ひとつクリア
非日常的な日常
雪が降っていた。
辺り一面を真っ白にして、それでもまだ降り続けていた。
空から溢れて零れ落ちるように降りしきる雪は、建物や道路、木々だけじゃなく空気まで真っ白にしていた。
雪は、感覚に一枚ベールを掛けたように、視界がぼやけ雑踏もかき消すほどに真っ白くしていた。
こんな日にデート。
傘が好きじゃない那智さんは当然持って来ていない。
私も雪が嬉しくて、差すのを止めてしまった。
ダウンジャケットのフードを被り、もうそれでいいわ。
ぎゅっぎゅっと雪を踏む感触を楽しんで、ジャケットに雪が積もって行くことを喜んでいた。
フードを被ると、余計に雑踏が遮断される。
自分の息づかいや声が響いて、街の音は遠くに聞こえる。
でも、なんだかしんしんと雪の降る音だけは聞こえてくるようで不思議。
受付で入場料を支払って門をくぐると、広い敷地が広がっていた。
すべてが真っ白で距離感が掴めず、一瞬目眩を起こしそうになる。
遠いようにも近いようにも感じる、不思議な距離の先に大きなお城がそびえ立っていた。
雪の白いフィルター越しに、漆黒の大きなお城が見える。
ぼんやりとしているから、輪郭がはっきりしないぶん迫力が増しているのだろうか、立ち止まるほど圧倒的な大迫力。
小さいころから、大きな物が怖かった。
変電所の鉄塔、停泊している客船。
怖いくせに、わざわざ近寄って下から見上げる。
ゾクゾクして胸が苦しくなるのに見ないではいられなかった。
その胸を掴まれるような苦しさとノスタルジーを、そのお城を見上げながら感じていた。
そのお城での出来事の前のお話です(すごい引っ張っちゃった^^;)
お城のお話「あ〜れ〜」な出来事は次に書きますね。
凄い雪が降っているから、当然人影はまばら。
でも、ゼロじゃないから困るのよね。
こういうお外で那智さんが何もしないわけないでしょう。
人が少ないなら、尚更可能性は高い。
それならいっそ誰もいないといいのだけど。
こんな日にお城見学なんてしなくてもいいのに(私たちも!!)
男子トイレの様子を伺っている。
今日私を可愛がってくれるのは、トイレなのね。
以前付き合っていた女の子を遊園地のトイレで抱いたことがあるという話は聞いていて、私はそれをしてもらったことがないとすねたことがある。(9/8『独特な幸福感』の『目の毒』に書いてあります)
それをしたいのではなくて、それを私にしようと思ってくれないことが嫌なんだって。
実際同じ場所に行き、団体客がトイレの前を通り過ぎたりちょうど人の出入りがあったりで、那智さん的には「また今度〜」みたいなときはあった。
そのときに「それを押してでもやる気力と勇気がないのね!!」なんて生意気を言って、そのあと酷い仕打ちをされたこともある(笑)
別に、トイレで抱いてほしいわかじゃないけど(強調^^)、その無意味な嫉妬から解放できそうで「トイレで抱く」は私の中ではひとつのクリアポイントになっていたの。
だから、那智さんがトイレをチェックしているとき、クリアできる安堵感もなくはなかった。
それでも、やっぱり、勇気がいる。
誰か来るかもしれない。
危険はもちろんのこと、きっと普通じゃない気配を察して「?」っとなるはず。
関係ない人の心を揺らしたくないから、ごめんなさいと思ってしまうことは避けたいなと、いつも思うのだ。
それだけを考えても勇気がいる。
それなのに付いて行ってしまうのは、喜びが上回ることを知っているから。
観光地のトイレだから、清掃はされているけど、なんていうのかな古い観光地のお手洗いという感じ。
男性の小のトイレが2個並び、個室は奥に一個だけ。
個室のドアを閉めて「誰か来たら具合の悪い振りするんだよ」とレクチャー。
怖いよ〜、誰も来ないでくださいね。
とてもドキドキしている。
和式の便器の左右に別れるように立っていると、那智さんがズボンのファスナーを下ろした。
なるべく便器に付かないようにしゃがんで、便器越しにくわえる。
ヒヤヒヤしているけれど、嬉しくてお口にくわえる。
那智さんがカメラを取り出して「こっち向いて」と言う。
くわえながら上目遣いに見上げる。
カメラのフレームには私と便器が映っているはずだ。
この堕ちていく感じが嬉しい。
口から抜き、後ろ向きに立たされる。
スカートをたくし上げて下着を下ろす。
雪が降るくらいだから寒いはずなのでしょうけれど、その感覚はまったくなくなっているみたい、記憶にない。
後ろから抱かれる。
トイレのタイルに頬をつけ、気持ち良くて、もっと堕ちていく感覚。
那智さんに私をガシッと鷲掴みにされて、泥沼に落とされてぐちゃぐちゃになってしまったみたいで嬉しい。
可愛がられること、気持ち良くされること、愛されること、痛くされること、落とされること、どれも同じだ。
あなたのものということだ。
肉体的にも精神的にも酷さが増すと、よりあなたのものと思えてしまうのだ。
声は出せないから、我慢しているつもりだけど、もう自信がなくなってしまっている。
多分、ダメなら那智さんが制してくれるから、もうそれまでは泥沼でぐちゃぐちゃになっています。
全部終わって、ぐちゃぐちゃから引き上げてもらって、個室から出ようとしたら、人が入ってくる気配がした!!
