混沌
非日常的な日常
手前の信号は青、その先の信号は赤。
那智さんがどちらに行くか、一瞬ためらうのがわかる。
あ、わんこ、悩んでいるんだ。
手前の青を渡ってしまえば百貨店と反対側に渡ることになるから、そのままホテル。
先の信号は百貨店に繋がるから、わんこをするなら赤信号を待たないといけない。
那智さんは、その時々で自分のテンションが変化することを楽しむ。
この日の気分は『信号で左右する』を楽しんだのだろう。
口に出されたわけではないけど、どちらの信号を行こうかと速度を緩める様子にわんこを連想する。
わんこはいつでも怖い。
まして百貨店の前なんて。
だけど最近していないから、ほんのわずかに焦がれる。
青信号を渡った。
あ、わんこなしだ。
ホッとしてホテルに向かう。
部屋に入り、ソファでくつろぐ。
タバコを吸う那智さんの胸に寄りかかり顔をうずめる。
なにかを取り戻している時間。
髪を撫でながら。
「わんこになりな」
ソファから下りると同時に那智さんがソファに横になる。
四つん這いになって那智さんに近づく。
横になっている那智さんと頭の位置が近くなる。
頭を撫で、その手が首筋に。
ああ、嬉しい。
わんこになったときは首筋を撫でてくれるんだ。
まるで本物の犬にするように。
これが、すごーく気持ちいい。
ここに性感帯があるんじゃないかってほど。
ひさしぶりの四つん這い。
女も女の子もどれも定位置だけど、これも私のポジションだ。
幸せに安堵する。
「ひさしぶりのわんこ、嬉しいね。さっきしなかったもんね。」
あ、やっぱり、さっきはサイコロを振っていたんだな。
感覚を共有できた喜びと、改めてわんこに焦がれる自分に驚く。
「後ろ向いて」
ヨチヨチ四つん這いでお尻を向ける。
今日はデニムのタイトミニだから、きっとこの体勢だと下着が覗いてしまうだろう。
ああ、恥ずかしい。
でも気持ちいい。
座り直した那智さんがスカートを少し上げ、下着をもう少し露出させた。
もじもじする。
それだけで感じてしまう。
しばらくタバコをふかしながら、おまんこのあたりを愛撫する。
ああ、もう下着はびしょびしょだ。
下着を下ろしながら、もう片方の手がゴソゴソしているのがわかる。
気になって四つん這いのまま振り返ると『緊箍呪』の洗濯バサミ。
怖い。
この体勢でラビアに付けるのかしら、そしたらそれはとても怖い。
むき出しのお尻を掴まれた。
そこに洗濯バサミ。
ラビアではなくてお尻だった。
どんな痛みになるのか、ちょっと身構えるけど、ここはそれほど痛くなかった。
静かに『じん』と痛い感じ。
2つ、3つ。
左右のお尻の山に2つずつ。
ああ、欲情する。
不自然な突起が4つ。
お尻に輪っかの付いた洗濯バサミを付ける女。
このわずかにグロテスクな姿を想像して、歪んだ自己愛を刺激する。
それに欲情して、『じん』とした痛みははしたない快感に変わる。
那智さんがおまんこを触る。
クリトリスがとても敏感になっている。
すぐにいきそうになるけど、そうするとすっと指を離されるのだ。
もっともっとと腰を振り、何もされていないのに感じてしまう状態。
輪っかをクックッと引っ張り出した。
はずすんだ。
洗濯バサミの強度を考えたらとても恐ろしい。
くいっと引かれ、はずされた。
『じん』と痛いだけだった。
ラビアや乳首のほうが断然痛い。
それに比べたら気持ちいいくらいだった。
グロテスクな私が終わってしまって、ちょっと残念。
ホテルの靴べらを持ってきた。
怖さが欲情に変わり、快感に浸りながら、また新しい展開に怖いと思う。
水中に潜ったり、息継ぎをしたりしているみたい。
あ、多分、このあたりでスカートは脱がされているはず。
何十発か打った。
ひさしぶりだから、徐々に高めるように時間をかけて。
泣くほどまでには追いつめられなかったけど、くすくす笑うようになれた。
「脱ぎな」と言われた。
