那智さんの焼肉劇場3
なんでもない日
いよいよ到着。
通された席は一番奥の席だったので寒さはまったく感じず大量のホカロンは徒労に終わりそうだけど、準備自体も楽しいし、何より寒くないほうがいいのでよしとする。
ビールで乾杯。
ナムルのお通しの後、早くも内臓系の低温調理。
うわ、いきなり!!
サラダ、牛の握り、タン塩と、なによ、食べたかったもののオンパレードじゃないか。
こんなにはじめに盛り上げていいの!?って感じだ。
牛タンは「薄切りしているので片面だけ焼いてください」と言われる。
さあ、ここから那智さんの焼肉劇場のスタートだ。
前回も同じことを言われた記憶はあるけれど、今回は覚悟?を決めたのか、那智さん攻める。
じゅーっと数秒網にのせただけで、取り皿にくれた。
前回以上に、まだ片面生じゃないですか!?ってくらい。
わたしも元々レア気味嫌いじゃないけど、那智さんはもっとだ。
というか、那智さんにとって美味しいお肉の状態があり、それが概ね『生に近いレア』なんだな、なんでも生に近ければいいってものではないはず。
とはいえ、大丈夫!?ってくらいの状態。
ネギ塩を乗せてパクッ。
あ〜、いい!!
ちゃんと温かくなっていて、柔らかくて、美味しい。
次は片面焼きロースと一口ヒレ肉。
焼いていた牛タンを指して店主が「それくらい軽く焼いて」と片面焼きロースの説明をしてくれたもんだから、もう那智さんの焼き方お墨付きよ。
片面焼きロースは薄くて広かったから一枚目はちょっと苦労してたけど、二枚目は半分の大きさに切って焼いた。
これなんか、網を撫でただけってくらい、まだ赤い。
でも、やっぱり柔らかくてお肉の味が美味しい。
一口ヒレ肉はもう少し焼く。
両面をサササッという感じ。
これも柔らかくて美味しい。
次の牛カルビは厚みがあって断面が正方形なくらい。
それを丁寧に四面焼き色をつける。
これもまた絶妙!!
表面は香ばしく、火が通り過ぎていないからほろほろと噛み切れて程よく脂が残っている。
もう那智さん、天才!!!!
那智さんの焼肉劇場に大興奮、締めのミニハヤシライスまでしっかり美味しくいただきました。
那智さんの焼き方に大興奮だったけど、店主の腕前にも大興奮の一品があった。
それは和え物。
生のナスを乱切りにしたのものとマッシュルームとトマトを塩とオイルで和えたものだった。
生のナスがホクホクでシンプルだけど、すごく美味しかった。
お肉の合間にさっぱり。
店主も絶賛しておきました^^
美味しかったお店は2、3回通ってから美味しい認定をしたい那智さんにとっても、ここは合格だったと思うのです。
(逆にイマイチの場合も何回か通って答えを出す)
なので、ここはわたしたちのお気に入りのお店になりました。
当然のようにこの日は那智さんに全部焼いてもらった。
どれもとても美味しくて大満足。
生っぽいのが苦手な人は難しいかもしれないけど、この那智さん劇場はたまらない。
ため息の焼肉で那智さん劇場だ。
そりゃあ、最強です。
以前、焼き方に注文をつけたらそれから焼いてくれなくなったことがあったけど、そりゃあ、これだけこだわりがあったら焼いてくれなくなっちゃうよね(笑)
意地悪な気持ちだけじゃなくて、那智さんのこだわりようにわたしにも同じようなこだわりがあるのなら『自分で焼いたほうがいいな』と思うのも理解します。
全面降伏(笑)
二度と焼き方に注文つけません!!
