普段通り
独り言
接客業ばかりしていたわたし。
その中で感じることがある。
たぶんわたしにはお客様運がある(笑)
いまの仕事に就いても、それは感じるのだ。
司会者を選ぶ方法は会場や担当者によっていろいろで、実はわたしはその基準を詳しく知らないのだけど^^;
おそらく新郎新婦の希望(男女、年齢、雰囲気?)に合った司会者を担当者が推薦したり、写真やDVDを見て新郎新婦自ら選んだりしているのだろう。
もちろん、スケジュール等の現実的な問題もあるけど。
それでも担当者や新郎新婦の『好み』が作用しているようだ。
で、恐らく、わたしを好ましいと感じてくださる人たちに何かしらの共通点があって、それがわたしと相性を良くしているのだろう。
他の司会者からときどき聞く『困ったお客さん』というものにほとんど遭遇しないのは、相性によるものも大きい気がする。
だからお客様運がいいという言葉を使っているけれど、相性のいいお客様に出会えているというほうが正しいかもしれない。
そんなお客様運のいいわたし。
だからお客様のわがままで手を焼いたり、細かいことでクレームがついたりなんてことはないのだけど、違った意味でちょっと大変なこことがある。
他の司会者と比べたことがないので、さほど特別なことではないのかもしれないけど。
本人のわがままとかとはちょっと違った『大変』なパターンのお仕事をさせていただくことが、ときどきある。
新婦側の列席者0(親も親族もいない)とか。
新郎新婦が異常に緊張しいとか(これは担当者も史上最強だと言ってた)。
新郎の母親が元プロ司会者だとか。
父親が大企業の会長で主賓やら列席者やらがやたらとお偉いさんばかりだったりとか(国会議員とか○○連会長とか)。
担当者の友人とか。
とっても手に負えないということではないけど、ちょっと一段ハードル上がるぞという感じ。
こういう発注を受けたとき話題提供&心構えとして那智さんにお話しする。
今度のお仕事こんな人なんですよ〜って。
そうすると必ず同じ答えが返ってくるのだ。
普段通りに祝福
どんなに重要人物でも要注意人物でも普段と変えない。
うまくやろうとしたり、相手の顔色を伺うようなことをする必要はない。
りん子は普段精一杯祝福しているだろ?
そのまますればいい。
相手によってスタンスを変えない、いかにも那智さんらしいアドバイス。
披露宴当日、担当者から『今朝から大クレームがあった』と聞かされたカップルでさえ、披露宴前の合間にメールしたら『普段通り、祝福』と変わらないおまじないだ^^
これって実際はけっこう難しいいよね。
相手によって下手に出たり慎重になったりしてしまうところは、やっぱりある。
でもこのアドバイスはわたしの気持ちを落ち着かせてくれるし、一本スタンスが定まっているとブレないでいられるものだ。
だから、ちょっと『大変』なお客様のときは『普段通りに祝福』と自分に言い聞かせている。
昨年春お仕事したカップルもホテル側からしたら重要人物だった。
ホテルのオーナー会社の重役のお嬢様の披露宴だったのだ。
担当者はこのホテルでお世話になってからずっとお付き合いのある人。
この担当者のお友達の披露宴もわたしがやらせていただいた。
『とても良いお二人なので特に気を使う必要はないけど、いちおうホテル側として重要だということだけ情報として知っておいてください』
とのことだった。
その披露宴会場はホテルの中でも規模が小さいもので、来賓の人数も少なくごく親しい人を集めたささやかな印象のもの、それはお二人の希望する形、自分たちのスタイルを持っている様子から担当者のいう良いお二人ということも納得できる感じだった。
実際お会いしてみると確かにその通りで重役のお嬢さんという立場ではなく、ごく普通のカップルだった。
もっというと、普通よりむしろクール過ぎという感じでもあった。
普通、披露宴にはそれなりに夢や希望があるよね。
それがぜんぜんない、2人ともクール。
キャンドルサービス?
俺ら、そんなキャラじゃないよな?
両親への手紙も読む?
