お散歩の理由 1
非日常的な日常
いま、私は那智さんと2人で、ファッションビルの入り口に立っている。
開店間もないそのビルは、この辺りでは若者ファッションのメッカ。
午前中にもかかわらず、待ち合わせをしている女の子、制服姿の女の子、大勢の女の子賑わう。
私は、朝起きて一回おしっこをして、それから、まだトイレに行っていない。
もっと言うと、行ってはいけないのだ。
トイレに行っていない私が、まだおしっこがしたくて切羽詰まっていないことは不幸中の幸いだが、万が一我慢できなくなっても、大きな被害にはならない。
なぜなら、私は紙おむつを履いているからだ。
朝一番は許してもらっているけど、それ以降は、我慢か紙おむつの中が、その日の那智さんのリクエスト。
初夏の日差しの似合う白地にブルーのストライプ柄のロングスカートの下に紙おむつを着けている。
その姿で、家を出て、電車に乗り、那智さんに会いに行く。
電車の中でも、僅かな尿意は感じるが大事には至っていない。
待ち合わせ場所に着いて、紙おむつの中は乾いていることを告げると、那智さんは残念そうな嬉しそうな表情を浮かべる。
このままホテルへは、連れて行ってくれないことは明白だ。
お散歩。
私が、おしっこをしたくなるのを待つためのお散歩。
我慢できなくなって、街中で紙おむつの中におしっこをしてしまうためのお散歩。
それが叶うまでは、このお散歩に終わりはないのだ。
これが、早く済んでほしいのか、少しでもその瞬間を迎えるのを避けるのか、どちらを望んでいるのか私自身もわからない。
ただ、那智さんと腕を組み、歩く。
このお散歩が永遠に続くように錯覚したころ、感じ始めていた尿意が膨らんできていることを自覚するのだ。
そして、いま、ファッションビルの入り口に立って、その時を待っているのだった。
続きにさせてくださいね。
いま、私は那智さんと2人で、ファッションビルの入り口に立っている。
開店間もないそのビルは、この辺りでは若者ファッションのメッカ。
午前中にもかかわらず、待ち合わせをしている女の子、制服姿の女の子、大勢の女の子賑わう。
私は、朝起きて一回おしっこをして、それから、まだトイレに行っていない。
もっと言うと、行ってはいけないのだ。
トイレに行っていない私が、まだおしっこがしたくて切羽詰まっていないことは不幸中の幸いだが、万が一我慢できなくなっても、大きな被害にはならない。
なぜなら、私は紙おむつを履いているからだ。
朝一番は許してもらっているけど、それ以降は、我慢か紙おむつの中が、その日の那智さんのリクエスト。
初夏の日差しの似合う白地にブルーのストライプ柄のロングスカートの下に紙おむつを着けている。
その姿で、家を出て、電車に乗り、那智さんに会いに行く。
電車の中でも、僅かな尿意は感じるが大事には至っていない。
待ち合わせ場所に着いて、紙おむつの中は乾いていることを告げると、那智さんは残念そうな嬉しそうな表情を浮かべる。
このままホテルへは、連れて行ってくれないことは明白だ。
お散歩。
私が、おしっこをしたくなるのを待つためのお散歩。
我慢できなくなって、街中で紙おむつの中におしっこをしてしまうためのお散歩。
それが叶うまでは、このお散歩に終わりはないのだ。
これが、早く済んでほしいのか、少しでもその瞬間を迎えるのを避けるのか、どちらを望んでいるのか私自身もわからない。
ただ、那智さんと腕を組み、歩く。
このお散歩が永遠に続くように錯覚したころ、感じ始めていた尿意が膨らんできていることを自覚するのだ。
そして、いま、ファッションビルの入り口に立って、その時を待っているのだった。
続きにさせてくださいね。