わあ、どうしよう!!
那智さんもしまったって顔している。
もう少しで出るところだったのに、タイミング悪くて悔しそう。
しばらく気配を伺っているけど、入ってきた感じはしたけど、それから何も気配がない。
諦めた那智さんが「具合の悪いフリね。」と小声で言って、出ようとしている。
怖いけど、もう途中から那智さんに任せてしまっているから、付いていくしかないの。
何かあったら、那智さんがなんとかしてくれる。
大げさだけど命を懸けても守ってくれると思っている。
だから、従える。
ドアを開けたら、誰もいなかった(チャンチャン♪)
出ていく気配に気付かなかったのか、そもそも勘違いなのか。
問題が起こらなくて、ホッとした。
他の子にしたことを、いっぱい私にしてくださいね(もう私にだけしていることのほうが多いのはわかっているけど、まだ言う)
ひとつクリアできたから、怖かったけど嬉しい。
そして、またちゃんと委ねられたという自分勝手な満足感も味わっていた。
雪が降っていた。
辺り一面を真っ白にして、それでもまだ降り続けていた。
空から溢れて零れ落ちるように降りしきる雪は、建物や道路、木々だけじゃなく空気まで真っ白にしていた。
雪は、感覚に一枚ベールを掛けたように、視界がぼやけ雑踏もかき消すほどに真っ白くしていた。
こんな日にデート。
傘が好きじゃない那智さんは当然持って来ていない。
私も雪が嬉しくて、差すのを止めてしまった。
ダウンジャケットのフードを被り、もうそれでいいわ。
ぎゅっぎゅっと雪を踏む感触を楽しんで、ジャケットに雪が積もって行くことを喜んでいた。
フードを被ると、余計に雑踏が遮断される。
自分の息づかいや声が響いて、街の音は遠くに聞こえる。
でも、なんだかしんしんと雪の降る音だけは聞こえてくるようで不思議。
受付で入場料を支払って門をくぐると、広い敷地が広がっていた。
すべてが真っ白で距離感が掴めず、一瞬目眩を起こしそうになる。
遠いようにも近いようにも感じる、不思議な距離の先に大きなお城がそびえ立っていた。
雪の白いフィルター越しに、漆黒の大きなお城が見える。
ぼんやりとしているから、輪郭がはっきりしないぶん迫力が増しているのだろうか、立ち止まるほど圧倒的な大迫力。
小さいころから、大きな物が怖かった。
変電所の鉄塔、停泊している客船。
怖いくせに、わざわざ近寄って下から見上げる。
ゾクゾクして胸が苦しくなるのに見ないではいられなかった。
その胸を掴まれるような苦しさとノスタルジーを、そのお城を見上げながら感じていた。
そのお城での出来事の前のお話です(すごい引っ張っちゃった^^;)
お城のお話「あ〜れ〜」な出来事は次に書きますね。
凄い雪が降っているから、当然人影はまばら。
でも、ゼロじゃないから困るのよね。
こういうお外で那智さんが何もしないわけないでしょう。
人が少ないなら、尚更可能性は高い。
それならいっそ誰もいないといいのだけど。
こんな日にお城見学なんてしなくてもいいのに(私たちも!!)