途中、隣りに来た男女の仕事仲間っぽい人たちが視界に入った。
きっと昔のわたしだったらなんとも思わなかったと思うけど、明らかに焼きすぎだ。
お肉が茶色くなっている。
(まあ、誰が焼くかなど関係性もあるだろうけどね)
どうしよう、もうわたしは茶色のお肉には戻れそうにない。
ああ、またひとつ、『那智さんじゃなきゃだめ』なものが増えてしまった(笑)
<関連エントリー>
焼肉ショック1 2
「等式」「那智さんとの焼肉劇場3」感想です。食べ物でも同じ好みや価値を持ってくれるのは嬉しいとと。好みは千差万別でも、こだわらないりん子に新しい価値観を持ってくれたなら嬉しいねー
いよいよ到着。
通された席は一番奥の席だったので寒さはまったく感じず大量のホカロンは徒労に終わりそうだけど、準備自体も楽しいし、何より寒くないほうがいいのでよしとする。
ビールで乾杯。
ナムルのお通しの後、早くも内臓系の低温調理。
うわ、いきなり!!
サラダ、牛の握り、タン塩と、なによ、食べたかったもののオンパレードじゃないか。
こんなにはじめに盛り上げていいの!?って感じだ。
牛タンは「薄切りしているので片面だけ焼いてください」と言われる。
さあ、ここから那智さんの焼肉劇場のスタートだ。
前回も同じことを言われた記憶はあるけれど、今回は覚悟?を決めたのか、那智さん攻める。
じゅーっと数秒網にのせただけで、取り皿にくれた。
前回以上に、まだ片面生じゃないですか!?ってくらい。
わたしも元々レア気味嫌いじゃないけど、那智さんはもっとだ。
というか、那智さんにとって美味しいお肉の状態があり、それが概ね『生に近いレア』なんだな、なんでも生に近ければいいってものではないはず。
とはいえ、大丈夫!?ってくらいの状態。
ネギ塩を乗せてパクッ。
あ〜、いい!!
ちゃんと温かくなっていて、柔らかくて、美味しい。
次は片面焼きロースと一口ヒレ肉。
焼いていた牛タンを指して店主が「それくらい軽く焼いて」と片面焼きロースの説明をしてくれたもんだから、もう那智さんの焼き方お墨付きよ。
片面焼きロースは薄くて広かったから一枚目はちょっと苦労してたけど、二枚目は半分の大きさに切って焼いた。
これなんか、網を撫でただけってくらい、まだ赤い。
でも、やっぱり柔らかくてお肉の味が美味しい。
一口ヒレ肉はもう少し焼く。
両面をサササッという感じ。
これも柔らかくて美味しい。
次の牛カルビは厚みがあって断面が正方形なくらい。
それを丁寧に四面焼き色をつける。
これもまた絶妙!!
表面は香ばしく、火が通り過ぎていないからほろほろと噛み切れて程よく脂が残っている。
もう那智さん、天才!!!!
那智さんの焼肉劇場に大興奮、締めのミニハヤシライスまでしっかり美味しくいただきました。
那智さんの焼き方に大興奮だったけど、店主の腕前にも大興奮の一品があった。
それは和え物。
生のナスを乱切りにしたのものとマッシュルームとトマトを塩とオイルで和えたものだった。
生のナスがホクホクでシンプルだけど、すごく美味しかった。
お肉の合間にさっぱり。
店主も絶賛しておきました^^
美味しかったお店は2、3回通ってから美味しい認定をしたい那智さんにとっても、ここは合格だったと思うのです。
(逆にイマイチの場合も何回か通って答えを出す)
なので、ここはわたしたちのお気に入りのお店になりました。
当然のようにこの日は那智さんに全部焼いてもらった。
どれもとても美味しくて大満足。
生っぽいのが苦手な人は難しいかもしれないけど、この那智さん劇場はたまらない。
ため息の焼肉で那智さん劇場だ。
そりゃあ、最強です。
以前、焼き方に注文をつけたらそれから焼いてくれなくなったことがあったけど、そりゃあ、これだけこだわりがあったら焼いてくれなくなっちゃうよね(笑)
意地悪な気持ちだけじゃなくて、那智さんのこだわりようにわたしにも同じようなこだわりがあるのなら『自分で焼いたほうがいいな』と思うのも理解します。
全面降伏(笑)
二度と焼き方に注文つけません!!
