ゲストを招く(りん子の心2)
独特な幸福感
何人かの人とセックスをしてきた。
両手でちょうどくらいの人数が多いのか少ないのかわからない。
特に若い頃は、よく誘われた。
その人が私を好きなのかどうかもわからないのに、誘われた。
食事だけだと思っていたら、上のホテルの部屋に誘われる。
この人は、私とお食事したりお話ししたりしたいのではないのか、セックスがしたかったのか。
それで憤慨するわけでもなく、何度かに一回は誘われるままに抱かれた。
何かを計るように。
一見遊んでいるみたいだけど、そこに残るのは虚無感だけ。
最初のうちは濡れていても最後には虚しく乾き、とにかく早く終ることばかり考えていた。
それはきちんと付き合っている相手でも同じように感じていた。
そこまであからさまには思ってないけど、相手が早くいくことばかり考えていた。
SMをしていても同じだった。
あんなに憧れていたことだったのに、縛られたりするときは嬉しいのだけど、相手の体に触れたり、セックスをする段階になると、途端に冷める。
愛し合って尊敬する人に抱かれる。
那智さんに抱かれて、はじめて私はいままでのセックスで自分が傷つき消耗していたことを知る。
ああ、私何かを擦り減らしているな…と後から気付く消耗は、その場で「いや」と感じるよりも重たく心に沈殿する。
それに気付いてからは、私は他の人ではいかないと言い切ることができるようになった。
もちろんピンクローターなどの強制的なエクスタシーは断言できないけれど、それ以外何をされてもいかないと思っていた。
他の男性には申し訳ないけれど、那智さん以外の人に触れるのさえ嫌だと思うようになっていった。
まして危険を伴うようなSM的な行為は、快感には結び付かないはずだ。
もうあの虚無感を伴った傷心は味わいたくない。
ハプニングバーで知らない男性に抱かれた時もその嫌悪感は感じたから、どんなに那智さんがいてくれても、やっぱり傷つくのだろう。
だから、○さんを迎えて、嫌悪感を抱いてしまい、それによってまた傷つくかもしれないと思うと、やはり気が重かった。
マッサージ機と鞭を交互に繰り返され、私の虚無感の表れのように私のおまんこはどんどんと乾いていく。
申し訳ないくらい無反応になってしまったように思う。
それでもなぜだろう。
しばらくして、那智さんがストップをかけ、○さんにフェラチオをするように指示されても、なんだか心が平らなままだ。
無心になっているみたいだけど、傷ついている感じはしない。
「じゃあ、次は見てもらいましょう。りん子、もう少し俺に責めてもらいたい?それとももういい?」
「くっつきたいです。」
「わかった。○さん、適当に写真撮ってください。電池の替えはここにありますから。じゃ、おいで。」
嬉しい、やっと那智さんにくっつける。
私は、○さんがいることを時々忘れてしまうほど、○さんに申し訳ないほど、那智さんに没頭してしまった。
フラッシュが焚かれる時に、ああ、○さんがいるんだとためらう気持ちが顔を出す程度だった。
乳首を噛まれ、くっつき匂いを嗅ぎ、足を口に突っ込まれ、頬を踏まれて、叫ぶ。
○さんの存在に気付きためらうと頬を掴まれ○さんの方に顔を向けさせられる。
ごめんなさい、こんなに感じて、ごめんなさい。
申し訳ないと思いつつも、那智さんの温室の中で酷いことをされている喜びで、私は周りが見られなくなっていた。
先に○さんには失礼してもらった。
那智さんと2人きりになり、私は安堵のため息をつく。
マッサージをリクエストして、ごろんと寝転ぶ那智さん。
「疲れた〜。」と珍しく脱力している。
そうですよね、全部仕切らなきゃいけないし、○さんにも気遣わないといけないし。
確かにそう思えるほど、私の心は不思議なほど消耗していないのだ。
マッサージしながら、ポツポツとお話しする。
