感性2
独特な幸福感
年末の那智さんは忙しい。
まあ、だいたいの人は年末忙しいものではあるけれど、加えて年始に大きなイベントがあるために余計に忙しいのはブログでも何度か書いている。
毎年のことなので心がまえや対処方法もそれなりにできてきているし、なにより『なんとか凌げる』程度にわたし自身成長したみたいなのだ。
とくに、今年は午後半休など織り交ぜながらなんとか会えているので、例年に比べてなんとかなっていた。
小さなことをいちいち聞いてもらうような話題提供はせず、那智さんにいまの集中度合いを聞いて『いま話しておかないといけないもの』『この時期を過ぎてからでいいから話したいこと』『話さないでも済んでしまえそうなこと』優先順位をつけ話題を振る。
ただこの時期はほとんどわたしへの集中は低く、単純作業などでたまに集中が増してもそれほど長く続かずにまた低い集中度合いになるので、ほとんどたいした話題提供はできない。
ほとんど上の空のお返事で、たまに浮上してくれたと思いすこし実のある話をしてもすーっとまたもとの低さに戻っている、この繰り返しだとこちらも「それなら黙っておこうかな」と思うものだ。
わたしは会話にならなくても『繋がっている』だけで充分満足なので、尻つぼみな会話や集中が低く堂々巡りになる会話をするくらいなら、黙って那智さんの気配を聞いていられるだけでいい。
昔より、何が何でも聞いてほしいという寄りかかりをしないでいられる程度に『しっかり者』になれているので、むしろ黙っていたほうが那智さんの負担も減るし精神衛生上いいかもしれないとも思う。
だから、
いま集中はどれくらいですか?
と聞いて
大丈夫だよ〜
と若干上の空気味でお返事をくれると
大丈夫かどうかじゃなくて
話したほうがいいですか?
会話ができるほうがいいですか?
BGMとしてわたしの声があったほうがいいですか?(笑)
などと、なかなか高度な提案をするほどだった。
【朗読奴隷】ならぬBGM奴隷^^
日常レベルのことは那智さんの聞いてもらわなくてもなんとかなる。
そういう状態は那智さんを欲する焦燥感もないし、その焦燥感ゆえ那智さんに当たってしまいそうになるのを堪える大変さもないから、とてもいい。
でも、そんなふうにしっかり者のわたしでいるのは、まだわたしにはちょっと力を入れる必要があるのだろう、なんとなく心が固まってくるのもわかる。
那智さんの声を聞いてふにゃふにゃで、かまってもらってきゃあきゃあな柔らかい心ではしっかり者は務められないのだ。
あと2、3週間、那智さんのお仕事が落ち着いたらいっぱいくっついて甘えてよしよししてもらおう。
そのときにこの固まった心をほぐすことができるかな、ひとりで対処できてしまった事実が、わたしをしっかり者のままにしてしまわないかな。
那智さんの可愛いりん子でいられなくなりそうで、しっかり者の硬い心はラクだけど、ひとりで対処できてしまう自分がすこし残念な気持ちだった。
そんな年末、お仕事のお手伝いにお仕事場におじゃました。
この作業は毎年わたし担当なのだ(笑)
なかなか日程調整ができなかったので、その日一日で作業を終えないと間に合わなかった。
例年、ほとんど一日でできているので問題ないとは思うけど、万が一終わらなかったら那智さんの仕事をひとつ減らして差し上げられなくなる。
そんな気持ちもあって、いっそうしっかり者のわたしのテンションでお仕事場に到着した。
コートを脱ぎ、ちょっとトイレでいちゃいちゃして(しましたよね?)、今日の作業の流れを確認するために会議室へ。
コーヒーをいただいていたら
りん子、これ
と
透明なビニールに金色の模様が入った手提げ袋を差し出す。
見ると中にクマのぬいぐるみが入っている。
真っ白いクマが緑と赤で組み合わせのセーターと帽子を着ている。
うわあああ。
しっかり者テンションの凝り固まったわたしの心は、それを見てギクシャク。
これ、りん子にあげたかったんだ〜
