意思を持つ鞭3
非日常的な日常
気持ちよくなりたいのに…。
気持ちよくて興奮してたまらないけれどほとんど触れてもらえず、大きな快感のはずなにに生殺しのような状態の中鞭が始まろうとしたとき、思わずもらした言葉。
那智さんはわたしを可愛がろうとしてくれていて、けして痛めつけようなんて思っていないことはわかっている。
最終的には他ではなかなか味わえないところに連れて行ってくれる鞭だけど、そこに至るまでにすこし時間がかかるから、その遠回りを指して言ったのだ、と思う(まあ、そんなに頭働いていないので…)
(『徒然に「あの世界」』)
気持ちよくしてあげようと思ってるのに、ほれ(笑)
普段の穏やかな瞳の中にわずかな『こんにゃろー』と、その変化自体を楽しんでいるような光。
すこしだけ不安を抱えながらうつ伏せになってお尻を差し出す。
一発。
ワンテンポ明けて、二発。
どちらもかなり強い痛さだった。
鞭で可愛がるにはある程度那智さんなりにストーリーがあるはずだ。
最初は慣らすように徐々に高めていく。
目を覚ますような一撃を最初に与えて強制的にまずあちらの世界を見せる。
連続して打つときの力加減と、一発打つたにび階段を上がっていくようなゆっくり打つときの力加減。
いまの二発には、そのストーリーが感じられなかった。
徐々に高めるには強すぎたし、いきなり引きずり込むときのような明確な意図も読み取れなかった。
明らかに普段の鞭とは違っていた。
那智さん、いまの強さ、なぜですか?
くうっと体を縮めながら聞く。
いらんこと言うからね〜、痛くしてあげたの(笑)
ごめんなさい、可愛がってください;;
はいはい(笑)
再びうつ伏せに。
さっきより数段柔らかい力。
1、2、3…ゆっくり定期的に振り下ろされる。
バラバラのゴムがそれぞれ肌に刺激を与える。
ときおり先端の角ばった部分が刺さり全身の筋肉がくっと固まる。
何回かそれを繰り返した後。
強く、一発。
ぎゃうっと仰け反る。
タバコに火をつけにベッドから少し離れた。
火をつけて一服して、また戻り、強く一発。
また仰け反る。
これを2、3往復。
タバコを消して、もう一度。
今度は、3発。
ばんっと跳ね上がるようにうつ伏せから四つん這いになって、そのままベッドサイドの那智さんのもとに。
体に手を回して『痛い痛い』と甘える。
よしよしと頭を撫で、体をわずかに揺らすのが戻れの合図。
鞭の痛みからあの世界に行く道筋はだいたい決まっている。
強烈な痛さに体を硬直させ、痛みが引くときにふうっと力が抜けるように一段落ちる。
この硬直と緩和の繰り返してジグザグを描くように高いところに上っていくような道。
一発一発、丁寧に間隔をおき、ジグザグを描き、最後に数発連続してワンクール。
それを何回も繰り返すことで泣いたり笑ったりおかしな世界に行かれるのだ。
このときもそれを繰り返していた。
バラになったゴムをねじり一本にして。
体の側面を削るように。
わざとばらけるようにして太ももや背中まで鞭が及ぶように。
痛さの種類と場所を変えているように感じる。
一発一発、意識して。
その都度地団駄を踏み騒ぐ。
それなのに太ももに垂れるほど濡れるのだ。
那智さんに甘え、キスをねだり、呂律の回らない状態で『入れてください』とうわ言のようにつぶやく。
強烈な痛みのギリギリのところで甘くて異様な空気が漂っているはずだ。
長い。
おそらく、いままでの中で1、2を争うほど長かったと思う。
一瞬、気が遠くなるような感覚になった。
過呼吸だったのかもしれない。
またワンクール。
わたしの反応を見たのだろう。
那智さんの打ち方が変わった。
強く強く、そして何度も何度も。
ほとんど狙いを定めていないようだ。
あああ、もう、どうしよう。
気持ちよくてたまらない。
打たれていてもコーヒーを飲むためにひと呼吸していても、腰がくねくねと動いてしまう。
何をどうされても気持ちいいしかない状態になってしまった。
このままずっと打ち続けて、おしまいにしないで、連続する鞭の雨にずぶ濡れになっていたいと思っていた。
那智さんは、まるで猫じゃらしで猫を遊ばせるように楽しそうに満足げに何度も何度も振り下ろす。
快感状態を維持し、慣らし、いつかもっと先を視野に入れ、快感を植え付けるように打っていた。
この日の鞭の時間。
那智さんいわく『突き抜けた』感じがあったそうだ。
おそらくほぼMAXの力でそれほど狙いを定めず連続して打ち続けても、ただ快感状態というのははじめてだったから。
様々な要因はあるだろう。
何年もかけて慣らしたり、あんまり書いていないけどこのときも鞭をしながらも他のことで快感を与えたりしていたし、わたしがいろいろな方法で快感を得られるように作ってきたこともある。
このところ連続して鞭をしていたから、それも一役買っているはずだ。
そして何より。
那智さんの鞭には意思がある。
どういう道を通って、どのゴールに向かうか。
その都度のストーリー、ずっと先までのストーリー。
この日も、最初の二発とそれ以降では違う意思を感じたし、ちょっと大げさかもしれないけど一発一発に意思を持っているとさえ感じてしまうほどだった。
(もしかしたら、それくらい意識しないと危険だという側面もあるかも?)