途中、隣りに来た男女の仕事仲間っぽい人たちが視界に入った。
きっと昔のわたしだったらなんとも思わなかったと思うけど、明らかに焼きすぎだ。
お肉が茶色くなっている。
(まあ、誰が焼くかなど関係性もあるだろうけどね)
どうしよう、もうわたしは茶色のお肉には戻れそうにない。
ああ、またひとつ、『那智さんじゃなきゃだめ』なものが増えてしまった(笑)
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「等式」「那智さんとの焼肉劇場3」感想です。食べ物でも同じ好みや価値を持ってくれるのは嬉しいとと。好みは千差万別でも、こだわらないりん子に新しい価値観を持ってくれたなら嬉しいねー
声
独特な幸福感
朝のお電話タイム。
大きなイベントと例のカフェ経営者案件でここ数日激務の那智さん。
昨日もずいぶん遅くまで仕事していた。
今朝の『おはよう』がいつもより遅かったことからも、大変なことが手に取るようにわかる。
いつもの時間に電話をかけると長めコールの後小声で
まだ電車
と伝えてきた。
いつもならもうお仕事場に到着してお茶を入れているくらいのタイミングなので、やっぱり昨日遅かった分今朝も遅めに出社したんだなと思う。
それでも始業時間の45分前なので仕事に支障はないのだけどね。(那智さん、いつも早いんだ)
切りますか?
と聞きかけていると『次は○~』と那智さん下車駅のひとつ前の駅のアナウンスが聞こえたので「いま○なら、このまま繋がっていればいいですね」と伝える。
那智さんは電車の中なので当然お返事はない。
わかっているので「独り言しますよ~」と他愛ない話題をぽつぽつ独り言する。
○駅から下車駅までせいぜい3、4分というところだろう。
わたしはスマホゲームの画面を開き、ほとんど無意識に画面をいじりながらゲームの進み具合を話す。
無言の車内から駅のホームのアナウンスの音声が混じるようになったので、下車駅についたと思った。
車内のドア開閉の『ピンポンピンポン』という音も聞こえたような気がした。
もう降りるはずだ。
もしもし~
とまだスマホ画面をいじりながら、疲れているか心配な気持ちとやっと声聞ける嬉しさと、どこか惰性も混ざった声をかける。
当然「もしもーし」や「おはよう」と返事が返ってくるこのと思って。
ごそごそと音声が聞き取り聞くくなった。
あれ?電波悪いのかな?
それともマイクがポケットの中?
もしもし、那智さーん
1番線到着は○分発、快速○行きです
白線の内側に下がってお待ち下さい
駅員のアナウンスが聞こえる。
もしかして、まだ降りてない?
人が多くてドア付近で滞っているのかな。
また音声が悪くなる。
ホームに降りたら声をかけてくれるだろう、そう思って、こちらは黙り、またスマホゲームをいじる。
電波が悪いのかポケットの中か、時折音声が悪くなる。
発車を知らせるベルと電車の動く音。
駅員の乗車案内。
どう見てもホームのはずなんだけど、まだ那智さんは声をかけてくれない。
もしもーし、那智さん~
ヘッドホンしているはずだから、わたしの声は聞こえているはずだ。
それとも、もしかして一回電話切ったと思ってヘッドホン外しちゃったのかな。
だとしても、降りたらかけてもいいはずなのに。
エスカレーターに人が集まって、かけづらいのかな。
到着を知らせる音楽と機械の女性のアナウンス。
まもなく2番線に参ります電車は○分発、普通○行きです
被せるように男性駅員の誘導する声。
那智さ~ん
スマホゲームをしながら、少しずつ落ち着かない気持ちになってくる。
時計を見ると始業時間まで35分というところだ。
「まだ電車」と告げられてから10分近く過ぎている。
那智さん、どうしました~?
