怒らない私3
りん子的独り言(生意気)
夏が終わる頃まで、ずっとYさんはS子さんと私の間を行ったり来たりの状態だった。
春頃に一度「あんまり辛いから別れて」と私はYさんに言った。
その時、Yさんは私を引き止めたのだ。
だから、行ったり来たりの状態。
それでも、Yさんの友達が「Yはりん子よりS子さんが好きだよ」と真摯に忠告してくれたことに象徴されるように、Yさんの心はS子さんを向いているのが、苦しいほど伝わっていた。
なぜ引き止めたのかしら。
都合良く「やらせて」くれるからかな。
それとも、まだS子さんとは「付き合う」まではいってなくて、私は保険だったのかな。
でも、好きな人の心が離れていくが手に取るようにわかるということは、風船が飛んで行ってしまうような、いいようのない不安を感じる。
たとえ、それが「保険」だったとしても、風船が手元に戻るという事実だけで受け入れてしまうのだ。
それをなくしてしまう不安と引き換えに、心を抑える。
名目上は彼女、でも、心はまったく離れている関係が続いた。
その間も、YさんとS子さんと数人で遊んでいるという噂を時々耳にしては、悲しく、不安な夜を過ごしていた。
多分、2人は「恋人同士」とお互いに宣言していなかったと思う。
なぜかというと、S子さんはとてもモテる人で、Yさんの他にも同じハワイに行ったメンバーからアピールされていたのだ。
そのハワイメンバーのアイドルみたいな状態だったから、誰とも付き合わず(多分)そのバランスを保っていたのではないかしら。
夏の終わりのある日。
Yさんは私を呼び出した。
決定的な何か言われるのかと出かけると、思いがけないことを言われた。
「やっぱりりん子がいい。りん子しかいない。」
態度の急変に、S子さんとの間に何かあったのだろうと簡単に想像できてしまう。
それでも、何があったのか何度聞いても教えてくれなかった。(恐らくふられたのよね)
それから、あの時期はなんだったの?と思うほど、Yさんは「私がいい」と言い続けた。
プレゼントをくれて、いろんなところに連れて行ってくれた。
ああ、やっと戻ってきてくれた。
でも、土台は不安なままだ。
もう二度と足下がグラつくような孤独は味わいたくない、不安を押し殺し私はいい子でいた。
りん子がいいと言われてから、3ヶ月くらい過ぎた頃。
ちょうどクリスマスの時期だった。
街のイルミネーションがきれいになる。
私たちはデートの締めくくりにお茶をしていた。
そこでYさんは、神妙な面持ちで、でも、言い訳がましくこんな話を切り出した。
S子さんが入院した。(何の病気か忘れたけど、そんな重病ではなかったはず)
テレビが付いてない病室らしいので、自分の部屋の小さなテレビを貸してあげた。(Yさんの部屋には確かに小さなテレビがあった)
この間、それを運んだ。
S子さんに会ったけど、何もないよ、心配しないで。
りん子には嘘は付きたくなかったから話した。
ということだった。
いまなら言える。
ふざけるな、私がどれだけS子さんのことで傷付いたと思う?
私を手に入れたいなら、あなたは全身全霊で失った信頼を回復しなければならないのだ。
例え何もなかったと言っても、あなたがS子さんに会うことで、また私がどれだけ傷付くと思うのか、私をばかにするにも程がある。
それに、いきなり数ヶ月ぶりに電話を寄越して「テレビ貸して」なんてあり得ない。
あなたとS子さんが、恋愛でなかったとしても何かしらの繋がりがあったことは明らかだ。
私はそれを知る権利があるし、やめてという権利もある。
なぜなら、あなたは私を傷付けて、私の信頼を失ったからだ。
山下達郎の歌が流れていた。
体が震えていた。
それなのに、私が言ったのは
「本当のことを言ってくれて、ありがとう」
だった。
だって、私は「傷付いてる」も「悲しい」もYさんに伝えていないのだもの。
私がそれを伝えていないから、YさんはS子さんと会っても平気だと思ったのでしょう。
下心がなかったから、私に話してくれたはず。
Yさんの親切心がしたこと。
だから、責めちゃいけない。
このときも、怒っていない。
悲しく、不安なだけ。
そして、やはり、何かを諦めている。
以上が、「こんなことでも怒らない私」のお話です。
これを書いていて、自分でも不思議に思ったことがある。(途中にも書いたけど)
もう十数年も前のことだから、感情の記憶を都合良く塗り替えてる可能性はあるけど、付き合っている男性に対して、怒りの感情はある。
例えば、遅刻しても謝らなかったり、心ない言動だったり、人間同士の付き合いにおいては、チクチクと小さな怒りは起こるのだ。
でも、それは抑えて黙っている。
だから、小さいながらも怒りの感情はある。
それが湧き上がらないのは、男女関係に関してなのだ。
S子さんの時もそう、Yさんがナンパしたとかいう話を聞いてもそう。(K君の時の6時間待たされの時は違うか、あれは人としてのことだけど、あんまり怒りの感情がなかったかな。その筋違いは許して^^総じて怒りにくいということで)
それはなぜかと、解明したい。
自分で自分をわかりたい。
先のふうさんのコメントレスでも書いたけど、結論が漠然としていて、実はちょっとまとまってないの(笑)
那智さんの考えも聞いたけど、納得するような、それだけじゃないような。
引っ張ってますが、とりあえずこれだけアップします。
アップしたあと、またゆっくり考えますね。
