価値観を刷新せよ
独特な幸福感
はからずもビッグサプライズになった浴衣でお迎え。
あらためて、いま来た道を戻り、わたしの地元のほうに向かう。
早めの夕方の電車はラッシュというほどではないけれど、それなりに混んでいた。
ふたりで並んでつり革につかまり、途中で那智さんの前のひとが降りたらわたしを座らせてくれた。
鞄預かりますか?
と聞くと、「大丈夫」とそれまで手に持っていた鞄をご自分の足の間に置いた。
わたしが座ることで遠慮なく足下に置けるのだろう。
膝と膝がぶつかる距離で、那智さんはわたしを見下ろし、わたしは那智さんを見上げる。
皆さん黙って電車に揺られているのを邪魔しないように、でも、楽しく他愛ない話をする。
用事を済ませて、今日の夕飯はカレー。
白い浴衣にカレーなんて恐ろしい選択だけど、楽しみにしていたから、垂らさないようにしなくちゃ。
カレー屋に向かう途中、浴衣を着た若いお嬢さんとすれ違った。
ちょっと派手めなヘアアレンジしていたし、向かった先の様子から飲み屋のお嬢さんらしかった。
小柄で華やかな浴衣姿は若いからこその魅力だな。
浴衣への拭い去れないコンプレックスは、どうしても、ちょっと卑屈に考えちゃう^^;
カレーをおいしくいただきながら、那智さん浴衣よろこんでくれているかなと、つい聞いてしまう。
那智さん、浴衣気にっていただけてます?
もちろん
ちょっと甘える(でも、本当の気持ち)。
でも、さっきすれ違ったみたいな若いお嬢さんのほうが、いまどきは『良い』という印象を与えると思いませんか?
(そもそも那智さんはその女性に気づいていなかったけど)
そんなことないよ
と、電車の中で感じたことを話してくれた。
いい年してるけど(笑)、浴衣を着たいい女と楽しそうに話しているのってさ、周りからしたらいいなって思うんじゃないかなって、電車で思ってたんだよ
わあ、うれしいことを!!
そんなふうに思っていたのね^^
たしかに、男女って関係が近くなるほど仲良さそうに見えないことが多いから、この年で、この親密さで、仲良くしていられることはしあわせだよね。
いい年してますけどね〜
昔は、40すぎたら、抱けないかもって思っていたのにね
照れかくしにつっこむ(笑)
そうだね〜
あの頃(出会った当初、那智さん40ちょっと)の価値観は10代のものだったんだよな
へえ。
なるほど。
10代の思春期まっさかりの那智さんからしたら、そりゃあ、親と同じくらいの年齢の女性なんて『抱けない』と思ってもしかたない。
そして、おもしろいことに、それを40過ぎまで引きずるもののようなのだ。
まあ、いかに思春期の性が重要かってことかな^^;
だから、出会った当初の『40すぎたら…』の発言になったのですね。
ところが、わたしが40をすぎ、まもなく50になるというのに、まだそのエネルギーがなくなることはなく、いまのりん子をいい女だと思えて、シワシワのおばあちゃんになっても可愛がれる想像までできるようになっていった那智さん。
これって、すごく幸せなことじゃないだろうか。
ひとは、変われるし、変われない。
どうしても譲れないものはあるかもしれないけど、もともとあった価値観が変わることで新しい道が開けたり、知らないものを得られることもある。
那智さんは『40すぎたら…』という10代から引きずっていた価値観がいつのまにか変わっていた。
価値観を刷新するのだ。
価値観を自然に刷新していかれることは、きっと幸福なことだ。
だって、自分も相手も環境も刻一刻と変わっているのだもの、それに合った形にバージョンアップしていかれるほうがいい。
それを自然にできる相手は貴重な存在だ。
わたしにとって那智さんがそうだったように、那智さんにとってもわたしがそうだったとしたら、こんなうれしいことはない。
だって、おばあちゃんになっても可愛がってもらえそうなんだもの(笑)
世のご主人様にお伝え申し上げたい(笑)
好きなのはわかるけど、『主従とは』『ご主人様とは』と凝り固まってないで、ご自分の価値観を刷新していくこと、していかれる相手と育むこと、けっこう幸せですよ、って^^
那智さんのように、新しい価値観で女を抱ける幅が広がるかもしれませんよ^^
「等式」感想です。確かに10 代20代の価値観で40代の女性を見たら難しい部分がある。自分の時計だけ止まっている感覚を完全に否定したら新しい世界が見えるとおもう。
はからずもビッグサプライズになった浴衣でお迎え。
あらためて、いま来た道を戻り、わたしの地元のほうに向かう。
早めの夕方の電車はラッシュというほどではないけれど、それなりに混んでいた。
ふたりで並んでつり革につかまり、途中で那智さんの前のひとが降りたらわたしを座らせてくれた。
鞄預かりますか?
