鞭!鞭!鞭!
非日常的な日常
ホテルの部屋を選ぶパネルの前、那智さんが好きな和室が空いていたからてっきりそのボタンを押すのかと思ったら、那智さんは隣りの洋室を選んだ。
「那智さん、和室じゃなくていいのですか?」
「ああ、和室だと鞭が打ちづらいんだよね。」
ここの和室はベッドではなくて、分厚いマットを畳に直置きにしているので、打ちにくいのだそう。
それを聞いて、ああ今日も鞭を使うんだなって、怖いような嬉しいような、ほんの少し体に力が入る。
部屋に入って、しばらくおしゃべり。
しばらくして「脱いで」と言われ、ブラウスとスカートを脱ぐ。
キャミソールとわんこの尻尾だけになった。
短めの縄を取り出して、体の前で両手首をひとつに括る。
「新しい淵」で身動きできない状態で鞭を打たれることに触れたから、その第一歩なのかな。
いきなり全身拘束じゃなくて、もしかしたら慣らし期間を作ってくれたのかもしれない。
全身拘束で鞭はとっても怖いから、ちょっとホッとした。
ベッドに半身を預けてうつ伏せに。
那智さんがお守りの枕を渡してくれたのを合図に、鞭。
キャミソールをめくりあらわになったお尻に一発。
痛い。
でも、大丈夫。
「うっ」と唸って枕を握れば耐えられる。
今日は、どんなテンションで打つのだろう。
なんとなく、様子を見ながらの「痴人方法(?)」じゃないような気がしていた。
「新しい淵」のときに感じたような容赦ない空気が感じられたからだ。
二発、三発。
徐々に強くなって、しかも連続。
四発目、少し間が開いた。
振り返るとバラ鞭をぐるぐると捻っている。
ああ、あの重たいのだ。
太くてごつごつした一本の鞭になったそれを思いっきり振り下ろされた。
ぎゃーーーーーーー!!!!
痛さに飛び起きる。
不自由な両手では痛いところを押さえることができない。
前に屈んだり、腰をくねらせたりして、なんとか痛みに耐える。
痛い。
でも、もう、四発で嬉しくなってる。
痛いことが気持ち良くなってる。
気持ち良くなるのが、早くなっている気がするな。
打ってもらうために、また体勢を整える。
強弱をつけて…、ううん、弱はないな、超強と強で、繰り返される鞭。
何発かに1回最強が来て、その都度一枚ずつ正気の皮を剥いでいくようだ。
どんどんと地団駄を踏み、頭を振って、痛い痛いと苦しむわたし。
その側で、椅子を引き寄せ、灰皿を用意してたばこに火を着ける那智さん。
わんこの尻尾にキャミソール、汗と体液でぐしゃぐしゃなわたしをスーツ姿の那智さんが静かな目で見てる。
ああ、すてき、那智さん。
冷静に、取るに足らないことのように、コーヒーを啜る動作と同じように。
瞳だけが鋭く、温かく、わたしを刺し、包むように。
もっと打って。
痛く、とっても痛くして。
構える那智さんを振り返りうっとりとして見上げる。
正気を失いそうな強い一発。
いつもなら、そこでまたじっくり痛みをやり過ごしながら惚けさせてくれるのだけど、この日は違った。
ほんの少し嬉しそうな瞳、口角がわずかに上がる。
間髪入れずに同じ力で連続で打ってきた。
その那智さんのなんて魅力的なこと。
早い速度で連続するそれは、力も場所も調整なし。
捩る体におかまいなしに振り下ろす。
お尻、背中、太腿。
ばらけた鞭の一本がおまんこに食い込んできた。
うわああああああ。
柔らかいそこは、たまらなく痛い。
どろっと、おまんこから液体が溢れたのがわかった。
いやだ、わたし、喜んでる。
そんな自分に、すこし呆れる。
もう何発打たれてるかわからない。
痛がり、喜び、感じてる。
連続する鞭、そのうち何回か尾てい骨に当たった。
脂肪が少なく直接骨に当たる感じは、違う痛さで、怖さを伴った痛さだった。
「…那智さん、骨に…当たってます…。」
痛さに堪えながら、切れ切れに訴える。
「痛かったの?」
打つ力をまったく緩めることなく、静かに聞く。
その声が思いの外優しい声で、容赦ない魅力と予想外の優しさに、わたしの涙腺は一気に決壊してしまった。
ベッドから降り、床にへたり込んで、髪を掻きむしって泣いて笑う。
ふにゃふにゃでふわふわした感じで、気持ちいい。
「那智さん、くっついていいですか…。」
わたし、打たれると那智さんにくっつきたくなるんだ。
「どうぞ。」
そう言われて、両手が不自由なままにじり寄り那智さんの腰くっつく。
那智さんは足下に座り擦り寄るわたしの頭を優しく抱きながら、その状態で上から鞭を振り下ろした。
肩や背中をバラ鞭の先端が刺す。
多分加減してくれてるのでしょうけど、痛い場所だから、とても痛い。
ぎゃっと跳ねのいて思わず床に倒れ込んでしまった。
火照った背中を床に当てて、なんとかやり過ごす。
離れた那智さんがずんと近付き、わたしを跨いだ。
那智さんの両足がわたしを拘束するように挟む。
直接触れて挟まれているわけじゃないけど、もう動けない。
床に寝転ぶわたしを見下ろす那智さん、その目に吸い込まれそう。
踏まれたり蹴られたり床に寝転がって見下ろされることはいろいろあったけど、跨がれたのははじめてかもしれない。
小さいころから言われてませんでした?
