夜桜サプライズ
独特な幸福感
那智さんはTPOを重視する人だ。
恒例の年末ディナーはドレッシー、朝顔市だったら浴衣と、TPOに合わせて装うことがお好きである。
ということは、繁華街じゃない夜の焼き鳥デートなんてときはほぼ普段着状態でも全然問題ない(はず)
だから、まあ、わたしは毎度毎度気張る必要がないので助かるといえば助かるし、むしろイベントごとのコスプレ感もあって楽しいので、わたしとしても歓迎の感性なのです。
昨年の年末ディナーは個室ですき焼きになった。
給仕さんが目の前ですき焼きを作ってくれる老舗で那智さんがお仕事で利用してよかったから連れて行ってくれることになったのだ。
そこでふとひらめいた!
着物で行ったらどうだろう!?
給仕さんがいる和食で着物、TPOとしては抜群なんじゃないだろうか!!
もともと和服は苦手だったけど、なんとか浴衣までは楽しむことができるようになった。
那智さんはきっと着物姿も見てみたいはずだ。
でも、わたしの根性としては浴衣が限界、これ以上着付けの習得や着物購入などを望むと、楽しいを超えて『無理をする』ことになる。
そういえば、オフ会のときにモカちゃんとヘアメイクをしてもらったお店のサイトにはレンタル着物の着付けがあった気がする。
レンタルで着付けしてくれるなら『無理』じゃない。
那智さんにサプライズで着物姿をお見せしよう!!
俄然、やる気。
オフ会のときのヘアメイクスタジオの他にも『着物レンタル 着付け』で検索するといくつか出てきた。
その中でよさそうなところを決め、後日試着をしにショップに行く。
ショップのスタッフがいろいろ試着させてくれて、お気に入りを見つけられた。
着物に対する苦手意識はまだ完全に払拭できたわけではなかったけど、縦のラインの模様の小紋はわたしの身長に合うようで、試着でわくわく。
気分良く申し込みをしてショップを後にした。
ところが、季節は冬。
防寒のあれこれはなんとかなるとしても、お天気が心配。
あまり期待はできないけど、1ヶ月予報なんて天気を調べると、ディナーの日は気温も低く雨の予報だった。
うーん、着替えの荷物の量とかもろもろ考えるとこの季節に着物のサプライズは不適切かもしれない。
キャンセル可能なギリギリの日まで天気予報とにらめっこして、諦めることにした。
次やるなら『花見』だと漠然とした決意とともに。
ときは過ぎ、そろそろ桜の開花が気になる時期。
サプライズ再び、だ。
お休みの日の朝からのお花見では着付けしていたら待ち合わせに間に合わない。
遅れたらサプライズにならない。
じゃあ、夜桜をしよう。
ちょうど、オフ会でお世話になったお店に久々に行こうということになっていたし、そのお店までの道は桜並木だったから、夜桜を名目にできる。
夜桜の着物、TPOバッチリ、きっと那智さん喜んでくれる。
着替えをどれだけコンパクトにするか、メイクはどれくらいが適当か、いろいろシミュレーションして当日に備える。
いよいよ当日。
那智さんには内緒で着付け開始。
選んだ着物は大人っぽさと可愛さが両立したとてもステキなもの。
それを着た自分がいい気分でしょうがない(笑)
内股でそそそと歩く姿をショウウィンドウに映して悦に入る。
しばらく、那智さんのお仕事場の街をウロウロして自己満足タイムを過ごし、いよいよ待ち合わせ。
浴衣のときもそうだったけど、和装に携帯を耳に当てる姿は美しくないと思うので、さりげなく『〇〇側の角で待ってますね』と具体的な場所を伝えて携帯を鳴らさないでもらえるように画策。
那智さんがお仕事場から出て『〇〇側』を向いたら視界に入るように待つ。
そろそろ時間。
でも、あまりスマホで時間チェックしている姿もよろしくないので約束の時間1分前まで確認したら、もう時間を見るのもやめにする。
那智さん、早く来て~(笑)
と、那智さんドアから出てきた。
くるっと『〇〇側』を向く。
目が合う。
え~?!と身を乗り出した!!
やった~、那智さんが仕草で驚いてる!!
(驚きを行動に表さない人なので)
近づいてきて、表情、照れてる!!!!!
心の動揺を見せない人の驚きの仕草や照れは、最高のご褒美だ。
サプライズ、大成功^^
夜桜と着物と那智さんの照れがいい気分のディナーでした^^
お腹苦しかったけどいっぱい食べました(笑)
ところで、今回のサプライズ。
那智さんに喜んでもらいたいという気持ちは当然あるけど、やっぱり『わたしが気持ちいい』というのは大きい。
着物を買うとか着付けを習うとか、そういう努力もありかもしれないけど、人は『無理』をするといずれ苦痛になるものだ。
人によって『楽しい努力』と『苦痛な努力』の種類は違うもので、着付けができるようになりたい人は『楽しく努力』すればいいし、わたしのようにブログを書くことが『楽しい努力』なら書けばいい。
だから、相手のために努力することはいいけど、自分の『楽しい努力』ができるものを選んでいくといいよね。
今回のわたしの努力は、那智さんに喜んでもらう+自分が気持ちよくなるための『楽しい努力』だったのです。
相手に喜んでもらうため、でも、やっぱり自分も気持ちよく。
ふたりにとってよいこと。
いつまでも相手にとっていい女でいるためには『楽しく努力』が大事なのだ。
<関連エントリー>
浴衣大作戦1 2
「等式」感想です。「楽しい努力」良いよねー、言葉を変えると「生きがい」「趣味」「自己啓発」?
