境い目なし
非日常的な日常
那智さんが用事をすまされてからだったから、通常の朝イチの待ち合わせよりすこし遅めの待ち合わせ。
ホテルのサービスタイムの時間を考慮したらしばらく時間があった。
プチ断食ダイエットの翌日の会う日は、ふたりともちょっぴりタガが外れている(笑)
いつもなら軽くうどんくらいで済ませるものを、前日空腹に耐えながら見てしまったグルメ番組で紹介されていたファーストフード店にどうしても行きたいとわたしが言い出し、早めのランチはジャンクフード。
探し物があったからお付き合いいただいて、しばらくウィンドウショッピング(←キレイな色の和柄の手ぬぐい見てきゃあきゃあ)
今日は時間があるからお散歩ということになっていたけど、とくに行き先は決まっておらず、ショッピングが終わったら、那智さんスマホでマップの画面を開き
じゃあ、これを見て行って^^
なんと、ミステリーツアーを企画してくれた!
時間があるから遠くは行かないよ
でも、近所でもこうして行ったらおもしろいだろ(笑)
行き先を知っている那智さんだけど、地図を見ながら歩くわたしに付き合ってくれながら、どことなく間違ってしまわないように誘導してくれてるものわかる。
地図の反応がイマイチで思った感じになってくれないことと、あまりの『遊んでもらっている』感じに、めずらしくテレてしまって、ちょっと反応がよろしくなかったといま思って反省。
那智さん、素直に大はしゃぎできなくてごめんなさい、また、遊んでくださいね。
到着したのは小さな公園。
暖かな日差しの中池の周りのベンチに腰かけるも池にわたしの苦手なカメがいて怖がってばかり(ごめんなさい!)
だから、せっかく連れて来てもらったけど長居せずに公園を後にした。
また別のショップに立ち寄り、そろそろいい時間になったのでいつものホテルに向かうことにした。
ショップからホテルに向かう道すがらに百貨店がある。
普通なら百貨店を迂回するように一般道を歩くと思うのだけど、那智さん、百貨店に入っていった。
どうやら、ショートカットするおつもり?
正面玄関から入り、ほとんどなんの疑問も持たず、ついていく。
平日のお昼の百貨店。
お客はまばら、でも、ゼロじゃない、店員の数と同じくらいだ。
穏やかな、でも、店員のさりげない視線を感じながら華やかな化粧品売り場やブランドショップを通り抜ける。
もうすぐ反対側の出口。
この先には別の施設があるから、扉の外は一般道ではなく施設に抜ける通路が広場のようになっている。
施設に行く人は比較的多く、もしかしたら百貨店内より人の数は多いかもしれない。
扉の手前、那智さんが立ち止まった。
扉の向こうの人の往来を、当然、自分もそこに行くものだと無意識に思いながら足を進めていたので、一瞬事態が把握できず、思わず半歩先を歩く那智さんにぶつかってしまうほどだった。
体が触れたと同時に、那智さんがわたしのバッグに手をかけているのがわかった。
あ
もしかして?
おすわり
わんこ、ですね。
ものすごくひさしぶりのわんこだ。
漠然と、もうわんこはしないのかなと感じていたから、ああ、不思議な安堵だ。
『SMをしなくなったら』にあるように、那智さんにとってSM的行為とその他の愛情表現に区別がないということは、基本的にやらなくなることはないのだ。
流行があったり、飽きないためにわざとやらなかったりはあっても、好きな女と手を繋ぐ幸福はいつまでもなくならないのと同じように、やらなくなるということはないのだ。
たまたまやってないな〜という状態のまま人生のタイムリミットが来て結果的にやらないということはあったとしてもね^^(やらなくなるとしたら、可愛がる全部ですね^^;)
だから、わんこはやらないかもと漠然と思うと平行して、那智さんのことだから、そのうちやるかもとも感じていたから、その想像が当たった安堵だ。
戸惑い体を硬くする。
百貨店の静かなBGMとまばらな靴音。
コツコツと響く靴音が何人分くらいでどれくらいの距離から聞こえているのか背中越しに計ろうとする。
おすわり(笑)
穏やかに指示。
はい
計るのはやめた。
聞こえているものを無音にすることはできない。
だけど、いま、那智さんの指示に従い、那智さんの足下に四つん這いになることがわたしの幸福のもとになすべきことだと、もう、ほとんど疑いなく思える。
そして、動ける。
バッグを那智さんに持ってもらい。
そのまま体を低くして両手を床につける。
膝の位置をすこし後ろにずらし、お尻をきちんと上げる。
床と体が平行になるように、那智さんお気に入りの四つん這い。
どうか、靴音が遠いままでありますように。
どうか、何かを拾っているみたいに見えますように。
那智さんの手が首筋を撫でる。
恥ずかしさや申し訳なさが依然なくならない状態にも関わらず、ほとんどためらいなく心と体は動けることが、すこし誇らしい。
幸福が恥ずかしさと申し訳なさを凌駕する。
時間にしたら20秒か。
撫でていた手がトントンと合図をして、『あなたのもの』のわんこはおしまい。
那智さん、わんこになれて幸せでした。
ありがとうございます。
会ってから、お買い物やランチ、お散歩、そしてわんこ。
もちろん、精神的な緊張や負担、同じように幸福度合いは違うけど、どれも特別なことではない日常であることが、不思議であり、わたしたちらしいなと、ちょっとうれしい^^
扉を出て、さっき視界にあった景色の中に自分を溶け込ませる。
人々の心を波立たせていないか慎重に、静かに。
内に秘めたわんこの幸福と高揚が那智さんに伝わってほしいと願うように腕を組んだ。
通路を抜け一般道に差しかかる手前の小さな広場のベンチ。
ここで、やる?(笑)
この目はお遊びの目。
いえいえ、人、たくさんいますし^^;
そう言いながらやんわりと歩き続けることを促す。
ベンチ見回す那智さん。
あ、パンツ、見そう(笑)
ミニスカートの女性を見ていう。
もー!!