機械の女性のアナウンス、男性駅員の急かすような声。
発車ベルと電車の音。
朝のラッシュ時、何度も同じ音が繰り返される中、那智さんの気配だけがしない。
イヤな予感がする。
いつもの悪いクセだ。
「もし那智さんが死んじゃったら」みたいな甘い悲劇の想像のような予感。
いや、まさか、それはない。
いつもならどんどん悲劇の想像をして「那智さん、死なないで~」とひとり悶絶するのだけど、今日は核心を避けるようにスマホゲームに気をそらしている。
忙しかったから、具合が悪くなったのだろうか。
ベンチで休んでる?
でも、どんなに具合が悪くても、これだけ声をかけたらひとこと発してくれるはずだ。
もしかしたら、声も出せないほど辛いのだろうか。
繰り返す駅の雑音と気配が消えた那智さん。
一回切ってかけ直そうか。
それはダメだ、万が一再度繋がらなかったらおしまいだもの。
スマホで気をそらしながら、心臓がドキドキしてくる。
どうしよう。
声が出せない状態って。
心がざわざわする。
万が一倒れたりしていたら、周りが気付いてなんとかなる。
でも、例えばなんとかベンチまで行かれて座った状態で意識がなくなっていたりしたら気付かれない。
駅に電話してみようか。
でもなんて?
那智さんの服装わからないし、電話していた人が喋らなくなっちゃったって言って伝わる?
いやいや、だって「まだ電車」の声はいつもと変わらなかった。
いつもならどんどん悲劇のほうに妄想を膨らますのに、今日はそれを打ち消そうとしている。
那智さん、大丈夫ですか?!
少し強めに声をかける。
ドキドキが増す。
連日の激務。
寒い朝だ、ここで意識を失っていたら。。。
心筋梗塞とか、そういう突発的なのだったら。
あの「まだ電車」が、わたしが聞く最後の那智さんの声になってしまうのかと、一瞬よぎるけど、落ち着かない気持ちを打ち消すようにその声を思い出す。
時計を見る、さらに3、4分。
現実問題、このまま放置していたら始業時間に遅れる。
電話をしよう。
なんていうか、は、まあいい。
子機を取り、パソコンを開き駅の電話番号を調べる。
でもまず出てくるのは忘れ物とかの問い合わせなんだ。
他にないか、なければ最悪忘れ物センターでもいい。
ベンチに意識不明の人がいないか真剣に伝えたら何かしら対処してくれるだろう。
ざわつく心を落ち着かせながらパソコンを見つめていると
ガサガサ
もしもーし
いつもの那智さんの声!!!!
那智さん!!!
心配しただろ(笑)
スマホ線路に落としちゃってさ
心配しているだろうなって思ってたよ
ああああ、そうだったのですか!!!
ああああ、よかった、何でもなくて
よかった、那智さん、無事だった。
聞こえてくる『いつもの那智さんの声』だ。
安心したら嗚咽のようなため息が溢れて、嗚咽に合わせるように体が震えて涙が溢れた。
そこからは「うわーん、心配しました~~」と甘えモード^^;
どうやら、ヘッドホンのコードが誰かに引っかかって胸ポケットに入っていたスマホが飛び出て落ちてしまったらしい。
朝の忙しい時間だからなかなか駅員さん対応してくれなくて待たされたそうだ。
いや、りん子心配してるだろうなって
一瞬、線路にささっと降りちゃおうかと思ったけど、登れるか自信な方から、やめた
今度、線路くらいの高さの塀かなんかで登れるか検証してみよう(笑)
そんな風に冗談を言うけれど、きっとスマホ落として驚いただろうし無事戻ってホッとしただろうし、そういう自分の感情の大変さはほとんど話さない。
いつもの安定した声。
それより、開口一番、わたしが心配していることを気にしてくれていた。
そういう那智さんは、やっぱり那智さんらしいと思う。
那智さんはわたしのことを思っていてくれた。
でね、わたしもこの10分ほどの間に思っていたことは、いつもの『那智さんが死んじゃったら』という自分に向けたものではなくて、
那智さん、具合悪いのかな
苦しかったらどうしよう
ベンチにいたら寒くないかな
始業時間大丈夫だろうか
と那智さんに心配ばかりだった。
『死んじゃったら』なんて悲劇の甘い妄想はしょせん安全なところからの悲劇であって、好きな人の一大事に直面したら自分より相手のことを考えるんだねって、当たり前のことを再認識しました。
まあ、でも、あれが最後の声かと一瞬想像するあたりはわたしらしいといえば、わたしらしいけど(笑)
那智さんの激務はまだ続く^^;
でも、線路にスマホを落としたけど、電車に轢かれなかったし割れたりもしなかったみたいだから、那智さんは幸運の女神が味方してくれているのです!!