那智さんはTPOを重視する人だ。
恒例の年末ディナーはドレッシー、朝顔市だったら浴衣と、TPOに合わせて装うことがお好きである。
ということは、繁華街じゃない夜の焼き鳥デートなんてときはほぼ普段着状態でも全然問題ない(はず)
だから、まあ、わたしは毎度毎度気張る必要がないので助かるといえば助かるし、むしろイベントごとのコスプレ感もあって楽しいので、わたしとしても歓迎の感性なのです。
昨年の年末ディナーは個室ですき焼きになった。
給仕さんが目の前ですき焼きを作ってくれる老舗で那智さんがお仕事で利用してよかったから連れて行ってくれることになったのだ。
そこでふとひらめいた!
着物で行ったらどうだろう!?
給仕さんがいる和食で着物、TPOとしては抜群なんじゃないだろうか!!
もともと和服は苦手だったけど、なんとか浴衣までは楽しむことができるようになった。
那智さんはきっと着物姿も見てみたいはずだ。
でも、わたしの根性としては浴衣が限界、これ以上着付けの習得や着物購入などを望むと、楽しいを超えて『無理をする』ことになる。
そういえば、オフ会のときにモカちゃんとヘアメイクをしてもらったお店のサイトにはレンタル着物の着付けがあった気がする。
レンタルで着付けしてくれるなら『無理』じゃない。
那智さんにサプライズで着物姿をお見せしよう!!
俄然、やる気。
オフ会のときのヘアメイクスタジオの他にも『着物レンタル 着付け』で検索するといくつか出てきた。
その中でよさそうなところを決め、後日試着をしにショップに行く。
ショップのスタッフがいろいろ試着させてくれて、お気に入りを見つけられた。
着物に対する苦手意識はまだ完全に払拭できたわけではなかったけど、縦のラインの模様の小紋はわたしの身長に合うようで、試着でわくわく。
気分良く申し込みをしてショップを後にした。
ところが、季節は冬。
防寒のあれこれはなんとかなるとしても、お天気が心配。
あまり期待はできないけど、1ヶ月予報なんて天気を調べると、ディナーの日は気温も低く雨の予報だった。
うーん、着替えの荷物の量とかもろもろ考えるとこの季節に着物のサプライズは不適切かもしれない。
キャンセル可能なギリギリの日まで天気予報とにらめっこして、諦めることにした。
次やるなら『花見』だと漠然とした決意とともに。
ときは過ぎ、そろそろ桜の開花が気になる時期。
サプライズ再び、だ。
お休みの日の朝からのお花見では着付けしていたら待ち合わせに間に合わない。
遅れたらサプライズにならない。
じゃあ、夜桜をしよう。
ちょうど、オフ会でお世話になったお店に久々に行こうということになっていたし、そのお店までの道は桜並木だったから、夜桜を名目にできる。
夜桜の着物、TPOバッチリ、きっと那智さん喜んでくれる。
着替えをどれだけコンパクトにするか、メイクはどれくらいが適当か、いろいろシミュレーションして当日に備える。
いよいよ当日。
那智さんには内緒で着付け開始。
選んだ着物は大人っぽさと可愛さが両立したとてもステキなもの。
それを着た自分がいい気分でしょうがない(笑)
内股でそそそと歩く姿をショウウィンドウに映して悦に入る。
しばらく、那智さんのお仕事場の街をウロウロして自己満足タイムを過ごし、いよいよ待ち合わせ。
浴衣のときもそうだったけど、和装に携帯を耳に当てる姿は美しくないと思うので、さりげなく『〇〇側の角で待ってますね』と具体的な場所を伝えて携帯を鳴らさないでもらえるように画策。
那智さんがお仕事場から出て『〇〇側』を向いたら視界に入るように待つ。
そろそろ時間。
でも、あまりスマホで時間チェックしている姿もよろしくないので約束の時間1分前まで確認したら、もう時間を見るのもやめにする。
那智さん、早く来て~(笑)
と、那智さんドアから出てきた。
くるっと『〇〇側』を向く。
目が合う。
え~?!と身を乗り出した!!
やった~、那智さんが仕草で驚いてる!!
(驚きを行動に表さない人なので)
近づいてきて、表情、照れてる!!!!!
心の動揺を見せない人の驚きの仕草や照れは、最高のご褒美だ。
サプライズ、大成功^^
夜桜と着物と那智さんの照れがいい気分のディナーでした^^
お腹苦しかったけどいっぱい食べました(笑)
ところで、今回のサプライズ。
那智さんに喜んでもらいたいという気持ちは当然あるけど、やっぱり『わたしが気持ちいい』というのは大きい。
着物を買うとか着付けを習うとか、そういう努力もありかもしれないけど、人は『無理』をするといずれ苦痛になるものだ。
人によって『楽しい努力』と『苦痛な努力』の種類は違うもので、着付けができるようになりたい人は『楽しく努力』すればいいし、わたしのようにブログを書くことが『楽しい努力』なら書けばいい。
だから、相手のために努力することはいいけど、自分の『楽しい努力』ができるものを選んでいくといいよね。
今回のわたしの努力は、那智さんに喜んでもらう+自分が気持ちよくなるための『楽しい努力』だったのです。
相手に喜んでもらうため、でも、やっぱり自分も気持ちよく。
ふたりにとってよいこと。
いつまでも相手にとっていい女でいるためには『楽しく努力』が大事なのだ。
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