快感は生もの1
非日常的な日常
とても濃厚なキスをした。
ソファに腰掛ける那智さんの足元に正座をして見上げる形ではじめたけれど、もどかしく腰を上げ腕を絡ませ吸い付くように、ヒナ鳥がエサをほしがるみたいだ。
抱いてほしくて抱いてほしくてたまらなかった欲情を、唇に全部集めたようなキスだった。
こんな能動的なキスははじめてかもしれない。
長い時間、それだけで充分感じてしまう。
やっと触れるか触れないかの距離でシャツの上から胸に指を近づけてくれる。
意地悪な指にもどかしくて『直接触ってください』とお願いして触ってもらう。
キスと胸を触ってもらうだけで腰が揺れて興奮が溢れる。
優しい愛撫。
とても気持ちいいけど、すこし物足りない。
だけど、いま触ってもらっているこれが快感のMAXのような気もして、那智さんにどうされればどうなっていくのか、自分の感覚と反応に自信が持てなくなってくる。
物足りなくて『もっと強く』と口に出してしまいたいけど、それをしてもらっていまの快感を上回るのか、訳の分からない不安を感じてしまうほど、この物足りない愛撫でさえ大きな快感だった。
「もっといつもみたいにしてほしいけど、どうしたらいいかわからないです」
冷静な判断ができなくなっているとぎゅっと強い力でいつもみたいにしてくれた、途端あっという間にもっと大きく感じてしまって、ああ、さっきのはやっぱり本当に物足りなかったんだと不思議な安堵を感じていた。
那智さんの指を舌で全身を気持ち良くしてもらう頃には『入れてください、入れてください』と懇願していた。
今日はお願いばかりしている。
こんなふうにお願いばかりするのは、イヤだ。
与える側と与えられる側ではあっても、お願いばかりは恥ずかしいし情けない。
だけど本当は口にできる自分に欲情している。
そして、その自分にすこし傷つく。
いつもこんなふうに行ったり来たり。
乗りな
最初から騎乗位を指示された。
騎乗位はあまり好きじゃない。
わたしは那智さんから『入れてもらう』という受け身で施される立場が好きなのだ。
特に最初はイヤ。
『やっと入れてもらう』ときに自ら動くことは、好きな立場を味わえない。
それに上になって、快感を貪らざるを得ない自分が情けないのだ。
腰を振り那智さんの腰にごりごりと押し当てる姿が想像できるから。
だから騎乗位はあまり好きじゃない。
イヤイヤと首を振るけど受け入れてはもらえない。
やっと入れてもらえる喜びと興奮と、ちょっと残念な気持ちで那智さんを跨いだ。
駄々をこねた分余計にはしたなくなるのが恥ずかしいのに、その恥ずかしさを上回る欲情が情けないほどわたしの腰を激しく動かす。
イヤだ、イヤだ。
こんな女。
でも那智さんのおちんちんが当たる気持ちいいところを自分で見つけてそこに子宮を押し当てている。
いいこ、いいこ
那智さん?
声に反応して那智さんの目を見る。
優しさと満足の視線だ。
たぶん、那智さんも与えることの満足感を感じている。
りん子はいやらしくて、いいこだね
極上の慈しみの声
こんなにいやらしく腰を振る女を『いいこ』という。
『いいこ』という響きはなんてわたしの心を柔らかくしてくれるのだろう。
腰を振りながら体を折り曲げ那智さんの肩の辺りに顔を埋める。
いいこ、いいこ
極上の声と毛布のような腕がわたしを包んだ。
いいこ、いいこ
小さい声でずっと撫でてくれている。
わーーん
声を上げて泣いてしまった。
泣きながら腰を振り安堵と快感に浸っていた。
わたしたちの上下関係は那智さんがわたしに与えわたしが与えられる関係。
親鳥がヒナにエサを与えるように。
那智さんは喜んで受け取るわたしで肯定を感じ、全面的に庇護されることでわたしも那智さんへの信頼と愛情を感じる。
それで互いに肯定をしているのだと思う。
だけどヒナもいつも上手にエサをついばめるわけではない。
この日の後半戦は『そういう時』だった。
<関連エントリー>
歪んだ自己愛
『ショウウィンドウと洗濯バサミと鞭2』
『徒然に「露出のこと」』
いやらしいわたしを肯定してくれる
『「よかったね」』
今朝の「等式」感想です。
お互いの相手に対する肯定はとても安心、安定する。確かに快感は「生もの」連載なので先を書くとまずいですが少しだけ私の感覚を記します。生ものは料理していないので何にでも調理できる。いつも、料理や味に変化を求めるから、稀に失敗するということだと思います。(笑)
とても濃厚なキスをした。
ソファに腰掛ける那智さんの足元に正座をして見上げる形ではじめたけれど、もどかしく腰を上げ腕を絡ませ吸い付くように、ヒナ鳥がエサをほしがるみたいだ。
抱いてほしくて抱いてほしくてたまらなかった欲情を、唇に全部集めたようなキスだった。
こんな能動的なキスははじめてかもしれない。
長い時間、それだけで充分感じてしまう。
やっと触れるか触れないかの距離でシャツの上から胸に指を近づけてくれる。
意地悪な指にもどかしくて『直接触ってください』とお願いして触ってもらう。
キスと胸を触ってもらうだけで腰が揺れて興奮が溢れる。
優しい愛撫。
とても気持ちいいけど、すこし物足りない。
だけど、いま触ってもらっているこれが快感のMAXのような気もして、那智さんにどうされればどうなっていくのか、自分の感覚と反応に自信が持てなくなってくる。
物足りなくて『もっと強く』と口に出してしまいたいけど、それをしてもらっていまの快感を上回るのか、訳の分からない不安を感じてしまうほど、この物足りない愛撫でさえ大きな快感だった。
「もっといつもみたいにしてほしいけど、どうしたらいいかわからないです」