靴べらでくすくすなった後の体は重い。
のろのろと、なんとかセーターとブラを取る。
黒のオーバーニーだけ手つかずのまま、ベッドに腰掛けてちょっとひと呼吸。
新しく手に入れることができた木製ピンチがある。
「木製ピンチ取ってきな」
そう言われても瞬時に体が動かない。
もたついていると、気分が変わったのかすぐ手元にあった『緊箍呪』をまた摘んだ。
「いやだ、木製のがいい…」
確かにさっきのお尻では中途半端な痛さだった。
だけど、これの威力はわかっている。
あの痛さは、怖い。
前回絶えられなかった記憶が浮かんで、怖い。
ただ靴べらでくすくすしていた私は、大きく拒否する感覚もなくなっていた。
抵抗する気持ちと恍惚の残骸と追いつめられる期待で、小さな声で『木製がいい』とつぶやくことが精一杯だった。
正面に立つ那智さんの手が迷うことなく乳首へ。
ああ、怖い。
「痛いの、那智さん、これ痛いの」
いやいやと首を振る。
「うん」
右。
靴べらで少し麻痺しているのかな、前回よりも最初の衝撃が少ない気がした。
潰れて重みでぐにゃんと垂れる乳首。
少ないと思ったのは間違いだった。
あっという間に刺すような痛さ。
ああ、やっぱり痛い。
潰れているところとひしゃげているところと、とにかく痛い。
「那智さん、やっぱり痛いです」
次は左。
同じように、最初は一瞬大丈夫で、あっという間に痛くなる。
怖い。
どれくらい続くのだろう。
ベッドからずり落ちて床に座る。
ああ、痛い。
どんどん痛さが膨れ上がってきた。
痛い、那智さん、痛い。
そうつぶやきながら、腰が揺れているのが視界に入った。
揺れる腰と黒いニーハイ。
ああ、私感じてる。
痛いことで感じてる。
コーヒーをゆっくり煎れる那智さんの足元で「痛い、痛い」とうわ言のように繰り返しながら揺れるわたし。
どれくらい経っただろう。
那智さんが背後に回ってきた。(いや、正面のままだったかな、記憶が曖昧です)
クリトリスを触り出した。
ぐわ〜んと一気に気持ちよくなる。
痛さと気持ち良さが入り交じって、快感を増長させているみたい。
いく、那智さん。
あっという間にいきそうになる。
ああああ、気持ちいい。
もう自分がどんなふうになっているのか、意識することがなくなっている。
気持ちいいはず。
それも、わからなくなっている。
目は開いているはずだ。
大股を開いて揺れるオーバーニーの記憶はある。
多分「いってもいいですか」と言った。
多分、いっている。
多分洗濯バサミを外された。
多分乳首を潰されているはずだ。
多分、絶叫している。
先にはずされた左に関しては、まったく認識できていない。
恐らくその強烈な痛みで、少し覚醒したんだ。
『多分外された』と認識したのは左をはずした後の右から。
混沌。
混沌とした深い水の中に放り投げられたみたい。
外からの刺激が、我がことに感じ取れない。
自分の内部で革命が起きているみたいだ。(ああ大げさだよね、適当な言葉が見つからないよ〜)
乳首を握り潰すのも、クリトリスを刺激するのも那智さんがしていることで、それによってこんなふうになっているのに、それが感じられないほど別な世界でパニックを起こしている。
外側からの刺激なのに、どんどん内側の世界だけになっていた。
意識は多分あった。
視界に『物』は映っていたはずだから。
まぶしいと思った。
視界にあった『物』は天井のライトを見ていたんだ。
外部と内側のズレが徐々に一致して焦点が合ってきた感じだった。
いつの間にか床に寝転がっていた。
寝起きみたい。
まぶたが重い。
多分大騒ぎしたはずなのに、寝起きのような感覚が不思議。
それから二度寝するように、またウトウトしていた。
まだ自分の中でも整理できていない。
混沌とか革命とか、全然当てはまっていないかもしれけど^^;
あまり整理してしまう前の、書いておこうと思った数時間のことでした。
