困った〜〜
独り言
ああ、困った、どうしよう。
この困った感じをお届けしたく、ほぼリアルタイムなエントリー^^
わたしはよく泣く司会者だと自任しているし、ここにも書いている。
でも、たくさんウルウルはするけれど、いちおう泣いて仕事にならないなんてことはないし、泣くのが相応しくない場面では『うるっ』の気配も出さないように堪えているので、いままで特に問題なくお開きを迎えているはずだ。
ところが、いままでで最大級の『泣いちゃいけない場面』が今度の披露宴で控えているのだ!!
このカップルは最初の顔合わせから、次の打ち合わせまでの間に顔を覚えていられなかった種類の特別印象に残る人たちではなかった。
披露宴近くなり、2度目の打ち合わせでひさしぶりに会い、『そうそう、こんな人だった』と思い出す。
乾杯の発声が恩師だという話しになり、顔合わせのときにも聞いたふたりが中学の同級生だったというなれ初めも、そこで思い出した。
中学時代はそれほど仲良くはなく、でも、新郎は密かに新婦に片思いをしていたとか、出会った中学をイメージして『学級新聞』風のプロフィール冊子を作ったり、エピソードやふたりの思いを聞いているうちに、するすると感情移入できてしまう。
そんなふたりにとって思い出深い時間にしてほしいなぁという気持ちが湧いてくる。
ふたりが出会った頃と同じ年齢を通過しつつある我が子を持つ身として、勝手にシンクロ(笑)
中学校の校舎、制服、いろいろな行事、我が子を通して見てきた、その景色の中に思春期を過ごす新郎新婦を重ねてしまって、よかったね〜と中学時代のふたりにまで祝福の気持ちが湧いてしまっていた。
いつも祝福の種は見つけられるけど、最初の印象の薄さからは想像できないくらい大きな種をもらった気持ちだった。
特に、乾杯をしてくれる恩師とは中学時代にも新婦が演劇部でお世話になったこともあり、いまでも交流があり、結婚の報告に涙を流して喜んでくれたのだそうだ。
披露宴内でその恩師にサプライズのプレゼントを贈るそうだ。
某高級レストランの食事券、新郎新婦の分も用意しておいて「一緒に行きましょう」というお誘いまでつけたサプライズにするのだそうだ。
きっと喜んでくれますね。
ふたりだけじゃなくて、先生も、他のゲストにもきっと幸せな時間になるはずです。
ゲストのみなさんが幸せの一体感を感じられるような空気を作るように、わたしも祝福しよう。
そんなふうに思いながら打ち合わせを終えた。
数日後。
アドレスに登録していない番号が着信を知らせた。
出てみると新婦からだった。
どうやら職場の電話からかけているようだった。
すこし慌て気味の声で「先生が欠席されるかもしれない」とわたしに伝える。
聞けば、明日から緊急入院をするのだそうだ。
本人からか家族からかわからないけど、いま連絡が入り、大腸ガンが見つかって検査入院をするけれど、そのまま手術になる可能性もあるから、もしかしたら出席できないかもしれないということだ。
それでも披露宴の進行は大丈夫かと気にかける新婦に、仮に欠席になった場合の提案するけど、じつは、そんなに進行の変更自体はそんなに急を要するわけではないので、おそらく、連絡をもらって、すこし気が動転した状態でわたしにかけてきたのかなと想像すると、胸を掴まれる思いだ。
ブライダルの担当者ではなく、まずわたしにかけてきてくれた気持ちに応えたく、わたしなりに安心していただくよう進行の提案をして電話を切った。
ああ、もう、とても心配でとてもガッカリしているだろうとふたりの気持ちを思うとため息が出る。
しかも、わたしは父をガンで亡くしているから、検査入院からそのまま手術?という流れが、あまりよいものではないかもしれないと想像してしまう。
ふたりの思いを感じていたから、その心配と落胆に共感してしまって、この時点で若干うるうる。
なんとかして、ふたりにとってステキな一日になるようお手伝いできないか。
わたしにできることは先生が欠席される残念な気持ちは押さえ込むことはせず、でも、それ以上に会場全体がふたりを祝福する一体感で覆い尽くすように後押しすることだなって思っていた。
で、数日後。
今度は新郎から連絡があり、やはり、先生は欠席になるとほぼ決定の連絡。
ああ、それは残念。
乾杯は他の人を立て、プレゼントの演出はなしにして、その代わり先生からお手紙が届くから、それをわたしに読んでほしいということだ。
それ、代読ですかーーーーー!!!