冷静な判断ができなくなっているとぎゅっと強い力でいつもみたいにしてくれた、途端あっという間にもっと大きく感じてしまって、ああ、さっきのはやっぱり本当に物足りなかったんだと不思議な安堵を感じていた。
那智さんの指を舌で全身を気持ち良くしてもらう頃には『入れてください、入れてください』と懇願していた。
今日はお願いばかりしている。
こんなふうにお願いばかりするのは、イヤだ。
与える側と与えられる側ではあっても、お願いばかりは恥ずかしいし情けない。
だけど本当は口にできる自分に欲情している。
そして、その自分にすこし傷つく。
いつもこんなふうに行ったり来たり。
乗りな
最初から騎乗位を指示された。
騎乗位はあまり好きじゃない。
わたしは那智さんから『入れてもらう』という受け身で施される立場が好きなのだ。
特に最初はイヤ。
『やっと入れてもらう』ときに自ら動くことは、好きな立場を味わえない。
それに上になって、快感を貪らざるを得ない自分が情けないのだ。
腰を振り那智さんの腰にごりごりと押し当てる姿が想像できるから。
だから騎乗位はあまり好きじゃない。
イヤイヤと首を振るけど受け入れてはもらえない。
やっと入れてもらえる喜びと興奮と、ちょっと残念な気持ちで那智さんを跨いだ。
駄々をこねた分余計にはしたなくなるのが恥ずかしいのに、その恥ずかしさを上回る欲情が情けないほどわたしの腰を激しく動かす。
イヤだ、イヤだ。
こんな女。
でも那智さんのおちんちんが当たる気持ちいいところを自分で見つけてそこに子宮を押し当てている。
いいこ、いいこ
那智さん?
声に反応して那智さんの目を見る。
優しさと満足の視線だ。
たぶん、那智さんも与えることの満足感を感じている。
りん子はいやらしくて、いいこだね
極上の慈しみの声
こんなにいやらしく腰を振る女を『いいこ』という。
『いいこ』という響きはなんてわたしの心を柔らかくしてくれるのだろう。
腰を振りながら体を折り曲げ那智さんの肩の辺りに顔を埋める。
いいこ、いいこ
極上の声と毛布のような腕がわたしを包んだ。
いいこ、いいこ
小さい声でずっと撫でてくれている。
わーーん
声を上げて泣いてしまった。
泣きながら腰を振り安堵と快感に浸っていた。
わたしたちの上下関係は那智さんがわたしに与えわたしが与えられる関係。
親鳥がヒナにエサを与えるように。
那智さんは喜んで受け取るわたしで肯定を感じ、全面的に庇護されることでわたしも那智さんへの信頼と愛情を感じる。
それで互いに肯定をしているのだと思う。
だけどヒナもいつも上手にエサをついばめるわけではない。
この日の後半戦は『そういう時』だった。
<関連エントリー>
歪んだ自己愛
『ショウウィンドウと洗濯バサミと鞭2』
『徒然に「露出のこと」』
いやらしいわたしを肯定してくれる
『「よかったね」』
今朝の「等式」感想です。
お互いの相手に対する肯定はとても安心、安定する。確かに快感は「生もの」連載なので先を書くとまずいですが少しだけ私の感覚を記します。生ものは料理していないので何にでも調理できる。いつも、料理や味に変化を求めるから、稀に失敗するということだと思います。(笑)
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- 苺 2006/06/28
- 浴衣緊縛5(総括2) 2014/10/17
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COMMENT
りん子さんの記事を読んで思い出した、、それは女性だけが見る人気のあるビデオ。
それは何と『キッスをしているビデオ』ただ只管いろんなバリエーションでキッスをしている男女を映している。
他人のエッチをしているビデオ=AVは見るが、キッスだけしているモノを見たいとは思わない、
けれど女性にとって、キッスって相当に重要なことらしい、、それだけで満足をする??
私は「エッチさえできれば、、キッスなど・・」自分の女心の無知さを改めて思い知らされました、(>_<)
それは何と『キッスをしているビデオ』ただ只管いろんなバリエーションでキッスをしている男女を映している。
他人のエッチをしているビデオ=AVは見るが、キッスだけしているモノを見たいとは思わない、
けれど女性にとって、キッスって相当に重要なことらしい、、それだけで満足をする??
私は「エッチさえできれば、、キッスなど・・」自分の女心の無知さを改めて思い知らされました、(>_<)
パイパン大好きさん
キスの対しての思い入れは人によって差はあると思うけど、たしかにセックスとは違う位置付けの人も多いでしょね。
風俗でキスをしてくれる風俗嬢は男性からしたら疑似恋愛しているみたいで好評だなんてことをどこかで聞いたこともありますし^^
男性でも重要な人もいるかも?
ただ、もしかしたらキスのバリエーションは女性のほうが豊富かも、これは技巧のことではなくてね!!
欲情のキスや慈しみのキスや冗談のキス、キスにもいろいろな意味を欲しがるのは女のほうが多いかもしれませんね^^
キスの対しての思い入れは人によって差はあると思うけど、たしかにセックスとは違う位置付けの人も多いでしょね。
風俗でキスをしてくれる風俗嬢は男性からしたら疑似恋愛しているみたいで好評だなんてことをどこかで聞いたこともありますし^^
男性でも重要な人もいるかも?
ただ、もしかしたらキスのバリエーションは女性のほうが豊富かも、これは技巧のことではなくてね!!
欲情のキスや慈しみのキスや冗談のキス、キスにもいろいろな意味を欲しがるのは女のほうが多いかもしれませんね^^