もうすこし頑張ってくださいね~。
「等式」「声」感想です。りん子に色々励ましを受けていた時なので、まず、安否を知らせなきゃとおもうのだけれど、他人のスマホ借りても番号解らないし(笑)お騒がせしました。
朝のお電話タイム。
大きなイベントと例のカフェ経営者案件でここ数日激務の那智さん。
昨日もずいぶん遅くまで仕事していた。
今朝の『おはよう』がいつもより遅かったことからも、大変なことが手に取るようにわかる。
いつもの時間に電話をかけると長めコールの後小声で
まだ電車
と伝えてきた。
いつもならもうお仕事場に到着してお茶を入れているくらいのタイミングなので、やっぱり昨日遅かった分今朝も遅めに出社したんだなと思う。
それでも始業時間の45分前なので仕事に支障はないのだけどね。(那智さん、いつも早いんだ)
切りますか?
と聞きかけていると『次は○~』と那智さん下車駅のひとつ前の駅のアナウンスが聞こえたので「いま○なら、このまま繋がっていればいいですね」と伝える。
那智さんは電車の中なので当然お返事はない。
わかっているので「独り言しますよ~」と他愛ない話題をぽつぽつ独り言する。
○駅から下車駅までせいぜい3、4分というところだろう。
わたしはスマホゲームの画面を開き、ほとんど無意識に画面をいじりながらゲームの進み具合を話す。
無言の車内から駅のホームのアナウンスの音声が混じるようになったので、下車駅についたと思った。
車内のドア開閉の『ピンポンピンポン』という音も聞こえたような気がした。
もう降りるはずだ。
もしもし~
とまだスマホ画面をいじりながら、疲れているか心配な気持ちとやっと声聞ける嬉しさと、どこか惰性も混ざった声をかける。
当然「もしもーし」や「おはよう」と返事が返ってくるこのと思って。
ごそごそと音声が聞き取り聞くくなった。
あれ?電波悪いのかな?
それともマイクがポケットの中?
もしもし、那智さーん
1番線到着は○分発、快速○行きです
白線の内側に下がってお待ち下さい
駅員のアナウンスが聞こえる。
もしかして、まだ降りてない?
人が多くてドア付近で滞っているのかな。
また音声が悪くなる。
ホームに降りたら声をかけてくれるだろう、そう思って、こちらは黙り、またスマホゲームをいじる。
電波が悪いのかポケットの中か、時折音声が悪くなる。
発車を知らせるベルと電車の動く音。
駅員の乗車案内。
どう見てもホームのはずなんだけど、まだ那智さんは声をかけてくれない。
もしもーし、那智さん~
ヘッドホンしているはずだから、わたしの声は聞こえているはずだ。
それとも、もしかして一回電話切ったと思ってヘッドホン外しちゃったのかな。
だとしても、降りたらかけてもいいはずなのに。
エスカレーターに人が集まって、かけづらいのかな。
到着を知らせる音楽と機械の女性のアナウンス。
まもなく2番線に参ります電車は○分発、普通○行きです
被せるように男性駅員の誘導する声。
那智さ~ん
スマホゲームをしながら、少しずつ落ち着かない気持ちになってくる。
時計を見ると始業時間まで35分というところだ。
「まだ電車」と告げられてから10分近く過ぎている。
那智さん、どうしました~?
