夢が叶うとき2
非日常的な日常
指定はノースリーブのミニのニットワンピース。
黒に細く白いボーダー。
素足に黒いピンヒール。
さすがにこの年でミニワンピは恥ずかしいから、せめてカーディガンを羽織って腕の露出は抑える。
待ち合わせ場所に到着して、那智さんと合流する。
すでにドギマギ緊張気味の私。
「なんでこのタイミングで水かけようって思い付いたかっていうと、暑いだろ〜、水かぶったら気持ちいいだろうな〜って思ったからね(笑)」
確かに、気持ちいいと思います。人前じゃなければ…。
黙ってる私に「よかったね〜、夢が叶うね〜。」なんて言って脅かしてくる。
「那智さん、Mの願望って、それを実現させると凄いことになってしまうのですよ。妄想と実際することには、大きな大きなギャップがあるんです。」
「でも、夢だったんだろ(笑)」
「そうですよ、夢を見ただけです。それがイコール願望かというと、それはさらに大きなギャップがありますよ。夢で見たことと夢見たことは違うでしょ!?」
でも、そう言っても、それは私の「ファンタジー」としてもうしっかり私に根付いてしまっている夢だということはわかってる。
困らされる、洋服の上から水をかけられること。
だから、こう提案してみる。
「那智さん、バスルームでやってくれませんか?バスルームで洋服の上からジャーッて。」
「なんで?それじゃ、全然つまんないよ。」
「いえ、そのほうが人目を気にすることなく夢が叶って、私は遠くに飛んで行っちゃえるんじゃないですか?」
「人目があっても飛んじゃうでしょ?」
「でも、人目がないと違う飛び方するかもしれないですよ。没頭できて。」
「別にりん子が没頭できなくても、それはそれで面白い。それにいつも外で喜んでるしね〜だから、外がいい。」
うう、そうです、喜んでしまってます…。
歩きながら、なんとか部屋の中で叶えてもらうように提案してみるけど、失敗。
結局あわあわしながら、歩いてるだけ。
いつもお世話になってるマ○○が近付いてきた。
2人とも同じことを考えていた。
「入る?」
「はい。」
そうなんだ、もしいつもの3階に上がって人がいなかったら、いまの那智さんの気分だったら、そこで「水」じゃない何かをするだろう。
そして、ある程度満足して、お外でお水は「またいつか」持ち越しされる。
バスルームが却下されたいま、マ○○の3階でお茶を濁して、その実行日を先延ばしにするという方法も取れるわけだ。
私は、その可能性に賭けたの。
もちろん3階に人がいたら何もできない。(那智さんにはもともと人がいる所に後から来たら何もしないという、那智さんルールがあるからね)
何にもできなかったら、後で確実に「水」はすることになる。
そのギャンブルを那智さんは楽しみ、どっちにしても「あわあわ」してる私を面白がって「入る?」と提案したのだ。
私は回避の可能性に賭けて「はい。」と返事をしたのだ。
果たして3階に上がって、目の前に広がったフロアには「いつもより2割増!?」ってくらい人がいた(笑)
ガーン、これじゃあ、どこかお外でお水確定。
最小限の人しかいなくて、「ここで何かされてしまうかもしれない!!」なんて想像の余地がないほど、なんだか今日はたーくさんの人がマ○○の3階にいらっしゃる^^;
那智さんも「これじゃあ、何もできないね〜」と言った感じで苦笑いしてる。
それでも向かい合い席に着いて、笑いながら「ここで何かする?それなら水はやめてもいいよ(笑)」と那智さん。
「いえ!!それは無理です!!」
確実に5組はいる。
「このフロアを四つん這いでぐるっと一周するのは?」
「びっくりされちゃいますよ!!」
「りん子が『失礼しまーす』って言いながら四つん這いで歩くっていうのは?(笑)」
「私が言うんですか!?そんな情けない状態いやです(泣)」
「じゃあ、こっから俺が言ってあげるよ。『すいません、犬通ります』って(笑)」
(ほんの少し、ほんとにほんの少し、「あっ、それなら幸せかも」と思ってしまう私…)
「そしたらりん子は『わん』って返事するのね(笑)」
(前言撤回、やっぱり無理です 泣)
那智さんと私はこういう会話が好きで、それで一瞬盛り上がる^^
いけない、いけない、このままずるずると時間だけが過ぎてしまうと、あとはお外でお水が待っている。
那智さんは、これまた「いつものコンビニ前」でしようとしているみたいだから、せめてそれだけは回避したい。
だって、普通にコンビニの前の駐車スペースよ、そこで頭から水をかけられるなんて、目立ってしまって仕方がないもの。
コンビニの先の角を曲がればホテル街だ。
その曲がった先にビルのドア部分の僅かなくぼみがある。(えっと、パンツでダッシュの時のジーンズを脱いだくぼみ)
そこなら、コンビニ前よりは、まだまし。
それを提案してみよう。
「那智さん、あのくぼみにしてもらえませんか?」
「ええ、ダメだよつまんない。」
うう、無条件では無理よね…。
苦肉の策…。
「……(わざと、さも凄い交換条件を提示してるふうに)じゃあ、那智さん、これならどうでしょう?……カーディガン脱ぎますから、くぼみにしてくださいませんか?」
私の演技力(?)に一瞬那智さんも身を乗り出す雰囲気になるけど、全然大した交換条件じゃないことはすぐわかってしまう。
「ダメダメ〜(笑)」
やっぱり…。
じゃあ、もう一声!!
