制服2
非日常的な日常
「行こう」
那智さんに促されて、席を立つ。
この時はじめてまともに自分の立ち姿を認識した。(それまでは着替えてバタバタしてたしね)
スカートが凄い短い。
8㎝ヒールの私は175㎝の長身になってる。
きっと普通の身長の子が履いたら短めのスカートというくらいなんだろうけど、この身長だから超ミニになってしまう。
思った以上に目立つよ〜。
そそくさと2階と通り、階段を降りる。
少し先の那智さんに「ありがとうございました〜」と声を掛けた男性スタッフが降りてくる私を見上げて、無言になってる。(那智さんは見とれてた言ってたけど、あれは驚きの沈黙です)
ああ、助けて!!
これは絶対「何だ、あれ!!」の沈黙だ。
これが一番辛い目線なの。
「うわ〜、すげぇいい女〜」なんてことはもちろんなく。
「派手な女!!」という明確な名称ももらえないような姿。
理解不能な不思議なものを見てしまったときの沈黙。
これはとても辛い。
マ○○を出て早足で歩く。
うつむき加減にしてるけど、人の視線は痛いほど感じる。
私は必死に思考回路を変える、そして、それを呪文のように唱えて那智さんの訴える。
「那智さん、私は確かに変ですよね。でも、きっと足なんてかっこいいはずだ!!だから、かっこよく歩きます。私はかっこいい、私はかっこいいと思って堂々と歩きます。」
「あはは、そうだね。」
「はい、恥ずかしそうにしてたら、余計に恥ずかしいですよね。私はかっこいい、私はかっこいい…。」
もう何かに取り憑かれたように唱えて、それでも大股で背筋を伸ばして歩く。
早歩きだから、どんどん人を抜かしていく。
視界に、女子高生が見えた。
いや〜〜、本物。
ものまね歌合戦で「ご本人」登場に戸惑うものまね芸人のようだ。
ああ、もう恥ずかしい。
紺のハイソックスを履いた背の小さい可愛らしい本物の女子高生を抜かしていく、制服にパンプスの背のでっかい大人の女。
穴があったら入りたい。
「うわ、すごい見てる。あのおじさんなんて振り返ってるよ。信号待ちの車の人もすげー見てる。」
ああ、私なんで今日に限って8㎝ヒールなんて履いて来ちゃったんだろう。
そうじゃなくても大きいのに、大きいという理由で目立つのいやなのに。
だけど、ヒールの高い靴は足がきれいに見えるでしょ?黒を基調に服を選んだから、背丈くらいは大きくても目立ち加減はましかななんて思ってたのよ。
だって、できるだけきれいな姿で那智さんに会いたいもの。
そんなこと考えながらやっとホテルのそばのいつもお茶を買う自動販売機まで到着した。
道路に背を向けて那智さんがお茶を買うのを待ってると、おじさんが回り込んで覗き込んでくる。
もう助けて那智さん。
でも、むしろいやらしい目で見られているほうが辛くないかもしれない。
まともな人の、特に同性の「何?あれ?」という目が恐い。
いやらしい目。
コスプレなどを見かけたときの、特別なものを見る目。
派手な姿に眉をひそめる目。
どれも、この「何?」という、不可思議なものを目の当たりにしたときの押し黙ってしまうような視線に比べたら、楽なものに感じる。
那智さんが、コンビニに入る。
もう、お願い、早くホテルに入りたい。
この「変」な姿で目立つことが辛くてしかたがないです。
那智さんから離れられない。
わざと店内をうろつく那智さんのあとにピッタリとくっついているしかできない。
段々とこの那智さんの意地悪に腹が立ってくる。
コンビニを出て、「りん子がどんな風に目に映るか見たいんだよな〜。ちょっと離れてみて。」と言ってくる。
「いやです。離れたくない。」
「あそこに電信柱まで行って、立っていて。」
ああ、言うことを聞かないとおしまいにしてくれないだろう。
3mくらい先にある電信柱まで歩く。
立ち止まり振り返る。
ずっとうつむいたまま。
私の右手には、ショップがあってそのショップの入り口で女性2人がおしゃべりしてる。
申し訳ない思いでいっぱいになる。
那智さんは、コンビニの前のガードレールに体を預けてこちらをずっと見てる。
何かあったら助けてくれる、それでけが私の心の拠り所だ。
恥ずかしくて恥ずかしくて気が狂いそうだ。
体が硬直して、指先に力が入って不自然に曲がったまま動かない。
全然堂々となんかしていられない。
晒し者にされて、みじめで涙が出て来そうだ。
なんでこんなことさせられるのか、悲しくて怒りを覚える。
永遠にも感じられた2分くらい。
那智さんがそばに来て、ホテルに向かう。
部屋に入っても、うつむいたまま。
「何いじけてんの?」
「那智さん、私いやでいやでしかたなかった。なんであんな風に私を晒し者にするの!!私のこと大事じゃないの!!とってもとっても傷付いた!!!」
わんわんと泣きながら、悲しみも怒りも全部ぶつける。
「りん子が、どんな風に見えるか、客観的に見てみたかったんだよ。」
「そしたら、どうでした?」
「強烈に目立ってた(笑)」
それがいやなの!!
