りん子もおだてりゃ2
独特な幸福感
ホテルを出る頃、予報通り小雨になっていた。
ただ、いまにも雨再開しそうなどんよりした空は相変わらず、スマホの雨雲レーダーでも一旦切れた雲は再びやってくる。
不安を抱えたまま最寄り駅に着き100円ショップで必要なものを買う。
自分で提案したクセに何を買うかの判断は那智さん頼り^^;
ブルーシートの大きさを見て2枚、それを合わせるガムテープ、ヒモ、その他。
ガムテープは布製のもの、ヒモは◯製(忘れた^^;)、あれこれ指示を出してくれる通りに店内を走る。
こういうときの那智さんの片腕になっている感は好き、はりきっちゃう^^
スーパーを出てバーベキュー場に到着。
かろうじて雨は上がっているけれど、空は益々どんよりして風も出てきた。
かすかに雨粒さえ、感じられる。
こんな悪天候でも利用者はいるもので、わたしたちの他に学生と社会人らしき団体が二組。
大学生風は屋根のある炊事場を陣取り、社会人風はタープを用意していた。
さすがにカップルはいない…。
降ってきた?
まだ大丈夫、でも、もう時間の問題、いつ降り出してもおかしくない。
荷物を濡らさず火が起こせるように、早急に簡易タープを設営しないと危険だった。
…と、呑気なわたしよりずっと那智さんは危険性を感じていたのだろう、めずらしく『真剣』だった。
荷物はここに置いて
まずブルーシートを繋げる
りん子、こっち持って、重ねて折り畳むように、その上からガムテープを貼る
で、それぞれの鳩目にヒモを通す
それを木に括り付ける
まるで何かの訓練のようにきびきびと指示を出す。
ああ、那智さん、木、わたし登ります!!
この日、那智さんはお仕事の延長の姿だったので革靴だった。
それで木登りはさせられないし、この方法を提案した者としての責任もある、それとタープを拒否した負い目(笑)
とにかく、本意かどうかはおいといてめちゃ積極的なわたし^^;
うん、じゃあ、あの木とあの木と、それとそれの4箇所、あの枝の高さくらいに括りつけて、気をつけて
なんのためらいもなく那智さんが指した指先はずいぶん高い枝…。
「いいよ、俺がやるよ」「いえ、わたしが!!」みたいなやり取りの末、我が身を犠牲にして!!感を醸し出し恩着せがましくというか、悲劇のヒロイン的なことを若干期待していたのだけど、あっさり承諾されて、ちょっぴり肩すかし。
じつは、目的と実力を鑑みて『いける』と判断したら、女だろうが『女の子』だろうが容赦しないところがある那智さん。
甘えさせてくれるけど、甘やかしてはくれないのだ(笑)
はうう、はい、やりましょう!!
一刻を争う事態。
ますます辺りは暗くなってきている。
いやん、怖いですぅなんて甘ったれたことは言ってられん!!
デニムのわたしはガシッと木を掴み足を節にかけ、ぐいぐいと木を登るのだった。
ワークブーツでもない普通のカジュアルなブーツの底はあまり木登りには向いていない、気合いを入れて登ってはみたけれど、不安定な場所での作業は気を抜くと大ケガにつながりそう。
しかし、一見ガシガシとこなしているようだれど、心の中は必死。
マゾ的要素かわからないけど、こういうとき、わざわざ悲劇を想像してしまうのだ。
いま足が滑ったら!?
この枝が折れてたら!!
いかん、いかん、怖いと思うと本当に怖くなってしまいそうなので、一生懸命作業に集中!!
作業をこなしながらひとりジタバタ。
でもって、真剣な那智さんは割りとスパルタ(笑)
そこ、もっとピンと張って
情け容赦なくやり直しの指示!!