「(また大げさなアクションで^^)那智さん、くぼみにしてくれたら、裸足になります!!」
「ちょっと面白いかな、でも、ダメ(笑)」
ああ、他にないかしら。
なんとか「人前」から「人に見られるかもしれない」に譲歩してくれる交換条件。
そうしないと、人前でお水になっちゃう!!
困ったり、お水でびしょ濡れになるのは、いまとなっては「してほしい」ことになってしまってる。
その最後のハードル、「確実に人がいる」ことさえなくなったら、私はきっと夢が叶って幸せになれるだろう。
「もう、ない?(笑)じゃ、そろそろ行くよ。」
ああ、神様仏様那智様。
叶えたい、でも、それ以上のことになってしまう。
結局お茶しただけで、マ○○に入る前と何ら変わりなくコンビニに向かうのだった。
わあ、引っ張ってます!!
引っ張るってことは、それだけ私の思い入れが強いということで…お許しくださーい♪
指定はノースリーブのミニのニットワンピース。
黒に細く白いボーダー。
素足に黒いピンヒール。
さすがにこの年でミニワンピは恥ずかしいから、せめてカーディガンを羽織って腕の露出は抑える。
待ち合わせ場所に到着して、那智さんと合流する。
すでにドギマギ緊張気味の私。
「なんでこのタイミングで水かけようって思い付いたかっていうと、暑いだろ〜、水かぶったら気持ちいいだろうな〜って思ったからね(笑)」
確かに、気持ちいいと思います。人前じゃなければ…。
黙ってる私に「よかったね〜、夢が叶うね〜。」なんて言って脅かしてくる。
「那智さん、Mの願望って、それを実現させると凄いことになってしまうのですよ。妄想と実際することには、大きな大きなギャップがあるんです。」
「でも、夢だったんだろ(笑)」
「そうですよ、夢を見ただけです。それがイコール願望かというと、それはさらに大きなギャップがありますよ。夢で見たことと夢見たことは違うでしょ!?」
でも、そう言っても、それは私の「ファンタジー」としてもうしっかり私に根付いてしまっている夢だということはわかってる。
困らされる、洋服の上から水をかけられること。
だから、こう提案してみる。
「那智さん、バスルームでやってくれませんか?バスルームで洋服の上からジャーッて。」
「なんで?それじゃ、全然つまんないよ。」
「いえ、そのほうが人目を気にすることなく夢が叶って、私は遠くに飛んで行っちゃえるんじゃないですか?」
「人目があっても飛んじゃうでしょ?」
「でも、人目がないと違う飛び方するかもしれないですよ。没頭できて。」
「別にりん子が没頭できなくても、それはそれで面白い。それにいつも外で喜んでるしね〜だから、外がいい。」
うう、そうです、喜んでしまってます…。
歩きながら、なんとか部屋の中で叶えてもらうように提案してみるけど、失敗。
結局あわあわしながら、歩いてるだけ。
いつもお世話になってるマ○○が近付いてきた。
2人とも同じことを考えていた。
「入る?」
「はい。」
そうなんだ、もしいつもの3階に上がって人がいなかったら、いまの那智さんの気分だったら、そこで「水」じゃない何かをするだろう。
そして、ある程度満足して、お外でお水は「またいつか」持ち越しされる。
バスルームが却下されたいま、マ○○の3階でお茶を濁して、その実行日を先延ばしにするという方法も取れるわけだ。
私は、その可能性に賭けたの。
もちろん3階に人がいたら何もできない。(那智さんにはもともと人がいる所に後から来たら何もしないという、那智さんルールがあるからね)
何にもできなかったら、後で確実に「水」はすることになる。