必要ないよ〜。
そんな感じ。
ただ『お涙頂戴はいやだ』『いかにも披露宴!!っていうのはいやだ』と冷めた感じのカップルにありがちな頑なさはなくて、基本ゲストが満足してくれればいいからというあくまで主役はゲストというスタンスで、『キャラじゃないけど、必要ならりん子さんのいう通りにしますよ』なんて言ってくれるようないい意味でクールな2人だった。
それでも披露宴の進行自体はイベントも最小限で歓談中心のものになった。
この歓談中心というのは、ともすれば間延びしてしまうかもしれにない印象があるけど、祝福の雰囲気作りが成功の鍵を握っている。
うまくいけば、イベント盛りだくさんより本人やゲストの満足度も高い。
だって、直接『おめでとう』のやり取りができたほうが嬉しいものね。
わたしの経験上、間延びしたことはほとんどないんだ。
みんな2人をお祝いにきているのだ、祝福の空気は自ずと生まれる。
わたしの仕事は、ほんのちょっとそれを出しやすくすること、誰よりも先陣を切って祝福することだと思っている。
だから、わたしはいつも新郎新婦から『祝福の種』を見つけるのだ。
このカップルからも『祝福の種』は見つけられる、けっこう簡単(笑)
ゲストに満足してもらえればという姿勢。
キャンドルサービスはキャラじゃないけどと言いつつ、ほんのちょっと嬉しそうな新婦の表情。
担当者やわたしを信頼してくれている率直な様子。
いくらでも、ある^^
これがあれば重役のお嬢さんだろうが、何にも恐れることはない。
と、特に気負うことなくいつも通り準備して当日を迎えた。
披露宴の一時間前には会場入りして、キャプテンや音響と最終確認をするのだけど、時間になってもキャプテンが来ない。
おかしいですね〜と呑気に音響の女性とおしゃべりしてたらキャプテン登場。
開口一番。
ああ、もう、大変だ〜。
このキャプテン、つい数ヶ月前まではアシスタントで最近キャプテンを任されることになったのだ。
聞くと、親族控え室の行灯が出ていなかったり、写真室がダブルブッキングしていたり、大小様々なミスやトラブルが発生していて、新婦の父親でありホテルのオーナー会社の重役がご立腹されているとのこと。
そんな状況だから、今日は160%発揮してください(笑)
ええ、160%ですか?(笑)
そう、もうすでにマイナス60くらいだから。
あ、俺、さっきゴミ拾ったからプラス5。
まだ若い新米キャプテン、もう笑うしかない状態でテンパってる。
そこでまた問題発覚!!
新郎中座時の曲が用意されていなかったのだ!!
これは新郎新婦側の準備漏れだったのだけど、新米キャプテンさらにテンパリ。
とりあえず音響に指示を出す。
新郎中座っぽい曲、なにがある!?
候補挙げて新郎に選んでもらおう。
○○と××?あ、あと△△も…あ、これ、俺が披露宴したときの中座曲、俺と同じですよ〜ってススメようかな(笑)
もう、キャプテン、ネジ何本か緩んでる^^;
緩んでちゃまずいから、わたしが新郎のところに行き決定してもらう。
ここでも、快くこちらが用意した曲を選んでくれた(ちなみに、△△に決定^^)
バタバタした最終確認も終わり、ドアオープンまで数十分。
資料や祝電の確認などやらなければならないことをしながら、わたしにできることはなんだろうって考える。
うん。
やっぱり、普段通り、だ。
きっとあのふたりのことだからミスやトラブルにいちいち目くじら立てることもないだろう。
それより、この数時間、ゲストが満足して帰ってくれることを一番に考えているはずだ。
お父様はご立腹で新婦もちょっと気がかりだろうな。
そんな2人のために。
せっかくのお嬢さんの晴れの日をいい気分で過ごしてもらうために。
それと、ほんのちょっぴり、テンパってる新米キャプテンのために^^
普段通り、心から祝福だ。
ゲストのためにってちょっとクールな2人に、自分たちも楽しむ気持ちにさせてやろうじゃん^^
ドアオープン。
あ〜あ、いつもよりサービスの数は多いし、偉い人もサービスしてる。
最近昇格して現場に出なくなったK元キャプテンまでいて『今日、俺はは新郎父に張り付く役(笑)』なんて言ってる。
ホテル側は、ちょっとぴりぴりムードだ。
それでも、わたしは自分に言い聞かせる、『普段通り』って。
いつも通りに祝福の拍手をいただき。
いつも通りプロフィール紹介、ちょっと笑いを取る。
いつも通り両家両親に挨拶、いつも通り新郎側からだ。
やったほうがいいからとやることにしたファーストバイトでは照れくさそうに。
新婦の退場は妹さんと、事前に仕込み済みでふたりでステップ踏んで会場は盛り上がり。