やり直しをしながら「わたしったら、この年で木に登ってるよ;;」と己の状況を客観視。
いい年した男女が小雨の降る中黙々と準備をしはじめ、そのうち女のほうが木に登り出すのだ。
果たして周囲の大学生や社会人チームの目にわたしたちはどんなふうに映っていたのだろうか。
考えると恥ずかしくていろいろなことを放棄してしまいそうになるので、それ以上考えるのはやめた(笑)
心は半べそ状態で4本登り4箇所括り付け、見事簡易タープが出来上がったらほどなくして雨がまた降り出してきた。
よくがんばった、わたし。
急いで火起こしをしている那智さんにはほめてもらえなかったので、自分で自分をほめておいた(笑)
那智さんの火起こしをしている最中も天候は悪化の一途を辿る。
雨あしはそれほどではないのだけど、どんどん風が強くなってくる。
さすがに団体二組を早々に引き上げていく。
風音はゴーゴー鳴り小粒の雨は横殴り、ビールでどんどん冷えてくるわ(じゃあ、飲むな^^;)、焼いたものは片っ端から冷めてくるわ、もう一体何がうれしくてこんな苦行をしているんだという思いにならなくもない(笑)
那智さんと一緒ならハプニングの楽しい!!と何度か書いているけれど、いや、今日だって楽しいけど、でも、でも、物には限度ってもんがあるだろう。
これさえも笑いながら行っている自分たちをほめてあげたい。
雲のせいで辺りが暗くなるのが早い。
せっかくキャンドルを持ってきたから着けようとするけれど、ランタンに入っているわけでもないので強風で着けたそばから消えていく。
いちおう空き缶やアルミホイルで簡易ホルダーを作ったけど意味なし^^;(あるものでなんとかするの好き)
那智さん、この苦行のせいか、寒さのせいか、きっとお酒のせいもあって、変な回路がつながって、なぜかここからそのキャンドルを全部着けることに異常な執着を見せ始めた。
強風VS那智さん
着けては消え、また着けては消え、6つほどあるキャンドルをじゅんぐりに着けていくループ。
会話なんてない、ひたすら火をつけている。
ああ、わたし、いらんものを持ってきてしまったようだ…。
那智さん、そろそろ帰り支度はじめませんか…?
辺りはどんどん暗くなっている。
遠くの街灯とわずかな炭火と着けては消えていくキャンドルがだけが頼りの灯り。
真っ暗になってから片付けは大変だろう。
強風吹き荒れる中、わたしより薄着の那智さんはかなり寒そうにしている。
もう、充分じゃありませんか…(笑)
まだ終了時間じゃないでしょ?
ああ、どうやら終了時間までいると決まったらしい(笑)
わずかな街灯、ゴーゴーと強風吹きすさぶ中、ただひたすらキャンドルの火を着け続ける…、那智さんと一緒にいる時間は少しでも長いほうがいい、そんなことは当然だ。
でも、このときばかりは施設の終了時間が待ち遠しかった…。
管理人のおじさんが催促のように様子を見に来るほどだった。
わたしたちはバーベキューが好きで、けっこう頻繁にやっている。
ホテルや街中ではない時間を過ごすと新しい発見もあって新鮮だ。
で。
那智さんは意外とスパルタだということとわたしって意外とワイルドでしょってことと、雨の日に無理矢理バーベキューはしないほうがいいという教訓がこの日の収穫でした^^
えっと、それでもタープはいりません(笑)
追伸
木に登るから『おだてりゃ』ってタイトルにしたけど、あらためて考えたら、わたしぜんぜんおだててもらってない!!
なんだか、残念(笑)
クリックしていただけるとよろこびます^^
<関連エントリー>
バーベキュー^^
『ふたりバーベキュー『わたしの勝ち^^』』
『ふたりバーベキュー『いろんな露出1』』
『ふたりバーベキュー『いろんな露出1』』
『ふたりバーベキュー『わかってる』』
けっこうワイルド^^
『ニキータ』
「等式」感想です。あの~かなり大変でした。(笑)なんか、体育会系のような、苦行をしている坊さんのような、でも、楽しかったのです。あの、時間とあの雰囲気が、誰もいないバーベキュー場で我々だけが残っている場所、あえて何があるわけでもないのですが苦行の中で幸福な時間でした。笑
ホテルを出る頃、予報通り小雨になっていた。
ただ、いまにも雨再開しそうなどんよりした空は相変わらず、スマホの雨雲レーダーでも一旦切れた雲は再びやってくる。
不安を抱えたまま最寄り駅に着き100円ショップで必要なものを買う。
自分で提案したクセに何を買うかの判断は那智さん頼り^^;
ブルーシートの大きさを見て2枚、それを合わせるガムテープ、ヒモ、その他。
ガムテープは布製のもの、ヒモは◯製(忘れた^^;)、あれこれ指示を出してくれる通りに店内を走る。
こういうときの那智さんの片腕になっている感は好き、はりきっちゃう^^
スーパーを出てバーベキュー場に到着。
かろうじて雨は上がっているけれど、空は益々どんよりして風も出てきた。
かすかに雨粒さえ、感じられる。
こんな悪天候でも利用者はいるもので、わたしたちの他に学生と社会人らしき団体が二組。
大学生風は屋根のある炊事場を陣取り、社会人風はタープを用意していた。
さすがにカップルはいない…。
降ってきた?