聞けば、このクマのぬいぐるみは毎年クリスマスの時期になると那智さんの知っているショップで売り出すらしい。
2、3年前くらいから、わたしにプレゼントしたいと思い、一緒にそのショップの前を通るたびに「いる?」と聞いてくれていたそうだ。
ところが、わたしが物欲ない女だし^^;
毎年「いいですよ〜」と断っていたのだそうだ。
(じつは、あまり記憶にない^^;)
でも、今年はわたしに確認せずに「買ってもいいな」と思えたそうで、こうやってプレゼントしてくれたのだ。
那智さんとわたしの『プレゼント』はちょっと特殊かもしれない。
お互い『相手がよろこんでくれる』物をあげたいと思うので、こういう事前確認があったりする。
ただ、ここもあうんの呼吸のようなもので、『これはぜったいあげたい!!』というものは、確認しない。
おそらく、これは『あげたい』心をプレゼントしているのだろう、いただくほうも、それがうれしかったりするので、これはこれで成立するのだ。
今回はこのパターン。
あげたいなと思う気持ちが数年間継続したことで、那智さんの中で『ぜったいあげたい』パターンに切り替わったのだろう。
ギクシャクしながら袋から取り出したクマは真っ白でふわふわで、困惑する。
でも『あげたい』という気持ちは、凝り固まった心を柔らかくしてくれる水分のようなものなのだろうか。
困惑は照れているのだと気づかせてくれる。
いろんな色があったけど、白がいいって思ってさ
セーターと帽子も別売りで色を選べるから、これにした
白を選んでくれたこと、セーターと帽子も選んでくれたこと、それがうれしい。
那智さんにとってわたしは白いクマのぬいぐるみをプレゼントする対象で、まだあり続けていると思っていいのだろうか。
涙がポロポロこぼれる。
ああ、しっかり者だとか言っておきながら、こんなふうに那智さんのそばで無垢な気持ちになれることがこんなにもしあわせ。
5年前、クマの【ぬいぐるみ】を買ってもらったときに涙を流したキレイな心をまだ持てている。
ぬいぐるみのように真っ白い心の心地よさを感じられることが、わたしの『女の子』の幸福。
前エントリーは『弱いわたし』。
このときのわたしは『女の子』の心。
このふたつのお話を次でまとめます^^
<関連エントリー>
わたしの『女の子』
ぬいぐるみ
朗読奴隷12
年末の那智さんは忙しい。
まあ、だいたいの人は年末忙しいものではあるけれど、加えて年始に大きなイベントがあるために余計に忙しいのはブログでも何度か書いている。
毎年のことなので心がまえや対処方法もそれなりにできてきているし、なにより『なんとか凌げる』程度にわたし自身成長したみたいなのだ。
とくに、今年は午後半休など織り交ぜながらなんとか会えているので、例年に比べてなんとかなっていた。
小さなことをいちいち聞いてもらうような話題提供はせず、那智さんにいまの集中度合いを聞いて『いま話しておかないといけないもの』『この時期を過ぎてからでいいから話したいこと』『話さないでも済んでしまえそうなこと』優先順位をつけ話題を振る。
ただこの時期はほとんどわたしへの集中は低く、単純作業などでたまに集中が増してもそれほど長く続かずにまた低い集中度合いになるので、ほとんどたいした話題提供はできない。
ほとんど上の空のお返事で、たまに浮上してくれたと思いすこし実のある話をしてもすーっとまたもとの低さに戻っている、この繰り返しだとこちらも「それなら黙っておこうかな」と思うものだ。
わたしは会話にならなくても『繋がっている』だけで充分満足なので、尻つぼみな会話や集中が低く堂々巡りになる会話をするくらいなら、黙って那智さんの気配を聞いていられるだけでいい。
昔より、何が何でも聞いてほしいという寄りかかりをしないでいられる程度に『しっかり者』になれているので、むしろ黙っていたほうが那智さんの負担も減るし精神衛生上いいかもしれないとも思う。
だから、
いま集中はどれくらいですか?