人や大切なものは跨ぐなって。
跨ぐという行為は、被虐心をとても刺激しました。
そのまま所かまわず鞭の雨。
ああ、幸せ。
痛いことが、いい。
そして、それを那智さんがくれることが、圧倒的にいいのだ。
もう、そこから、覚えていない。
ううん、記憶はあると思うけど、順番とか感情とかがはっきりしてない。
酔って記憶が飛び飛びになっているみたいだ。
ビンタもされたかもしれない。
キスはしてもらって…ないかな。
ああ、思い出した。
髪を掴んで床から引き上げられたんだ。
それで、ビンタされたような気がする。
涙と汗と体液。
わたしのくすくすという笑い声と鼻を啜る音、鞭と絶叫が繰り返されるだけ。
どれくらい時間が経ったのだろう。
朦朧とした感覚から、徐々に正気を取り戻していく。
ぐったりとベッドに寝転ぶわたし、椅子に腰掛けてたばこを吸う那智さんが近寄ってきた。
キャミソールをめくり、でこぼこになって火照っているお尻に指を這わせてきた。
敏感になっているのかな、鳥肌が立つほど気持ちいい。
その瞬間。
ぐわっと、両手でお尻を掴んだ。
痣ができてるそこをぐーーーっと掴むの。
圧迫するような重い痛みが走る。
でも、もう、それはただ気持ちいいだけだ。
もどかしいほど気持ちいい。
那智さんの掴むリズムに合わせるように、体がわなわなと震えて、もっともっとと思う。
わたしはあの重さと鋭さの混ざったようなバラ鞭の痛さが好きだ。
皮膚を痛め肉を震わすような。
だけど、それがいいのは、那智さんがしてくれるからだ。
いつもそう感じるのだけど、今回は特に思った。
冷静に、ときに嬉しそうに、温かさと冷たさを感じさせながら、涼しい顔をして打つ那智さんを見て、焦がれながら痛い思いをすることが、一番好きなのかもしれない。
ホテルの部屋を選ぶパネルの前、那智さんが好きな和室が空いていたからてっきりそのボタンを押すのかと思ったら、那智さんは隣りの洋室を選んだ。
「那智さん、和室じゃなくていいのですか?」
「ああ、和室だと鞭が打ちづらいんだよね。」
ここの和室はベッドではなくて、分厚いマットを畳に直置きにしているので、打ちにくいのだそう。
それを聞いて、ああ今日も鞭を使うんだなって、怖いような嬉しいような、ほんの少し体に力が入る。
部屋に入って、しばらくおしゃべり。
しばらくして「脱いで」と言われ、ブラウスとスカートを脱ぐ。
キャミソールとわんこの尻尾だけになった。
短めの縄を取り出して、体の前で両手首をひとつに括る。
「新しい淵」で身動きできない状態で鞭を打たれることに触れたから、その第一歩なのかな。
いきなり全身拘束じゃなくて、もしかしたら慣らし期間を作ってくれたのかもしれない。
全身拘束で鞭はとっても怖いから、ちょっとホッとした。
ベッドに半身を預けてうつ伏せに。
那智さんがお守りの枕を渡してくれたのを合図に、鞭。
キャミソールをめくりあらわになったお尻に一発。
痛い。
でも、大丈夫。
「うっ」と唸って枕を握れば耐えられる。
今日は、どんなテンションで打つのだろう。
なんとなく、様子を見ながらの「痴人方法(?)」じゃないような気がしていた。
「新しい淵」のときに感じたような容赦ない空気が感じられたからだ。
二発、三発。
徐々に強くなって、しかも連続。
四発目、少し間が開いた。
振り返るとバラ鞭をぐるぐると捻っている。
ああ、あの重たいのだ。
太くてごつごつした一本の鞭になったそれを思いっきり振り下ろされた。
ぎゃーーーーーーー!!!!