機械の女性のアナウンス、男性駅員の急かすような声。
発車ベルと電車の音。
朝のラッシュ時、何度も同じ音が繰り返される中、那智さんの気配だけがしない。
イヤな予感がする。
いつもの悪いクセだ。
「もし那智さんが死んじゃったら」みたいな甘い悲劇の想像のような予感。
いや、まさか、それはない。
いつもならどんどん悲劇の想像をして「那智さん、死なないで~」とひとり悶絶するのだけど、今日は核心を避けるようにスマホゲームに気をそらしている。
忙しかったから、具合が悪くなったのだろうか。
ベンチで休んでる?
でも、どんなに具合が悪くても、これだけ声をかけたらひとこと発してくれるはずだ。
もしかしたら、声も出せないほど辛いのだろうか。
繰り返す駅の雑音と気配が消えた那智さん。
一回切ってかけ直そうか。
それはダメだ、万が一再度繋がらなかったらおしまいだもの。
スマホで気をそらしながら、心臓がドキドキしてくる。
どうしよう。
声が出せない状態って。
心がざわざわする。
万が一倒れたりしていたら、周りが気付いてなんとかなる。
でも、例えばなんとかベンチまで行かれて座った状態で意識がなくなっていたりしたら気付かれない。
駅に電話してみようか。
でもなんて?
那智さんの服装わからないし、電話していた人が喋らなくなっちゃったって言って伝わる?
いやいや、だって「まだ電車」の声はいつもと変わらなかった。
いつもならどんどん悲劇のほうに妄想を膨らますのに、今日はそれを打ち消そうとしている。
那智さん、大丈夫ですか?!
少し強めに声をかける。
ドキドキが増す。
連日の激務。
寒い朝だ、ここで意識を失っていたら。。。
心筋梗塞とか、そういう突発的なのだったら。
あの「まだ電車」が、わたしが聞く最後の那智さんの声になってしまうのかと、一瞬よぎるけど、落ち着かない気持ちを打ち消すようにその声を思い出す。
時計を見る、さらに3、4分。
現実問題、このまま放置していたら始業時間に遅れる。
電話をしよう。
なんていうか、は、まあいい。
子機を取り、パソコンを開き駅の電話番号を調べる。
でもまず出てくるのは忘れ物とかの問い合わせなんだ。
他にないか、なければ最悪忘れ物センターでもいい。
ベンチに意識不明の人がいないか真剣に伝えたら何かしら対処してくれるだろう。
ざわつく心を落ち着かせながらパソコンを見つめていると
ガサガサ
もしもーし
いつもの那智さんの声!!!!
那智さん!!!
心配しただろ(笑)
スマホ線路に落としちゃってさ
心配しているだろうなって思ってたよ
ああああ、そうだったのですか!!!
