わたしの願い事
独特な幸福感
那智さんが携帯電話を変えた。
いままでは「パカッ」と二つ折りのだったけど、今度は一枚板(?)のタイプ。
これが、わたし的にはラッキーだった。
二つ折りってパタンと畳むと自動で切れちゃうでしょ?
それが、一枚板は「切るボタン」を確実に押さないと切れないのよね、それがラッキー。
なぜかって、タバコタイムに那智さんが電話をくれて、「じゃあね〜」と切ったあと胸のポケットにしまうのだけど、たまーにちゃんと「切るボタン」を押し切ってないときがあるのです。
電話って、基本的に相手が切るタイミングと同じかちょい遅いくらいに切るので、那智さんに対してももちろんそうするの。
もっというと、ぎりぎりまで繋がっていたいから、確実に切れるまで待ってる。(しおらしい感じだけど、どちらかというとわたしが名残惜しい感があってそうしてます)
それで、たまーに切れてないときがあって、繋がったままポケットに収まってしまうのですよ。
「じゃあね」と言ってボタンを探る気配がして、「がさごそ」。
喫煙所になってるベランダからお仕事場に入る様子が聞こえる。
んん?切れてないの?切ってないの?
携帯を握りしめたまま、じっと様子を伺う。
がさがさっ、こつこつ
沈黙の中、衣擦れと靴音。
ざざざっ
ピッ、プーーー、ピポパ…ピピポパ
あああ、座って、オンフックで電話するんだ。
やっぱり切れてないことに気付いてない!!!
わあ、どうしよう。
『○○○○の○○です、あ、どうも、お疲れさまです〜』
話しはじめた。
あ〜ん、わたし那智さんの声大好きなんだぁ。
しかも、わたしのこと放っといて、わたし以外の人と話すのを聞いてるのとっても好きなのぉ。
(過去記事「片手間」にも書いたかな?)
切れないよぉ、聞いていたーい。
悪趣味なストーカーのようだけど、大好きなことは止められない。
ウキウキして聞いてしまう。
『はい、じゃあ、よろしくお願いします〜』
あ、電話切った。
『××さん、○&%×△◎だった?』
女性の声。
この人が、ベテラン経理おばさまね。
那智さんのほうがポジションは上なんだけど、ここの勤務年数はずっと長いベテランおばさま。
もうすぐ定年というこの女性は、ちょっとくせ者で那智さんも扱いに苦労してる。
那智さんを困らせる、わたしの憎くき敵なのだ、とわたしが勝手に敵視してる。
『あ〜、はい、そうですね』
『昨日ね、あたしさ〜、××で○して#$◎でさ〜、ね、○○でしょ?だから、言ってやったのよ、$●□%って』
『あ〜、はい〜』
うふふ、那智さんの声。
『さてと…』
がさがさ!!
ざっざっざっ…
あ、歩きだした?
席を立ったんだ。
わーい、なんだか、わたし、小さくなって胸のポケットにいるみたい。
こういうの憧れるよね、「南くんの恋人」状態。
もう、那智さんの靴音さえもいとおしい。
がさごそ、がさごそ。
席に戻った?
もう、わくわくして受話器に耳を押し当てる。
『それでさ〜、昨日はね、○○でさ、×△さんが××だったから、もうあたしおかしくってさ〜』
『ああ、そうですか。』
『ね〜、笑っちゃうでしょ、○○だって、××しちゃってね〜』
『ははは』
『○○%#だからね、あたし言ってやったのよ〜。××で●して△だからね、それでさ〜』
『うん…』
那智さんのポケットの中の小さなわたし。
いつも那智さんと一緒、どこに行くにもくっついて離れない。
那智さんはポケットの中のわたしを、ときどき思い出したり、忘れたり。
なんて、うっとりするファンタジー。
でも、悪趣味だから、とっても名残惜しいけど、適当なところで切りました。
大好きな那智さんの声。
靴音だって心地良い響き。
時々漏れる溜息もがさがさという衣擦れも、ポケットのゆりかごに抱かれて、安心の子守唄。
那智さんに従属していたいわたしは、このポケットのゆりかごは、とてもラッキーなプレゼントなのでした。
だけど、携帯を握りしめ、ファンタジーにうっとりするわたしが聞いていたものの8割はおばさまのおしゃべり…。
ああ、すてきな那智さんの……相づち。
今日は七夕ですね^^
織り姫と彦星は会えるかな?
星に願いを、なににしよう♪
「小さくなって、那智さんのポケットに入れますように」
うう〜ん、そうはいっても実際叶ったら、大問題だよね…^^;
じゃあ。
「○○百貨店でわんこになる勇気をください」
ああ、これも叶ってしまっては、いけない気がする。
「那智さんがお仕事に集中できますように〜!!」
これにしよーー^^
何をお願いしますか?