無理、ぜったい無理!!
ふたりの思いはもちろんだけど、先生の気持ちまでこちらにダイレクトに来るんだよ。
泣くに決まってる!!
しかもその先生演劇部の顧問だったから、きっと国語の先生だ(勝手に教科決定 笑)、国語の先生が心を揺さぶる文章を書かないはずないだろう。
ぜったい、泣く!!
でも、でも、これは泣いちゃいけない種類のものだと思っている。
なぜなら、漠然とではあるけれど、その涙が『死』を連想させてしまうから。
いままでも泣いてしまいそうな代読はあった。
でも、それは高齢で出席できなかったり海外に移住していたりだったから、仮に泣いたとしてもその人たちの祝福の気持ちが涙になっていると理由付けできる。
でも、ガンを患い、即手術、もちろん、それが死に直結しているものではないのもわかるけど、父を看てきたわたしには、どうしても死を連想させてしまうと危惧してしまう。
病名まで知らないゲストは感動してウルウルしていると想像してくれるかもしれないけど、新郎新婦に一瞬でも『死』を連想させたくないと思うんだよう。
だから、泣いちゃいけないのーー。
はあ、事前に手に入ったら送っていただくことになっているから、何度も読んで慣れておかないと。
はあ、ホントに困ったよ〜。
<関連エントリー>
『覚悟を決める時間』
『限りなく素人に近い…』
『普段通り』
『鳥肌』
『心を動かす力』
『ヘビーローテーション』
「等式」感想です。りん子が仕事に行くとき、頑張ってねとは言わない、祝福ねと言う。これが、なぜかは記さないが「祝福」とは幸福を喜び祝い、また、祈ること。これを仕事にするのは実は大変だろうなと今日のエントリーを読んで思いました。だから、りん子の言う「祝福の種」探しは重要で見つからないと、追い込まれるような気になるのかなと心配になった。(笑)
りん子(^-^)いまごろの反応ですけど。祝福の種が見つからないことは基本的にはないです。仮に本人たちから得られなくても親や友達の表情からだけでも一緒に祝福したいなと思わせてくれる何かは必ずあります。ホントにホントになかったとしても、そこはプロなので意地でも見つけます(笑)
りん子(^-^)というか、見つけられるから、お仕事としてやって行かれているのかもしれませんね。
ああ、困った、どうしよう。
この困った感じをお届けしたく、ほぼリアルタイムなエントリー^^
わたしはよく泣く司会者だと自任しているし、ここにも書いている。
でも、たくさんウルウルはするけれど、いちおう泣いて仕事にならないなんてことはないし、泣くのが相応しくない場面では『うるっ』の気配も出さないように堪えているので、いままで特に問題なくお開きを迎えているはずだ。
ところが、いままでで最大級の『泣いちゃいけない場面』が今度の披露宴で控えているのだ!!