ああああ、よかった、何でもなくて
よかった、那智さん、無事だった。
聞こえてくる『いつもの那智さんの声』だ。
安心したら嗚咽のようなため息が溢れて、嗚咽に合わせるように体が震えて涙が溢れた。
そこからは「うわーん、心配しました~~」と甘えモード^^;
どうやら、ヘッドホンのコードが誰かに引っかかって胸ポケットに入っていたスマホが飛び出て落ちてしまったらしい。
朝の忙しい時間だからなかなか駅員さん対応してくれなくて待たされたそうだ。
いや、りん子心配してるだろうなって
一瞬、線路にささっと降りちゃおうかと思ったけど、登れるか自信な方から、やめた
今度、線路くらいの高さの塀かなんかで登れるか検証してみよう(笑)
そんな風に冗談を言うけれど、きっとスマホ落として驚いただろうし無事戻ってホッとしただろうし、そういう自分の感情の大変さはほとんど話さない。
いつもの安定した声。
それより、開口一番、わたしが心配していることを気にしてくれていた。
そういう那智さんは、やっぱり那智さんらしいと思う。
那智さんはわたしのことを思っていてくれた。
でね、わたしもこの10分ほどの間に思っていたことは、いつもの『那智さんが死んじゃったら』という自分に向けたものではなくて、
那智さん、具合悪いのかな
苦しかったらどうしよう
ベンチにいたら寒くないかな
始業時間大丈夫だろうか
と那智さんに心配ばかりだった。
『死んじゃったら』なんて悲劇の甘い妄想はしょせん安全なところからの悲劇であって、好きな人の一大事に直面したら自分より相手のことを考えるんだねって、当たり前のことを再認識しました。
まあ、でも、あれが最後の声かと一瞬想像するあたりはわたしらしいといえば、わたしらしいけど(笑)
那智さんの激務はまだ続く^^;
でも、線路にスマホを落としたけど、電車に轢かれなかったし割れたりもしなかったみたいだから、那智さんは幸運の女神が味方してくれているのです!!
もうすこし頑張ってくださいね~。
「等式」「声」感想です。りん子に色々励ましを受けていた時なので、まず、安否を知らせなきゃとおもうのだけれど、他人のスマホ借りても番号解らないし(笑)お騒がせしました。
線路に落ちたわたし(笑)
140字もどき
補足の独り言。
前エントリーの出来事のあと「これはブログネタになる」と笑い合った。
そのとき、那智さんは面白話として想像していたようで、ほら、『等式』にありがちな、わたしのすったもんだとか右往左往的なあれね^^;「どう面白く書くか」みたいなことを言っていた。
でも、わたしはそうは書けないと答えた。
あの時間のわたしの心はすったもんだも右往左往もしてなかった。
だから面白おかしく書けない。
ついでに『那智さんが死んでしまったら』なちょっと青くさく切ないテンションにもできないとも思っていた。
渦中のわたしは切ないテンションでもなんでもなかったから。
書いてみたら、ドタバタも必死さもないあえて言えば『つまらない』ものになったなと思った。
あのざわつくような感じがうまく伝わらないもどかしい気持ちになったけど、事実あの時はあんな感じだったからしょうがないなとも思う。
嘘偽りない心の様子だった。
目まぐるしく流れていく朝のホームの様子。
短いお知らせ音楽の後の機械の女性アナウンス。
発車ベルと電車の音。
追い立てるような駅員の声。
繰り返されるこの音の中で那智さんの気配だけがない。
声が聞こえないのはもちろんだけど、動いている気配さえない。
取り残されたような不気味に不安な感じ。
そんな中、那智さんの身に何かあったのではないと頭の片隅に浮かんでは打ち消す心理が、いま思うとおもしろい。
人は見たくないものは見ないように心が目を逸らすんだよね。
目を逸らしてゲームをしながら、もう片方では電話したらなんて言おうとか、いまから着替えて駅に向かっても遅いだろうかとか高速回転で考えてた。
そういう心理状態の中の出来事だったので、なんとなく『ぬるん』とした感じになったのだな。
いまでもあのお知らせの音楽を聞くと、なんとも言えない焦燥感を感じる不思議な体験でした。
線路を覗いたらスマホは電車に轢かれない位置で画面を上に向けて落ちていたそうだ。
だから、ひとまず安心していたそうだけど、なかなか駅員が来なかったからわたしが心配していることが心配になっていたそうだ。
