少数派?多数派?2
非日常的な日常
地下に続く階段を下りていくと、そこは私の知らない世界があった。
入り口に小さな受付カウンターがあって、その手前に「券売機」がある。
そこで券を買って、受付に出して中に入るのだ。
食堂の食券を買うみたい。
その場違いな佇まいと、システマチックな趣が、ここが「SMサロン」ではなく「ストリップ劇場」だと主張していて、身も蓋もない。
入り口の妙な色のネオンに見送られ、中に入っていく。
奥にステージがあって、そこから花道が延び、先端が大きめの円形のステージになっている。
その花道と円形のステージを囲むように椅子が並んでいる。
古い映画館と同じような、その椅子だが、気持ち斜め上に向けるように傾いている。
ストリップ劇場専用の特注椅子なのかしら。
すでに数人の男性が座っている。
やはり、円形のまわりが人気のよう。
ヒールの場違いな音に、一斉に振り向かれてしまう。
ああ、やっぱり目立つ(泣)
開演時間が近づいて、ポツポツとお客さんが増えていた。
当然、みんな単独の男性だ。
それにしても、昼間っから、みなさん欲望に忠実で驚いてしまう(すみません、私もですよね・・・)。
白髪交じりの年配の人もいるから、気持ち切ない。
ショーは何組かが、それぞれ15分くらいの休憩を挟んで30分ずつ行う。
踊り子さんの自縛、S男性の緊縛ショー、S女性のM調教などなど、色々ありましたが、特に凄いことをお話ししますから、ここでは踊り子さんの自縛ショー で、彼女が円形の先端に行き足を広げて、履いているストッキングを前列の男性たちに破らせるシーン、そのときの男の人たちの嬉々とした様子は、苦笑だけ ど、ちょっと微笑ましかったことだけお伝えして、流させていただきますね。
いくつめのショーだったか。(痛い話です。苦手な方お気を付けくださいね)
S女性とM女性が出てきた。
迷彩柄のボンテージに身を包んだS女性に、黒い下着のM女性。
中央に置かれた椅子にMが腰掛け、背もたれの後ろで、腕を縛られる。
ひとしきり胸を弄んだあとに、S女性が小さい箱を取り出した。
一瞬何に使うのかわからなかったが、その紙製の小さい箱に描かれたイラストがぼんやりと見えた瞬間、私は体を飛び上がらせ、さんの肩に顔をうずめて恐がった。
その箱には「安全ピン」が描かれていたのだ。
怪しげな視線を会場に向けてS女性が、箱から安全ピンを一本取った。
まさかと思って、恐る恐る顔を上げると、そのピンはM女性の太股を突き刺して留まっている。
信じられない、その子はほとんど表情を変えない。
次から次へと、安全ピンが増えていく(みたい)、もう恐くて痛くて見ていられない。
でも、顔を背けると、那智さんに「見なさい」とたしなめられるから、しかたなく顔を上げて、視線をM女性の足元にとどめるようにする。
だけど、やっぱり気になるから、そーっと見ると、脇腹や二の腕、乳首に乳房、休むことなく刺している。
チラッと見ては、恐くてうつむき、またたしなめられて顔を上げる。
これを何度か繰り返すうちに、那智さんの「見るの!」の指示が、声ではなく、足を横に揺らし、私の太股を叩くことに変わっていった。
本当に何度も、うつむくから、そのたびに足をトンとぶつけて指示を出す。
そうすると、私は前を向く。
ピンはどんどん増える。
肩、耳たぶ、そして、下唇と舌。
ゆっくりと椅子から立たせる。
腕と腰に刺した安全ピンを、細い鎖で繋いでいて、それが邪魔をして立ち方が不自然だ。
片方の膝は伸ばしきることができなくて、傾いて立っている。
ピンが舌に刺さっているから、舌を口の中にしまえないから、後から後から涎が垂れてきている。
那智さんの指示が、私の体を揺さぶる。
不自然な立ち方の女の子は、無表情で涎を垂らしている。
私は、視線を定まらせないようにしながらも、怖々覗いている、そして、那智さんが起こす振動を気持ち良く感じている自分に気付き、驚く。
やってることは、恐ろしい。
でも、そこに那智さんの振動が加わると、こんな状況も快感になるのか。
その子は幕が下りるまで、全身に安全ピンを付けていた。
痛そうにしていないと思うのだけど、わからない。
最後に、S女性がステージ上で煙草を吸い、その煙草をその子の乳首に近づけたとき、熱さに体をビクつかせ、一瞬顔を歪めていたから、痛覚が麻痺した特殊な人でもないのだろう。
S女性は、ヨチヨチとしか歩けないM女性と手を繋いでステージを去っていった。
もう、私にはわからない世界。
それ用のピンがあるんじゃないのと、那智さんは言うけれど、それだってまったく痛くないわけないでしょ!!