ときどきギブアップしたり(『快感は生もの2』)、トホホな展開になっておしまいになったり(『SMに音楽は必要か』)、アクシデントも楽しみながら。
それでも常に那智さんの意思で鞭を振るい、わたしをあんなふうに変えていくのだ。
『人を変える』ということは難しい。
いちおうマゾ的嗜好は持っていたとしても、痛いものは痛い(笑)
その痛いことを、かなりギリギリの痛いことを望み、快感に変えるようにするのだからそんなに簡単なことではないはずだ。
この意思を持ち続けてくれることが、ずっと痛くしていたほしいと思うような快感を作る大きな要因だと思う。
SM行為をしている人で鞭を使う人はそれなりにいるだろう。
打つ側がどんな気持ちでしているかも、それぞれあるはずだ。
那智さんの鞭には彼の意思が乗っかっている。
一発一発に意思を持ち、それによって受け取るこちらの反応も違う。
そのキャッチボールを繰り返し気がつけば、わたしはずいぶん変えられた。
いつも漠然と感じていたことだけど、改めてその『意思』の存在をはっきりと感じられた日だった。
ピンぼけだけど、載せちゃう!!
痛そ、でしょ*^^*
はい~今朝の「等式」感想です。
鞭の強さで私の意志が通じることを嬉しく思う。そして、この時の後半初めてかなりの強さで且つ気を使わないで鞭を振るった。りん子の中で何かが変化して突き抜けた、今後、何時この時のようになれるかは解らない、けれど楽しみが増えステップを登ったことは間違いない。
気持ちよくなりたいのに…。
気持ちよくて興奮してたまらないけれどほとんど触れてもらえず、大きな快感のはずなにに生殺しのような状態の中鞭が始まろうとしたとき、思わずもらした言葉。
那智さんはわたしを可愛がろうとしてくれていて、けして痛めつけようなんて思っていないことはわかっている。
最終的には他ではなかなか味わえないところに連れて行ってくれる鞭だけど、そこに至るまでにすこし時間がかかるから、その遠回りを指して言ったのだ、と思う(まあ、そんなに頭働いていないので…)
(『徒然に「あの世界」』)
気持ちよくしてあげようと思ってるのに、ほれ(笑)
普段の穏やかな瞳の中にわずかな『こんにゃろー』と、その変化自体を楽しんでいるような光。
すこしだけ不安を抱えながらうつ伏せになってお尻を差し出す。
一発。
ワンテンポ明けて、二発。
どちらもかなり強い痛さだった。
鞭で可愛がるにはある程度那智さんなりにストーリーがあるはずだ。
最初は慣らすように徐々に高めていく。
目を覚ますような一撃を最初に与えて強制的にまずあちらの世界を見せる。
連続して打つときの力加減と、一発打つたにび階段を上がっていくようなゆっくり打つときの力加減。
いまの二発には、そのストーリーが感じられなかった。
徐々に高めるには強すぎたし、いきなり引きずり込むときのような明確な意図も読み取れなかった。
明らかに普段の鞭とは違っていた。
那智さん、いまの強さ、なぜですか?