と聞くと、「大丈夫」とそれまで手に持っていた鞄をご自分の足の間に置いた。
わたしが座ることで遠慮なく足下に置けるのだろう。
膝と膝がぶつかる距離で、那智さんはわたしを見下ろし、わたしは那智さんを見上げる。
皆さん黙って電車に揺られているのを邪魔しないように、でも、楽しく他愛ない話をする。
用事を済ませて、今日の夕飯はカレー。
白い浴衣にカレーなんて恐ろしい選択だけど、楽しみにしていたから、垂らさないようにしなくちゃ。
カレー屋に向かう途中、浴衣を着た若いお嬢さんとすれ違った。
ちょっと派手めなヘアアレンジしていたし、向かった先の様子から飲み屋のお嬢さんらしかった。
小柄で華やかな浴衣姿は若いからこその魅力だな。
浴衣への拭い去れないコンプレックスは、どうしても、ちょっと卑屈に考えちゃう^^;
カレーをおいしくいただきながら、那智さん浴衣よろこんでくれているかなと、つい聞いてしまう。
那智さん、浴衣気にっていただけてます?
もちろん
ちょっと甘える(でも、本当の気持ち)。
でも、さっきすれ違ったみたいな若いお嬢さんのほうが、いまどきは『良い』という印象を与えると思いませんか?
(そもそも那智さんはその女性に気づいていなかったけど)
そんなことないよ
と、電車の中で感じたことを話してくれた。
いい年してるけど(笑)、浴衣を着たいい女と楽しそうに話しているのってさ、周りからしたらいいなって思うんじゃないかなって、電車で思ってたんだよ
わあ、うれしいことを!!
そんなふうに思っていたのね^^
たしかに、男女って関係が近くなるほど仲良さそうに見えないことが多いから、この年で、この親密さで、仲良くしていられることはしあわせだよね。
いい年してますけどね〜
昔は、40すぎたら、抱けないかもって思っていたのにね
照れかくしにつっこむ(笑)
そうだね〜
あの頃(出会った当初、那智さん40ちょっと)の価値観は10代のものだったんだよな
へえ。
なるほど。
10代の思春期まっさかりの那智さんからしたら、そりゃあ、親と同じくらいの年齢の女性なんて『抱けない』と思ってもしかたない。
そして、おもしろいことに、それを40過ぎまで引きずるもののようなのだ。
まあ、いかに思春期の性が重要かってことかな^^;
だから、出会った当初の『40すぎたら…』の発言になったのですね。
ところが、わたしが40をすぎ、まもなく50になるというのに、まだそのエネルギーがなくなることはなく、いまのりん子をいい女だと思えて、シワシワのおばあちゃんになっても可愛がれる想像までできるようになっていった那智さん。
これって、すごく幸せなことじゃないだろうか。
ひとは、変われるし、変われない。
どうしても譲れないものはあるかもしれないけど、もともとあった価値観が変わることで新しい道が開けたり、知らないものを得られることもある。
那智さんは『40すぎたら…』という10代から引きずっていた価値観がいつのまにか変わっていた。
価値観を刷新するのだ。
価値観を自然に刷新していかれることは、きっと幸福なことだ。
だって、自分も相手も環境も刻一刻と変わっているのだもの、それに合った形にバージョンアップしていかれるほうがいい。
それを自然にできる相手は貴重な存在だ。
わたしにとって那智さんがそうだったように、那智さんにとってもわたしがそうだったとしたら、こんなうれしいことはない。
だって、おばあちゃんになっても可愛がってもらえそうなんだもの(笑)
世のご主人様にお伝え申し上げたい(笑)
好きなのはわかるけど、『主従とは』『ご主人様とは』と凝り固まってないで、ご自分の価値観を刷新していくこと、していかれる相手と育むこと、けっこう幸せですよ、って^^
那智さんのように、新しい価値観で女を抱ける幅が広がるかもしれませんよ^^
「等式」感想です。確かに10 代20代の価値観で40代の女性を見たら難しい部分がある。自分の時計だけ止まっている感覚を完全に否定したら新しい世界が見えるとおもう。