モカ4
モカ
一月の寒い午後。
抱き合ったホテルを後に百貨店の正面玄関に向かう。
かつてわたしが四つん這いになったところ^^
今日は以前からやり取りをしていたモカさんとはじめて会うのだ。
モカさんはわたしたちをとても好きでいてくれてよく拍手コメントをくれた。
特にわたしの『6歳児』に共感してくれているひとりだった。
あることがきっかけでメールのやり取りをはじめることになる。
彼女はSMに興味はあるけどほとんど未経験、現在もちろんパートナーもいない。
しばらくパートナー探しをしていたけれど、良い相手が見つからない。
Sやご主人様を名乗る男性をどうしても冷めた目で見てしまう。
冷めた目で見て、心の中で舌を出すような自分にも嫌気がさし、パートナー探しに疲れていた。
なんだか10年前の自分を見ているようで、お節介にもいろいろお話しさせていただいていた。
那智さんも最初は『おお、パートナーなし!?』なんて興味を示していたけれど、だからどうということもなく、ただ悩んでいるみたいだし一度会ってお話ししませんかということになった。
この時点でモカは悩んでいるというよりも、わたしたちに会うことのほうを楽しみにしてくれているようで、わたしたちも純粋に『薬指を好きな人に会える』わくわく感だけだった。
誰ひとり、この数十分後に『妹』が増えるなんて想像もしていなかった。
待ち合わせの正面玄関。
指定の服装を着た女性の後ろ姿が見える。
うう、なんか若くていい雰囲気だぞ^^;
あまりに『良い雰囲気』の後ろ姿に声をかけるのをためらってしまい、ずんずん進もうとする那智さんの腕を思わず引いた。
「ホントにあの人ですか?」
「だって○○色のコートとミニスカートだよ」
慌てるわたしに不思議がる那智さん。
ちょっとまごついていると。
「こんにちは^^」
彼女のほうから声をかけてきた。
大きな瞳と同じよなはっきりとした口調で。
うわ、可愛い人!!
一瞬目を逸らしてしまいそうなほどまっすぐな印象の人だった。
テーブルについても、その印象は変わらない。
大きな瞳でまっすぐに人を見る。
芯のようなものを感じる。
だけど、指先に力が入る様子で緊張していることも、とてもよくわかる。
そうだよね。
こちらはふたり、モカはひとり。
わたしたちは緊張を解そうと会話を進める。
彼女自身もブログを持っていた。
そこには彼女の人柄を表すようなまっすぐな文章、跳ねっ返りの自己主張、他者を思うゆえのちょっと尖った言葉が並んでいた。
それなのに、見た目の印象はそのまっすぐなままなのに、どうも会話が噛み合ない^^;
わたしの書くことに共感してくれているなら吐き出したいことが山ほどありそうだし、ブログのような言葉を待っていても出て来ないのだ。
モカについてもいくつか質問するけれど、口調ははっきりしていても、なんていうかな『答え』が返ってこない。
例えば『どの映画が観たい?』と質問しているのに『一番好きなのはスターウォーズシリーズです』と答えられたような肩すかし感^^;
緊張しているのかとこのときは思ったのだけど、これには後々那智さんもわたしも手こずることになるのだ(笑)
それはまたの機会に^^(モカちゃん、ごめん)
なんだか噛み合ないな〜と思いながらも。
だけど、モカの相手探しの旅の話になると大きな目を潤ませるのだ。
それは見つからない残念さやいやな思いをしたからではなく、相手に対して『見下す』ような感情を持ってしまうことに疲れた様子だった。
ああ、その感覚、わかるな〜。
なんだか自分の『優しい部分』が悲しくなるんだよね。
たぶん、優しい人なんだろう。
大きな瞳が潤むのを見ながら、きっとキレイな心を持った人なんだろうな〜と思っていた。
なんとなく噛み合ない会話、でも大まかに分けたら同じ人種(適切な言葉が見つからない。似たアンテナを持っているという感じかな)なのだろうと推測できたころ。
那智さんが突然言い出した。
「私たちの仲間に入らない?相手が見つかるまでの帰る場所にすればいい」
え?
何を言い出すの、那智さん!?