まだ大丈夫、でも、もう時間の問題、いつ降り出してもおかしくない。
荷物を濡らさず火が起こせるように、早急に簡易タープを設営しないと危険だった。
…と、呑気なわたしよりずっと那智さんは危険性を感じていたのだろう、めずらしく『真剣』だった。
荷物はここに置いて
まずブルーシートを繋げる
りん子、こっち持って、重ねて折り畳むように、その上からガムテープを貼る
で、それぞれの鳩目にヒモを通す
それを木に括り付ける
まるで何かの訓練のようにきびきびと指示を出す。
ああ、那智さん、木、わたし登ります!!
この日、那智さんはお仕事の延長の姿だったので革靴だった。
それで木登りはさせられないし、この方法を提案した者としての責任もある、それとタープを拒否した負い目(笑)
とにかく、本意かどうかはおいといてめちゃ積極的なわたし^^;
うん、じゃあ、あの木とあの木と、それとそれの4箇所、あの枝の高さくらいに括りつけて、気をつけて
なんのためらいもなく那智さんが指した指先はずいぶん高い枝…。
「いいよ、俺がやるよ」「いえ、わたしが!!」みたいなやり取りの末、我が身を犠牲にして!!感を醸し出し恩着せがましくというか、悲劇のヒロイン的なことを若干期待していたのだけど、あっさり承諾されて、ちょっぴり肩すかし。
じつは、目的と実力を鑑みて『いける』と判断したら、女だろうが『女の子』だろうが容赦しないところがある那智さん。
甘えさせてくれるけど、甘やかしてはくれないのだ(笑)
はうう、はい、やりましょう!!
一刻を争う事態。
ますます辺りは暗くなってきている。
いやん、怖いですぅなんて甘ったれたことは言ってられん!!
デニムのわたしはガシッと木を掴み足を節にかけ、ぐいぐいと木を登るのだった。
ワークブーツでもない普通のカジュアルなブーツの底はあまり木登りには向いていない、気合いを入れて登ってはみたけれど、不安定な場所での作業は気を抜くと大ケガにつながりそう。
しかし、一見ガシガシとこなしているようだれど、心の中は必死。
マゾ的要素かわからないけど、こういうとき、わざわざ悲劇を想像してしまうのだ。
いま足が滑ったら!?
この枝が折れてたら!!
いかん、いかん、怖いと思うと本当に怖くなってしまいそうなので、一生懸命作業に集中!!
作業をこなしながらひとりジタバタ。
でもって、真剣な那智さんは割りとスパルタ(笑)
そこ、もっとピンと張って
情け容赦なくやり直しの指示!!
やり直しをしながら「わたしったら、この年で木に登ってるよ;;」と己の状況を客観視。
いい年した男女が小雨の降る中黙々と準備をしはじめ、そのうち女のほうが木に登り出すのだ。
果たして周囲の大学生や社会人チームの目にわたしたちはどんなふうに映っていたのだろうか。
考えると恥ずかしくていろいろなことを放棄してしまいそうになるので、それ以上考えるのはやめた(笑)
心は半べそ状態で4本登り4箇所括り付け、見事簡易タープが出来上がったらほどなくして雨がまた降り出してきた。
よくがんばった、わたし。
急いで火起こしをしている那智さんにはほめてもらえなかったので、自分で自分をほめておいた(笑)
那智さんの火起こしをしている最中も天候は悪化の一途を辿る。
雨あしはそれほどではないのだけど、どんどん風が強くなってくる。
さすがに団体二組を早々に引き上げていく。
風音はゴーゴー鳴り小粒の雨は横殴り、ビールでどんどん冷えてくるわ(じゃあ、飲むな^^;)、焼いたものは片っ端から冷めてくるわ、もう一体何がうれしくてこんな苦行をしているんだという思いにならなくもない(笑)
那智さんと一緒ならハプニングの楽しい!!と何度か書いているけれど、いや、今日だって楽しいけど、でも、でも、物には限度ってもんがあるだろう。
これさえも笑いながら行っている自分たちをほめてあげたい。
雲のせいで辺りが暗くなるのが早い。
せっかくキャンドルを持ってきたから着けようとするけれど、ランタンに入っているわけでもないので強風で着けたそばから消えていく。
いちおう空き缶やアルミホイルで簡易ホルダーを作ったけど意味なし^^;(あるものでなんとかするの好き)
那智さん、この苦行のせいか、寒さのせいか、きっとお酒のせいもあって、変な回路がつながって、なぜかここからそのキャンドルを全部着けることに異常な執着を見せ始めた。
強風VS那智さん
着けては消え、また着けては消え、6つほどあるキャンドルをじゅんぐりに着けていくループ。
会話なんてない、ひたすら火をつけている。
ああ、わたし、いらんものを持ってきてしまったようだ…。
那智さん、そろそろ帰り支度はじめませんか…?