痛さに飛び起きる。
不自由な両手では痛いところを押さえることができない。
前に屈んだり、腰をくねらせたりして、なんとか痛みに耐える。
痛い。
でも、もう、四発で嬉しくなってる。
痛いことが気持ち良くなってる。
気持ち良くなるのが、早くなっている気がするな。
打ってもらうために、また体勢を整える。
強弱をつけて…、ううん、弱はないな、超強と強で、繰り返される鞭。
何発かに1回最強が来て、その都度一枚ずつ正気の皮を剥いでいくようだ。
どんどんと地団駄を踏み、頭を振って、痛い痛いと苦しむわたし。
その側で、椅子を引き寄せ、灰皿を用意してたばこに火を着ける那智さん。
わんこの尻尾にキャミソール、汗と体液でぐしゃぐしゃなわたしをスーツ姿の那智さんが静かな目で見てる。
ああ、すてき、那智さん。
冷静に、取るに足らないことのように、コーヒーを啜る動作と同じように。
瞳だけが鋭く、温かく、わたしを刺し、包むように。
もっと打って。
痛く、とっても痛くして。
構える那智さんを振り返りうっとりとして見上げる。
正気を失いそうな強い一発。
いつもなら、そこでまたじっくり痛みをやり過ごしながら惚けさせてくれるのだけど、この日は違った。
ほんの少し嬉しそうな瞳、口角がわずかに上がる。
間髪入れずに同じ力で連続で打ってきた。
その那智さんのなんて魅力的なこと。
早い速度で連続するそれは、力も場所も調整なし。
捩る体におかまいなしに振り下ろす。
お尻、背中、太腿。
ばらけた鞭の一本がおまんこに食い込んできた。
うわああああああ。
柔らかいそこは、たまらなく痛い。
どろっと、おまんこから液体が溢れたのがわかった。
いやだ、わたし、喜んでる。
そんな自分に、すこし呆れる。
もう何発打たれてるかわからない。
痛がり、喜び、感じてる。
連続する鞭、そのうち何回か尾てい骨に当たった。
脂肪が少なく直接骨に当たる感じは、違う痛さで、怖さを伴った痛さだった。
「…那智さん、骨に…当たってます…。」
痛さに堪えながら、切れ切れに訴える。
「痛かったの?」
打つ力をまったく緩めることなく、静かに聞く。
その声が思いの外優しい声で、容赦ない魅力と予想外の優しさに、わたしの涙腺は一気に決壊してしまった。
ベッドから降り、床にへたり込んで、髪を掻きむしって泣いて笑う。
ふにゃふにゃでふわふわした感じで、気持ちいい。
「那智さん、くっついていいですか…。」
わたし、打たれると那智さんにくっつきたくなるんだ。
「どうぞ。」
そう言われて、両手が不自由なままにじり寄り那智さんの腰くっつく。
那智さんは足下に座り擦り寄るわたしの頭を優しく抱きながら、その状態で上から鞭を振り下ろした。
肩や背中をバラ鞭の先端が刺す。
多分加減してくれてるのでしょうけど、痛い場所だから、とても痛い。
ぎゃっと跳ねのいて思わず床に倒れ込んでしまった。
火照った背中を床に当てて、なんとかやり過ごす。
離れた那智さんがずんと近付き、わたしを跨いだ。
那智さんの両足がわたしを拘束するように挟む。
直接触れて挟まれているわけじゃないけど、もう動けない。
床に寝転ぶわたしを見下ろす那智さん、その目に吸い込まれそう。
踏まれたり蹴られたり床に寝転がって見下ろされることはいろいろあったけど、跨がれたのははじめてかもしれない。
小さいころから言われてませんでした?
人や大切なものは跨ぐなって。
跨ぐという行為は、被虐心をとても刺激しました。
そのまま所かまわず鞭の雨。
ああ、幸せ。
痛いことが、いい。
そして、それを那智さんがくれることが、圧倒的にいいのだ。
もう、そこから、覚えていない。
ううん、記憶はあると思うけど、順番とか感情とかがはっきりしてない。
酔って記憶が飛び飛びになっているみたいだ。
ビンタもされたかもしれない。
キスはしてもらって…ないかな。
ああ、思い出した。
髪を掴んで床から引き上げられたんだ。
それで、ビンタされたような気がする。
涙と汗と体液。
わたしのくすくすという笑い声と鼻を啜る音、鞭と絶叫が繰り返されるだけ。
どれくらい時間が経ったのだろう。
朦朧とした感覚から、徐々に正気を取り戻していく。
ぐったりとベッドに寝転ぶわたし、椅子に腰掛けてたばこを吸う那智さんが近寄ってきた。
キャミソールをめくり、でこぼこになって火照っているお尻に指を這わせてきた。
敏感になっているのかな、鳥肌が立つほど気持ちいい。
その瞬間。
ぐわっと、両手でお尻を掴んだ。
痣ができてるそこをぐーーーっと掴むの。
圧迫するような重い痛みが走る。
でも、もう、それはただ気持ちいいだけだ。
もどかしいほど気持ちいい。
那智さんの掴むリズムに合わせるように、体がわなわなと震えて、もっともっとと思う。
わたしはあの重さと鋭さの混ざったようなバラ鞭の痛さが好きだ。
皮膚を痛め肉を震わすような。
だけど、それがいいのは、那智さんがしてくれるからだ。
いつもそう感じるのだけど、今回は特に思った。
冷静に、ときに嬉しそうに、温かさと冷たさを感じさせながら、涼しい顔をして打つ那智さんを見て、焦がれながら痛い思いをすることが、一番好きなのかもしれない。
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