少数派?多数派?3
非日常的な日常
前の記事、「針を刺す場面とか、もっとリアルに描写できたんじゃないの?」と那智さんに指摘されました。
痛くて恐くて、掌に汗をかきながら書いていたので、あの程度の描写が限界です。
それに、恐いからまともに見ていないというのも、原因のひとつ。
ステージにはS女性が現れた。
体格の良い(気持ち太っている)そのS女性は、黒いロングドレスを身に纏い、厚底ブーツを履いている。
「今日は、ここで公開調教をしてあげるね!」
お腹から出した張りのある声で、言っている。
「調教してほしい人、手ぇ挙げて〜!!」
ここにいる人みんなに問いかけている。
一瞬、身を堅くする。
まさか、それはないだろうと思いながらも、那智さんが手を挙げて私をステージに上げるのではないかと。
あたふたすると逆効果だから、気配を消すように息を潜める。
それにしても、そんな突然の募集で、名乗り出る人がいるのだろうか、他人事ながら心配するけど、そんなのは徒労に終わる。
待ってましたとばかりに、「はい」とお返事しながら手を挙げる人がいたのだ。
それも4人。
「じゃあ、みんなステージに上がって♪それで、洋服脱いで前に来て。」
4人の男性は、速やかにステージに上がって、奥の方で何のためらいもなく裸になっている。
ゾロゾロと花道辺りに並ぶ。
うわ〜、男の人の裸だ〜、全然見たくない!!!
「1人ずつ名前を言って」(すべて仮名、スマップファンの方、ごめんなさい。しかも漢字自信なし)
「拓哉」比較的普通のおじさん、会社の係長といった感じ。
「正広」年齢不詳の小柄な人、中学生とも、30代ともとれる。
「吾郎」太った中年男性。
「剛」白髪に長い髭の年配男性。観客席にいるときから、サングラスを掛けていて派手目なジャンパーを着ていたから目立っていた。
まず、拓哉さんから。
「何をしてほしいの?」と、優しい女王様は聞いてくれる。
「アナルです。」
円形に寝かせられて、膝を立て足を広げ、衛生用に手袋をはめた女王様が「一本、二本」と指を入れていく。
スタッフが気を利かせて、円形ステージを回転させるもんだから、その男性はお尻の穴に指を4本入れられた状態で、ゆっくりと回る。
う〜ん、そんな気は利かせないでいただきたい。
拓哉の次は、正広さんだ。
鞭を選んだ正広さんは、その女王様と顔馴染みらしく、慣れた様子で四つん這いになる。
笑い顔のその人は、2、3発打たれても、表情は険しくならない。
「この子、本当に痛かったら泣くからね、まだまだ平気なんだよ!」
なんて、言いながらビシッと鞭を打つ。
つい、自分と比較してしまいたくなって「あれと、どちらが痛いと思いますか?」なんて、那智さんに聞いてみたり。
でも、多分、ステージ用なのだろう、それほど痛そうではない。
そして、吾郎さん。
吾郎さんは、太って眼鏡を掛けて禿げている。
おちんちんと睾丸(この部位の名称、どれも全部恥ずかしい!!)に、ピアスが埋め込んであるのか、いくつも丸い小さい玉が光っている。
見たい訳じゃないけど、やっぱり気になる、だけど、見て良いものなのか、なんだか遠慮してしまう。
その吾郎さんには、リクエストを聞く前に、女王様があることに気付いた。
「あれ?この子なんか入ってるよ♪」
女王様が、何やらおちんちんの先を指している。
とにかくずっと正視できずにいた私は、那智さんが「うわ!見てみ!!」と言うまで、はっきりと何が起こっているのかわからなかった。
那智さんに促させて、焦点を合わすと、理解するのに時間が必要な光景が広がっていた。
その男性のおちんちんの先から、何か管のようなものが出ているのだ。
尿道に管を入れていて、それを女王様がゆっくりと引き抜いているのだ。
医療用のカテーテルよりも、若干太さがあると思われる、半透明のその管は、濡れているらしくステージの灯りに照らされてキラキラしている。
異様な光景だ。
理解したとき、その管は30cmほど出ていたが、「すごいね〜」なんて言われながら引き抜かれても、引き抜かれても、まだ終わらない、どんどん出てくる。
いったいこの人は、体のどこにその管をしまっていられたのか。
「きもちいい・・」なんて、恍惚としている。(こっちは気持ち悪い!!!)