恐ろしくて、想像するのが恐い。
私が、あたふたするを楽しむように「今度、やってみる?」と、笑いながら言う。
お願いします、それはご勘弁ください(泣)
あんまり騒ぐと実現してしまうから、心の中で、大騒ぎしながら懇願する。
まだ、続きます。
地下に続く階段を下りていくと、そこは私の知らない世界があった。
入り口に小さな受付カウンターがあって、その手前に「券売機」がある。
そこで券を買って、受付に出して中に入るのだ。
食堂の食券を買うみたい。
その場違いな佇まいと、システマチックな趣が、ここが「SMサロン」ではなく「ストリップ劇場」だと主張していて、身も蓋もない。
入り口の妙な色のネオンに見送られ、中に入っていく。
奥にステージがあって、そこから花道が延び、先端が大きめの円形のステージになっている。
その花道と円形のステージを囲むように椅子が並んでいる。
古い映画館と同じような、その椅子だが、気持ち斜め上に向けるように傾いている。
ストリップ劇場専用の特注椅子なのかしら。
すでに数人の男性が座っている。
やはり、円形のまわりが人気のよう。
ヒールの場違いな音に、一斉に振り向かれてしまう。
ああ、やっぱり目立つ(泣)
開演時間が近づいて、ポツポツとお客さんが増えていた。
当然、みんな単独の男性だ。
それにしても、昼間っから、みなさん欲望に忠実で驚いてしまう(すみません、私もですよね・・・)。
白髪交じりの年配の人もいるから、気持ち切ない。
ショーは何組かが、それぞれ15分くらいの休憩を挟んで30分ずつ行う。
踊り子さんの自縛、S男性の緊縛ショー、S女性のM調教などなど、色々ありましたが、特に凄いことをお話ししますから、ここでは踊り子さんの自縛ショー で、彼女が円形の先端に行き足を広げて、履いているストッキングを前列の男性たちに破らせるシーン、そのときの男の人たちの嬉々とした様子は、苦笑だけ ど、ちょっと微笑ましかったことだけお伝えして、流させていただきますね。
いくつめのショーだったか。(痛い話です。苦手な方お気を付けくださいね)
S女性とM女性が出てきた。
迷彩柄のボンテージに身を包んだS女性に、黒い下着のM女性。
中央に置かれた椅子にMが腰掛け、背もたれの後ろで、腕を縛られる。
ひとしきり胸を弄んだあとに、S女性が小さい箱を取り出した。
一瞬何に使うのかわからなかったが、その紙製の小さい箱に描かれたイラストがぼんやりと見えた瞬間、私は体を飛び上がらせ、さんの肩に顔をうずめて恐がった。
その箱には「安全ピン」が描かれていたのだ。
怪しげな視線を会場に向けてS女性が、箱から安全ピンを一本取った。
まさかと思って、恐る恐る顔を上げると、そのピンはM女性の太股を突き刺して留まっている。
信じられない、その子はほとんど表情を変えない。
次から次へと、安全ピンが増えていく(みたい)、もう恐くて痛くて見ていられない。
でも、顔を背けると、那智さんに「見なさい」とたしなめられるから、しかたなく顔を上げて、視線をM女性の足元にとどめるようにする。
だけど、やっぱり気になるから、そーっと見ると、脇腹や二の腕、乳首に乳房、休むことなく刺している。
チラッと見ては、恐くてうつむき、またたしなめられて顔を上げる。
これを何度か繰り返すうちに、那智さんの「見るの!」の指示が、声ではなく、足を横に揺らし、私の太股を叩くことに変わっていった。
本当に何度も、うつむくから、そのたびに足をトンとぶつけて指示を出す。
そうすると、私は前を向く。
ピンはどんどん増える。
肩、耳たぶ、そして、下唇と舌。
ゆっくりと椅子から立たせる。
腕と腰に刺した安全ピンを、細い鎖で繋いでいて、それが邪魔をして立ち方が不自然だ。
片方の膝は伸ばしきることができなくて、傾いて立っている。
ピンが舌に刺さっているから、舌を口の中にしまえないから、後から後から涎が垂れてきている。
那智さんの指示が、私の体を揺さぶる。
不自然な立ち方の女の子は、無表情で涎を垂らしている。
私は、視線を定まらせないようにしながらも、怖々覗いている、そして、那智さんが起こす振動を気持ち良く感じている自分に気付き、驚く。
やってることは、恐ろしい。
でも、そこに那智さんの振動が加わると、こんな状況も快感になるのか。
その子は幕が下りるまで、全身に安全ピンを付けていた。
痛そうにしていないと思うのだけど、わからない。
最後に、S女性がステージ上で煙草を吸い、その煙草をその子の乳首に近づけたとき、熱さに体をビクつかせ、一瞬顔を歪めていたから、痛覚が麻痺した特殊な人でもないのだろう。
S女性は、ヨチヨチとしか歩けないM女性と手を繋いでステージを去っていった。
もう、私にはわからない世界。
それ用のピンがあるんじゃないのと、那智さんは言うけれど、それだってまったく痛くないわけないでしょ!!
恐ろしくて、想像するのが恐い。
私が、あたふたするを楽しむように「今度、やってみる?」と、笑いながら言う。
お願いします、それはご勘弁ください(泣)
あんまり騒ぐと実現してしまうから、心の中で、大騒ぎしながら懇願する。
まだ、続きます。