せっかくわんこの幸福と高揚でほわほわしていて、それを抱えながらホテルに入ってまとわりつきたかったのにー!!
しかも、わたし、そういう冗談ぜんぜんダメなので、しゅーーーんと意気消沈。
那智さんったら、せっかくいい気分だったのにー(笑)
いいの、いいの、それも俺だから(笑)
どれも地続きで、那智さんとわたし^^
そんなふうにしてホテルに向かうのでした^^
<関連エントリー>
わんこ一気にまとめて
わんこ
「等式」感想です。「生きてます」(笑)感想に困るような何気ない雰囲気好きです、「境い目なし」のタイトルも何気なく。待てよ、ふつうはこの出来事が何気ないくないことに気が付きました。(笑)
那智さんが用事をすまされてからだったから、通常の朝イチの待ち合わせよりすこし遅めの待ち合わせ。
ホテルのサービスタイムの時間を考慮したらしばらく時間があった。
プチ断食ダイエットの翌日の会う日は、ふたりともちょっぴりタガが外れている(笑)
いつもなら軽くうどんくらいで済ませるものを、前日空腹に耐えながら見てしまったグルメ番組で紹介されていたファーストフード店にどうしても行きたいとわたしが言い出し、早めのランチはジャンクフード。
探し物があったからお付き合いいただいて、しばらくウィンドウショッピング(←キレイな色の和柄の手ぬぐい見てきゃあきゃあ)
今日は時間があるからお散歩ということになっていたけど、とくに行き先は決まっておらず、ショッピングが終わったら、那智さんスマホでマップの画面を開き
じゃあ、これを見て行って^^
なんと、ミステリーツアーを企画してくれた!
時間があるから遠くは行かないよ
でも、近所でもこうして行ったらおもしろいだろ(笑)
行き先を知っている那智さんだけど、地図を見ながら歩くわたしに付き合ってくれながら、どことなく間違ってしまわないように誘導してくれてるものわかる。
地図の反応がイマイチで思った感じになってくれないことと、あまりの『遊んでもらっている』感じに、めずらしくテレてしまって、ちょっと反応がよろしくなかったといま思って反省。
那智さん、素直に大はしゃぎできなくてごめんなさい、また、遊んでくださいね。
到着したのは小さな公園。
暖かな日差しの中池の周りのベンチに腰かけるも池にわたしの苦手なカメがいて怖がってばかり(ごめんなさい!)
だから、せっかく連れて来てもらったけど長居せずに公園を後にした。
また別のショップに立ち寄り、そろそろいい時間になったのでいつものホテルに向かうことにした。
ショップからホテルに向かう道すがらに百貨店がある。
普通なら百貨店を迂回するように一般道を歩くと思うのだけど、那智さん、百貨店に入っていった。
どうやら、ショートカットするおつもり?
正面玄関から入り、ほとんどなんの疑問も持たず、ついていく。
平日のお昼の百貨店。
お客はまばら、でも、ゼロじゃない、店員の数と同じくらいだ。
穏やかな、でも、店員のさりげない視線を感じながら華やかな化粧品売り場やブランドショップを通り抜ける。
もうすぐ反対側の出口。
この先には別の施設があるから、扉の外は一般道ではなく施設に抜ける通路が広場のようになっている。
施設に行く人は比較的多く、もしかしたら百貨店内より人の数は多いかもしれない。
扉の手前、那智さんが立ち止まった。
扉の向こうの人の往来を、当然、自分もそこに行くものだと無意識に思いながら足を進めていたので、一瞬事態が把握できず、思わず半歩先を歩く那智さんにぶつかってしまうほどだった。
体が触れたと同時に、那智さんがわたしのバッグに手をかけているのがわかった。
あ
もしかして?
