マイフェアレディ『心を開く1』
モカ
前振りだけして止まっていた『マイフェアレディ』。
モカちゃんには続きをアップする了解を得てはいたけど、彼女との関わりやわたしたちの果たせたであろう役割を関係がおしまいになってからアップする行為はなんだか自分を正当化しようという保身に感じられてしまってわたし自身どうしようかなと下書きとして保存したままだった。
だけど、アップしようと思う。
モカちゃんへのエールの気持ちを込めて。
ここに書かれている『モカ』はわたしの目を通したモカですので、実際の彼女とは異なると思ってください。
実際の彼女は友人に恵まれ良い関係を築いているはずで、いまから書くような『わたしたちが感じた弊害』は、わたしたちとの付き合いに於いて生じたもの、また那智とりん子と付き合うために必要と感じたからのやり取りだとご理解ください。
『心を開く1』
はじめてモカと会った時会話が噛み合ないと感じたことは『モカ』で書いた。
それは、はじめて故の緊張ではなかったことも書いた。
はじめて会って、その次にはランチタイムのカラオケに行った。
このときに那智さんとわたしは『噛み合ない』ことが、モカの特性であることを実感するのだ。
モカは人と話をするとき、じっと人の目を見る。
まっすぐな目線。
だけど、よく見ると目が細かく泳いでいる。
彼女になにか質問をすると、じっと見て目が泳ぐ、そして言葉が出て来ない、出てきたとしても答えになっていないのだ。(「観たい映画は?」の質問に「好きなのは宮崎アニメ」と答えが返ってくるような感じね)
モカはじっと目を見ながら頭の中で考えているのだ、どの答えを言えばマイナスにならないか。
だから答えに時間がかかるしぼやける。
このカラオケのとき、まだそこまでわたしたちも理解できていなかったから、かなり焦れた(笑)
例えば。
モカの嗜好を探ろうと『薬指でどんなことに憧れていた?』と質問したとすると。
「そうですね〜」と目を見たっきり答えてくれない。
那智さんとわたしは、緊張しているのかなと思って答えを促ような会話を進める。
「例えば、わんことか?娘とか?」
こんなふうに選択肢や例を挙げてみると。
「そうですね〜、憧れていたのはわんこや…娘ですね」
と来る。
一事が万事こんな調子。
これじゃあ、わたしたちはモカのなにもわからない。
こちらの欲しい答えを見つけて、それを答えにして、更に見つけるのに苦労するあまり結局なにも伝わらないのだ。
カラオケを後にして。
那智さんとわたしは、どうしたもんかと話し合う。
モカは
中身のない人なのか。
中身はあるけど表現できない人なのか。
中身を入れる器は持っているけど、いまはまだ中身がないだけなのか。
(モカちゃん、ごめん!!)
それさえも掴めない人ではわたしたちも楽しめないし、モカにとってもただのマスターベーションになってしまう。
那智さんのお仕事の合間、わずかな時間に集中していろいろ話し合う。
質問して答えを導くような選択肢を与えるのはやめよう。
時間がかかっても答えを待とう。
わたしたちの本音の会話を見せることで、本音の付き合いの経験をしてもらおう。
那智さんは『素直と正直』をこの頃から掲げるようになる。
でも、それにはまずモカ自身にある『壁』や『ためらい』を取っ払う必要がある。
だから次会うときに、モカの話したくない話をしてもらうことにした。
その内容が知りたいのではなく、話すことで壁のようなものを少しでも取っ払ってもらい、安心できる環境を作り、わたしたちを信頼してもらお。
そしてモカに信頼してもらうことで、わたしたちも彼女を信頼したかったのだ。
『モカ』でも書いたけど、モカに『夢物語』から降りてきてもらうには相互の信頼が必要だった。
少しでも相互の信頼が築ければ、あのカラオケでの会話の違和感は変わるかもしれない。
そう考えて、はじめて3人でホテルに行く日、モカの秘密を話してもらうことになった。
ホテルの部屋のソファ。
モカを挟み左にお父さん、わたしが右。
お父さんがモカの手を取り時間がかかっても泣いてもいいから話すこと、そしてそれによってわたしたちはないも変わらないことを伝える。
わたしは敢えて口を挟まず、モカに触れもせず、隣りに『いる』だけにしていた。
ためらいながらポツポツと話し始めるモカ、話が進むにつれてどんどん涙声になり鼻をすする。
スッとお父さんが動いた。
ティッシュを取りモカの鼻に。
親が小さな子供にするように『ちーん』と鼻をかませたのだ。
(ここ、わたし、モカのまじめなお話を聞きながらも、くぅ〜っとなる。憎いことしますよ、那智さん!!)
