危機管理能力
独特な幸福感
あるとき妙な言いがかりをつけて那智さんにキレてしまったことがある。
『○○させるって言っておいて、してくれない!!』って。
その○○というのは、いま考えても『ひょえ〜〜〜』ということなので、本当はしてくれなくて正解なんだけど。
そのときのわたしのバイオリズムやあれこれで、キレてしまった。
でも、それはバイオリズムだけが原因じゃないんだ。
那智さんは、させるときは有無を言わさずさせるけど、大概はそうじゃない。
『する?』『させよっかな〜』というように話題を振り、そのときのわたしの反応を楽しんで、それで賽を振ることが多い。
その気ままな状態が好きなのです。
だから、事前に『○○する!』と宣言することは少ないの。
『○○する?』とか『○○したらどうする?』というような投げかけになることが多いのです。
それが、いつと限定されていない漠然としたお話ならば『きゃっきゃ』と楽しむのだけど、例えば次回のデートの計画や、今日のこのあとの行動について会話してるときなどは、わたしの脳みその中が一気に忙しくなるのです。
そのキレてしまったときも、那智さんとしては『○○する?』という程度の振りだったのでしょうけど、これから数分後に起こるかもしれない話題だったので、わたしとしては『たられば』で楽しむなんて可愛らしいレベルの思考回路にななれなかったのです。
もし、そうなったら、ああして、こうして、こうやって危険を避けて、それでも那智さんに少しでも不細工に映らないようにするには…、などなど、脳みそフル回転で危機管理能力を発揮して、いろんな敵と闘うのです(笑)
それで最悪の中の最良を自分でシミュレーションしてファイティングポーズで待つ訳です。
でも、それがたまたま那智さんの気まぐれでしなかったりしたときに、ほとんどはホッとするのですが、そのときはなんだか危機管理損のような(ほんとはしたかった!?)気分でつっかかってしまったのだ。
『させるって言っておいて、してくれない!!』
命令されたら困るくせに、文句をいう変なM女(笑)
そんなわたしに那智さんは。
「するとはっきり言ってないよ?それに、今日しなくてもいつかする、それにいつも話題が出たこと は、その通りにはしないだろ!?言ったことよりも、ちょっと酷いことするだろ。だからね、りん子はしてくれないってがっかりすることないの。この次するとき は、もうちょっと酷いことにしてあげるから。」
と、言ってなぐさてくれる。
ん?なに?なんか、なぐさめられてる!?…『してあげる』って…!?
なんだか変な構図?
そう、那智さんは、話題に出したことを実行するときには、その通りになしない。
それより少し酷くするのだ。
だから、『してくれない!!』なんて文句いう必要ないのだ。
おまけ付きでそれ以上の酷いことになるのだから。
言ったことよりも少し酷いことをする、それをずっと身を以て体験しているから、わたしの危機管理能力はどんどん発展してしまう。
今日はこの危機管理能力のお話。(ここまでが前振り!!)
那智さんと遠出するときがあった。
この日の服装は新調したワンピース。
丈の短いAラインと大きな飾りボタンが、ちょっとバービーちゃんを連想させる^^;
いい年してバービーなんだけど、いま流行のレギンズを合わせれば、大人の可愛らしいにもなるので、思い切って着てしまおう!!
特急電車の発車時刻までまだ一時間もあるから、駅構内にあるコーヒーショップでお喋りを楽しむ。
遠出のわくわくも加わって、あっという間の楽しい時間だった。
このワンピースを着ると決まったときから、どこからレギンスは脱ぐことになっていた。
生活圏内から遠く離れるからミニで生足、特急電車で那智さんも遊べるし^^;
そろそろ発車時間も近付いてきたころ、那智さんがふたつの選択肢をくれた。
ひとつは電車のトイレで脱ぐ。
席を立ったときと、トイレから戻って来たときと、服装が変化してることを周りの人が気付いて『?』と思うかもしれないというリスク。
もうひとつは、電車に乗る前、トイレかどこかで脱いで、超ミニ生足姿で駅構内を闊歩する。
まあ、短いスカートの女性なんて履いて捨てるほどいるけれど、この姿に変わる理由を思い描いて自意識過剰のりん子は、充分恥ずかしい。
これを、那智さんがこう聞いてきたの。
「りん子、どうする?電車で脱ぐ?それともここで脱いでいく?」
ここで脱いでいく?
ここで…?
ここで!?
電車のリスクはすぐ理解できた。
でも、『ここで』に対して、わたしの危機管理能力が作動したの。
ここで?
コーヒーショップの、このカウンターで!?
えっと、周りの人…、新聞読んでる、携帯に没頭してる、若い子2人が手鏡持ってメイクしてる…。
一瞬立って、レギンス下ろすの…!?無理!!
ここって言った、ここって、ここよね?トイレとかじゃなくて!?