辺りはどんどん暗くなっている。
遠くの街灯とわずかな炭火と着けては消えていくキャンドルがだけが頼りの灯り。
真っ暗になってから片付けは大変だろう。
強風吹き荒れる中、わたしより薄着の那智さんはかなり寒そうにしている。
もう、充分じゃありませんか…(笑)
まだ終了時間じゃないでしょ?
ああ、どうやら終了時間までいると決まったらしい(笑)
わずかな街灯、ゴーゴーと強風吹きすさぶ中、ただひたすらキャンドルの火を着け続ける…、那智さんと一緒にいる時間は少しでも長いほうがいい、そんなことは当然だ。
でも、このときばかりは施設の終了時間が待ち遠しかった…。
管理人のおじさんが催促のように様子を見に来るほどだった。
わたしたちはバーベキューが好きで、けっこう頻繁にやっている。
ホテルや街中ではない時間を過ごすと新しい発見もあって新鮮だ。
で。
那智さんは意外とスパルタだということとわたしって意外とワイルドでしょってことと、雨の日に無理矢理バーベキューはしないほうがいいという教訓がこの日の収穫でした^^
えっと、それでもタープはいりません(笑)
追伸
木に登るから『おだてりゃ』ってタイトルにしたけど、あらためて考えたら、わたしぜんぜんおだててもらってない!!
なんだか、残念(笑)
クリックしていただけるとよろこびます^^
<関連エントリー>
バーベキュー^^
『ふたりバーベキュー『わたしの勝ち^^』』
『ふたりバーベキュー『いろんな露出1』』
『ふたりバーベキュー『いろんな露出1』』
『ふたりバーベキュー『わかってる』』
けっこうワイルド^^
『ニキータ』
「等式」感想です。あの~かなり大変でした。(笑)なんか、体育会系のような、苦行をしている坊さんのような、でも、楽しかったのです。あの、時間とあの雰囲気が、誰もいないバーベキュー場で我々だけが残っている場所、あえて何があるわけでもないのですが苦行の中で幸福な時間でした。笑
COMMENT
りん子さん
とても楽しくまたテンポよい文章に
微笑ましく読ませていただきました。
すっごく良くわかる。
那智様のご指示で100円ショップの店内を
張り切って動くりん子さん。
また、ちょっとした提案と懺悔から懸命に木によじ登るりん子さん。
那智様のご指示で動く役に立てる事は
とてもウキウキ楽しいですよね。
私も主様に「お腹空いたよ。ごはん」と
言われると、フラフラになりつつも
張り切ります!そして、たまに
主様に「ココはごはんって言うと張り切るよなぁ」って
笑顔で言われて
「てへへ(^^;」て
照れ笑いしちゃいます。
とても楽しくまたテンポよい文章に
微笑ましく読ませていただきました。
すっごく良くわかる。
那智様のご指示で100円ショップの店内を
張り切って動くりん子さん。
また、ちょっとした提案と懺悔から懸命に木によじ登るりん子さん。
那智様のご指示で動く役に立てる事は
とてもウキウキ楽しいですよね。
私も主様に「お腹空いたよ。ごはん」と
言われると、フラフラになりつつも
張り切ります!そして、たまに
主様に「ココはごはんって言うと張り切るよなぁ」って
笑顔で言われて
「てへへ(^^;」て
照れ笑いしちゃいます。
ここさん
楽しんでいただきましたか〜、それはよかったです^^
手伝いするとか手助けできているってうれしいですよね。
那智さんなんて日頃ほとんど自分でやっちゃう人なので、張り切っちゃいます^^
ここさんもフラフラになりながらもがんばっちゃうんですね。
でも、これってがんばるというか、それがうれしいから苦にならないわけで、結局自分が幸せなんですよね。
役に立てて自分も幸せって一石二鳥♪
わたしはフラフラのときは「無理です〜」になりそうですけど(笑)
楽しんでいただきましたか〜、それはよかったです^^
手伝いするとか手助けできているってうれしいですよね。
那智さんなんて日頃ほとんど自分でやっちゃう人なので、張り切っちゃいます^^
ここさんもフラフラになりながらもがんばっちゃうんですね。
でも、これってがんばるというか、それがうれしいから苦にならないわけで、結局自分が幸せなんですよね。
役に立てて自分も幸せって一石二鳥♪
わたしはフラフラのときは「無理です〜」になりそうですけど(笑)