辿り着いたセックス? その1
非日常的な日常
痛いことは、いまでも変わらず、怖い。
ホテルに入って、コーヒーを煎れる那智さんを眺めながら、今日は痛いことしなければいいなと思うこともある。
鞄の中を物色する那智さんの手に鞭が握られていないことをこっそり願うこともある。
だけど、その思いはあっさり裏切られるのだ、わたし自身に。
今年最初のデート。
ひさしぶりだから、ただただ甘えていたいと思っていた。
一度セックスをして。(ここ省きます^^;えっと、いつかまた『続・続オチンポ様への道(仮)』で!!)
お風呂入って耳掃除。
また、抱きはじめた。
最初に痛いことをしなかったら、後半戦ですることもある。
あ、ちょっと怖いなって思った。
鞭?靴べら?最近は洗濯バサミまで増えちゃった。
「痛いことしなくて寂しいだろ?」
首を振る。
怖いです。
痛いことは怖い。
バックから抱かれながら、お尻をスパンキングされた。
『パシン』より強い『バチン!!』ってくらいの力。
以前見たアダルトビデオで同じようなことをしていたけど、そのときの『ペチペチ』という叩き方に比べたらずっと強い、はず。
ダメ。
ダメって思っちゃった。
強めの力で連続してスパンキングしているけど、セックスをしながらのそれは力が入りにくいのだろう。
とりあえず、痛い。
としか思えなくて、ダメだった。
少しひりひりしはじめたお尻。
もっと。
もっと、痛くなきゃ、いや。
那智さんの体が離れた。
ドアのほうに消え、靴べらを手に戻ってきた。
ああ、怖い。
だけど、待っていた。
お尻を出し、一発。
いつもは慣らすように徐々に高めていくのだけど、お尻へのスパンキングがその代わりだったみたい。
一発目にしてはかなり強かった。
痛い!!
ひりひりしだしていたところに強い一発だったから、驚いて跳ね退く。
「…那智さん、いまの強いほうですか?」
「まあまあね、6くらいかな」
「それって、那智さんは私を叩いたことのある中での6ってことですか?」
「うん」
「じゃあ、私は10も経験してるってことですよね」
「そうだね」
変な会話って思う。
痛みで体を捩りながら。
靴べらで打つ男とお尻を差し出す女の会話じゃないみたい。
これは6か。
と思いながら、またうつ伏せになる。
この日は、ずっと力が強かった。
那智さんの数字で言えば、6以上ばかり。
はじめのうちは。
一発打って、地団駄を踏んで。
また一発打って、体をよじって。
それが少しずつ、2発、3発と回数が増えてくる。
その辺りからか。
打つ様子を見ながら身構えなくなっていってしまうのだ。
うつ伏せになりながらぼんやりと見上げ、振り下ろされる靴べらをぼんやりと見る。
打たれてはじめて『ぎゃっ』と力が入る。
打たれることに抵抗感がなくなっているのだろうか。
それとも、どこかの回路がオフになっているのだろうか。
ただ痛くてぎゅっと力を入れて騒いで、痛みが引いてくるころに『ふ〜っ』と体が軽くなるのだ。
それを繰り返すと、どんどん身構えなくなっていく。
2発、3発。
無理!!と起き上がり、頭を掻きむしる。
那智さんにくっつく、キスをする。
同じように、数発。
繰り返す。
バタッと仰向けになる。
お尻が痛い。
ぼーっとした視界に天井が映る。
ああ、水の中だ。
痛いことでも、わんこでも、おもらしでも。
なにか特別な状態になるとき、強弱はあれど不思議な感覚になる。
どんどん『内に籠る』ように感じるのだ。
外界から遮断された自分だけの静かな世界に、潜っていくような。
音も感触も遠い。
見えているけど、脳に伝達してくれない。(無には、なかなかならない^^;)
「…那智さん、なんで痛いことするの?」
独り言のように聞く。
「それはりん子のためだろ?」
「きゃはは、わたしのため^^…那智さんは?」
「俺は、それで感じるりん子が見たい。だから痛いことはりん子のため」
「あはは、そうですね^^痛いことはわたしのためだぁ」
水中でゆらゆら。
また、打たれながらこんな会話。
ふと、那智さんが私の手を取った。
仰向けの私を起こす。
ぐーっと引っ張ってベッドから、どこかへ連れて行こうとしているのだ。
あん、かったるいよぉ。
歩くの?
