最低は最高?3
独特な幸福感
○日、当日。
前日からの様子でなかなか那智さん大変そうだ。
まあ、一緒にいられるだけでも充分幸せだし、役に立っているってこともけっこう好きなので、予定が二転三転して当日を迎えたけどさほど気持ちに影響はなかった。
わたしが一番イヤなのは『那智さんが大変』なことなんだ。
この感覚は『犬気質』のひとつだと思っているのだけど、那智さんと同化していたいわたしは『那智さんが大変』だと『わたしも大変』という心理状態になってしまう。
大変そうで心配とか、大変だとかまってくれなくてイヤとか、そういう個対個の感情じゃなくて、那智さん=わたしという状態。
飼い主が具合が悪いと心配そうにうろつく犬(犬の気持ちわからないから、ホントは単にエサほしいだけかもしれないけども^^;)
もっと極端にいうとへその緒で繋がっている胎児(うわ!!大人としてこの発言、いいのか!?)
那智さんの栄養や精神状態がそのままわたしに影響するみたいな感じなんだ。
那智さんがうれしいとわたしは幸せだし、那智さんが大変そうだと一緒に大変になっちゃう。
だからあんまり那智さんが大変そうなのはイヤだなぁと思っていた。
わたし自身辛くならないためにもお手伝いすることはぜんぜん苦には思っていなかった。
さて、さて、わたしの『外側』さんの大変さを軽減して、わたしもラクになろう^^
小旅行もディナーもなくなってしまったけど、お仕事さっさと終わらせてちょっと抱きしめてもらおう、日付が変わる頃に戻ってきたらちょっと飲み直して眠りにつくまでまた抱いてもらおう。
ホテルのディナーで着ようと思っていた赤のワンピとショートブーツを荷物のリストから早々に外し、翌日の仕事の道具と必要最小限の支度をしてお仕事場へ向かった。
午後3時。
お仕事場に到着。
案の定大変そう、ハグもちゅうもなし(笑)
とりあえずコーヒーだけは煎れてくれて、那智さんも一服。
すぐ手伝いの説明に取りかかる。
わたしの仕事は単純作業、段取りだけ聞けば問題ない。
ひと通り説明したら、わたしは大きなテーブルのある作業場、那智さんはデスクと別れる。
不思議なもので、そこにいるとわかっているのは見えなくても幸せだ。
小さなボリュームで音楽を流し、黙々と単純作業を開始した。
2、3年前同じようにお手伝いしたことあるんだけど、この単純作業が最後の仕事、終われば那智さんの最終チェックで全部終了だったから、今回もそんな感じだろうと思っていた。
だからわたしの作業のスピード如何で那智さんのお仕事終了が決まるはずだった。
作業終了まで2時間かな。
まあ、余裕を見て17時30分くらいには作業も終わるだろう。
21時から打ち合せだから、なんだかんだで3時間くらいは那智さんもホッとできるだろう。
そう思ってせっせと単純作業。
順調に進める。
けっこうわたしは単純作業をいかに効率良くやるか、が好きなのだ。
こちらの仕事は予定より早く17時には終了。
終わりましたよ〜
デスクの隣りに椅子を引き座る。
ありがと〜
パソコン見たまま、心ここにあらず。
…
…
ああ、ごめん、ありがとうね〜
あ、我に返った(笑)
撫で撫で、胸さわさわ。
またパソコン。
な、な、なんなのちょーおざなり感。
なにやらイヤな予感。
どうも様子がおかしい。
2、3年前、わたしが作業が終わるまで最終チェックをしていたときの余裕?なんていうかな『ゴールが見えている余裕』みたいなものが感じられない。
…
刻々と過ぎる時間。
雑誌をめくり携帯からネットを覗き、時々足元にすり寄り、黙々とパソコンに向かう那智さんの隣りで静かに待つ。
しかし、待てど暮らせど那智さんから『ゴールが見える余裕』が感じられない。
決して余裕がないからとイラついたりこちらに当たったりしないし、わたしがすり寄れば頭に手を乗せるようなことはしてくれる。
途中「ごめんな〜」などと気づかってくれるけど、それ以外は話しかけても上の空。
だから余裕がないというより、とてもとても真剣!!という感じ。(たぶん、心の中では焦ってるはず^^)
あまりの真剣な様子にだんだん話しかけることも憚られてくる。
時計は19:30。
うう、2時間以上もそんな状態。
もう打ち合せの21時まで1時間というところまできてしまった。
つーまーんーなーいー。
たーいーくーつー。
あ〜あ、ここまできたら、ホテルでいちゃいちゃもないな〜。
いや、別にセックスだけが目的じゃないし、那智さんと一緒にいられれば何でも幸せだし、お役に立てることはうれしいけどね。
それは間違いないけどさー、それにしてもこのゴールの見えない放置、どうしたもんでしょ?