手前の信号は青、その先の信号は赤。
那智さんがどちらに行くか、一瞬ためらうのがわかる。
あ、わんこ、悩んでいるんだ。
手前の青を渡ってしまえば百貨店と反対側に渡ることになるから、そのままホテル。
先の信号は百貨店に繋がるから、わんこをするなら赤信号を待たないといけない。
那智さんは、その時々で自分のテンションが変化することを楽しむ。
この日の気分は『信号で左右する』を楽しんだのだろう。
口に出されたわけではないけど、どちらの信号を行こうかと速度を緩める様子にわんこを連想する。
わんこはいつでも怖い。
まして百貨店の前なんて。
だけど最近していないから、ほんのわずかに焦がれる。
青信号を渡った。
あ、わんこなしだ。
ホッとしてホテルに向かう。
部屋に入り、ソファでくつろぐ。
タバコを吸う那智さんの胸に寄りかかり顔をうずめる。
なにかを取り戻している時間。
髪を撫でながら。
「わんこになりな」
ソファから下りると同時に那智さんがソファに横になる。
四つん這いになって那智さんに近づく。
横になっている那智さんと頭の位置が近くなる。
頭を撫で、その手が首筋に。
ああ、嬉しい。
わんこになったときは首筋を撫でてくれるんだ。
まるで本物の犬にするように。
これが、すごーく気持ちいい。
ここに性感帯があるんじゃないかってほど。
ひさしぶりの四つん這い。
女も女の子もどれも定位置だけど、これも私のポジションだ。
幸せに安堵する。
「ひさしぶりのわんこ、嬉しいね。さっきしなかったもんね。」
あ、やっぱり、さっきはサイコロを振っていたんだな。
感覚を共有できた喜びと、改めてわんこに焦がれる自分に驚く。
「後ろ向いて」
ヨチヨチ四つん這いでお尻を向ける。
今日はデニムのタイトミニだから、きっとこの体勢だと下着が覗いてしまうだろう。
ああ、恥ずかしい。
でも気持ちいい。
座り直した那智さんがスカートを少し上げ、下着をもう少し露出させた。
もじもじする。
それだけで感じてしまう。
しばらくタバコをふかしながら、おまんこのあたりを愛撫する。
ああ、もう下着はびしょびしょだ。
下着を下ろしながら、もう片方の手がゴソゴソしているのがわかる。
気になって四つん這いのまま振り返ると『緊箍呪』の洗濯バサミ。
怖い。
この体勢でラビアに付けるのかしら、そしたらそれはとても怖い。
むき出しのお尻を掴まれた。
そこに洗濯バサミ。
ラビアではなくてお尻だった。
どんな痛みになるのか、ちょっと身構えるけど、ここはそれほど痛くなかった。
静かに『じん』と痛い感じ。
2つ、3つ。
左右のお尻の山に2つずつ。
ああ、欲情する。
不自然な突起が4つ。
お尻に輪っかの付いた洗濯バサミを付ける女。
このわずかにグロテスクな姿を想像して、歪んだ自己愛を刺激する。
それに欲情して、『じん』とした痛みははしたない快感に変わる。
那智さんがおまんこを触る。
クリトリスがとても敏感になっている。
すぐにいきそうになるけど、そうするとすっと指を離されるのだ。
もっともっとと腰を振り、何もされていないのに感じてしまう状態。
輪っかをクックッと引っ張り出した。
はずすんだ。
洗濯バサミの強度を考えたらとても恐ろしい。
くいっと引かれ、はずされた。
『じん』と痛いだけだった。
ラビアや乳首のほうが断然痛い。
それに比べたら気持ちいいくらいだった。
グロテスクな私が終わってしまって、ちょっと残念。
ホテルの靴べらを持ってきた。
怖さが欲情に変わり、快感に浸りながら、また新しい展開に怖いと思う。
水中に潜ったり、息継ぎをしたりしているみたい。
あ、多分、このあたりでスカートは脱がされているはず。
何十発か打った。
ひさしぶりだから、徐々に高めるように時間をかけて。
泣くほどまでには追いつめられなかったけど、くすくす笑うようになれた。
「脱ぎな」と言われた。
