて、美術館に行ったり画集を見たりと美しいものに触れることを特別積極的にしない人でして^^;
それより家で本を読んだり更新作業したりして、那智さんからのご連絡を犬のように待っているほうが好きだったりする。
でも、本当は心を動かされる経験は好きだし、たぶん、あっさり感動する(笑)
昨年、幸運にも違うお友達から違うお芝居に誘ってもらう機会があって、二度も観劇することができた。
ひとつは途中から泣きっぱなしで、もうひとつはあまりに切実で見終わったあとぐったりしてしまったほど、心動かしてもらった。
自分から積極的に動かないくせに連れて行ったもらったら人一倍心を動かしますので、どうかお友達の皆様、遠慮なくわたしを連れ出してくださいませ、お願いします(笑)
と横道に逸れながら、大小さまざま、心を動かせることは幸せなことだよね。
そうそう、これを書きながら、その新婦のお母様という人もピアノの講師をされているそうで、そのお母様から披露宴内でわたしの声をほめていただいたことを思い出してしまったから、書いちゃう(笑)
NHKのアナウンサーみたいな声で心地よい声だってほめていただいたんだ〜^^
あまり高音ボイスではないので司会者っぽくないかなと思っていたけど、これはうれしい言葉だった。
それでもわたしの声だけで空気を変えるなんて大それたことは目論んではおりませんが、祝福の空気を作る一旦は担えるかなと、空気が変わる瞬間を思い出して、こんなエントリーでした。
今朝の「等式」感想です。
りん子には人の心のトゲトゲした部分を和ますオーラがあると思う。1回も披露宴をみたことがありませんがね。列席者りん子に対して協力してあげようと思う空気、私はその空気やオーラの存在が見えたので強くこの仕事の後押しをした。いつか、列席者として参加したいな。
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COMMENT
お仕事中のお声は存じませんが、りん子さんのお声は凛とした核に落ち着いた優しさと心地好い響きがあって私も大好きです☆
うひゃ〜、なんともうれしいお言葉^^
人前で声を発する仕事を長くしていて、特に若い頃は低音ボイスがちょっと違うよな〜と思っていたけど、やっと年齢が追いついてくれたのかなと思います。
きっと熟桃さんにお聞かせしているtきは、アルコールも注入されて、よりいい感じになっているのかもしれません^^
わたし、お褒めいただいたその声で、鞭とかスパンキングとか話しているんだ〜、ある種のマニアにはウケるかも?(笑)
人前で声を発する仕事を長くしていて、特に若い頃は低音ボイスがちょっと違うよな〜と思っていたけど、やっと年齢が追いついてくれたのかなと思います。
きっと熟桃さんにお聞かせしているtきは、アルコールも注入されて、よりいい感じになっているのかもしれません^^
わたし、お褒めいただいたその声で、鞭とかスパンキングとか話しているんだ〜、ある種のマニアにはウケるかも?(笑)
プロというのは、こういうことができる人を言うのでしょうね。
空気を変えようなどという意識はなくて、結果、そうなる。
芸術だけじゃななくて、ですね♪
りん子さんの声は、えぇ、それはそれは素敵です。
お仕事もそうでないときも、周囲への気配りが感じられる話術もあいまって、
空気、ずいぶん変えていると思います☆☆
空気を変えようなどという意識はなくて、結果、そうなる。
芸術だけじゃななくて、ですね♪
りん子さんの声は、えぇ、それはそれは素敵です。
お仕事もそうでないときも、周囲への気配りが感じられる話術もあいまって、
空気、ずいぶん変えていると思います☆☆
ああ、ここにもアルコール注入後の声をご存知の方が!!(というか、注入後『しか』ご存知ない?)
お褒めいただいて恐縮です。
司会者は良きホステスであればいいなと思っています、主役は新郎新婦ですものね^^
よくカム司会者ですが、良い空気が作れたらいいなと思ってます。
お酒の席では絶好の予行練習させていただいております(笑)
お褒めいただいて恐縮です。
司会者は良きホステスであればいいなと思っています、主役は新郎新婦ですものね^^
よくカム司会者ですが、良い空気が作れたらいいなと思ってます。
お酒の席では絶好の予行練習させていただいております(笑)
綺麗な声の方は時々会いますが、なかなかNHKのアナウンサーみたいな声の方はいないです。
高貴な声のイメージです。素敵~
私は子供っぽい声なので羨ましいです。
こないだの娘の結婚式の司会、りん子さんにお願いしたかった(笑)
高貴な声のイメージです。素敵~
私は子供っぽい声なので羨ましいです。
こないだの娘の結婚式の司会、りん子さんにお願いしたかった(笑)
ようこそ〜♪
『等式』引っ越ししてからは初コメですね!!うれしい^^
いえ、そんなステキなものじゃなくて、低くて太い声なんです^^;
昔からかわいくない声だな〜ってちょっとコンプレックスだったのですが、最近はまあこれも良いかなと思えています。
でも、子供っぽい声、わたしはうらやましいよ〜、とっても。
お嬢さん、ご結婚されたのですね、おめでとうございます〜!!
お友達割引したのに、残念(笑)
追伸、ひとつ削除しましたよ〜^^
『等式』引っ越ししてからは初コメですね!!うれしい^^
いえ、そんなステキなものじゃなくて、低くて太い声なんです^^;
昔からかわいくない声だな〜ってちょっとコンプレックスだったのですが、最近はまあこれも良いかなと思えています。
でも、子供っぽい声、わたしはうらやましいよ〜、とっても。
お嬢さん、ご結婚されたのですね、おめでとうございます〜!!
お友達割引したのに、残念(笑)
追伸、ひとつ削除しましたよ〜^^