「りん子にさせておいて、俺が一番疲れたって言ってマッサージさせるのは、傲慢かな。」
「そんなことないですよ、いろいろ配慮しなきゃいけない那智さんののほうが、疲れますよ!」
そう言いながら、仕切ることで疲れるなんて那智さんらしくないな〜と思う。
仕切ったり、気遣ったり、那智さんの得意とするところのはずなのに。
でも、どうやらそれは違ったらしい。
マッサージが終わって、お風呂にお湯を溜めて2人で温まる。
そこでもまだ話しは続いている。
「俺が疲れたのは、○さんへの気遣いじゃないんだよ。それだって多少はあるだろうけど、それはたいしたことない。りん子の気持ちを引き受けちゃったから、疲れちゃったんだ。」
ん?よくわからないぞ。
更に話す。
私が鞭で恐くて嫌がっているのはわかっていた。
でも、それもまあ、面白いからいいやと思って見ていた。
「でも最後に、りん子、どっちでもいいって○さんに言って、俺に委ねただろ?」
そう、あの時私はマッサージ機でいく姿は見せたくない、でも、鞭ももう恐い、どうしてよいかわからずに、それを選ぶこと、○さんに選ばせること、そのすべてを那智さんに委ねたのだった。
「その姿を見たら、つらくなっちゃったんだよ。」物凄く真摯な眼差しで、真っすぐに私を見てそう言う。
それからは、もう可哀想で、そのりん子のダメージを全部自分が引き受けるみたいになってしまって、疲労困憊してしまったらしいのだ。
この感覚を上手に伝えられるだろうか。
私が私を手放して那智さんに委ねた途端、私の傷は私に付かず、傷は那智さんに向かったのだ。
だから、私はつらくないんだ。
不思議なくらい、清々しい気持ちだ。
私を他人に抱かせたいと望んだのは那智さんだ。
その責任を負ってくれたのだ。
この一体感を、どう伝えたらいいのだろう。
あの場面で、私が自分の意志で鞭かマッサージ機を選んで、つらいままだったら、那智さんはダメージを受けなかっただろう。
でも、それは那智さんの本意ではないはずだ。
「りん子は傷つき、那智さんはりん子がいかないことで満足」、それは那智さんの本意ではない。
「りん子がいかないことで満足、りん子が傷つかないで満足。」
私は、那智さんの言う通り、自然にしていて、思惑の部分を那智さんに委ねることで、那智さんが私の衝撃吸収材になってくれたのだ。
これは、お互いに、こんな結果になるとは思っていなかったこと。
自分(那智さん)のしたいようにする、それにすべてを任せ自然に振る舞う、このシンプルで難しいことがぴったりと合致したときに、2人とも言葉にする前に一体感を体感していたのだ。
一緒に観た映画の悲しさ、桜を眺めた感動、目に見える物でも感動の共有は喜びだ。
まして、この感覚だけを言葉に表して、感じる一体感の喜びは、何事にも代え難い幸福だ。
この男女のあり方が、正しいかどうかわからない。
それでももし間違っていたとしても、私はこの血の繋がりのような一体感を、知っている人生と知らない人生だったら、間違いなく前者を選ぶ。
那智さんは、自分の満足のために私を○さんに抱かせた。
私が那智さんに従い委ねることで、那智さんの自己顕示欲は満たされた(○さんに伝わるか、別でね)。
そして、私のダメージを引き受けるという形で、私が傷つくことから守ってくれた。
那智さんは冷徹なサディストでもなんでもない、だって、私のつらさを引き受けちゃうんだもの。
とても愛情豊かに私を包む、那智さんだ。
何人かの人とセックスをしてきた。
両手でちょうどくらいの人数が多いのか少ないのかわからない。
特に若い頃は、よく誘われた。
その人が私を好きなのかどうかもわからないのに、誘われた。
食事だけだと思っていたら、上のホテルの部屋に誘われる。
この人は、私とお食事したりお話ししたりしたいのではないのか、セックスがしたかったのか。