あまりのゴールの見えない度合いに、さすがにこちらの気持ちも落ちそうになる。
ちょっとホッとした表情をこちらに向けてもらって安心したいよなぁ。
ああ、表情が『無』になってきている、きっと(笑)
那智さん、わたしがここにいる意義あります?
うう、若干クレーム^^;
ごめんな〜、すこしくらい文句言ってくれたほうが気持ちがラクになるよ(笑)
もう、そんなこと言ってくれちゃったら、それ以上『無』になれないじゃん。
じゃあしょうがない、わたしなりに心構えをしようと作業している那智さんに問いかけてみる。
那智さん、いまの段階でそのお仕事の何割り終わりました?
ああ、りん子、ごめんな〜
ここの1から13までやってるんだけど…いま、4…
ええええ!?
まだ半分終わってないのですか!?
だって、もうさっきから2時間はそれにかかってますよ!!
あと1時間しかないのに!!!
作業していないわたしが『きーーーー』、悶絶(笑)
どうやら急遽追加で仕事を頼まれたらしいのだ。
それが那智さんはやったことがない作業で確認しながらなのでよけいに時間がかかってるらしい。
そりゃあ、余裕ないはずだ。
でも聞けば、段取りはわかってきたし、それぞれの量も後半になればなるほど少ないらしいので、たぶん21時の打ち合せには間に合うそうだ。
(まあ、仲のよいお偉いさんだから、遅れても大丈夫みたいだけど)
…、21時には間に合う…。
ふう。
ということは、21時までは時間がない、ということだ。
ホテルでいちゃいちゃどころか、安心の空気の那智さんに一瞬ハグも危うくなってきた。
さすがに波の音は期待してなかったけど…、一瞬のハグもなしとなると今日のわたしは作業員か(笑)
まあ、ここでヘソを曲げてもなんの利益もない。
無事作業を終えて安心して打ち合せに行ってもらおう。
那智さんが戻ってくるまでの約3時間、わたしはわたしで楽しもう。
打ち合せが終わってホテルの部屋で飲み直して、ちょっとホッとした那智さんとゆっくりできれば、それで充分だ。
20:50。
なんだか当初の予定とは随分変わっちゃったけど^^;
そう思い直して、最後の箱詰めを手伝い、大きな箱に詰め込んだ資料を一緒にタクシーに乗ってイベント会場のあるホテルに向かった。
<関連エントリー>
『犬気質』
『外側』
○日、当日。
前日からの様子でなかなか那智さん大変そうだ。
まあ、一緒にいられるだけでも充分幸せだし、役に立っているってこともけっこう好きなので、予定が二転三転して当日を迎えたけどさほど気持ちに影響はなかった。
わたしが一番イヤなのは『那智さんが大変』なことなんだ。
この感覚は『犬気質』のひとつだと思っているのだけど、那智さんと同化していたいわたしは『那智さんが大変』だと『わたしも大変』という心理状態になってしまう。
大変そうで心配とか、大変だとかまってくれなくてイヤとか、そういう個対個の感情じゃなくて、那智さん=わたしという状態。
飼い主が具合が悪いと心配そうにうろつく犬(犬の気持ちわからないから、ホントは単にエサほしいだけかもしれないけども^^;)
もっと極端にいうとへその緒で繋がっている胎児(うわ!!大人としてこの発言、いいのか!?)
那智さんの栄養や精神状態がそのままわたしに影響するみたいな感じなんだ。
那智さんがうれしいとわたしは幸せだし、那智さんが大変そうだと一緒に大変になっちゃう。
だからあんまり那智さんが大変そうなのはイヤだなぁと思っていた。
わたし自身辛くならないためにもお手伝いすることはぜんぜん苦には思っていなかった。
さて、さて、わたしの『外側』さんの大変さを軽減して、わたしもラクになろう^^
小旅行もディナーもなくなってしまったけど、お仕事さっさと終わらせてちょっと抱きしめてもらおう、日付が変わる頃に戻ってきたらちょっと飲み直して眠りにつくまでまた抱いてもらおう。
ホテルのディナーで着ようと思っていた赤のワンピとショートブーツを荷物のリストから早々に外し、翌日の仕事の道具と必要最小限の支度をしてお仕事場へ向かった。
午後3時。
お仕事場に到着。
案の定大変そう、ハグもちゅうもなし(笑)
とりあえずコーヒーだけは煎れてくれて、那智さんも一服。
すぐ手伝いの説明に取りかかる。
わたしの仕事は単純作業、段取りだけ聞けば問題ない。
ひと通り説明したら、わたしは大きなテーブルのある作業場、那智さんはデスクと別れる。
不思議なもので、そこにいるとわかっているのは見えなくても幸せだ。
小さなボリュームで音楽を流し、黙々と単純作業を開始した。