こちらが用意した△△の曲で、たくさんの拍手に包まれて気恥ずかしそうに退場する新郎。
小さな規模の披露宴会場が温かく祝福の空気に包まれる、なんともいえない一体感。
わたしはこの一体感の中お仕事できる緊張と集中と幸福を感じていた。
宴内は特にトラブルもなく、見ている限りでは新婦のお父様も問題なさそうだ。
キャプテンもK元キャプテンも安堵の色。
滞りなくお開きが近づき、最後の両家代表謝辞。
ゲストへの御礼の挨拶のときだ。
突然、新郎が目の前に用意されたスタンドマイクを横によけて謝辞をはじめた。
感謝の気持ちをマイクを通さず肉声で伝えます。
と、大きな声で。
いい意味でクールでキャンドルサービスもファーストバイトもキャラじゃないって照れてた新郎が大きな声を張り上げてゲストへの感謝の気持ちを伝えていた。
小さな会場だ。
力を込めた肉声は会場全体に響く、そして小さな会場だ、目が潤んでいるのも、わかる。
自分の披露宴。
ゲストの満足も大事だけど、この日くらい一緒に熱いものがこみ上げたっていいじゃない、ね。
重役であるお父様のご立腹が治まったかどうかなんかより、ずっとずっとこっちのほうが嬉しい。
ずっとずっと、わたしにできることのように思う。
あ、あと、新米キャプテンのためにもわたしにできることはできたかな^^
送賓時。
離れたところで見送るわたしの横にK元キャプテンがきた。
これでもかってほど悪いことが重なった(笑)けど、こちらは誠意を尽くして、まあやるだけのことはやったよ。重役に『ご苦労様』って言ってもらえることを祈るよ
そうですね〜、お疲れさまでした^^
と、笑顔で答えながら、きっとわたしの『いつも通り』もちょっとは役に立てたでしょ?
なーんて、ちょっと胸を張りたい気分だった。
早く、那智さんに報告したいな。
いつも通り祝福しましたよって。
きっとよかったねって言ってもらおう。
そう思いながら新郎新婦の幸せそうな笑顔を眺めていた^^
<関連エントリー>
お仕事の話を集めました^^
わたしがこのお仕事をするようになった経緯(=那智さんの脅迫に近い後押し)のお話
『職業選択123456』
新婦側列席者0
『限りなく素人に近い…』
祝福の種、いろいろ
『ヤンキー万歳^^』
『司会者に必要なものは』
『覚悟を決める時間』
K元キャプテン^^
『恋におちて?』
接客業ばかりしていたわたし。
その中で感じることがある。
たぶんわたしにはお客様運がある(笑)
いまの仕事に就いても、それは感じるのだ。
司会者を選ぶ方法は会場や担当者によっていろいろで、実はわたしはその基準を詳しく知らないのだけど^^;
おそらく新郎新婦の希望(男女、年齢、雰囲気?)に合った司会者を担当者が推薦したり、写真やDVDを見て新郎新婦自ら選んだりしているのだろう。
もちろん、スケジュール等の現実的な問題もあるけど。
それでも担当者や新郎新婦の『好み』が作用しているようだ。
で、恐らく、わたしを好ましいと感じてくださる人たちに何かしらの共通点があって、それがわたしと相性を良くしているのだろう。
他の司会者からときどき聞く『困ったお客さん』というものにほとんど遭遇しないのは、相性によるものも大きい気がする。
だからお客様運がいいという言葉を使っているけれど、相性のいいお客様に出会えているというほうが正しいかもしれない。
そんなお客様運のいいわたし。
だからお客様のわがままで手を焼いたり、細かいことでクレームがついたりなんてことはないのだけど、違った意味でちょっと大変なこことがある。
他の司会者と比べたことがないので、さほど特別なことではないのかもしれないけど。
本人のわがままとかとはちょっと違った『大変』なパターンのお仕事をさせていただくことが、ときどきある。
新婦側の列席者0(親も親族もいない)とか。
新郎新婦が異常に緊張しいとか(これは担当者も史上最強だと言ってた)。
新郎の母親が元プロ司会者だとか。
父親が大企業の会長で主賓やら列席者やらがやたらとお偉いさんばかりだったりとか(国会議員とか○○連会長とか)。
担当者の友人とか。
とっても手に負えないということではないけど、ちょっと一段ハードル上がるぞという感じ。
こういう発注を受けたとき話題提供&心構えとして那智さんにお話しする。
今度のお仕事こんな人なんですよ〜って。
そうすると必ず同じ答えが返ってくるのだ。
普段通りに祝福
どんなに重要人物でも要注意人物でも普段と変えない。
うまくやろうとしたり、相手の顔色を伺うようなことをする必要はない。
りん子は普段精一杯祝福しているだろ?