くうっと体を縮めながら聞く。
いらんこと言うからね〜、痛くしてあげたの(笑)
ごめんなさい、可愛がってください;;
はいはい(笑)
再びうつ伏せに。
さっきより数段柔らかい力。
1、2、3…ゆっくり定期的に振り下ろされる。
バラバラのゴムがそれぞれ肌に刺激を与える。
ときおり先端の角ばった部分が刺さり全身の筋肉がくっと固まる。
何回かそれを繰り返した後。
強く、一発。
ぎゃうっと仰け反る。
タバコに火をつけにベッドから少し離れた。
火をつけて一服して、また戻り、強く一発。
また仰け反る。
これを2、3往復。
タバコを消して、もう一度。
今度は、3発。
ばんっと跳ね上がるようにうつ伏せから四つん這いになって、そのままベッドサイドの那智さんのもとに。
体に手を回して『痛い痛い』と甘える。
よしよしと頭を撫で、体をわずかに揺らすのが戻れの合図。
鞭の痛みからあの世界に行く道筋はだいたい決まっている。
強烈な痛さに体を硬直させ、痛みが引くときにふうっと力が抜けるように一段落ちる。
この硬直と緩和の繰り返してジグザグを描くように高いところに上っていくような道。
一発一発、丁寧に間隔をおき、ジグザグを描き、最後に数発連続してワンクール。
それを何回も繰り返すことで泣いたり笑ったりおかしな世界に行かれるのだ。
このときもそれを繰り返していた。
バラになったゴムをねじり一本にして。
体の側面を削るように。
わざとばらけるようにして太ももや背中まで鞭が及ぶように。
痛さの種類と場所を変えているように感じる。
一発一発、意識して。
その都度地団駄を踏み騒ぐ。
それなのに太ももに垂れるほど濡れるのだ。
那智さんに甘え、キスをねだり、呂律の回らない状態で『入れてください』とうわ言のようにつぶやく。
強烈な痛みのギリギリのところで甘くて異様な空気が漂っているはずだ。
長い。
おそらく、いままでの中で1、2を争うほど長かったと思う。
一瞬、気が遠くなるような感覚になった。
過呼吸だったのかもしれない。
またワンクール。
わたしの反応を見たのだろう。
那智さんの打ち方が変わった。
強く強く、そして何度も何度も。
ほとんど狙いを定めていないようだ。
あああ、もう、どうしよう。
気持ちよくてたまらない。
打たれていてもコーヒーを飲むためにひと呼吸していても、腰がくねくねと動いてしまう。
何をどうされても気持ちいいしかない状態になってしまった。
このままずっと打ち続けて、おしまいにしないで、連続する鞭の雨にずぶ濡れになっていたいと思っていた。
那智さんは、まるで猫じゃらしで猫を遊ばせるように楽しそうに満足げに何度も何度も振り下ろす。
快感状態を維持し、慣らし、いつかもっと先を視野に入れ、快感を植え付けるように打っていた。
この日の鞭の時間。
那智さんいわく『突き抜けた』感じがあったそうだ。
おそらくほぼMAXの力でそれほど狙いを定めず連続して打ち続けても、ただ快感状態というのははじめてだったから。
様々な要因はあるだろう。
何年もかけて慣らしたり、あんまり書いていないけどこのときも鞭をしながらも他のことで快感を与えたりしていたし、わたしがいろいろな方法で快感を得られるように作ってきたこともある。
このところ連続して鞭をしていたから、それも一役買っているはずだ。
そして何より。
那智さんの鞭には意思がある。
どういう道を通って、どのゴールに向かうか。
その都度のストーリー、ずっと先までのストーリー。
この日も、最初の二発とそれ以降では違う意思を感じたし、ちょっと大げさかもしれないけど一発一発に意思を持っているとさえ感じてしまうほどだった。
(もしかしたら、それくらい意識しないと危険だという側面もあるかも?)
ときどきギブアップしたり(『快感は生もの2』)、トホホな展開になっておしまいになったり(『SMに音楽は必要か』)、アクシデントも楽しみながら。
それでも常に那智さんの意思で鞭を振るい、わたしをあんなふうに変えていくのだ。
『人を変える』ということは難しい。
いちおうマゾ的嗜好は持っていたとしても、痛いものは痛い(笑)
その痛いことを、かなりギリギリの痛いことを望み、快感に変えるようにするのだからそんなに簡単なことではないはずだ。
この意思を持ち続けてくれることが、ずっと痛くしていたほしいと思うような快感を作る大きな要因だと思う。
SM行為をしている人で鞭を使う人はそれなりにいるだろう。
打つ側がどんな気持ちでしているかも、それぞれあるはずだ。
那智さんの鞭には彼の意思が乗っかっている。
一発一発に意思を持ち、それによって受け取るこちらの反応も違う。
そのキャッチボールを繰り返し気がつけば、わたしはずいぶん変えられた。
いつも漠然と感じていたことだけど、改めてその『意思』の存在をはっきりと感じられた日だった。
ピンぼけだけど、載せちゃう!!
痛そ、でしょ*^^*
はい~今朝の「等式」感想です。
鞭の強さで私の意志が通じることを嬉しく思う。そして、この時の後半初めてかなりの強さで且つ気を使わないで鞭を振るった。りん子の中で何かが変化して突き抜けた、今後、何時この時のようになれるかは解らない、けれど楽しみが増えステップを登ったことは間違いない。