おすわり
わんこ、ですね。
ものすごくひさしぶりのわんこだ。
漠然と、もうわんこはしないのかなと感じていたから、ああ、不思議な安堵だ。
『SMをしなくなったら』にあるように、那智さんにとってSM的行為とその他の愛情表現に区別がないということは、基本的にやらなくなることはないのだ。
流行があったり、飽きないためにわざとやらなかったりはあっても、好きな女と手を繋ぐ幸福はいつまでもなくならないのと同じように、やらなくなるということはないのだ。
たまたまやってないな〜という状態のまま人生のタイムリミットが来て結果的にやらないということはあったとしてもね^^(やらなくなるとしたら、可愛がる全部ですね^^;)
だから、わんこはやらないかもと漠然と思うと平行して、那智さんのことだから、そのうちやるかもとも感じていたから、その想像が当たった安堵だ。
戸惑い体を硬くする。
百貨店の静かなBGMとまばらな靴音。
コツコツと響く靴音が何人分くらいでどれくらいの距離から聞こえているのか背中越しに計ろうとする。
おすわり(笑)
穏やかに指示。
はい
計るのはやめた。
聞こえているものを無音にすることはできない。
だけど、いま、那智さんの指示に従い、那智さんの足下に四つん這いになることがわたしの幸福のもとになすべきことだと、もう、ほとんど疑いなく思える。
そして、動ける。
バッグを那智さんに持ってもらい。
そのまま体を低くして両手を床につける。
膝の位置をすこし後ろにずらし、お尻をきちんと上げる。
床と体が平行になるように、那智さんお気に入りの四つん這い。
どうか、靴音が遠いままでありますように。
どうか、何かを拾っているみたいに見えますように。
那智さんの手が首筋を撫でる。
恥ずかしさや申し訳なさが依然なくならない状態にも関わらず、ほとんどためらいなく心と体は動けることが、すこし誇らしい。
幸福が恥ずかしさと申し訳なさを凌駕する。
時間にしたら20秒か。
撫でていた手がトントンと合図をして、『あなたのもの』のわんこはおしまい。
那智さん、わんこになれて幸せでした。
ありがとうございます。
会ってから、お買い物やランチ、お散歩、そしてわんこ。
もちろん、精神的な緊張や負担、同じように幸福度合いは違うけど、どれも特別なことではない日常であることが、不思議であり、わたしたちらしいなと、ちょっとうれしい^^
扉を出て、さっき視界にあった景色の中に自分を溶け込ませる。
人々の心を波立たせていないか慎重に、静かに。
内に秘めたわんこの幸福と高揚が那智さんに伝わってほしいと願うように腕を組んだ。
通路を抜け一般道に差しかかる手前の小さな広場のベンチ。
ここで、やる?(笑)
この目はお遊びの目。
いえいえ、人、たくさんいますし^^;
そう言いながらやんわりと歩き続けることを促す。
ベンチ見回す那智さん。
あ、パンツ、見そう(笑)
ミニスカートの女性を見ていう。
もー!!
せっかくわんこの幸福と高揚でほわほわしていて、それを抱えながらホテルに入ってまとわりつきたかったのにー!!
しかも、わたし、そういう冗談ぜんぜんダメなので、しゅーーーんと意気消沈。
那智さんったら、せっかくいい気分だったのにー(笑)
いいの、いいの、それも俺だから(笑)
どれも地続きで、那智さんとわたし^^
そんなふうにしてホテルに向かうのでした^^
<関連エントリー>
わんこ一気にまとめて
わんこ
「等式」感想です。「生きてます」(笑)感想に困るような何気ない雰囲気好きです、「境い目なし」のタイトルも何気なく。待てよ、ふつうはこの出来事が何気ないくないことに気が付きました。(笑)
COMMENT
。。。 解ったぞ プチ断食の意味が(笑)
ダイエットをお尻に付けてるけどダイエットの意味はナイでしょ本当は
追い込んで楽しんでるダケなんだとわたしは理解するw Mだねぇww
だってダイエットにならないもん ずぇったい(笑)
ダイエットをお尻に付けてるけどダイエットの意味はナイでしょ本当は
追い込んで楽しんでるダケなんだとわたしは理解するw Mだねぇww
だってダイエットにならないもん ずぇったい(笑)
ゆう。さん
あはは〜^^;
そういうことにしておいて〜(笑)
体重変わってないからね〜(笑)
あー、お腹空いたよ〜(今日はその日!!)
あはは〜^^;
そういうことにしておいて〜(笑)
体重変わってないからね〜(笑)
あー、お腹空いたよ〜(今日はその日!!)