それで憤慨するわけでもなく、何度かに一回は誘われるままに抱かれた。
何かを計るように。
一見遊んでいるみたいだけど、そこに残るのは虚無感だけ。
最初のうちは濡れていても最後には虚しく乾き、とにかく早く終ることばかり考えていた。
それはきちんと付き合っている相手でも同じように感じていた。
そこまであからさまには思ってないけど、相手が早くいくことばかり考えていた。
SMをしていても同じだった。
あんなに憧れていたことだったのに、縛られたりするときは嬉しいのだけど、相手の体に触れたり、セックスをする段階になると、途端に冷める。
愛し合って尊敬する人に抱かれる。
那智さんに抱かれて、はじめて私はいままでのセックスで自分が傷つき消耗していたことを知る。
ああ、私何かを擦り減らしているな…と後から気付く消耗は、その場で「いや」と感じるよりも重たく心に沈殿する。
それに気付いてからは、私は他の人ではいかないと言い切ることができるようになった。
もちろんピンクローターなどの強制的なエクスタシーは断言できないけれど、それ以外何をされてもいかないと思っていた。
他の男性には申し訳ないけれど、那智さん以外の人に触れるのさえ嫌だと思うようになっていった。
まして危険を伴うようなSM的な行為は、快感には結び付かないはずだ。
もうあの虚無感を伴った傷心は味わいたくない。
ハプニングバーで知らない男性に抱かれた時もその嫌悪感は感じたから、どんなに那智さんがいてくれても、やっぱり傷つくのだろう。
だから、○さんを迎えて、嫌悪感を抱いてしまい、それによってまた傷つくかもしれないと思うと、やはり気が重かった。
マッサージ機と鞭を交互に繰り返され、私の虚無感の表れのように私のおまんこはどんどんと乾いていく。
申し訳ないくらい無反応になってしまったように思う。
それでもなぜだろう。
しばらくして、那智さんがストップをかけ、○さんにフェラチオをするように指示されても、なんだか心が平らなままだ。
無心になっているみたいだけど、傷ついている感じはしない。
「じゃあ、次は見てもらいましょう。りん子、もう少し俺に責めてもらいたい?それとももういい?」
「くっつきたいです。」
「わかった。○さん、適当に写真撮ってください。電池の替えはここにありますから。じゃ、おいで。」
嬉しい、やっと那智さんにくっつける。
私は、○さんがいることを時々忘れてしまうほど、○さんに申し訳ないほど、那智さんに没頭してしまった。
フラッシュが焚かれる時に、ああ、○さんがいるんだとためらう気持ちが顔を出す程度だった。
乳首を噛まれ、くっつき匂いを嗅ぎ、足を口に突っ込まれ、頬を踏まれて、叫ぶ。
○さんの存在に気付きためらうと頬を掴まれ○さんの方に顔を向けさせられる。
ごめんなさい、こんなに感じて、ごめんなさい。
申し訳ないと思いつつも、那智さんの温室の中で酷いことをされている喜びで、私は周りが見られなくなっていた。
先に○さんには失礼してもらった。
那智さんと2人きりになり、私は安堵のため息をつく。
マッサージをリクエストして、ごろんと寝転ぶ那智さん。
「疲れた〜。」と珍しく脱力している。
そうですよね、全部仕切らなきゃいけないし、○さんにも気遣わないといけないし。
確かにそう思えるほど、私の心は不思議なほど消耗していないのだ。
マッサージしながら、ポツポツとお話しする。
「りん子にさせておいて、俺が一番疲れたって言ってマッサージさせるのは、傲慢かな。」
「そんなことないですよ、いろいろ配慮しなきゃいけない那智さんののほうが、疲れますよ!」
そう言いながら、仕切ることで疲れるなんて那智さんらしくないな〜と思う。
仕切ったり、気遣ったり、那智さんの得意とするところのはずなのに。
でも、どうやらそれは違ったらしい。