と聞いて
大丈夫だよ〜
と若干上の空気味でお返事をくれると
大丈夫かどうかじゃなくて
話したほうがいいですか?
会話ができるほうがいいですか?
BGMとしてわたしの声があったほうがいいですか?(笑)
などと、なかなか高度な提案をするほどだった。
【朗読奴隷】ならぬBGM奴隷^^
日常レベルのことは那智さんの聞いてもらわなくてもなんとかなる。
そういう状態は那智さんを欲する焦燥感もないし、その焦燥感ゆえ那智さんに当たってしまいそうになるのを堪える大変さもないから、とてもいい。
でも、そんなふうにしっかり者のわたしでいるのは、まだわたしにはちょっと力を入れる必要があるのだろう、なんとなく心が固まってくるのもわかる。
那智さんの声を聞いてふにゃふにゃで、かまってもらってきゃあきゃあな柔らかい心ではしっかり者は務められないのだ。
あと2、3週間、那智さんのお仕事が落ち着いたらいっぱいくっついて甘えてよしよししてもらおう。
そのときにこの固まった心をほぐすことができるかな、ひとりで対処できてしまった事実が、わたしをしっかり者のままにしてしまわないかな。
那智さんの可愛いりん子でいられなくなりそうで、しっかり者の硬い心はラクだけど、ひとりで対処できてしまう自分がすこし残念な気持ちだった。
そんな年末、お仕事のお手伝いにお仕事場におじゃました。
この作業は毎年わたし担当なのだ(笑)
なかなか日程調整ができなかったので、その日一日で作業を終えないと間に合わなかった。
例年、ほとんど一日でできているので問題ないとは思うけど、万が一終わらなかったら那智さんの仕事をひとつ減らして差し上げられなくなる。
そんな気持ちもあって、いっそうしっかり者のわたしのテンションでお仕事場に到着した。
コートを脱ぎ、ちょっとトイレでいちゃいちゃして(しましたよね?)、今日の作業の流れを確認するために会議室へ。
コーヒーをいただいていたら
りん子、これ
と
透明なビニールに金色の模様が入った手提げ袋を差し出す。
見ると中にクマのぬいぐるみが入っている。
真っ白いクマが緑と赤で組み合わせのセーターと帽子を着ている。
うわあああ。
しっかり者テンションの凝り固まったわたしの心は、それを見てギクシャク。
これ、りん子にあげたかったんだ〜
聞けば、このクマのぬいぐるみは毎年クリスマスの時期になると那智さんの知っているショップで売り出すらしい。
2、3年前くらいから、わたしにプレゼントしたいと思い、一緒にそのショップの前を通るたびに「いる?」と聞いてくれていたそうだ。
ところが、わたしが物欲ない女だし^^;
毎年「いいですよ〜」と断っていたのだそうだ。
(じつは、あまり記憶にない^^;)
でも、今年はわたしに確認せずに「買ってもいいな」と思えたそうで、こうやってプレゼントしてくれたのだ。
那智さんとわたしの『プレゼント』はちょっと特殊かもしれない。
お互い『相手がよろこんでくれる』物をあげたいと思うので、こういう事前確認があったりする。
ただ、ここもあうんの呼吸のようなもので、『これはぜったいあげたい!!』というものは、確認しない。
おそらく、これは『あげたい』心をプレゼントしているのだろう、いただくほうも、それがうれしかったりするので、これはこれで成立するのだ。
今回はこのパターン。
あげたいなと思う気持ちが数年間継続したことで、那智さんの中で『ぜったいあげたい』パターンに切り替わったのだろう。
ギクシャクしながら袋から取り出したクマは真っ白でふわふわで、困惑する。
でも『あげたい』という気持ちは、凝り固まった心を柔らかくしてくれる水分のようなものなのだろうか。
困惑は照れているのだと気づかせてくれる。