男子トイレの様子を伺っている。
今日私を可愛がってくれるのは、トイレなのね。
以前付き合っていた女の子を遊園地のトイレで抱いたことがあるという話は聞いていて、私はそれをしてもらったことがないとすねたことがある。(9/8『独特な幸福感』の『目の毒』に書いてあります)
それをしたいのではなくて、それを私にしようと思ってくれないことが嫌なんだって。
実際同じ場所に行き、団体客がトイレの前を通り過ぎたりちょうど人の出入りがあったりで、那智さん的には「また今度〜」みたいなときはあった。
そのときに「それを押してでもやる気力と勇気がないのね!!」なんて生意気を言って、そのあと酷い仕打ちをされたこともある(笑)
別に、トイレで抱いてほしいわかじゃないけど(強調^^)、その無意味な嫉妬から解放できそうで「トイレで抱く」は私の中ではひとつのクリアポイントになっていたの。
だから、那智さんがトイレをチェックしているとき、クリアできる安堵感もなくはなかった。
それでも、やっぱり、勇気がいる。
誰か来るかもしれない。
危険はもちろんのこと、きっと普通じゃない気配を察して「?」っとなるはず。
関係ない人の心を揺らしたくないから、ごめんなさいと思ってしまうことは避けたいなと、いつも思うのだ。
それだけを考えても勇気がいる。
それなのに付いて行ってしまうのは、喜びが上回ることを知っているから。
観光地のトイレだから、清掃はされているけど、なんていうのかな古い観光地のお手洗いという感じ。
男性の小のトイレが2個並び、個室は奥に一個だけ。
個室のドアを閉めて「誰か来たら具合の悪い振りするんだよ」とレクチャー。
怖いよ〜、誰も来ないでくださいね。
とてもドキドキしている。
和式の便器の左右に別れるように立っていると、那智さんがズボンのファスナーを下ろした。
なるべく便器に付かないようにしゃがんで、便器越しにくわえる。
ヒヤヒヤしているけれど、嬉しくてお口にくわえる。
那智さんがカメラを取り出して「こっち向いて」と言う。
くわえながら上目遣いに見上げる。
カメラのフレームには私と便器が映っているはずだ。
この堕ちていく感じが嬉しい。
口から抜き、後ろ向きに立たされる。
スカートをたくし上げて下着を下ろす。
雪が降るくらいだから寒いはずなのでしょうけれど、その感覚はまったくなくなっているみたい、記憶にない。
後ろから抱かれる。
トイレのタイルに頬をつけ、気持ち良くて、もっと堕ちていく感覚。
那智さんに私をガシッと鷲掴みにされて、泥沼に落とされてぐちゃぐちゃになってしまったみたいで嬉しい。
可愛がられること、気持ち良くされること、愛されること、痛くされること、落とされること、どれも同じだ。
あなたのものということだ。
肉体的にも精神的にも酷さが増すと、よりあなたのものと思えてしまうのだ。
声は出せないから、我慢しているつもりだけど、もう自信がなくなってしまっている。
多分、ダメなら那智さんが制してくれるから、もうそれまでは泥沼でぐちゃぐちゃになっています。
全部終わって、ぐちゃぐちゃから引き上げてもらって、個室から出ようとしたら、人が入ってくる気配がした!!
わあ、どうしよう!!
那智さんもしまったって顔している。
もう少しで出るところだったのに、タイミング悪くて悔しそう。
しばらく気配を伺っているけど、入ってきた感じはしたけど、それから何も気配がない。
諦めた那智さんが「具合の悪いフリね。」と小声で言って、出ようとしている。
怖いけど、もう途中から那智さんに任せてしまっているから、付いていくしかないの。
何かあったら、那智さんがなんとかしてくれる。
大げさだけど命を懸けても守ってくれると思っている。
だから、従える。
ドアを開けたら、誰もいなかった(チャンチャン♪)
出ていく気配に気付かなかったのか、そもそも勘違いなのか。
問題が起こらなくて、ホッとした。
他の子にしたことを、いっぱい私にしてくださいね(もう私にだけしていることのほうが多いのはわかっているけど、まだ言う)
ひとつクリアできたから、怖かったけど嬉しい。
そして、またちゃんと委ねられたという自分勝手な満足感も味わっていた。
COMMENT
私は夜中の公園のトイレで抱いて貰った事があって、その時の事を思い出しちゃいました(#^.^#)
まだ自分のM性をハッキリと自覚する前。
思えばあの頃から既に、全てを相手に委ねてしまえる事に焦がれてたんだなあって。
ふふふっ^^
まだ自分のM性をハッキリと自覚する前。
思えばあの頃から既に、全てを相手に委ねてしまえる事に焦がれてたんだなあって。
ふふふっ^^
ああ、うん、わかる気がします。
このエントリーとか夜中のトイレとか、スリルや背徳感が刺激になるということもあるのだけど、じつは『相手に委ねられる』ということが大きなポイントなのかもしれませんね。
人によって快感や求めるポイントはあると思うけど、めいさんはSM的行為の中で相手に委ねるということを求められているのかな。
きっと、わたしもそういう部分はあるなって感じました^^
このエントリーとか夜中のトイレとか、スリルや背徳感が刺激になるということもあるのだけど、じつは『相手に委ねられる』ということが大きなポイントなのかもしれませんね。
人によって快感や求めるポイントはあると思うけど、めいさんはSM的行為の中で相手に委ねるということを求められているのかな。
きっと、わたしもそういう部分はあるなって感じました^^