そのギャンブルを那智さんは楽しみ、どっちにしても「あわあわ」してる私を面白がって「入る?」と提案したのだ。
私は回避の可能性に賭けて「はい。」と返事をしたのだ。
果たして3階に上がって、目の前に広がったフロアには「いつもより2割増!?」ってくらい人がいた(笑)
ガーン、これじゃあ、どこかお外でお水確定。
最小限の人しかいなくて、「ここで何かされてしまうかもしれない!!」なんて想像の余地がないほど、なんだか今日はたーくさんの人がマ○○の3階にいらっしゃる^^;
那智さんも「これじゃあ、何もできないね〜」と言った感じで苦笑いしてる。
それでも向かい合い席に着いて、笑いながら「ここで何かする?それなら水はやめてもいいよ(笑)」と那智さん。
「いえ!!それは無理です!!」
確実に5組はいる。
「このフロアを四つん這いでぐるっと一周するのは?」
「びっくりされちゃいますよ!!」
「りん子が『失礼しまーす』って言いながら四つん這いで歩くっていうのは?(笑)」
「私が言うんですか!?そんな情けない状態いやです(泣)」
「じゃあ、こっから俺が言ってあげるよ。『すいません、犬通ります』って(笑)」
(ほんの少し、ほんとにほんの少し、「あっ、それなら幸せかも」と思ってしまう私…)
「そしたらりん子は『わん』って返事するのね(笑)」
(前言撤回、やっぱり無理です 泣)
那智さんと私はこういう会話が好きで、それで一瞬盛り上がる^^
いけない、いけない、このままずるずると時間だけが過ぎてしまうと、あとはお外でお水が待っている。
那智さんは、これまた「いつものコンビニ前」でしようとしているみたいだから、せめてそれだけは回避したい。
だって、普通にコンビニの前の駐車スペースよ、そこで頭から水をかけられるなんて、目立ってしまって仕方がないもの。
コンビニの先の角を曲がればホテル街だ。
その曲がった先にビルのドア部分の僅かなくぼみがある。(えっと、パンツでダッシュの時のジーンズを脱いだくぼみ)
そこなら、コンビニ前よりは、まだまし。
それを提案してみよう。
「那智さん、あのくぼみにしてもらえませんか?」
「ええ、ダメだよつまんない。」
うう、無条件では無理よね…。
苦肉の策…。
「……(わざと、さも凄い交換条件を提示してるふうに)じゃあ、那智さん、これならどうでしょう?……カーディガン脱ぎますから、くぼみにしてくださいませんか?」
私の演技力(?)に一瞬那智さんも身を乗り出す雰囲気になるけど、全然大した交換条件じゃないことはすぐわかってしまう。
「ダメダメ〜(笑)」
やっぱり…。
じゃあ、もう一声!!
「(また大げさなアクションで^^)那智さん、くぼみにしてくれたら、裸足になります!!」
「ちょっと面白いかな、でも、ダメ(笑)」
ああ、他にないかしら。
なんとか「人前」から「人に見られるかもしれない」に譲歩してくれる交換条件。
そうしないと、人前でお水になっちゃう!!
困ったり、お水でびしょ濡れになるのは、いまとなっては「してほしい」ことになってしまってる。
その最後のハードル、「確実に人がいる」ことさえなくなったら、私はきっと夢が叶って幸せになれるだろう。
「もう、ない?(笑)じゃ、そろそろ行くよ。」
ああ、神様仏様那智様。
叶えたい、でも、それ以上のことになってしまう。
結局お茶しただけで、マ○○に入る前と何ら変わりなくコンビニに向かうのだった。
わあ、引っ張ってます!!
引っ張るってことは、それだけ私の思い入れが強いということで…お許しくださーい♪