いろんな色があったけど、白がいいって思ってさ
セーターと帽子も別売りで色を選べるから、これにした
白を選んでくれたこと、セーターと帽子も選んでくれたこと、それがうれしい。
那智さんにとってわたしは白いクマのぬいぐるみをプレゼントする対象で、まだあり続けていると思っていいのだろうか。
涙がポロポロこぼれる。
ああ、しっかり者だとか言っておきながら、こんなふうに那智さんのそばで無垢な気持ちになれることがこんなにもしあわせ。
5年前、クマの【ぬいぐるみ】を買ってもらったときに涙を流したキレイな心をまだ持てている。
ぬいぐるみのように真っ白い心の心地よさを感じられることが、わたしの『女の子』の幸福。
前エントリーは『弱いわたし』。
このときのわたしは『女の子』の心。
このふたつのお話を次でまとめます^^
<関連エントリー>
わたしの『女の子』
ぬいぐるみ
朗読奴隷12
COMMENT
あ~はやくこの境地に達したい
というか早くこういう風にある程度安定したいなぁと今正直思ってるところです。
・・・いやもうコレすらネタにして
毎月一回逢瀬分のエントリーに充当しようなどと
考えるようにして紛らわしてますが・・・ええ
仕方ないなあ自分とあきれてます
というか早くこういう風にある程度安定したいなぁと今正直思ってるところです。
・・・いやもうコレすらネタにして
毎月一回逢瀬分のエントリーに充当しようなどと
考えるようにして紛らわしてますが・・・ええ
仕方ないなあ自分とあきれてます
灯里さん
いやいや、わたしもただいま意識改革中です^^
とはいえ、それなりの年数を重ねているので、きっと灯里さんよりは『ふたり』に起こることは安定しているとは思います。
委ねることになれたりとか、こういうケースのときはこういう解決方法とか、経験は強味になりますよね。
時間はかかるかもしれないけど、真摯なやり取りを重ねていけば、いつかきっとその経験は安定という形になるはずです^^
いまのわたしはね〜、自分の中の改革^^
灯里さんもそのうちやってくるかもね〜(笑←笑うな、だよね^^;)
いやいや、わたしもただいま意識改革中です^^
とはいえ、それなりの年数を重ねているので、きっと灯里さんよりは『ふたり』に起こることは安定しているとは思います。
委ねることになれたりとか、こういうケースのときはこういう解決方法とか、経験は強味になりますよね。
時間はかかるかもしれないけど、真摯なやり取りを重ねていけば、いつかきっとその経験は安定という形になるはずです^^
いまのわたしはね〜、自分の中の改革^^
灯里さんもそのうちやってくるかもね〜(笑←笑うな、だよね^^;)
那智さんの感想コメントにある
「あげたい気持ちのプレゼント」
これはいい!\(◎o◎)/!
プレゼントの質=価格とかに拘っていた今までの私。
とても恥ずかしい(^_^;)
「あげたい気持ちのプレゼント」
これはいい!\(◎o◎)/!
プレゼントの質=価格とかに拘っていた今までの私。
とても恥ずかしい(^_^;)
パイパン大好きさん
案外価格より、あがたいと思う気持ちをよろこぶ女は多いような気がしますよ。
厳密にいうと、好きな男ほど『気持ち』がうれしいかも^^;
まあ、わたしのように物欲のない女は美味しいもの食べさせておけば満足ですけれどね〜^^
プレゼントひとつ取ってもいろいろです。
案外価格より、あがたいと思う気持ちをよろこぶ女は多いような気がしますよ。
厳密にいうと、好きな男ほど『気持ち』がうれしいかも^^;
まあ、わたしのように物欲のない女は美味しいもの食べさせておけば満足ですけれどね〜^^
プレゼントひとつ取ってもいろいろです。