もうほんとにいやだったの。
一緒に歩いてくれなきゃいやなの。
那智さんは、自分はこれを着た私が変になるって思わなかったそうで、それを一歩引いた状態で客観視してみて確かめたかったのだそうだ。
そして、人々がどんな視線を投げかけるのか、見てみたかったのだそうだ。
だから、私がコンビニで、いつものように商品を選びながら離れていれば、外で晒すような行為はしなかったのだらしい。
そんな那智さんの考えなんてその時には知る由もない。
私は道行く人の嘲笑に晒されたようで、そんな目に遭わせる那智さんが私を大事に思ってくれていないと感じられてしまったのだ。
人の目に晒されるのは恥ずかしくてたまらない。
でも、私がとても傷付くのは那智さんに大事にされていないかもしれないと思うことだ。
なんだか、電信柱のそばに立たされたとき、そのいつもと違う離れてみるという行動が意図することがわからずに、不安で不当な感じがしたんだ。
改めてちゃんとした理由を説明してもらって、やっと落ち着く(落ち着くのに数日かかってる^^;)。
大事にされていると、いつも感じていたい。
その上で酷いことをしてほしい。
んで、改めて聞いてみる「どんな風に映ってて、どんな視線を向けられていましたか?」
「凄いミニの制服の飲食店の店員。スカートの短さが目立ってた。女性はほとんど目もくれない感じで、若い男はチラッと見てて、俺より上くらいの男がすんごい見てた(笑)」
「那智さんは可愛いと思ってくれましたか?」
「うん、可愛かったよ。もう客観視できないのわかってるけどね(笑)」
女性の目もくれないには、ちょっと懐疑的だけど、まあ、いいわ那智さんに可愛いって言ってもらえたから。
こうやって、いちいち泣きついて、いちいち説明してもらって、やっといろんなことができるのだ^^
と、上手くまとめてみたものの、やっぱり変なことにはかわりない。
普通にセクシーな露出の多い服装のほうが、まだましだとうい気持ちは変わらない。
その那智さんの「普通じゃない」ほうが面白くて好きという感覚に、私は時々辛くなる。
自己紹介の画像ご覧になっていかがでしょう。
あれを街中で見たら、どう思うのでしょう?
変?
変じゃない?
ただの飲食店店員?
風俗嬢?
あれを昼間の街中で見たらやっぱり「???」だよね…。
「行こう」
那智さんに促されて、席を立つ。
この時はじめてまともに自分の立ち姿を認識した。(それまでは着替えてバタバタしてたしね)
スカートが凄い短い。
8㎝ヒールの私は175㎝の長身になってる。
きっと普通の身長の子が履いたら短めのスカートというくらいなんだろうけど、この身長だから超ミニになってしまう。
思った以上に目立つよ〜。
そそくさと2階と通り、階段を降りる。
少し先の那智さんに「ありがとうございました〜」と声を掛けた男性スタッフが降りてくる私を見上げて、無言になってる。(那智さんは見とれてた言ってたけど、あれは驚きの沈黙です)
ああ、助けて!!
これは絶対「何だ、あれ!!」の沈黙だ。
これが一番辛い目線なの。
「うわ〜、すげぇいい女〜」なんてことはもちろんなく。
「派手な女!!」という明確な名称ももらえないような姿。
理解不能な不思議なものを見てしまったときの沈黙。
これはとても辛い。
マ○○を出て早足で歩く。
うつむき加減にしてるけど、人の視線は痛いほど感じる。
私は必死に思考回路を変える、そして、それを呪文のように唱えて那智さんの訴える。
「那智さん、私は確かに変ですよね。でも、きっと足なんてかっこいいはずだ!!だから、かっこよく歩きます。私はかっこいい、私はかっこいいと思って堂々と歩きます。」
「あはは、そうだね。」
「はい、恥ずかしそうにしてたら、余計に恥ずかしいですよね。私はかっこいい、私はかっこいい…。」
もう何かに取り憑かれたように唱えて、それでも大股で背筋を伸ばして歩く。
早歩きだから、どんどん人を抜かしていく。
視界に、女子高生が見えた。
いや〜〜、本物。
ものまね歌合戦で「ご本人」登場に戸惑うものまね芸人のようだ。
ああ、もう恥ずかしい。
紺のハイソックスを履いた背の小さい可愛らしい本物の女子高生を抜かしていく、制服にパンプスの背のでっかい大人の女。
穴があったら入りたい。
「うわ、すごい見てる。あのおじさんなんて振り返ってるよ。信号待ちの車の人もすげー見てる。」
ああ、私なんで今日に限って8㎝ヒールなんて履いて来ちゃったんだろう。
そうじゃなくても大きいのに、大きいという理由で目立つのいやなのに。
だけど、ヒールの高い靴は足がきれいに見えるでしょ?黒を基調に服を選んだから、背丈くらいは大きくても目立ち加減はましかななんて思ってたのよ。
だって、できるだけきれいな姿で那智さんに会いたいもの。
そんなこと考えながらやっとホテルのそばのいつもお茶を買う自動販売機まで到着した。