一瞬のうちに一所懸命に考えて、出た言葉が。
「ここで、ですか!?」(床に向かって指を指す)
「わはは、ここなわけないでしょ!!トイレのつもりだったよ。俺、そこまで考えてないよ〜!!りん子、ここで脱ぎたいの!?」
違うんです!!危機管理能力のせいなのです!!!
また、先日も。
『同性の目』で書いた透け服の話で、まだ微妙な透け具合がいいという話題になる前の、透けシミュレーションで盛り上がっているときのこと。
「あの服、そんなに透けたっけ?」
「はい、ペチコート付けないと下着がはっきりわかります。」
「そうかぁ、じゃあ、今度のデートのとき、着てみる?」
「ええ!?お昼の○○でですか!!!」
そこでわたしの危機管理能力が、またフル回転する。
ペチコートなしであれを着たら、透けてしまうことは避けられない…。
どう足掻いても恥ずかしいことには変わりないのだから、だとしたら、どうすれば視線を跳ね返すことができる!?
ちょっとでも『素敵』にするには、どの下着が透ければまし?
同系色?生地が少ないほうがセクシー?いや、それは恥ずかしすぎる…。
どんな下着が、いいの!!!!(ああ、なんて無駄な抵抗^^;でも、このときはけっこう真剣)
頭の中はぐるぐる。
真剣に考えて、那智さんに質問。
「下着、着けますよね!?」
「はははは、りん子、下着着けたくないの!?俺、そんなこと思ってもなかったよ!!」
「いえ、そういうつもりは全然ないです。」
「りん子は、いつも俺と想像の上を行くな〜。」
違う!
違う!!
違います!!!
那智さんに『酷いこと』の小石を投げられると、わたしの湖面には波紋が広がるのです。
それはいままでの経験上、幾重にも幾重にも広がるのです。
そして、わたしは、いくつもできた波紋の輪の一番遠いところを想定して、危険回避に努めるのです。
で、どうやら、わたしは、その一番酷いことをもとに言葉を発してしまうらしいのです。
その結果。
「俺より上を行く」、と言われてしまうのです。
「りん子、ありがとう、俺の想像の輪を広げてくれて」、なんて言われてしまうのです。
長年培った危機管理能力がそうさせるのだけど、那智さんには『酷いことしてほしい』に見えてしまうらしいのです。
違うのにーと思いながら。
ひとつ上行く(らしい)わたしに、さらにいつものようにちょっと酷いこと上乗せさせて。
気が付けば、当初より2段階酷いことをされるわたしなのでした(当社比)。
あるとき妙な言いがかりをつけて那智さんにキレてしまったことがある。
『○○させるって言っておいて、してくれない!!』って。
その○○というのは、いま考えても『ひょえ〜〜〜』ということなので、本当はしてくれなくて正解なんだけど。
そのときのわたしのバイオリズムやあれこれで、キレてしまった。
でも、それはバイオリズムだけが原因じゃないんだ。
那智さんは、させるときは有無を言わさずさせるけど、大概はそうじゃない。
『する?』『させよっかな〜』というように話題を振り、そのときのわたしの反応を楽しんで、それで賽を振ることが多い。
その気ままな状態が好きなのです。
だから、事前に『○○する!』と宣言することは少ないの。
『○○する?』とか『○○したらどうする?』というような投げかけになることが多いのです。
それが、いつと限定されていない漠然としたお話ならば『きゃっきゃ』と楽しむのだけど、例えば次回のデートの計画や、今日のこのあとの行動について会話してるときなどは、わたしの脳みその中が一気に忙しくなるのです。
そのキレてしまったときも、那智さんとしては『○○する?』という程度の振りだったのでしょうけど、これから数分後に起こるかもしれない話題だったので、わたしとしては『たられば』で楽しむなんて可愛らしいレベルの思考回路にななれなかったのです。
もし、そうなったら、ああして、こうして、こうやって危険を避けて、それでも那智さんに少しでも不細工に映らないようにするには…、などなど、脳みそフル回転で危機管理能力を発揮して、いろんな敵と闘うのです(笑)
それで最悪の中の最良を自分でシミュレーションしてファイティングポーズで待つ訳です。
でも、それがたまたま那智さんの気まぐれでしなかったりしたときに、ほとんどはホッとするのですが、そのときはなんだか危機管理損のような(ほんとはしたかった!?)気分でつっかかってしまったのだ。
『させるって言っておいて、してくれない!!』
命令されたら困るくせに、文句をいう変なM女(笑)
そんなわたしに那智さんは。
「するとはっきり言ってないよ?それに、今日しなくてもいつかする、それにいつも話題が出たこと は、その通りにはしないだろ!?言ったことよりも、ちょっと酷いことするだろ。だからね、りん子はしてくれないってがっかりすることないの。この次するとき は、もうちょっと酷いことにしてあげるから。」
と、言ってなぐさてくれる。
ん?なに?なんか、なぐさめられてる!?…『してあげる』って…!?
