新人さん
独り言
新人担当者の初仕事の指名をいただいた。
それまで電話の取り次ぎやフェアの準備など事務方の仕事をしているのは知っていたから、きっとそれは修行中ということだったのだろう。
司会者の指名はお客様が選ぶことが多いと聞くから、その担当者がわたしを推してくれたのかどうかはわからないけど、とにかく、初仕事だった。
小柄でショートカットで小学生みたいな感じのかわいらしい担当者に「はじめて担当するのでよろしくお願いします」と言っていただいてしまったので、わたしなりに『いつも通り』一生懸命やろうと思っていた。
お会いした新郎と新婦も、まあ、これがまたいい人で^^
こんなふたりが初仕事でラッキーだったな〜と人ごとながら思う。
とくに新婦は人柄がそのまま表情に表れたような女性で、たとえばお開き後に時間を作ってゲストと写真を撮ることができるだけど、その時間を作るか確認したら、二次会はないのだけど新郎の友達が集まる場所に行く予定でその人たちを待たせてはいけないからなしにするというのだ。
女性ならとくに友達と一緒に写真を撮りたいと思うだろうけど、新郎と新郎側の友人を慮って判断する姿勢が、とてもステキな人だった。
新郎の転勤で東と南で遠距離交際を続けながらも毎月会いに行っていた新郎の気持ちもなんだか理解できてしまう^^
聞けば新婦はすでにご両親が他界していた。
当日は3姉妹の姉と妹が両親の代わりに末席に座り、謝辞や送賓も立つことになっていた。
いろいろ苦労もあっただろうな〜と想像すると、その優しい笑顔に、もうあっさり祝福の種!!
新人担当者とステキなおふたり、しかも当日はダブルといって披露宴2本の2本目、なかなか気合いで集中の気持ちだった。
当日、1本目もたくさんおめでとうの気持ちを持ち、いいテンションで次の会場に。
披露宴はよい雰囲気で進む。
開宴からずっと新人担当者がいる。
初仕事をこの目で見ておきたいのだろう。
(きっと会場側もそのスケジュールを彼女に与えてくれたのかな)
新婦友人スピーチで「一番見たかったご両親もここにいてくれますよね」なんて言葉に会場全体で賛同の拍手喝采。
新郎同僚の体を張った余興に苦笑しながらも温かく進行した。
花束贈呈はもちろんご両親はいない。
新郎両親と一緒にふたりの姉妹が並ぶ。
どうか、堂々としていてほしい。
贈呈前の新婦からのお手紙は「両親にではなく皆さんに感謝を伝えたい」という気持ちで書いたことを、わたしから紹介する。
まずは列席者への感謝。
そして親族への感謝、きっとご両親をな亡くしてから支えてくれたのだろう「◯◯おじちゃん、◯◯おばちゃん、◯◯ちゃん」と呼ぶ声に親族への感謝と愛情が伝わる。
次は姉妹へ。
年が離れている妹へ「お姉ちゃんをさせてもらってありがとう」と、そして、年が近い姉へはおそらくふたりで支え合って生きてきたんだろうなと感じられる優しくも力強いメッセージだった。
この時点でじゃっかんヤバめ^^;
最後に
お父さん、お母さん、この姉と妹を生んでくれて、3姉妹を育ててくれてありがとう
と。
あー、いかん、いかん、もうすぐ手紙が終わる。
終わったらすぐ花束贈呈のアナウンスをしなくてはならないのだ。
浸るな、わたし(笑)
不必要なほど資料をめくり意味のない確認をして気をそらし、なんとか謝辞まで漕ぎ着けた。
この会場は中央に大きな柱があり、謝辞位置が司会台から見えないのだ。
だから、マイクを持って見える位置まで移動する。
移動するとき新人担当者が視界に入り、ああ、お開きまで見ることができたのだなと、ちらっと思う。
無事謝辞も済み、おふたりと両親と姉妹は先に退場。