話しては泣き、鼻をかませてもらっては、また話し。
全部お話が終わったときにはティッシュの山ができていた。
このお話しをしたことで、なにもかも上手くいくことはもちろんない。
モカの、自分の言葉で(特に自分の心の奥を)語らない、マイナスにならない答えを見つけるクセはこれ以後もまだまだ続く。
ただ、このティッシュの山がまず最初の大きな『遠慮』の壁を打ち破ったことは間違いないだろう。
まずは、これが第一歩だった。
前振りだけして止まっていた『マイフェアレディ』。
モカちゃんには続きをアップする了解を得てはいたけど、彼女との関わりやわたしたちの果たせたであろう役割を関係がおしまいになってからアップする行為はなんだか自分を正当化しようという保身に感じられてしまってわたし自身どうしようかなと下書きとして保存したままだった。
だけど、アップしようと思う。
モカちゃんへのエールの気持ちを込めて。
ここに書かれている『モカ』はわたしの目を通したモカですので、実際の彼女とは異なると思ってください。
実際の彼女は友人に恵まれ良い関係を築いているはずで、いまから書くような『わたしたちが感じた弊害』は、わたしたちとの付き合いに於いて生じたもの、また那智とりん子と付き合うために必要と感じたからのやり取りだとご理解ください。
『心を開く1』
はじめてモカと会った時会話が噛み合ないと感じたことは『モカ』で書いた。
それは、はじめて故の緊張ではなかったことも書いた。
はじめて会って、その次にはランチタイムのカラオケに行った。
このときに那智さんとわたしは『噛み合ない』ことが、モカの特性であることを実感するのだ。
モカは人と話をするとき、じっと人の目を見る。
まっすぐな目線。
だけど、よく見ると目が細かく泳いでいる。
彼女になにか質問をすると、じっと見て目が泳ぐ、そして言葉が出て来ない、出てきたとしても答えになっていないのだ。(「観たい映画は?」の質問に「好きなのは宮崎アニメ」と答えが返ってくるような感じね)
モカはじっと目を見ながら頭の中で考えているのだ、どの答えを言えばマイナスにならないか。
だから答えに時間がかかるしぼやける。
このカラオケのとき、まだそこまでわたしたちも理解できていなかったから、かなり焦れた(笑)
例えば。
モカの嗜好を探ろうと『薬指でどんなことに憧れていた?』と質問したとすると。
「そうですね〜」と目を見たっきり答えてくれない。
那智さんとわたしは、緊張しているのかなと思って答えを促ような会話を進める。
「例えば、わんことか?娘とか?」
こんなふうに選択肢や例を挙げてみると。
「そうですね〜、憧れていたのはわんこや…娘ですね」
と来る。
一事が万事こんな調子。
これじゃあ、わたしたちはモカのなにもわからない。
こちらの欲しい答えを見つけて、それを答えにして、更に見つけるのに苦労するあまり結局なにも伝わらないのだ。
カラオケを後にして。
那智さんとわたしは、どうしたもんかと話し合う。
モカは
中身のない人なのか。
中身はあるけど表現できない人なのか。
中身を入れる器は持っているけど、いまはまだ中身がないだけなのか。
(モカちゃん、ごめん!!)
それさえも掴めない人ではわたしたちも楽しめないし、モカにとってもただのマスターベーションになってしまう。
那智さんのお仕事の合間、わずかな時間に集中していろいろ話し合う。
質問して答えを導くような選択肢を与えるのはやめよう。
時間がかかっても答えを待とう。
わたしたちの本音の会話を見せることで、本音の付き合いの経験をしてもらおう。
那智さんは『素直と正直』をこの頃から掲げるようになる。
でも、それにはまずモカ自身にある『壁』や『ためらい』を取っ払う必要がある。
だから次会うときに、モカの話したくない話をしてもらうことにした。
その内容が知りたいのではなく、話すことで壁のようなものを少しでも取っ払ってもらい、安心できる環境を作り、わたしたちを信頼してもらお。
そしてモカに信頼してもらうことで、わたしたちも彼女を信頼したかったのだ。
『モカ』でも書いたけど、モカに『夢物語』から降りてきてもらうには相互の信頼が必要だった。
少しでも相互の信頼が築ければ、あのカラオケでの会話の違和感は変わるかもしれない。
そう考えて、はじめて3人でホテルに行く日、モカの秘密を話してもらうことになった。
ホテルの部屋のソファ。
モカを挟み左にお父さん、わたしが右。
お父さんがモカの手を取り時間がかかっても泣いてもいいから話すこと、そしてそれによってわたしたちはないも変わらないことを伝える。
わたしは敢えて口を挟まず、モカに触れもせず、隣りに『いる』だけにしていた。
ためらいながらポツポツと話し始めるモカ、話が進むにつれてどんどん涙声になり鼻をすする。
スッとお父さんが動いた。
ティッシュを取りモカの鼻に。
親が小さな子供にするように『ちーん』と鼻をかませたのだ。
(ここ、わたし、モカのまじめなお話を聞きながらも、くぅ〜っとなる。憎いことしますよ、那智さん!!)
話しては泣き、鼻をかませてもらっては、また話し。
全部お話が終わったときにはティッシュの山ができていた。
このお話しをしたことで、なにもかも上手くいくことはもちろんない。
モカの、自分の言葉で(特に自分の心の奥を)語らない、マイナスにならない答えを見つけるクセはこれ以後もまだまだ続く。
ただ、このティッシュの山がまず最初の大きな『遠慮』の壁を打ち破ったことは間違いないだろう。
まずは、これが第一歩だった。
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