そのまますればいい。
相手によってスタンスを変えない、いかにも那智さんらしいアドバイス。
披露宴当日、担当者から『今朝から大クレームがあった』と聞かされたカップルでさえ、披露宴前の合間にメールしたら『普段通り、祝福』と変わらないおまじないだ^^
これって実際はけっこう難しいいよね。
相手によって下手に出たり慎重になったりしてしまうところは、やっぱりある。
でもこのアドバイスはわたしの気持ちを落ち着かせてくれるし、一本スタンスが定まっているとブレないでいられるものだ。
だから、ちょっと『大変』なお客様のときは『普段通りに祝福』と自分に言い聞かせている。
昨年春お仕事したカップルもホテル側からしたら重要人物だった。
ホテルのオーナー会社の重役のお嬢様の披露宴だったのだ。
担当者はこのホテルでお世話になってからずっとお付き合いのある人。
この担当者のお友達の披露宴もわたしがやらせていただいた。
『とても良いお二人なので特に気を使う必要はないけど、いちおうホテル側として重要だということだけ情報として知っておいてください』
とのことだった。
その披露宴会場はホテルの中でも規模が小さいもので、来賓の人数も少なくごく親しい人を集めたささやかな印象のもの、それはお二人の希望する形、自分たちのスタイルを持っている様子から担当者のいう良いお二人ということも納得できる感じだった。
実際お会いしてみると確かにその通りで重役のお嬢さんという立場ではなく、ごく普通のカップルだった。
もっというと、普通よりむしろクール過ぎという感じでもあった。
普通、披露宴にはそれなりに夢や希望があるよね。
それがぜんぜんない、2人ともクール。
キャンドルサービス?
俺ら、そんなキャラじゃないよな?
両親への手紙も読む?
必要ないよ〜。
そんな感じ。
ただ『お涙頂戴はいやだ』『いかにも披露宴!!っていうのはいやだ』と冷めた感じのカップルにありがちな頑なさはなくて、基本ゲストが満足してくれればいいからというあくまで主役はゲストというスタンスで、『キャラじゃないけど、必要ならりん子さんのいう通りにしますよ』なんて言ってくれるようないい意味でクールな2人だった。
それでも披露宴の進行自体はイベントも最小限で歓談中心のものになった。
この歓談中心というのは、ともすれば間延びしてしまうかもしれにない印象があるけど、祝福の雰囲気作りが成功の鍵を握っている。
うまくいけば、イベント盛りだくさんより本人やゲストの満足度も高い。
だって、直接『おめでとう』のやり取りができたほうが嬉しいものね。
わたしの経験上、間延びしたことはほとんどないんだ。
みんな2人をお祝いにきているのだ、祝福の空気は自ずと生まれる。
わたしの仕事は、ほんのちょっとそれを出しやすくすること、誰よりも先陣を切って祝福することだと思っている。
だから、わたしはいつも新郎新婦から『祝福の種』を見つけるのだ。
このカップルからも『祝福の種』は見つけられる、けっこう簡単(笑)
ゲストに満足してもらえればという姿勢。
キャンドルサービスはキャラじゃないけどと言いつつ、ほんのちょっと嬉しそうな新婦の表情。
担当者やわたしを信頼してくれている率直な様子。
いくらでも、ある^^
これがあれば重役のお嬢さんだろうが、何にも恐れることはない。
と、特に気負うことなくいつも通り準備して当日を迎えた。
披露宴の一時間前には会場入りして、キャプテンや音響と最終確認をするのだけど、時間になってもキャプテンが来ない。
おかしいですね〜と呑気に音響の女性とおしゃべりしてたらキャプテン登場。
開口一番。
ああ、もう、大変だ〜。
このキャプテン、つい数ヶ月前まではアシスタントで最近キャプテンを任されることになったのだ。
聞くと、親族控え室の行灯が出ていなかったり、写真室がダブルブッキングしていたり、大小様々なミスやトラブルが発生していて、新婦の父親でありホテルのオーナー会社の重役がご立腹されているとのこと。
そんな状況だから、今日は160%発揮してください(笑)
ええ、160%ですか?(笑)
そう、もうすでにマイナス60くらいだから。
あ、俺、さっきゴミ拾ったからプラス5。
まだ若い新米キャプテン、もう笑うしかない状態でテンパってる。
そこでまた問題発覚!!
新郎中座時の曲が用意されていなかったのだ!!
これは新郎新婦側の準備漏れだったのだけど、新米キャプテンさらにテンパリ。
とりあえず音響に指示を出す。
新郎中座っぽい曲、なにがある!?