2、3年前同じようにお手伝いしたことあるんだけど、この単純作業が最後の仕事、終われば那智さんの最終チェックで全部終了だったから、今回もそんな感じだろうと思っていた。
だからわたしの作業のスピード如何で那智さんのお仕事終了が決まるはずだった。
作業終了まで2時間かな。
まあ、余裕を見て17時30分くらいには作業も終わるだろう。
21時から打ち合せだから、なんだかんだで3時間くらいは那智さんもホッとできるだろう。
そう思ってせっせと単純作業。
順調に進める。
けっこうわたしは単純作業をいかに効率良くやるか、が好きなのだ。
こちらの仕事は予定より早く17時には終了。
終わりましたよ〜
デスクの隣りに椅子を引き座る。
ありがと〜
パソコン見たまま、心ここにあらず。
…
…
ああ、ごめん、ありがとうね〜
あ、我に返った(笑)
撫で撫で、胸さわさわ。
またパソコン。
な、な、なんなのちょーおざなり感。
なにやらイヤな予感。
どうも様子がおかしい。
2、3年前、わたしが作業が終わるまで最終チェックをしていたときの余裕?なんていうかな『ゴールが見えている余裕』みたいなものが感じられない。
…
刻々と過ぎる時間。
雑誌をめくり携帯からネットを覗き、時々足元にすり寄り、黙々とパソコンに向かう那智さんの隣りで静かに待つ。
しかし、待てど暮らせど那智さんから『ゴールが見える余裕』が感じられない。
決して余裕がないからとイラついたりこちらに当たったりしないし、わたしがすり寄れば頭に手を乗せるようなことはしてくれる。
途中「ごめんな〜」などと気づかってくれるけど、それ以外は話しかけても上の空。
だから余裕がないというより、とてもとても真剣!!という感じ。(たぶん、心の中では焦ってるはず^^)
あまりの真剣な様子にだんだん話しかけることも憚られてくる。
時計は19:30。
うう、2時間以上もそんな状態。
もう打ち合せの21時まで1時間というところまできてしまった。
つーまーんーなーいー。
たーいーくーつー。
あ〜あ、ここまできたら、ホテルでいちゃいちゃもないな〜。
いや、別にセックスだけが目的じゃないし、那智さんと一緒にいられれば何でも幸せだし、お役に立てることはうれしいけどね。
それは間違いないけどさー、それにしてもこのゴールの見えない放置、どうしたもんでしょ?
あまりのゴールの見えない度合いに、さすがにこちらの気持ちも落ちそうになる。
ちょっとホッとした表情をこちらに向けてもらって安心したいよなぁ。
ああ、表情が『無』になってきている、きっと(笑)
那智さん、わたしがここにいる意義あります?
うう、若干クレーム^^;
ごめんな〜、すこしくらい文句言ってくれたほうが気持ちがラクになるよ(笑)
もう、そんなこと言ってくれちゃったら、それ以上『無』になれないじゃん。
じゃあしょうがない、わたしなりに心構えをしようと作業している那智さんに問いかけてみる。
那智さん、いまの段階でそのお仕事の何割り終わりました?
ああ、りん子、ごめんな〜
ここの1から13までやってるんだけど…いま、4…
ええええ!?
まだ半分終わってないのですか!?
だって、もうさっきから2時間はそれにかかってますよ!!
あと1時間しかないのに!!!
作業していないわたしが『きーーーー』、悶絶(笑)
どうやら急遽追加で仕事を頼まれたらしいのだ。
それが那智さんはやったことがない作業で確認しながらなのでよけいに時間がかかってるらしい。
そりゃあ、余裕ないはずだ。
でも聞けば、段取りはわかってきたし、それぞれの量も後半になればなるほど少ないらしいので、たぶん21時の打ち合せには間に合うそうだ。
(まあ、仲のよいお偉いさんだから、遅れても大丈夫みたいだけど)
…、21時には間に合う…。
ふう。
ということは、21時までは時間がない、ということだ。
ホテルでいちゃいちゃどころか、安心の空気の那智さんに一瞬ハグも危うくなってきた。
さすがに波の音は期待してなかったけど…、一瞬のハグもなしとなると今日のわたしは作業員か(笑)
まあ、ここでヘソを曲げてもなんの利益もない。
無事作業を終えて安心して打ち合せに行ってもらおう。
那智さんが戻ってくるまでの約3時間、わたしはわたしで楽しもう。
打ち合せが終わってホテルの部屋で飲み直して、ちょっとホッとした那智さんとゆっくりできれば、それで充分だ。
20:50。
なんだか当初の予定とは随分変わっちゃったけど^^;
そう思い直して、最後の箱詰めを手伝い、大きな箱に詰め込んだ資料を一緒にタクシーに乗ってイベント会場のあるホテルに向かった。
<関連エントリー>
『犬気質』
『外側』