なんだか変な構図?
そう、那智さんは、話題に出したことを実行するときには、その通りになしない。
それより少し酷くするのだ。
だから、『してくれない!!』なんて文句いう必要ないのだ。
おまけ付きでそれ以上の酷いことになるのだから。
言ったことよりも少し酷いことをする、それをずっと身を以て体験しているから、わたしの危機管理能力はどんどん発展してしまう。
今日はこの危機管理能力のお話。(ここまでが前振り!!)
那智さんと遠出するときがあった。
この日の服装は新調したワンピース。
丈の短いAラインと大きな飾りボタンが、ちょっとバービーちゃんを連想させる^^;
いい年してバービーなんだけど、いま流行のレギンズを合わせれば、大人の可愛らしいにもなるので、思い切って着てしまおう!!
特急電車の発車時刻までまだ一時間もあるから、駅構内にあるコーヒーショップでお喋りを楽しむ。
遠出のわくわくも加わって、あっという間の楽しい時間だった。
このワンピースを着ると決まったときから、どこからレギンスは脱ぐことになっていた。
生活圏内から遠く離れるからミニで生足、特急電車で那智さんも遊べるし^^;
そろそろ発車時間も近付いてきたころ、那智さんがふたつの選択肢をくれた。
ひとつは電車のトイレで脱ぐ。
席を立ったときと、トイレから戻って来たときと、服装が変化してることを周りの人が気付いて『?』と思うかもしれないというリスク。
もうひとつは、電車に乗る前、トイレかどこかで脱いで、超ミニ生足姿で駅構内を闊歩する。
まあ、短いスカートの女性なんて履いて捨てるほどいるけれど、この姿に変わる理由を思い描いて自意識過剰のりん子は、充分恥ずかしい。
これを、那智さんがこう聞いてきたの。
「りん子、どうする?電車で脱ぐ?それともここで脱いでいく?」
ここで脱いでいく?
ここで…?
ここで!?
電車のリスクはすぐ理解できた。
でも、『ここで』に対して、わたしの危機管理能力が作動したの。
ここで?
コーヒーショップの、このカウンターで!?
えっと、周りの人…、新聞読んでる、携帯に没頭してる、若い子2人が手鏡持ってメイクしてる…。
一瞬立って、レギンス下ろすの…!?無理!!
ここって言った、ここって、ここよね?トイレとかじゃなくて!?
一瞬のうちに一所懸命に考えて、出た言葉が。
「ここで、ですか!?」(床に向かって指を指す)
「わはは、ここなわけないでしょ!!トイレのつもりだったよ。俺、そこまで考えてないよ〜!!りん子、ここで脱ぎたいの!?」
違うんです!!危機管理能力のせいなのです!!!
また、先日も。
『同性の目』で書いた透け服の話で、まだ微妙な透け具合がいいという話題になる前の、透けシミュレーションで盛り上がっているときのこと。
「あの服、そんなに透けたっけ?」
「はい、ペチコート付けないと下着がはっきりわかります。」
「そうかぁ、じゃあ、今度のデートのとき、着てみる?」
「ええ!?お昼の○○でですか!!!」
そこでわたしの危機管理能力が、またフル回転する。
ペチコートなしであれを着たら、透けてしまうことは避けられない…。
どう足掻いても恥ずかしいことには変わりないのだから、だとしたら、どうすれば視線を跳ね返すことができる!?
ちょっとでも『素敵』にするには、どの下着が透ければまし?
同系色?生地が少ないほうがセクシー?いや、それは恥ずかしすぎる…。
どんな下着が、いいの!!!!(ああ、なんて無駄な抵抗^^;でも、このときはけっこう真剣)
頭の中はぐるぐる。
真剣に考えて、那智さんに質問。
「下着、着けますよね!?」
「はははは、りん子、下着着けたくないの!?俺、そんなこと思ってもなかったよ!!」
「いえ、そういうつもりは全然ないです。」
「りん子は、いつも俺と想像の上を行くな〜。」
違う!
違う!!
違います!!!
那智さんに『酷いこと』の小石を投げられると、わたしの湖面には波紋が広がるのです。
それはいままでの経験上、幾重にも幾重にも広がるのです。
そして、わたしは、いくつもできた波紋の輪の一番遠いところを想定して、危険回避に努めるのです。
で、どうやら、わたしは、その一番酷いことをもとに言葉を発してしまうらしいのです。
その結果。
「俺より上を行く」、と言われてしまうのです。
「りん子、ありがとう、俺の想像の輪を広げてくれて」、なんて言われてしまうのです。
長年培った危機管理能力がそうさせるのだけど、那智さんには『酷いことしてほしい』に見えてしまうらしいのです。
違うのにーと思いながら。
ひとつ上行く(らしい)わたしに、さらにいつものようにちょっと酷いこと上乗せさせて。
気が付けば、当初より2段階酷いことをされるわたしなのでした(当社比)。