マッサージが終わって、お風呂にお湯を溜めて2人で温まる。
そこでもまだ話しは続いている。
「俺が疲れたのは、○さんへの気遣いじゃないんだよ。それだって多少はあるだろうけど、それはたいしたことない。りん子の気持ちを引き受けちゃったから、疲れちゃったんだ。」
ん?よくわからないぞ。
更に話す。
私が鞭で恐くて嫌がっているのはわかっていた。
でも、それもまあ、面白いからいいやと思って見ていた。
「でも最後に、りん子、どっちでもいいって○さんに言って、俺に委ねただろ?」
そう、あの時私はマッサージ機でいく姿は見せたくない、でも、鞭ももう恐い、どうしてよいかわからずに、それを選ぶこと、○さんに選ばせること、そのすべてを那智さんに委ねたのだった。
「その姿を見たら、つらくなっちゃったんだよ。」物凄く真摯な眼差しで、真っすぐに私を見てそう言う。
それからは、もう可哀想で、そのりん子のダメージを全部自分が引き受けるみたいになってしまって、疲労困憊してしまったらしいのだ。
この感覚を上手に伝えられるだろうか。
私が私を手放して那智さんに委ねた途端、私の傷は私に付かず、傷は那智さんに向かったのだ。
だから、私はつらくないんだ。
不思議なくらい、清々しい気持ちだ。
私を他人に抱かせたいと望んだのは那智さんだ。
その責任を負ってくれたのだ。
この一体感を、どう伝えたらいいのだろう。
あの場面で、私が自分の意志で鞭かマッサージ機を選んで、つらいままだったら、那智さんはダメージを受けなかっただろう。
でも、それは那智さんの本意ではないはずだ。
「りん子は傷つき、那智さんはりん子がいかないことで満足」、それは那智さんの本意ではない。
「りん子がいかないことで満足、りん子が傷つかないで満足。」
私は、那智さんの言う通り、自然にしていて、思惑の部分を那智さんに委ねることで、那智さんが私の衝撃吸収材になってくれたのだ。
これは、お互いに、こんな結果になるとは思っていなかったこと。
自分(那智さん)のしたいようにする、それにすべてを任せ自然に振る舞う、このシンプルで難しいことがぴったりと合致したときに、2人とも言葉にする前に一体感を体感していたのだ。
一緒に観た映画の悲しさ、桜を眺めた感動、目に見える物でも感動の共有は喜びだ。
まして、この感覚だけを言葉に表して、感じる一体感の喜びは、何事にも代え難い幸福だ。
この男女のあり方が、正しいかどうかわからない。
それでももし間違っていたとしても、私はこの血の繋がりのような一体感を、知っている人生と知らない人生だったら、間違いなく前者を選ぶ。
那智さんは、自分の満足のために私を○さんに抱かせた。
私が那智さんに従い委ねることで、那智さんの自己顕示欲は満たされた(○さんに伝わるか、別でね)。
そして、私のダメージを引き受けるという形で、私が傷つくことから守ってくれた。
那智さんは冷徹なサディストでもなんでもない、だって、私のつらさを引き受けちゃうんだもの。
とても愛情豊かに私を包む、那智さんだ。
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COMMENT
内容はかなり酷いことが繰り広げられてる筈なのに、最後まで読んだら何故だかほっこりして、そしてうるうるしちゃいました^^
うん、ありがとう^^
SMってなんだろうね。
精神的にダメージを与える、与えられることをSMというなら、わたしたちのしていることはSMじゃないね。
なんてったて、読んでいるめいさんもほっこりしてもらえちゃうんだもんね〜。
SMってなんだろうね。
精神的にダメージを与える、与えられることをSMというなら、わたしたちのしていることはSMじゃないね。
なんてったて、読んでいるめいさんもほっこりしてもらえちゃうんだもんね〜。