候補挙げて新郎に選んでもらおう。
○○と××?あ、あと△△も…あ、これ、俺が披露宴したときの中座曲、俺と同じですよ〜ってススメようかな(笑)
もう、キャプテン、ネジ何本か緩んでる^^;
緩んでちゃまずいから、わたしが新郎のところに行き決定してもらう。
ここでも、快くこちらが用意した曲を選んでくれた(ちなみに、△△に決定^^)
バタバタした最終確認も終わり、ドアオープンまで数十分。
資料や祝電の確認などやらなければならないことをしながら、わたしにできることはなんだろうって考える。
うん。
やっぱり、普段通り、だ。
きっとあのふたりのことだからミスやトラブルにいちいち目くじら立てることもないだろう。
それより、この数時間、ゲストが満足して帰ってくれることを一番に考えているはずだ。
お父様はご立腹で新婦もちょっと気がかりだろうな。
そんな2人のために。
せっかくのお嬢さんの晴れの日をいい気分で過ごしてもらうために。
それと、ほんのちょっぴり、テンパってる新米キャプテンのために^^
普段通り、心から祝福だ。
ゲストのためにってちょっとクールな2人に、自分たちも楽しむ気持ちにさせてやろうじゃん^^
ドアオープン。
あ〜あ、いつもよりサービスの数は多いし、偉い人もサービスしてる。
最近昇格して現場に出なくなったK元キャプテンまでいて『今日、俺はは新郎父に張り付く役(笑)』なんて言ってる。
ホテル側は、ちょっとぴりぴりムードだ。
それでも、わたしは自分に言い聞かせる、『普段通り』って。
いつも通りに祝福の拍手をいただき。
いつも通りプロフィール紹介、ちょっと笑いを取る。
いつも通り両家両親に挨拶、いつも通り新郎側からだ。
やったほうがいいからとやることにしたファーストバイトでは照れくさそうに。
新婦の退場は妹さんと、事前に仕込み済みでふたりでステップ踏んで会場は盛り上がり。
こちらが用意した△△の曲で、たくさんの拍手に包まれて気恥ずかしそうに退場する新郎。
小さな規模の披露宴会場が温かく祝福の空気に包まれる、なんともいえない一体感。
わたしはこの一体感の中お仕事できる緊張と集中と幸福を感じていた。
宴内は特にトラブルもなく、見ている限りでは新婦のお父様も問題なさそうだ。
キャプテンもK元キャプテンも安堵の色。
滞りなくお開きが近づき、最後の両家代表謝辞。
ゲストへの御礼の挨拶のときだ。
突然、新郎が目の前に用意されたスタンドマイクを横によけて謝辞をはじめた。
感謝の気持ちをマイクを通さず肉声で伝えます。
と、大きな声で。
いい意味でクールでキャンドルサービスもファーストバイトもキャラじゃないって照れてた新郎が大きな声を張り上げてゲストへの感謝の気持ちを伝えていた。
小さな会場だ。
力を込めた肉声は会場全体に響く、そして小さな会場だ、目が潤んでいるのも、わかる。
自分の披露宴。
ゲストの満足も大事だけど、この日くらい一緒に熱いものがこみ上げたっていいじゃない、ね。
重役であるお父様のご立腹が治まったかどうかなんかより、ずっとずっとこっちのほうが嬉しい。
ずっとずっと、わたしにできることのように思う。
あ、あと、新米キャプテンのためにもわたしにできることはできたかな^^
送賓時。
離れたところで見送るわたしの横にK元キャプテンがきた。
これでもかってほど悪いことが重なった(笑)けど、こちらは誠意を尽くして、まあやるだけのことはやったよ。重役に『ご苦労様』って言ってもらえることを祈るよ
そうですね〜、お疲れさまでした^^
と、笑顔で答えながら、きっとわたしの『いつも通り』もちょっとは役に立てたでしょ?
なーんて、ちょっと胸を張りたい気分だった。
早く、那智さんに報告したいな。
いつも通り祝福しましたよって。
きっとよかったねって言ってもらおう。
そう思いながら新郎新婦の幸せそうな笑顔を眺めていた^^
<関連エントリー>
お仕事の話を集めました^^
わたしがこのお仕事をするようになった経緯(=那智さんの脅迫に近い後押し)のお話
『職業選択123456』
新婦側列席者0
『限りなく素人に近い…』
祝福の種、いろいろ
『ヤンキー万歳^^』
『司会者に必要なものは』
『覚悟を決める時間』
K元キャプテン^^
『恋におちて?』
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