夏が終わる頃まで、ずっとYさんはS子さんと私の間を行ったり来たりの状態だった。
春頃に一度「あんまり辛いから別れて」と私はYさんに言った。
その時、Yさんは私を引き止めたのだ。
だから、行ったり来たりの状態。
それでも、Yさんの友達が「Yはりん子よりS子さんが好きだよ」と真摯に忠告してくれたことに象徴されるように、Yさんの心はS子さんを向いているのが、苦しいほど伝わっていた。
なぜ引き止めたのかしら。
都合良く「やらせて」くれるからかな。
それとも、まだS子さんとは「付き合う」まではいってなくて、私は保険だったのかな。
でも、好きな人の心が離れていくが手に取るようにわかるということは、風船が飛んで行ってしまうような、いいようのない不安を感じる。
たとえ、それが「保険」だったとしても、風船が手元に戻るという事実だけで受け入れてしまうのだ。
それをなくしてしまう不安と引き換えに、心を抑える。
名目上は彼女、でも、心はまったく離れている関係が続いた。
その間も、YさんとS子さんと数人で遊んでいるという噂を時々耳にしては、悲しく、不安な夜を過ごしていた。
多分、2人は「恋人同士」とお互いに宣言していなかったと思う。
なぜかというと、S子さんはとてもモテる人で、Yさんの他にも同じハワイに行ったメンバーからアピールされていたのだ。
そのハワイメンバーのアイドルみたいな状態だったから、誰とも付き合わず(多分)そのバランスを保っていたのではないかしら。
夏の終わりのある日。
Yさんは私を呼び出した。
決定的な何か言われるのかと出かけると、思いがけないことを言われた。
「やっぱりりん子がいい。りん子しかいない。」
態度の急変に、S子さんとの間に何かあったのだろうと簡単に想像できてしまう。
それでも、何があったのか何度聞いても教えてくれなかった。(恐らくふられたのよね)
それから、あの時期はなんだったの?と思うほど、Yさんは「私がいい」と言い続けた。
プレゼントをくれて、いろんなところに連れて行ってくれた。
ああ、やっと戻ってきてくれた。
でも、土台は不安なままだ。
もう二度と足下がグラつくような孤独は味わいたくない、不安を押し殺し私はいい子でいた。
りん子がいいと言われてから、3ヶ月くらい過ぎた頃。
ちょうどクリスマスの時期だった。
街のイルミネーションがきれいになる。
私たちはデートの締めくくりにお茶をしていた。
そこでYさんは、神妙な面持ちで、でも、言い訳がましくこんな話を切り出した。
S子さんが入院した。(何の病気か忘れたけど、そんな重病ではなかったはず)
テレビが付いてない病室らしいので、自分の部屋の小さなテレビを貸してあげた。(Yさんの部屋には確かに小さなテレビがあった)
この間、それを運んだ。
S子さんに会ったけど、何もないよ、心配しないで。
りん子には嘘は付きたくなかったから話した。
ということだった。
いまなら言える。
ふざけるな、私がどれだけS子さんのことで傷付いたと思う?
私を手に入れたいなら、あなたは全身全霊で失った信頼を回復しなければならないのだ。
例え何もなかったと言っても、あなたがS子さんに会うことで、また私がどれだけ傷付くと思うのか、私をばかにするにも程がある。
それに、いきなり数ヶ月ぶりに電話を寄越して「テレビ貸して」なんてあり得ない。
あなたとS子さんが、恋愛でなかったとしても何かしらの繋がりがあったことは明らかだ。
私はそれを知る権利があるし、やめてという権利もある。
なぜなら、あなたは私を傷付けて、私の信頼を失ったからだ。
山下達郎の歌が流れていた。
体が震えていた。
それなのに、私が言ったのは
「本当のことを言ってくれて、ありがとう」
だった。
だって、私は「傷付いてる」も「悲しい」もYさんに伝えていないのだもの。
私がそれを伝えていないから、YさんはS子さんと会っても平気だと思ったのでしょう。
下心がなかったから、私に話してくれたはず。
Yさんの親切心がしたこと。
だから、責めちゃいけない。
このときも、怒っていない。
悲しく、不安なだけ。
そして、やはり、何かを諦めている。
以上が、「こんなことでも怒らない私」のお話です。
これを書いていて、自分でも不思議に思ったことがある。(途中にも書いたけど)
もう十数年も前のことだから、感情の記憶を都合良く塗り替えてる可能性はあるけど、付き合っている男性に対して、怒りの感情はある。
例えば、遅刻しても謝らなかったり、心ない言動だったり、人間同士の付き合いにおいては、チクチクと小さな怒りは起こるのだ。
でも、それは抑えて黙っている。
だから、小さいながらも怒りの感情はある。
それが湧き上がらないのは、男女関係に関してなのだ。
S子さんの時もそう、Yさんがナンパしたとかいう話を聞いてもそう。(K君の時の6時間待たされの時は違うか、あれは人としてのことだけど、あんまり怒りの感情がなかったかな。その筋違いは許して^^総じて怒りにくいということで)
それはなぜかと、解明したい。
自分で自分をわかりたい。
先のふうさんのコメントレスでも書いたけど、結論が漠然としていて、実はちょっとまとまってないの(笑)
那智さんの考えも聞いたけど、納得するような、それだけじゃないような。
引っ張ってますが、とりあえずこれだけアップします。
アップしたあと、またゆっくり考えますね。
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