忍び
独特な幸福感
夜の待ち合わせ。
那智さんお気に入りの味噌煮込みうどんをいただきに行く。
駅近くのお店だったけど時間もあったし、すこしでも長く一緒にいたいからお仕事場近くまでお迎えに上がる。
しかも今日はおニューのお洋服を着ているので、それを着たわたしを夕方の街並の中で遠目から見つけてほしいという密かな演出もあったりもした。
簡単な用事を済ませていたら思ったより時間が過ぎてしまって、駅とお仕事場の中間くらいで合流という感じになった。
電話が鳴り
いま、どこ〜?
と。
◯◯通りのATMを出たところです
と伝え、そのまま電話をつなげたまま歩く。
那智さんはいまどちらですか?
いま、◯◯のショップの前〜
ショッピングビル沿いに歩いているところのようだ。
ショップが模様替えしたことなんかを話してくれる。
わたしもいまそのビルに向かって歩いているところだけど、那智さんはビルの西側、わたしは東側の通りを歩いているので、『H』字の那智さん左上から降りてきて、わたし右下から上がってくる形^^
このまま行くならビルの正面『H』の横棒部の通りを互いに曲がり合流するか、早いほうが片方の通りまで行くかのどちらかになる。
ビルの◯◯のショップ前だとするといまわたしがいるところ距離はほぼ一緒だ。
『H』の横棒は大通りなので信号を渡らないといけないのだけど、ちょうど反対側の信号が点滅している。
いまわたしが渡れれば、那智さんには信号で待ってもらっている間にそちらまで行かれそうだった。
那智さん、わたし信号渡りますから、那智さんは渡らないでください
信号赤だよ?
そうです、そうです、でも、反対側点滅しているから、もう青になるんですよ
わたしがそちら側に行きますから、渡らないで
渡ったら行き違いになっちゃいますから
はいはい、そういうことね
たぶん、これで大丈夫。
信号を渡り『H』の左側角に視線を送る。
那智さん、そこから曲がってくる。
おニューの服を遠くから見てほしいなという気持ちと万が一入れ違いになってしまっては困るからちょっと集中して角を見据える。
…
おかしいな。
◯◯のショップからの距離を考えたら、もう角を曲がってきてもいいはずなんだけど。
那智さん、いまビルの前ですよ〜
那智さん、どの辺りですか?
もう信号の近く?
さっきまでショップの模様替えのお話なんかをしてくれていたのが、パタリとレスポンスなし。
電波悪いのかな?
ビルの正面玄関通りますよ〜
?!
もしや?!
…チャラチャラ
はたと気づくと同時に、聞き慣れた音!!
背後!!!
思考より本能が先に反応する。
正体、見破ったり!!!
正面玄関を通り過ぎながらくるりと後ろを振り返ると、大きな柱から出てくる那智さん。
やっぱり!!
わかっちゃいましたよ、那智さん。
バレたか〜(笑)
どうやらショッピングビルの中を通り『H』縦棒と横棒を斜めにショートカットしたらしい。
柱に隠れていて後ろから驚かそうとしたのだ。
しかし、一瞬の沈黙と腰に付けている鍵の束の音で、わたしは気づいてしまった。
わたしは忍びか?
殺気を感じてからの反応の素早さの尋常なさに我ながら鼻息荒くなる。
「いやん、わたし、那智さんにびっくりさせていただきたかったですぅ♪」
可愛くまとめて見ようと思っても無理があるよーーー(笑)
那智さんに『うれしい程度』のサプライズをいただく道のりは長く険しいのでした^^
<関連エントリー>
いじめっこ那智さん
攻防
他人が見たらどうでもいい真剣なやり取り
「等式」感想です。この特別でないふつーの出来事と「味噌煮込みうどん」のセンテンスが嬉しい、手羽先の味を思い出す。(笑)
夜の待ち合わせ。
那智さんお気に入りの味噌煮込みうどんをいただきに行く。
駅近くのお店だったけど時間もあったし、すこしでも長く一緒にいたいからお仕事場近くまでお迎えに上がる。
しかも今日はおニューのお洋服を着ているので、それを着たわたしを夕方の街並の中で遠目から見つけてほしいという密かな演出もあったりもした。
簡単な用事を済ませていたら思ったより時間が過ぎてしまって、駅とお仕事場の中間くらいで合流という感じになった。
電話が鳴り
いま、どこ〜?
と。
◯◯通りのATMを出たところです
と伝え、そのまま電話をつなげたまま歩く。
那智さんはいまどちらですか?
いま、◯◯のショップの前〜
ショッピングビル沿いに歩いているところのようだ。
ショップが模様替えしたことなんかを話してくれる。
わたしもいまそのビルに向かって歩いているところだけど、那智さんはビルの西側、わたしは東側の通りを歩いているので、『H』字の那智さん左上から降りてきて、わたし右下から上がってくる形^^
このまま行くならビルの正面『H』の横棒部の通りを互いに曲がり合流するか、早いほうが片方の通りまで行くかのどちらかになる。
ビルの◯◯のショップ前だとするといまわたしがいるところ距離はほぼ一緒だ。
『H』の横棒は大通りなので信号を渡らないといけないのだけど、ちょうど反対側の信号が点滅している。
いまわたしが渡れれば、那智さんには信号で待ってもらっている間にそちらまで行かれそうだった。
那智さん、わたし信号渡りますから、那智さんは渡らないでください
信号赤だよ?
そうです、そうです、でも、反対側点滅しているから、もう青になるんですよ
わたしがそちら側に行きますから、渡らないで
渡ったら行き違いになっちゃいますから
はいはい、そういうことね
たぶん、これで大丈夫。
信号を渡り『H』の左側角に視線を送る。
那智さん、そこから曲がってくる。
おニューの服を遠くから見てほしいなという気持ちと万が一入れ違いになってしまっては困るからちょっと集中して角を見据える。
…
おかしいな。
◯◯のショップからの距離を考えたら、もう角を曲がってきてもいいはずなんだけど。
那智さん、いまビルの前ですよ〜
那智さん、どの辺りですか?
もう信号の近く?
さっきまでショップの模様替えのお話なんかをしてくれていたのが、パタリとレスポンスなし。
電波悪いのかな?
ビルの正面玄関通りますよ〜
?!
もしや?!
…チャラチャラ
はたと気づくと同時に、聞き慣れた音!!
背後!!!
思考より本能が先に反応する。
正体、見破ったり!!!
正面玄関を通り過ぎながらくるりと後ろを振り返ると、大きな柱から出てくる那智さん。
やっぱり!!
わかっちゃいましたよ、那智さん。
バレたか〜(笑)
どうやらショッピングビルの中を通り『H』縦棒と横棒を斜めにショートカットしたらしい。
柱に隠れていて後ろから驚かそうとしたのだ。
しかし、一瞬の沈黙と腰に付けている鍵の束の音で、わたしは気づいてしまった。
わたしは忍びか?
殺気を感じてからの反応の素早さの尋常なさに我ながら鼻息荒くなる。
「いやん、わたし、那智さんにびっくりさせていただきたかったですぅ♪」
可愛くまとめて見ようと思っても無理があるよーーー(笑)
那智さんに『うれしい程度』のサプライズをいただく道のりは長く険しいのでした^^
<関連エントリー>
いじめっこ那智さん
攻防
他人が見たらどうでもいい真剣なやり取り
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