その後エンドロール(最近流行っているんだよね、映画のスタッフロールみたいにゲストの名前を流すのだ)。
当日の挙式の画像を即時編集したそれは毎度毎度感動的。
映し出す名前が新婦側の親族、家族と進み、そろそろエンドロールも終わる。
新婦姉妹の名前の後
通常ならここまででおしまいなのだけど、その後。
山田◯様
◯◯りん子様
◯◯ホテルスタッフの皆さま
と担当者とわたしとスタッフの名前まで。
やめてーーーーー。
このエンドロールはホテル側が用意するものだけど、名前だけや名前とメッセージなど、どのような表示をするかはいろいろ選べるはずなのだ。
だから、同じサービスを使ってもゲストしか記載されていない場合もたくさんある。
ということは、わざわざスペースを使ってゲスト以外の文字を入れるのは、おふたりの意思なのだ。
その気持ちが、もう、たまらなく、ダメ(笑)
エンドロールはもう終わる。
ああ、もうすべてを台無しにしていいから泣いてしまいたい(笑)
ダメダメ、ここで泣いちゃいけない。
気を取り直し、エンドロール終了後ベストのタイミングで閉式の辞を述べると同時に送賓準備も整い、ドアが開き会場の照明が上がる。
最終的なアナウンスを入れたら、マイクをオフ。
まだ会場内にいた新人担当者にまずはひと言と思い近づくと、彼女は完全に泣いていた(笑)
頬いっぱい濡れまくってた。
感動しちゃって
と照れ笑いしているけど、いいよね、いいよね、その気持ち忘れないでね。
以前、別の担当者がこんなことを言っていた
新郎新婦が入場するのを見たら鳥肌が立った。
この仕事は鳥肌が立たなくなったらおしまいだと思う。
だから鳥肌が立つうちは続けていかれると思ってる。
きっと、その涙を知っていたら、このお仕事続けられるよね^^
と、そろそろ10年選手のクセにしょっちゅううるうるするわたしは思うのだ(笑)
「等式」感想です。「別の担当者」さんの言い分は当時も十分理解出来たのですが今は、淡々と私情を交えずする司会もアリだとおもう。好きか嫌いかは別にして。
新人担当者の初仕事の指名をいただいた。
それまで電話の取り次ぎやフェアの準備など事務方の仕事をしているのは知っていたから、きっとそれは修行中ということだったのだろう。
司会者の指名はお客様が選ぶことが多いと聞くから、その担当者がわたしを推してくれたのかどうかはわからないけど、とにかく、初仕事だった。
小柄でショートカットで小学生みたいな感じのかわいらしい担当者に「はじめて担当するのでよろしくお願いします」と言っていただいてしまったので、わたしなりに『いつも通り』一生懸命やろうと思っていた。
お会いした新郎と新婦も、まあ、これがまたいい人で^^
こんなふたりが初仕事でラッキーだったな〜と人ごとながら思う。
とくに新婦は人柄がそのまま表情に表れたような女性で、たとえばお開き後に時間を作ってゲストと写真を撮ることができるだけど、その時間を作るか確認したら、二次会はないのだけど新郎の友達が集まる場所に行く予定でその人たちを待たせてはいけないからなしにするというのだ。
女性ならとくに友達と一緒に写真を撮りたいと思うだろうけど、新郎と新郎側の友人を慮って判断する姿勢が、とてもステキな人だった。
新郎の転勤で東と南で遠距離交際を続けながらも毎月会いに行っていた新郎の気持ちもなんだか理解できてしまう^^
聞けば新婦はすでにご両親が他界していた。
当日は3姉妹の姉と妹が両親の代わりに末席に座り、謝辞や送賓も立つことになっていた。
いろいろ苦労もあっただろうな〜と想像すると、その優しい笑顔に、もうあっさり祝福の種!!
