普通のひとで愛し合おう11
12月はお仕事が忙しいこともあったので、できるだけお手伝いと称して会うようにもした。
とにかく那智さんの心が少しでも軽くなることならやれることはやろうと思っていた。
こんな提案もした。
なんでもいいから、わたしの代用を作るのだ。
まあ、手っ取り早くぬいぐるみなんていい。
わたしの不在の強迫観念を和らげるためなら、ぬいぐるみだろうがなんだろうがかまわない。
お休みの日にショップを巡る。
やっぱり犬ですかね~
クマも可愛いけど
自分の心のせいでぬいぐるみを選ぶなんて、少し前の那智さんだったら到底あり得ないことだっただろう。
「俺、情けないな」と苦しそうに笑う那智さん。
わたしのフェミはこれですよ(笑)
中年男性がぬいぐるみ買ったっていいじゃないですか!?
心が軽くなるならば。
男も女も大人も子どもも関係ない。
このときほど、わたし自身の感覚に『男のくせに』とか『女なんだから』という感覚が少なくてよかったと感じたことはないし、きっと那智さんもわたしのフェミで救われたはずだ(ね~、那智さん^^)
お休みの日のはしっくりくるのが見つけられなかった。
その週の金曜日にも夜お仕事帰りに会いにいった。
あのころは週末は那智さんにとって鬼門だった。
酒量も増えりん子不在に絶望的に心が塞ぐのだ。
それを前にした金曜日から、すでにその兆候は現れる。
だから、できるだけ金曜日の夜は会うようにしていた。
それでも、別れ際に落ち込む様子に、心が痛い、どうか、この週末も生き延びてと毎週必死な気持ちで会いに行っていた。
お仕事場の近くのショップも覗いてみる。
おお、ちょうどいいわんこのぬいぐるみ!
大きすぎず小さすぎず、触り心地も抱き心地もよい。
那智さんも気に入ってくれたので即買い決定^^
もちろんわたしがレジに並ぶ(那智さん、恥ずかしいもんね)
名前は『りん子』だ。
会計を済ませて、そのまま渡そうかと思ったけど、あることを思いついた。
トイレに寄ります
そういって『りん子』を持ってトイレに向かった。
あれは那智さんと出会って半年もしないうちのこと、わたしは子宮に陽性の腫瘍ができて手術することになった。
手術前に会ったときに那智さんが「ちょっと待ってて」とトイレに立ち、自分の下半身の毛をハサミで切って渡してくれた。
そのときは、これはおふざけ?とちょっと訝しくも思ったけれど、あれは那智さんなりの優しさであると時間が経つほど理解できるようになっていった。
わたしたちにとって心も体も両方大事、性はふたりにとって欠かせないことのひとつであることを照れやプライドとは違う次元で素直に認めることができてからは、おちんちんの毛も愛情の証だと思える。
じつは『戦地に赴く夫に自分の髪の毛を切って渡す』みたいな逸話をなぞったものでもあったと後日聞いた。
わたしのできることをすべてやろう。
あのとき、那智さんがしてくれた優しさと同じように。
毛を埋め込むことはできない。
個室に入り、下着を下ろす。
わたしは買ったばかりのぬいぐるみをおまんこに押し当てた。
何をやっているのだろうと思わなくもないけど、そんなことはどうでもよかった。
那智さんの心が少しでも安らげるためなら、なんでもする。
お願い『りん子』、わたしがそばにいられない時間、あなたが那智さんを安心させて
わたしは魂をこめるように、ぬいぐるみを股間に押し当てるというなんとも不謹慎で情けない姿で祈っていた。
<関連エントリー>
わたしのフェミ(いろいろ書いているけど、今回のことに近いのをひとつ)
ある日の記録6
とにかく那智さんの心が少しでも軽くなることならやれることはやろうと思っていた。
こんな提案もした。
なんでもいいから、わたしの代用を作るのだ。
まあ、手っ取り早くぬいぐるみなんていい。
わたしの不在の強迫観念を和らげるためなら、ぬいぐるみだろうがなんだろうがかまわない。
お休みの日にショップを巡る。
やっぱり犬ですかね~
クマも可愛いけど
自分の心のせいでぬいぐるみを選ぶなんて、少し前の那智さんだったら到底あり得ないことだっただろう。
「俺、情けないな」と苦しそうに笑う那智さん。
わたしのフェミはこれですよ(笑)
中年男性がぬいぐるみ買ったっていいじゃないですか!?
心が軽くなるならば。
男も女も大人も子どもも関係ない。
このときほど、わたし自身の感覚に『男のくせに』とか『女なんだから』という感覚が少なくてよかったと感じたことはないし、きっと那智さんもわたしのフェミで救われたはずだ(ね~、那智さん^^)
お休みの日のはしっくりくるのが見つけられなかった。
その週の金曜日にも夜お仕事帰りに会いにいった。
あのころは週末は那智さんにとって鬼門だった。
酒量も増えりん子不在に絶望的に心が塞ぐのだ。
それを前にした金曜日から、すでにその兆候は現れる。
だから、できるだけ金曜日の夜は会うようにしていた。
それでも、別れ際に落ち込む様子に、心が痛い、どうか、この週末も生き延びてと毎週必死な気持ちで会いに行っていた。
お仕事場の近くのショップも覗いてみる。
おお、ちょうどいいわんこのぬいぐるみ!
大きすぎず小さすぎず、触り心地も抱き心地もよい。
那智さんも気に入ってくれたので即買い決定^^
もちろんわたしがレジに並ぶ(那智さん、恥ずかしいもんね)
名前は『りん子』だ。
会計を済ませて、そのまま渡そうかと思ったけど、あることを思いついた。
トイレに寄ります
そういって『りん子』を持ってトイレに向かった。
あれは那智さんと出会って半年もしないうちのこと、わたしは子宮に陽性の腫瘍ができて手術することになった。
手術前に会ったときに那智さんが「ちょっと待ってて」とトイレに立ち、自分の下半身の毛をハサミで切って渡してくれた。
そのときは、これはおふざけ?とちょっと訝しくも思ったけれど、あれは那智さんなりの優しさであると時間が経つほど理解できるようになっていった。
わたしたちにとって心も体も両方大事、性はふたりにとって欠かせないことのひとつであることを照れやプライドとは違う次元で素直に認めることができてからは、おちんちんの毛も愛情の証だと思える。
じつは『戦地に赴く夫に自分の髪の毛を切って渡す』みたいな逸話をなぞったものでもあったと後日聞いた。
わたしのできることをすべてやろう。
あのとき、那智さんがしてくれた優しさと同じように。
毛を埋め込むことはできない。
個室に入り、下着を下ろす。
わたしは買ったばかりのぬいぐるみをおまんこに押し当てた。
何をやっているのだろうと思わなくもないけど、そんなことはどうでもよかった。
那智さんの心が少しでも安らげるためなら、なんでもする。
お願い『りん子』、わたしがそばにいられない時間、あなたが那智さんを安心させて
わたしは魂をこめるように、ぬいぐるみを股間に押し当てるというなんとも不謹慎で情けない姿で祈っていた。
<関連エントリー>
わたしのフェミ(いろいろ書いているけど、今回のことに近いのをひとつ)
ある日の記録6
- 関連記事
-
- 普通のひとで愛し合おう30 2019/06/15
- 普通のひとで愛し合おう27 2019/06/09
- 普通のひとで愛し合おう8 2019/05/02