みんな、叶いますように^^
那智さんが携帯電話を変えた。
いままでは「パカッ」と二つ折りのだったけど、今度は一枚板(?)のタイプ。
これが、わたし的にはラッキーだった。
二つ折りってパタンと畳むと自動で切れちゃうでしょ?
それが、一枚板は「切るボタン」を確実に押さないと切れないのよね、それがラッキー。
なぜかって、タバコタイムに那智さんが電話をくれて、「じゃあね〜」と切ったあと胸のポケットにしまうのだけど、たまーにちゃんと「切るボタン」を押し切ってないときがあるのです。
電話って、基本的に相手が切るタイミングと同じかちょい遅いくらいに切るので、那智さんに対してももちろんそうするの。
もっというと、ぎりぎりまで繋がっていたいから、確実に切れるまで待ってる。(しおらしい感じだけど、どちらかというとわたしが名残惜しい感があってそうしてます)
それで、たまーに切れてないときがあって、繋がったままポケットに収まってしまうのですよ。
「じゃあね」と言ってボタンを探る気配がして、「がさごそ」。
喫煙所になってるベランダからお仕事場に入る様子が聞こえる。
んん?切れてないの?切ってないの?
携帯を握りしめたまま、じっと様子を伺う。
がさがさっ、こつこつ
沈黙の中、衣擦れと靴音。
ざざざっ
ピッ、プーーー、ピポパ…ピピポパ
あああ、座って、オンフックで電話するんだ。
やっぱり切れてないことに気付いてない!!!
わあ、どうしよう。
『○○○○の○○です、あ、どうも、お疲れさまです〜』
話しはじめた。
あ〜ん、わたし那智さんの声大好きなんだぁ。
しかも、わたしのこと放っといて、わたし以外の人と話すのを聞いてるのとっても好きなのぉ。
(過去記事「片手間」にも書いたかな?)
切れないよぉ、聞いていたーい。
悪趣味なストーカーのようだけど、大好きなことは止められない。
ウキウキして聞いてしまう。
『はい、じゃあ、よろしくお願いします〜』
あ、電話切った。
『××さん、○&%×△◎だった?』
女性の声。
この人が、ベテラン経理おばさまね。
那智さんのほうがポジションは上なんだけど、ここの勤務年数はずっと長いベテランおばさま。
もうすぐ定年というこの女性は、ちょっとくせ者で那智さんも扱いに苦労してる。
那智さんを困らせる、わたしの憎くき敵なのだ、とわたしが勝手に敵視してる。
『あ〜、はい、そうですね』
『昨日ね、あたしさ〜、××で○して#$◎でさ〜、ね、○○でしょ?だから、言ってやったのよ、$●□%って』
『あ〜、はい〜』
うふふ、那智さんの声。
『さてと…』
がさがさ!!
ざっざっざっ…
あ、歩きだした?
席を立ったんだ。
わーい、なんだか、わたし、小さくなって胸のポケットにいるみたい。
こういうの憧れるよね、「南くんの恋人」状態。
もう、那智さんの靴音さえもいとおしい。
がさごそ、がさごそ。
席に戻った?
もう、わくわくして受話器に耳を押し当てる。
『それでさ〜、昨日はね、○○でさ、×△さんが××だったから、もうあたしおかしくってさ〜』
『ああ、そうですか。』
『ね〜、笑っちゃうでしょ、○○だって、××しちゃってね〜』
『ははは』
『○○%#だからね、あたし言ってやったのよ〜。××で●して△だからね、それでさ〜』
『うん…』
那智さんのポケットの中の小さなわたし。
いつも那智さんと一緒、どこに行くにもくっついて離れない。
那智さんはポケットの中のわたしを、ときどき思い出したり、忘れたり。
なんて、うっとりするファンタジー。
でも、悪趣味だから、とっても名残惜しいけど、適当なところで切りました。
大好きな那智さんの声。
靴音だって心地良い響き。
時々漏れる溜息もがさがさという衣擦れも、ポケットのゆりかごに抱かれて、安心の子守唄。
那智さんに従属していたいわたしは、このポケットのゆりかごは、とてもラッキーなプレゼントなのでした。
だけど、携帯を握りしめ、ファンタジーにうっとりするわたしが聞いていたものの8割はおばさまのおしゃべり…。
ああ、すてきな那智さんの……相づち。
今日は七夕ですね^^
織り姫と彦星は会えるかな?
星に願いを、なににしよう♪
「小さくなって、那智さんのポケットに入れますように」
うう〜ん、そうはいっても実際叶ったら、大問題だよね…^^;
じゃあ。
「○○百貨店でわんこになる勇気をください」
ああ、これも叶ってしまっては、いけない気がする。
「那智さんがお仕事に集中できますように〜!!」
これにしよーー^^
何をお願いしますか?
みんな、叶いますように^^
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