新人担当者とステキなおふたり、しかも当日はダブルといって披露宴2本の2本目、なかなか気合いで集中の気持ちだった。
当日、1本目もたくさんおめでとうの気持ちを持ち、いいテンションで次の会場に。
披露宴はよい雰囲気で進む。
開宴からずっと新人担当者がいる。
初仕事をこの目で見ておきたいのだろう。
(きっと会場側もそのスケジュールを彼女に与えてくれたのかな)
新婦友人スピーチで「一番見たかったご両親もここにいてくれますよね」なんて言葉に会場全体で賛同の拍手喝采。
新郎同僚の体を張った余興に苦笑しながらも温かく進行した。
花束贈呈はもちろんご両親はいない。
新郎両親と一緒にふたりの姉妹が並ぶ。
どうか、堂々としていてほしい。
贈呈前の新婦からのお手紙は「両親にではなく皆さんに感謝を伝えたい」という気持ちで書いたことを、わたしから紹介する。
まずは列席者への感謝。
そして親族への感謝、きっとご両親をな亡くしてから支えてくれたのだろう「◯◯おじちゃん、◯◯おばちゃん、◯◯ちゃん」と呼ぶ声に親族への感謝と愛情が伝わる。
次は姉妹へ。
年が離れている妹へ「お姉ちゃんをさせてもらってありがとう」と、そして、年が近い姉へはおそらくふたりで支え合って生きてきたんだろうなと感じられる優しくも力強いメッセージだった。
この時点でじゃっかんヤバめ^^;
最後に
お父さん、お母さん、この姉と妹を生んでくれて、3姉妹を育ててくれてありがとう
と。
あー、いかん、いかん、もうすぐ手紙が終わる。
終わったらすぐ花束贈呈のアナウンスをしなくてはならないのだ。
浸るな、わたし(笑)
不必要なほど資料をめくり意味のない確認をして気をそらし、なんとか謝辞まで漕ぎ着けた。
この会場は中央に大きな柱があり、謝辞位置が司会台から見えないのだ。
だから、マイクを持って見える位置まで移動する。
移動するとき新人担当者が視界に入り、ああ、お開きまで見ることができたのだなと、ちらっと思う。
無事謝辞も済み、おふたりと両親と姉妹は先に退場。
その後エンドロール(最近流行っているんだよね、映画のスタッフロールみたいにゲストの名前を流すのだ)。
当日の挙式の画像を即時編集したそれは毎度毎度感動的。
映し出す名前が新婦側の親族、家族と進み、そろそろエンドロールも終わる。
新婦姉妹の名前の後
通常ならここまででおしまいなのだけど、その後。
山田◯様
◯◯りん子様
◯◯ホテルスタッフの皆さま
と担当者とわたしとスタッフの名前まで。
やめてーーーーー。
このエンドロールはホテル側が用意するものだけど、名前だけや名前とメッセージなど、どのような表示をするかはいろいろ選べるはずなのだ。
だから、同じサービスを使ってもゲストしか記載されていない場合もたくさんある。
ということは、わざわざスペースを使ってゲスト以外の文字を入れるのは、おふたりの意思なのだ。
その気持ちが、もう、たまらなく、ダメ(笑)
エンドロールはもう終わる。
ああ、もうすべてを台無しにしていいから泣いてしまいたい(笑)
ダメダメ、ここで泣いちゃいけない。
気を取り直し、エンドロール終了後ベストのタイミングで閉式の辞を述べると同時に送賓準備も整い、ドアが開き会場の照明が上がる。
最終的なアナウンスを入れたら、マイクをオフ。
まだ会場内にいた新人担当者にまずはひと言と思い近づくと、彼女は完全に泣いていた(笑)
頬いっぱい濡れまくってた。
感動しちゃって
と照れ笑いしているけど、いいよね、いいよね、その気持ち忘れないでね。
以前、別の担当者がこんなことを言っていた
新郎新婦が入場するのを見たら鳥肌が立った。
この仕事は鳥肌が立たなくなったらおしまいだと思う。
だから鳥肌が立つうちは続けていかれると思ってる。
きっと、その涙を知っていたら、このお仕事続けられるよね^^
と、そろそろ10年選手のクセにしょっちゅううるうるするわたしは思うのだ(笑)
「等式」感想です。「別の担当者」さんの言い分は当時も十分理解出来たのですが今は、淡々と私情を交えずする司会もアリだとおもう。好きか嫌いかは別にして。
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COMMENT
りん子さんの話を聞いて、先ず感じたのは「羨ましいなぁ~(^^♪」
自営業である私には味わえない感覚。
それは“新人さんから、刺激を受ける!”