靴べらでくすくすなった後の体は重い。
のろのろと、なんとかセーターとブラを取る。
黒のオーバーニーだけ手つかずのまま、ベッドに腰掛けてちょっとひと呼吸。
新しく手に入れることができた木製ピンチがある。
「木製ピンチ取ってきな」
そう言われても瞬時に体が動かない。
もたついていると、気分が変わったのかすぐ手元にあった『緊箍呪』をまた摘んだ。
「いやだ、木製のがいい…」
確かにさっきのお尻では中途半端な痛さだった。
だけど、これの威力はわかっている。
あの痛さは、怖い。
前回絶えられなかった記憶が浮かんで、怖い。
ただ靴べらでくすくすしていた私は、大きく拒否する感覚もなくなっていた。
抵抗する気持ちと恍惚の残骸と追いつめられる期待で、小さな声で『木製がいい』とつぶやくことが精一杯だった。
正面に立つ那智さんの手が迷うことなく乳首へ。
ああ、怖い。
「痛いの、那智さん、これ痛いの」
いやいやと首を振る。
「うん」
右。
靴べらで少し麻痺しているのかな、前回よりも最初の衝撃が少ない気がした。
潰れて重みでぐにゃんと垂れる乳首。
少ないと思ったのは間違いだった。
あっという間に刺すような痛さ。
ああ、やっぱり痛い。
潰れているところとひしゃげているところと、とにかく痛い。
「那智さん、やっぱり痛いです」
次は左。
同じように、最初は一瞬大丈夫で、あっという間に痛くなる。
怖い。
どれくらい続くのだろう。
ベッドからずり落ちて床に座る。
ああ、痛い。
どんどん痛さが膨れ上がってきた。
痛い、那智さん、痛い。
そうつぶやきながら、腰が揺れているのが視界に入った。
揺れる腰と黒いニーハイ。
ああ、私感じてる。
痛いことで感じてる。
コーヒーをゆっくり煎れる那智さんの足元で「痛い、痛い」とうわ言のように繰り返しながら揺れるわたし。
どれくらい経っただろう。
那智さんが背後に回ってきた。(いや、正面のままだったかな、記憶が曖昧です)
クリトリスを触り出した。
ぐわ〜んと一気に気持ちよくなる。
痛さと気持ち良さが入り交じって、快感を増長させているみたい。
いく、那智さん。
あっという間にいきそうになる。
ああああ、気持ちいい。
もう自分がどんなふうになっているのか、意識することがなくなっている。
気持ちいいはず。
それも、わからなくなっている。
目は開いているはずだ。
大股を開いて揺れるオーバーニーの記憶はある。
多分「いってもいいですか」と言った。
多分、いっている。
多分洗濯バサミを外された。
多分乳首を潰されているはずだ。
多分、絶叫している。
先にはずされた左に関しては、まったく認識できていない。
恐らくその強烈な痛みで、少し覚醒したんだ。
『多分外された』と認識したのは左をはずした後の右から。
混沌。
混沌とした深い水の中に放り投げられたみたい。
外からの刺激が、我がことに感じ取れない。
自分の内部で革命が起きているみたいだ。(ああ大げさだよね、適当な言葉が見つからないよ〜)
乳首を握り潰すのも、クリトリスを刺激するのも那智さんがしていることで、それによってこんなふうになっているのに、それが感じられないほど別な世界でパニックを起こしている。
外側からの刺激なのに、どんどん内側の世界だけになっていた。
意識は多分あった。
視界に『物』は映っていたはずだから。
まぶしいと思った。
視界にあった『物』は天井のライトを見ていたんだ。
外部と内側のズレが徐々に一致して焦点が合ってきた感じだった。
いつの間にか床に寝転がっていた。
寝起きみたい。
まぶたが重い。
多分大騒ぎしたはずなのに、寝起きのような感覚が不思議。
それから二度寝するように、またウトウトしていた。
まだ自分の中でも整理できていない。
混沌とか革命とか、全然当てはまっていないかもしれけど^^;
あまり整理してしまう前の、書いておこうと思った数時間のことでした。