どこいくの?
ヨタヨタ引かれていく。
連れて行かれたのは洗面所。
鏡の前に立たされる。
「なあ、りん子、見てみ。キレイだと思わない?肌とかツヤツヤだろ?」
ぼーーーーっとした視界と頭で、鏡に映る自分を見る。
頬を触る。
よくわからない。
じっと見る。
那智さんに抱かれたあと、肌が艶やかになるなんてこと感じたことはあるけれど、ぼーっとした頭ではわからない。
このときは、肌の感じはわからなかった。
目が輝いているような、とても印象的に感じた。
幸せそうに赤く上気した頬に緩んだ口元、だけど、目だけが強い強い力を帯びているのだ。
(えっと、実際はそこまで冷静に観察できるほど正常じゃないです。正常に戻った時に改めて鏡を見て、さっきと違うと思い、何が違うかを元に書きました。『女の体』もご一緒に^^)
「りん子は痛いことをするとこの顔になるんだよ」
鏡の前からベッドに戻った記憶が抜け落ちてる。
再び、靴べらで叩かれているところから覚えている。
「…これはいくつ?」
「8、かな」
水中をふわふわしながら、もういくつか聞くのやめようと思っていた。
すべて終わって、那智さんの腕枕。
軽く頭痛がする。
最初、こちらを向いて両手で抱えるような腕枕だったけど、体の向きを変えて仰向けの体勢になった。
「那智さん、左手で何か取ろうとしています?」
「いいや」
「じゃあ、お願いです。体の向きをさっきみたいに横向きにして、こちらを向いて抱きかかえるようにしてください」
「はいはい^^」
那智さんに包まれながら、ちょっと涙が流れた。
嬉しいの?
うん、嬉しい、痛いことが嬉しい。
私の怖いという気持ちはいつもわたし自身にあっさり裏切られる。
痛いことのあとは翌日まで、ぐったり。
年を重ねて辿り着いたセックスは、体力を消耗させるみたいなのだ^^;
痛いことは、いまでも変わらず、怖い。
ホテルに入って、コーヒーを煎れる那智さんを眺めながら、今日は痛いことしなければいいなと思うこともある。
鞄の中を物色する那智さんの手に鞭が握られていないことをこっそり願うこともある。
だけど、その思いはあっさり裏切られるのだ、わたし自身に。
今年最初のデート。
ひさしぶりだから、ただただ甘えていたいと思っていた。
一度セックスをして。(ここ省きます^^;えっと、いつかまた『続・続オチンポ様への道(仮)』で!!)
お風呂入って耳掃除。
また、抱きはじめた。
最初に痛いことをしなかったら、後半戦ですることもある。
あ、ちょっと怖いなって思った。
鞭?靴べら?最近は洗濯バサミまで増えちゃった。
「痛いことしなくて寂しいだろ?」
首を振る。
怖いです。
痛いことは怖い。
バックから抱かれながら、お尻をスパンキングされた。
『パシン』より強い『バチン!!』ってくらいの力。
以前見たアダルトビデオで同じようなことをしていたけど、そのときの『ペチペチ』という叩き方に比べたらずっと強い、はず。
ダメ。
ダメって思っちゃった。
強めの力で連続してスパンキングしているけど、セックスをしながらのそれは力が入りにくいのだろう。
とりあえず、痛い。
としか思えなくて、ダメだった。
少しひりひりしはじめたお尻。
もっと。
もっと、痛くなきゃ、いや。
那智さんの体が離れた。
ドアのほうに消え、靴べらを手に戻ってきた。
ああ、怖い。
だけど、待っていた。
お尻を出し、一発。
いつもは慣らすように徐々に高めていくのだけど、お尻へのスパンキングがその代わりだったみたい。
一発目にしてはかなり強かった。
痛い!!