画面を上にしているから、わたしと通話中の画面がずっと見えているわけね(笑)
それって、おそらくより『りん子』を意識してしまう状態だったんじゃないかな。
スマホ擬人化(笑)
線路に落ちて慌てふためいているわたし、みたいな感じで。
スマホ擬人化はポケットの中だからいいのであって、線路に落ちたら嬉しくない^^;
まあ、なんだかんだ言っても那智さんは無事でよかったし。
スマホも無事でよかった。
大きなイベントを目前にしていたので、ここでスマホが電車に轢かれて破壊したら大事だ。
そうじゃなくても画面が割れたりしても困るし、ストレスになる。
だから無事でよかった。
ちょっとだけ補足の独り言でした^^
<関連エントリー>
ポケットの中
インフル
たまらん!なこと
「等式」「線路に落ちたわたし」感想です。リアルすぎて共感出来て心が沈むようなエントリー、大きなストレスは同じような思考回路なのかな?(笑)
補足
那智さんの言っている『思考回路』とは『見たくないものは見ない』心理のことです。
大きなストレスがかかる物事に対して人は目を逸らすことがあるから、そのことです。
補足の独り言。
前エントリーの出来事のあと「これはブログネタになる」と笑い合った。
そのとき、那智さんは面白話として想像していたようで、ほら、『等式』にありがちな、わたしのすったもんだとか右往左往的なあれね^^;「どう面白く書くか」みたいなことを言っていた。
でも、わたしはそうは書けないと答えた。
あの時間のわたしの心はすったもんだも右往左往もしてなかった。
だから面白おかしく書けない。
ついでに『那智さんが死んでしまったら』なちょっと青くさく切ないテンションにもできないとも思っていた。
渦中のわたしは切ないテンションでもなんでもなかったから。
書いてみたら、ドタバタも必死さもないあえて言えば『つまらない』ものになったなと思った。
あのざわつくような感じがうまく伝わらないもどかしい気持ちになったけど、事実あの時はあんな感じだったからしょうがないなとも思う。
嘘偽りない心の様子だった。
目まぐるしく流れていく朝のホームの様子。
短いお知らせ音楽の後の機械の女性アナウンス。
発車ベルと電車の音。
追い立てるような駅員の声。
繰り返されるこの音の中で那智さんの気配だけがない。
声が聞こえないのはもちろんだけど、動いている気配さえない。
取り残されたような不気味に不安な感じ。
そんな中、那智さんの身に何かあったのではないと頭の片隅に浮かんでは打ち消す心理が、いま思うとおもしろい。
人は見たくないものは見ないように心が目を逸らすんだよね。
目を逸らしてゲームをしながら、もう片方では電話したらなんて言おうとか、いまから着替えて駅に向かっても遅いだろうかとか高速回転で考えてた。
そういう心理状態の中の出来事だったので、なんとなく『ぬるん』とした感じになったのだな。
いまでもあのお知らせの音楽を聞くと、なんとも言えない焦燥感を感じる不思議な体験でした。
線路を覗いたらスマホは電車に轢かれない位置で画面を上に向けて落ちていたそうだ。
だから、ひとまず安心していたそうだけど、なかなか駅員が来なかったからわたしが心配していることが心配になっていたそうだ。
画面を上にしているから、わたしと通話中の画面がずっと見えているわけね(笑)
それって、おそらくより『りん子』を意識してしまう状態だったんじゃないかな。
スマホ擬人化(笑)
線路に落ちて慌てふためいているわたし、みたいな感じで。
スマホ擬人化はポケットの中だからいいのであって、線路に落ちたら嬉しくない^^;
まあ、なんだかんだ言っても那智さんは無事でよかったし。
スマホも無事でよかった。
大きなイベントを目前にしていたので、ここでスマホが電車に轢かれて破壊したら大事だ。
そうじゃなくても画面が割れたりしても困るし、ストレスになる。
だから無事でよかった。
ちょっとだけ補足の独り言でした^^
<関連エントリー>
ポケットの中
インフル
たまらん!なこと
「等式」「線路に落ちたわたし」感想です。リアルすぎて共感出来て心が沈むようなエントリー、大きなストレスは同じような思考回路なのかな?(笑)
補足
那智さんの言っている『思考回路』とは『見たくないものは見ない』心理のことです。
大きなストレスがかかる物事に対して人は目を逸らすことがあるから、そのことです。