このカップルは最初の顔合わせから、次の打ち合わせまでの間に顔を覚えていられなかった種類の特別印象に残る人たちではなかった。
披露宴近くなり、2度目の打ち合わせでひさしぶりに会い、『そうそう、こんな人だった』と思い出す。
乾杯の発声が恩師だという話しになり、顔合わせのときにも聞いたふたりが中学の同級生だったというなれ初めも、そこで思い出した。
中学時代はそれほど仲良くはなく、でも、新郎は密かに新婦に片思いをしていたとか、出会った中学をイメージして『学級新聞』風のプロフィール冊子を作ったり、エピソードやふたりの思いを聞いているうちに、するすると感情移入できてしまう。
そんなふたりにとって思い出深い時間にしてほしいなぁという気持ちが湧いてくる。
ふたりが出会った頃と同じ年齢を通過しつつある我が子を持つ身として、勝手にシンクロ(笑)
中学校の校舎、制服、いろいろな行事、我が子を通して見てきた、その景色の中に思春期を過ごす新郎新婦を重ねてしまって、よかったね〜と中学時代のふたりにまで祝福の気持ちが湧いてしまっていた。
いつも祝福の種は見つけられるけど、最初の印象の薄さからは想像できないくらい大きな種をもらった気持ちだった。
特に、乾杯をしてくれる恩師とは中学時代にも新婦が演劇部でお世話になったこともあり、いまでも交流があり、結婚の報告に涙を流して喜んでくれたのだそうだ。
披露宴内でその恩師にサプライズのプレゼントを贈るそうだ。
某高級レストランの食事券、新郎新婦の分も用意しておいて「一緒に行きましょう」というお誘いまでつけたサプライズにするのだそうだ。
きっと喜んでくれますね。
ふたりだけじゃなくて、先生も、他のゲストにもきっと幸せな時間になるはずです。
ゲストのみなさんが幸せの一体感を感じられるような空気を作るように、わたしも祝福しよう。
そんなふうに思いながら打ち合わせを終えた。
数日後。
アドレスに登録していない番号が着信を知らせた。
出てみると新婦からだった。
どうやら職場の電話からかけているようだった。
すこし慌て気味の声で「先生が欠席されるかもしれない」とわたしに伝える。
聞けば、明日から緊急入院をするのだそうだ。
本人からか家族からかわからないけど、いま連絡が入り、大腸ガンが見つかって検査入院をするけれど、そのまま手術になる可能性もあるから、もしかしたら出席できないかもしれないということだ。
それでも披露宴の進行は大丈夫かと気にかける新婦に、仮に欠席になった場合の提案するけど、じつは、そんなに進行の変更自体はそんなに急を要するわけではないので、おそらく、連絡をもらって、すこし気が動転した状態でわたしにかけてきたのかなと想像すると、胸を掴まれる思いだ。
ブライダルの担当者ではなく、まずわたしにかけてきてくれた気持ちに応えたく、わたしなりに安心していただくよう進行の提案をして電話を切った。
ああ、もう、とても心配でとてもガッカリしているだろうとふたりの気持ちを思うとため息が出る。
しかも、わたしは父をガンで亡くしているから、検査入院からそのまま手術?という流れが、あまりよいものではないかもしれないと想像してしまう。
ふたりの思いを感じていたから、その心配と落胆に共感してしまって、この時点で若干うるうる。
なんとかして、ふたりにとってステキな一日になるようお手伝いできないか。
わたしにできることは先生が欠席される残念な気持ちは押さえ込むことはせず、でも、それ以上に会場全体がふたりを祝福する一体感で覆い尽くすように後押しすることだなって思っていた。
で、数日後。
今度は新郎から連絡があり、やはり、先生は欠席になるとほぼ決定の連絡。
ああ、それは残念。
乾杯は他の人を立て、プレゼントの演出はなしにして、その代わり先生からお手紙が届くから、それをわたしに読んでほしいということだ。
それ、代読ですかーーーーー!!!
無理、ぜったい無理!!
ふたりの思いはもちろんだけど、先生の気持ちまでこちらにダイレクトに来るんだよ。
泣くに決まってる!!
しかもその先生演劇部の顧問だったから、きっと国語の先生だ(勝手に教科決定 笑)、国語の先生が心を揺さぶる文章を書かないはずないだろう。
ぜったい、泣く!!