道路に背を向けて那智さんがお茶を買うのを待ってると、おじさんが回り込んで覗き込んでくる。
もう助けて那智さん。
でも、むしろいやらしい目で見られているほうが辛くないかもしれない。
まともな人の、特に同性の「何?あれ?」という目が恐い。
いやらしい目。
コスプレなどを見かけたときの、特別なものを見る目。
派手な姿に眉をひそめる目。
どれも、この「何?」という、不可思議なものを目の当たりにしたときの押し黙ってしまうような視線に比べたら、楽なものに感じる。
那智さんが、コンビニに入る。
もう、お願い、早くホテルに入りたい。
この「変」な姿で目立つことが辛くてしかたがないです。
那智さんから離れられない。
わざと店内をうろつく那智さんのあとにピッタリとくっついているしかできない。
段々とこの那智さんの意地悪に腹が立ってくる。
コンビニを出て、「りん子がどんな風に目に映るか見たいんだよな〜。ちょっと離れてみて。」と言ってくる。
「いやです。離れたくない。」
「あそこに電信柱まで行って、立っていて。」
ああ、言うことを聞かないとおしまいにしてくれないだろう。
3mくらい先にある電信柱まで歩く。
立ち止まり振り返る。
ずっとうつむいたまま。
私の右手には、ショップがあってそのショップの入り口で女性2人がおしゃべりしてる。
申し訳ない思いでいっぱいになる。
那智さんは、コンビニの前のガードレールに体を預けてこちらをずっと見てる。
何かあったら助けてくれる、それでけが私の心の拠り所だ。
恥ずかしくて恥ずかしくて気が狂いそうだ。
体が硬直して、指先に力が入って不自然に曲がったまま動かない。
全然堂々となんかしていられない。
晒し者にされて、みじめで涙が出て来そうだ。
なんでこんなことさせられるのか、悲しくて怒りを覚える。
永遠にも感じられた2分くらい。
那智さんがそばに来て、ホテルに向かう。
部屋に入っても、うつむいたまま。
「何いじけてんの?」
「那智さん、私いやでいやでしかたなかった。なんであんな風に私を晒し者にするの!!私のこと大事じゃないの!!とってもとっても傷付いた!!!」
わんわんと泣きながら、悲しみも怒りも全部ぶつける。
「りん子が、どんな風に見えるか、客観的に見てみたかったんだよ。」
「そしたら、どうでした?」
「強烈に目立ってた(笑)」
それがいやなの!!
もうほんとにいやだったの。
一緒に歩いてくれなきゃいやなの。
那智さんは、自分はこれを着た私が変になるって思わなかったそうで、それを一歩引いた状態で客観視してみて確かめたかったのだそうだ。
そして、人々がどんな視線を投げかけるのか、見てみたかったのだそうだ。
だから、私がコンビニで、いつものように商品を選びながら離れていれば、外で晒すような行為はしなかったのだらしい。
そんな那智さんの考えなんてその時には知る由もない。
私は道行く人の嘲笑に晒されたようで、そんな目に遭わせる那智さんが私を大事に思ってくれていないと感じられてしまったのだ。
人の目に晒されるのは恥ずかしくてたまらない。
でも、私がとても傷付くのは那智さんに大事にされていないかもしれないと思うことだ。
なんだか、電信柱のそばに立たされたとき、そのいつもと違う離れてみるという行動が意図することがわからずに、不安で不当な感じがしたんだ。
改めてちゃんとした理由を説明してもらって、やっと落ち着く(落ち着くのに数日かかってる^^;)。
大事にされていると、いつも感じていたい。
その上で酷いことをしてほしい。
んで、改めて聞いてみる「どんな風に映ってて、どんな視線を向けられていましたか?」
「凄いミニの制服の飲食店の店員。スカートの短さが目立ってた。女性はほとんど目もくれない感じで、若い男はチラッと見てて、俺より上くらいの男がすんごい見てた(笑)」
「那智さんは可愛いと思ってくれましたか?」
「うん、可愛かったよ。もう客観視できないのわかってるけどね(笑)」
女性の目もくれないには、ちょっと懐疑的だけど、まあ、いいわ那智さんに可愛いって言ってもらえたから。
こうやって、いちいち泣きついて、いちいち説明してもらって、やっといろんなことができるのだ^^
と、上手くまとめてみたものの、やっぱり変なことにはかわりない。
普通にセクシーな露出の多い服装のほうが、まだましだとうい気持ちは変わらない。
その那智さんの「普通じゃない」ほうが面白くて好きという感覚に、私は時々辛くなる。
自己紹介の画像ご覧になっていかがでしょう。
あれを街中で見たら、どう思うのでしょう?
変?
変じゃない?
ただの飲食店店員?
風俗嬢?
あれを昼間の街中で見たらやっぱり「???」だよね…。
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