何の前触れもなく、那智さんが突然妙な切り口から口説き出した。
まだ席について30分も経っていない頃だった。
うう、まだまだ続きます〜^^
一月の寒い午後。
抱き合ったホテルを後に百貨店の正面玄関に向かう。
かつてわたしが四つん這いになったところ^^
今日は以前からやり取りをしていたモカさんとはじめて会うのだ。
モカさんはわたしたちをとても好きでいてくれてよく拍手コメントをくれた。
特にわたしの『6歳児』に共感してくれているひとりだった。
あることがきっかけでメールのやり取りをはじめることになる。
彼女はSMに興味はあるけどほとんど未経験、現在もちろんパートナーもいない。
しばらくパートナー探しをしていたけれど、良い相手が見つからない。
Sやご主人様を名乗る男性をどうしても冷めた目で見てしまう。
冷めた目で見て、心の中で舌を出すような自分にも嫌気がさし、パートナー探しに疲れていた。
なんだか10年前の自分を見ているようで、お節介にもいろいろお話しさせていただいていた。
那智さんも最初は『おお、パートナーなし!?』なんて興味を示していたけれど、だからどうということもなく、ただ悩んでいるみたいだし一度会ってお話ししませんかということになった。
この時点でモカは悩んでいるというよりも、わたしたちに会うことのほうを楽しみにしてくれているようで、わたしたちも純粋に『薬指を好きな人に会える』わくわく感だけだった。
誰ひとり、この数十分後に『妹』が増えるなんて想像もしていなかった。
待ち合わせの正面玄関。
指定の服装を着た女性の後ろ姿が見える。
うう、なんか若くていい雰囲気だぞ^^;
あまりに『良い雰囲気』の後ろ姿に声をかけるのをためらってしまい、ずんずん進もうとする那智さんの腕を思わず引いた。
「ホントにあの人ですか?」
「だって○○色のコートとミニスカートだよ」
慌てるわたしに不思議がる那智さん。
ちょっとまごついていると。
「こんにちは^^」
彼女のほうから声をかけてきた。
大きな瞳と同じよなはっきりとした口調で。
うわ、可愛い人!!
一瞬目を逸らしてしまいそうなほどまっすぐな印象の人だった。
テーブルについても、その印象は変わらない。
大きな瞳でまっすぐに人を見る。
芯のようなものを感じる。
だけど、指先に力が入る様子で緊張していることも、とてもよくわかる。
そうだよね。
こちらはふたり、モカはひとり。
わたしたちは緊張を解そうと会話を進める。
彼女自身もブログを持っていた。
そこには彼女の人柄を表すようなまっすぐな文章、跳ねっ返りの自己主張、他者を思うゆえのちょっと尖った言葉が並んでいた。
それなのに、見た目の印象はそのまっすぐなままなのに、どうも会話が噛み合ない^^;
わたしの書くことに共感してくれているなら吐き出したいことが山ほどありそうだし、ブログのような言葉を待っていても出て来ないのだ。
モカについてもいくつか質問するけれど、口調ははっきりしていても、なんていうかな『答え』が返ってこない。
例えば『どの映画が観たい?』と質問しているのに『一番好きなのはスターウォーズシリーズです』と答えられたような肩すかし感^^;
緊張しているのかとこのときは思ったのだけど、これには後々那智さんもわたしも手こずることになるのだ(笑)
それはまたの機会に^^(モカちゃん、ごめん)
なんだか噛み合ないな〜と思いながらも。
だけど、モカの相手探しの旅の話になると大きな目を潤ませるのだ。
それは見つからない残念さやいやな思いをしたからではなく、相手に対して『見下す』ような感情を持ってしまうことに疲れた様子だった。
ああ、その感覚、わかるな〜。
なんだか自分の『優しい部分』が悲しくなるんだよね。
たぶん、優しい人なんだろう。
大きな瞳が潤むのを見ながら、きっとキレイな心を持った人なんだろうな〜と思っていた。
なんとなく噛み合ない会話、でも大まかに分けたら同じ人種(適切な言葉が見つからない。似たアンテナを持っているという感じかな)なのだろうと推測できたころ。
那智さんが突然言い出した。
「私たちの仲間に入らない?相手が見つかるまでの帰る場所にすればいい」
え?
何を言い出すの、那智さん!?
何の前触れもなく、那智さんが突然妙な切り口から口説き出した。
まだ席について30分も経っていない頃だった。
うう、まだまだ続きます〜^^
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