キラキラ光る管は、1,5mはあった。
全部引き抜いて女王様は聞く「こんなのどこで入れたの?」
「ここのトイレで、さっき入れた。」
そういえば、最初に通ったときにこの人は並んでいたことを思い出した。
仕込みがあったのだ。
尿道に1,5mの管を入れるのだ、長い時間トイレを占拠して、さぞかしまわりに迷惑を掛けただろう。
特殊な欲望を貫くのって、何かしら人に迷惑掛けちゃうものなのかもしれない(笑)
最後の剛さんは、「ロウソク」だった。
リクエスト自体はセンセーショナルではないけれど、この人、風貌がセンセーショナル。
全身傷だらけなのだ。
那智さん曰く「痕が残りやすいような切り方で切っている」
全身切り傷だらけなのだ。
首から下、つま先まで、無数の細い鋭い線が走っている。
なんだか、切なくなってしまった。
年配の男性だ。
そんな年になってまで、これをしないではいられない性癖が、切ない。
こんなことしないで済んだらしない方が楽だろう。
切らずにはいられない、性癖を煩わしく思ったこともあるだろう。
最近できた傷もある。
ただの線だけじゃなく、イニシャルや「ねこ」のイラストまである。
需要と供給が合っているのだろうけど、年配の男性が喜んで、(恐らくS女性)に切られている様子を想像して、やっぱり切ない。
それでも、この人は私の知らない快感を知っているのかもしれない。
だから、自ら望んで「通勤電車の外側」にいるのだ。
温泉行けないだろうな〜とか、子供とか孫とかいるのかなとか、いらぬ心配をしてしまうけど、恐らく何かを引き替えに何かを得ているのだろう。
それは、私にはわからない。
痛そうで、見ているほうが辛いけど「叶って良かったね」とも思う。
そう話したら、那智さんに「りん子は、変態に対して寛大だね〜」と、誉められた(?)。
私は「通勤電車」に乗っている(つもりだ)けど、「それをしないではいられない、切なさ」を多少持ってしまっているから、僅かにシンパシーを感じているのだろう。
那智さんは、吐きそうなほど気持ち悪かったそうです。
それでも、目を背けるわけにはいかない、「S」だか「男」だか、辛い立場を労います(笑)。
ああ、やっぱり少数派なのだろうか。
次回で最後。
お口直しに、格好いいS女性のお話でおしまいにします。
前の記事、「針を刺す場面とか、もっとリアルに描写できたんじゃないの?」と那智さんに指摘されました。
痛くて恐くて、掌に汗をかきながら書いていたので、あの程度の描写が限界です。
それに、恐いからまともに見ていないというのも、原因のひとつ。
ステージにはS女性が現れた。
体格の良い(気持ち太っている)そのS女性は、黒いロングドレスを身に纏い、厚底ブーツを履いている。
「今日は、ここで公開調教をしてあげるね!」
お腹から出した張りのある声で、言っている。
「調教してほしい人、手ぇ挙げて〜!!」
ここにいる人みんなに問いかけている。
一瞬、身を堅くする。
まさか、それはないだろうと思いながらも、那智さんが手を挙げて私をステージに上げるのではないかと。
あたふたすると逆効果だから、気配を消すように息を潜める。
それにしても、そんな突然の募集で、名乗り出る人がいるのだろうか、他人事ながら心配するけど、そんなのは徒労に終わる。
待ってましたとばかりに、「はい」とお返事しながら手を挙げる人がいたのだ。
それも4人。
「じゃあ、みんなステージに上がって♪それで、洋服脱いで前に来て。」
4人の男性は、速やかにステージに上がって、奥の方で何のためらいもなく裸になっている。
ゾロゾロと花道辺りに並ぶ。
うわ〜、男の人の裸だ〜、全然見たくない!!!