長年同じような変化のない仕事をしていると、段々に慣れて感じなくなったところがある筈。
それを“気づかされる・学び直す”この大切さを改めて痛感しました。
りん子さんの若さの秘密の一つは、
きっと若い人に日々接して刺激を受け、若さのエキスを貰っている!?
きっとこれだ! そうに違いない!!
だからりん子さんは何時までも若く美しいのだぁ~(*^。^*)
自営業である私には味わえない感覚。
それは“新人さんから、刺激を受ける!”
長年同じような変化のない仕事をしていると、段々に慣れて感じなくなったところがある筈。
それを“気づかされる・学び直す”この大切さを改めて痛感しました。
りん子さんの若さの秘密の一つは、
きっと若い人に日々接して刺激を受け、若さのエキスを貰っている!?
きっとこれだ! そうに違いない!!
だからりん子さんは何時までも若く美しいのだぁ~(*^。^*)
パイパン大好きさん
ああ、たしかに自営をしていると新人さんとはあまり縁がないですよね。
取引先に新人さんが入るなんてくらいにかないのかな。
まあ、それでもだいたい経験者が中途採用されてくるケースのほうが多いようなので今回のケースはわりと稀なんじゃないかと思います^^
でも、よく考えたら、わたしの仕事は毎回幸せなカップルに会うことができるので、それで充分いいエキスはいただいていますね!!
なるほど、その視点はなかった^^
若くて美しいはさすがに盛り過ぎだけど(笑)
きっとそのエキスで生き生きさせてもらっているのだろうな〜^^
ああ、たしかに自営をしていると新人さんとはあまり縁がないですよね。
取引先に新人さんが入るなんてくらいにかないのかな。
まあ、それでもだいたい経験者が中途採用されてくるケースのほうが多いようなので今回のケースはわりと稀なんじゃないかと思います^^
でも、よく考えたら、わたしの仕事は毎回幸せなカップルに会うことができるので、それで充分いいエキスはいただいていますね!!
なるほど、その視点はなかった^^
若くて美しいはさすがに盛り過ぎだけど(笑)
きっとそのエキスで生き生きさせてもらっているのだろうな〜^^
りん子さん
ステキなお仕事ですね。
新郎新婦の想いを受け入れながら
いつも新鮮な気持ちを忘れない
りん子さんステキ。
10年選手でもしょっちゅううるうるの
りん子さんはまだまだやれるね!!
ステキなお仕事ですね。
新郎新婦の想いを受け入れながら
いつも新鮮な気持ちを忘れない
りん子さんステキ。
10年選手でもしょっちゅううるうるの
りん子さんはまだまだやれるね!!
ここさん
ありがと〜。
じつは、今回みたいにエピソードがあるものはエントリーにしているけど、そうじゃなくてもけっこうな確率でうるうるしてます^^;
ご両親の涙ってだけで充分(笑)
とにかく、ホントにいいお仕事だなって思います。
ここまで感情移入するのが正解かどうかはわからないけどね^^;
ありがと〜。
じつは、今回みたいにエピソードがあるものはエントリーにしているけど、そうじゃなくてもけっこうな確率でうるうるしてます^^;
ご両親の涙ってだけで充分(笑)
とにかく、ホントにいいお仕事だなって思います。
ここまで感情移入するのが正解かどうかはわからないけどね^^;