でも、でも、これは泣いちゃいけない種類のものだと思っている。
なぜなら、漠然とではあるけれど、その涙が『死』を連想させてしまうから。
いままでも泣いてしまいそうな代読はあった。
でも、それは高齢で出席できなかったり海外に移住していたりだったから、仮に泣いたとしてもその人たちの祝福の気持ちが涙になっていると理由付けできる。
でも、ガンを患い、即手術、もちろん、それが死に直結しているものではないのもわかるけど、父を看てきたわたしには、どうしても死を連想させてしまうと危惧してしまう。
病名まで知らないゲストは感動してウルウルしていると想像してくれるかもしれないけど、新郎新婦に一瞬でも『死』を連想させたくないと思うんだよう。
だから、泣いちゃいけないのーー。
はあ、事前に手に入ったら送っていただくことになっているから、何度も読んで慣れておかないと。
はあ、ホントに困ったよ〜。
<関連エントリー>
『覚悟を決める時間』
『限りなく素人に近い…』
『普段通り』
『鳥肌』
『心を動かす力』
『ヘビーローテーション』
「等式」感想です。りん子が仕事に行くとき、頑張ってねとは言わない、祝福ねと言う。これが、なぜかは記さないが「祝福」とは幸福を喜び祝い、また、祈ること。これを仕事にするのは実は大変だろうなと今日のエントリーを読んで思いました。だから、りん子の言う「祝福の種」探しは重要で見つからないと、追い込まれるような気になるのかなと心配になった。(笑)
りん子(^-^)いまごろの反応ですけど。祝福の種が見つからないことは基本的にはないです。仮に本人たちから得られなくても親や友達の表情からだけでも一緒に祝福したいなと思わせてくれる何かは必ずあります。ホントにホントになかったとしても、そこはプロなので意地でも見つけます(笑)
りん子(^-^)というか、見つけられるから、お仕事としてやって行かれているのかもしれませんね。
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COMMENT
りん子さん
私達世代になると、式をあげる本人たちより
親目線で見て涙していまいますよね。
わかるわかる。
でも、恩師の先生もとても残念でしょう。
お二人もサプライまで決めていた
先生がこのような形でご欠席。心痛でしょう。
それを、司会者の立場から両方のお気持ちを
汲み取りながらの代読。
りん子さんの温かな気持ちをこめての
代読なら、涙がながれても決して
「死」をイメージする事はないでしょう。
どうぞりん子さんの素直な気持ちと
温かな思いを込めて。祝福なさって
あげてください。
良いお式になりますように。
私達世代になると、式をあげる本人たちより
親目線で見て涙していまいますよね。
わかるわかる。
でも、恩師の先生もとても残念でしょう。
お二人もサプライまで決めていた
先生がこのような形でご欠席。心痛でしょう。
それを、司会者の立場から両方のお気持ちを
汲み取りながらの代読。
りん子さんの温かな気持ちをこめての
代読なら、涙がながれても決して
「死」をイメージする事はないでしょう。
どうぞりん子さんの素直な気持ちと
温かな思いを込めて。祝福なさって
あげてください。
良いお式になりますように。
ここさん
ここさ〜ん、ありがとーー;;
そうだね、いちおうプロなので泣かないに越したことはないんだけど、そこばかり意識するのはかえってよくないね。
ここさんのおっしゃるように温かい気持ちだけを込めるようにすれば、きっと『死』を連想させない涙になると信じます^^
うれしい、ちょっとホッとしちゃった^^
年を取ると涙もろくなるっていうけど、ホントだよねぇ。
自分以外に大事な人が増えるから、若い頃よりいろいろなことが我がことになってしまうからかもしれませんね。
とにかく、心を込めて祝福してきます〜。
ここさん、ありがとうね^^
ここさ〜ん、ありがとーー;;
そうだね、いちおうプロなので泣かないに越したことはないんだけど、そこばかり意識するのはかえってよくないね。
ここさんのおっしゃるように温かい気持ちだけを込めるようにすれば、きっと『死』を連想させない涙になると信じます^^
うれしい、ちょっとホッとしちゃった^^
年を取ると涙もろくなるっていうけど、ホントだよねぇ。
自分以外に大事な人が増えるから、若い頃よりいろいろなことが我がことになってしまうからかもしれませんね。
とにかく、心を込めて祝福してきます〜。
ここさん、ありがとうね^^