「1人ずつ名前を言って」(すべて仮名、スマップファンの方、ごめんなさい。しかも漢字自信なし)
「拓哉」比較的普通のおじさん、会社の係長といった感じ。
「正広」年齢不詳の小柄な人、中学生とも、30代ともとれる。
「吾郎」太った中年男性。
「剛」白髪に長い髭の年配男性。観客席にいるときから、サングラスを掛けていて派手目なジャンパーを着ていたから目立っていた。
まず、拓哉さんから。
「何をしてほしいの?」と、優しい女王様は聞いてくれる。
「アナルです。」
円形に寝かせられて、膝を立て足を広げ、衛生用に手袋をはめた女王様が「一本、二本」と指を入れていく。
スタッフが気を利かせて、円形ステージを回転させるもんだから、その男性はお尻の穴に指を4本入れられた状態で、ゆっくりと回る。
う〜ん、そんな気は利かせないでいただきたい。
拓哉の次は、正広さんだ。
鞭を選んだ正広さんは、その女王様と顔馴染みらしく、慣れた様子で四つん這いになる。
笑い顔のその人は、2、3発打たれても、表情は険しくならない。
「この子、本当に痛かったら泣くからね、まだまだ平気なんだよ!」
なんて、言いながらビシッと鞭を打つ。
つい、自分と比較してしまいたくなって「あれと、どちらが痛いと思いますか?」なんて、那智さんに聞いてみたり。
でも、多分、ステージ用なのだろう、それほど痛そうではない。
そして、吾郎さん。
吾郎さんは、太って眼鏡を掛けて禿げている。
おちんちんと睾丸(この部位の名称、どれも全部恥ずかしい!!)に、ピアスが埋め込んであるのか、いくつも丸い小さい玉が光っている。
見たい訳じゃないけど、やっぱり気になる、だけど、見て良いものなのか、なんだか遠慮してしまう。
その吾郎さんには、リクエストを聞く前に、女王様があることに気付いた。
「あれ?この子なんか入ってるよ♪」
女王様が、何やらおちんちんの先を指している。
とにかくずっと正視できずにいた私は、那智さんが「うわ!見てみ!!」と言うまで、はっきりと何が起こっているのかわからなかった。
那智さんに促させて、焦点を合わすと、理解するのに時間が必要な光景が広がっていた。
その男性のおちんちんの先から、何か管のようなものが出ているのだ。
尿道に管を入れていて、それを女王様がゆっくりと引き抜いているのだ。
医療用のカテーテルよりも、若干太さがあると思われる、半透明のその管は、濡れているらしくステージの灯りに照らされてキラキラしている。
異様な光景だ。
理解したとき、その管は30cmほど出ていたが、「すごいね〜」なんて言われながら引き抜かれても、引き抜かれても、まだ終わらない、どんどん出てくる。
いったいこの人は、体のどこにその管をしまっていられたのか。
「きもちいい・・」なんて、恍惚としている。(こっちは気持ち悪い!!!)
キラキラ光る管は、1,5mはあった。
全部引き抜いて女王様は聞く「こんなのどこで入れたの?」
「ここのトイレで、さっき入れた。」
そういえば、最初に通ったときにこの人は並んでいたことを思い出した。
仕込みがあったのだ。
尿道に1,5mの管を入れるのだ、長い時間トイレを占拠して、さぞかしまわりに迷惑を掛けただろう。
特殊な欲望を貫くのって、何かしら人に迷惑掛けちゃうものなのかもしれない(笑)
最後の剛さんは、「ロウソク」だった。
リクエスト自体はセンセーショナルではないけれど、この人、風貌がセンセーショナル。
全身傷だらけなのだ。
那智さん曰く「痕が残りやすいような切り方で切っている」
全身切り傷だらけなのだ。
首から下、つま先まで、無数の細い鋭い線が走っている。
なんだか、切なくなってしまった。
年配の男性だ。
そんな年になってまで、これをしないではいられない性癖が、切ない。
こんなことしないで済んだらしない方が楽だろう。
切らずにはいられない、性癖を煩わしく思ったこともあるだろう。
最近できた傷もある。
ただの線だけじゃなく、イニシャルや「ねこ」のイラストまである。
需要と供給が合っているのだろうけど、年配の男性が喜んで、(恐らくS女性)に切られている様子を想像して、やっぱり切ない。
それでも、この人は私の知らない快感を知っているのかもしれない。
だから、自ら望んで「通勤電車の外側」にいるのだ。
温泉行けないだろうな〜とか、子供とか孫とかいるのかなとか、いらぬ心配をしてしまうけど、恐らく何かを引き替えに何かを得ているのだろう。
それは、私にはわからない。
痛そうで、見ているほうが辛いけど「叶って良かったね」とも思う。
そう話したら、那智さんに「りん子は、変態に対して寛大だね〜」と、誉められた(?)。
私は「通勤電車」に乗っている(つもりだ)けど、「それをしないではいられない、切なさ」を多少持ってしまっているから、僅かにシンパシーを感じているのだろう。
那智さんは、吐きそうなほど気持ち悪かったそうです。
それでも、目を背けるわけにはいかない、「S」だか「男」だか、辛い立場を労います(笑)。
ああ、やっぱり少数派なのだろうか。
次回で最後。
お口直しに、格好いいS女性のお話でおしまいにします。