ひりひりしだしていたところに強い一発だったから、驚いて跳ね退く。
「…那智さん、いまの強いほうですか?」
「まあまあね、6くらいかな」
「それって、那智さんは私を叩いたことのある中での6ってことですか?」
「うん」
「じゃあ、私は10も経験してるってことですよね」
「そうだね」
変な会話って思う。
痛みで体を捩りながら。
靴べらで打つ男とお尻を差し出す女の会話じゃないみたい。
これは6か。
と思いながら、またうつ伏せになる。
この日は、ずっと力が強かった。
那智さんの数字で言えば、6以上ばかり。
はじめのうちは。
一発打って、地団駄を踏んで。
また一発打って、体をよじって。
それが少しずつ、2発、3発と回数が増えてくる。
その辺りからか。
打つ様子を見ながら身構えなくなっていってしまうのだ。
うつ伏せになりながらぼんやりと見上げ、振り下ろされる靴べらをぼんやりと見る。
打たれてはじめて『ぎゃっ』と力が入る。
打たれることに抵抗感がなくなっているのだろうか。
それとも、どこかの回路がオフになっているのだろうか。
ただ痛くてぎゅっと力を入れて騒いで、痛みが引いてくるころに『ふ〜っ』と体が軽くなるのだ。
それを繰り返すと、どんどん身構えなくなっていく。
2発、3発。
無理!!と起き上がり、頭を掻きむしる。
那智さんにくっつく、キスをする。
同じように、数発。
繰り返す。
バタッと仰向けになる。
お尻が痛い。
ぼーっとした視界に天井が映る。
ああ、水の中だ。
痛いことでも、わんこでも、おもらしでも。
なにか特別な状態になるとき、強弱はあれど不思議な感覚になる。
どんどん『内に籠る』ように感じるのだ。
外界から遮断された自分だけの静かな世界に、潜っていくような。
音も感触も遠い。
見えているけど、脳に伝達してくれない。(無には、なかなかならない^^;)
「…那智さん、なんで痛いことするの?」
独り言のように聞く。
「それはりん子のためだろ?」
「きゃはは、わたしのため^^…那智さんは?」
「俺は、それで感じるりん子が見たい。だから痛いことはりん子のため」
「あはは、そうですね^^痛いことはわたしのためだぁ」
水中でゆらゆら。
また、打たれながらこんな会話。
ふと、那智さんが私の手を取った。
仰向けの私を起こす。
ぐーっと引っ張ってベッドから、どこかへ連れて行こうとしているのだ。
あん、かったるいよぉ。
歩くの?
どこいくの?
ヨタヨタ引かれていく。
連れて行かれたのは洗面所。
鏡の前に立たされる。
「なあ、りん子、見てみ。キレイだと思わない?肌とかツヤツヤだろ?」
ぼーーーーっとした視界と頭で、鏡に映る自分を見る。
頬を触る。
よくわからない。
じっと見る。
那智さんに抱かれたあと、肌が艶やかになるなんてこと感じたことはあるけれど、ぼーっとした頭ではわからない。
このときは、肌の感じはわからなかった。
目が輝いているような、とても印象的に感じた。
幸せそうに赤く上気した頬に緩んだ口元、だけど、目だけが強い強い力を帯びているのだ。
(えっと、実際はそこまで冷静に観察できるほど正常じゃないです。正常に戻った時に改めて鏡を見て、さっきと違うと思い、何が違うかを元に書きました。『女の体』もご一緒に^^)
「りん子は痛いことをするとこの顔になるんだよ」
鏡の前からベッドに戻った記憶が抜け落ちてる。
再び、靴べらで叩かれているところから覚えている。
「…これはいくつ?」
「8、かな」
水中をふわふわしながら、もういくつか聞くのやめようと思っていた。
すべて終わって、那智さんの腕枕。
軽く頭痛がする。
最初、こちらを向いて両手で抱えるような腕枕だったけど、体の向きを変えて仰向けの体勢になった。
「那智さん、左手で何か取ろうとしています?」
「いいや」
「じゃあ、お願いです。体の向きをさっきみたいに横向きにして、こちらを向いて抱きかかえるようにしてください」
「はいはい^^」
那智さんに包まれながら、ちょっと涙が流れた。
嬉しいの?
うん、嬉しい、痛いことが嬉しい。
私の怖いという気持ちはいつもわたし自身にあっさり裏切られる。
痛いことのあとは翌日まで、ぐったり。
年を重ねて辿り着いたセックスは、体力を消耗させるみたいなのだ^^;