ホテル、いろいろ2
独り言
さて、シーツやかけ布団のない強烈なお部屋を体験したわたしたちですが、いままでで一番強烈だったホテルの思い出は、付き合いってまだそれほど経っていないころだったので、いまから10年くらい前のこと。
ただ、どうにも詳細が思い出せないんだ。
まるで狐につままれたような現実味のない記憶しか残っていないの。
あれは、たしか、那智さんと朝まで一緒にいられる夜だった。
とはいえ、もともとそういう予定だったわけではなかったので、宿泊場所を探さないといけない状態だった。
繁華街で深夜まですごし、そこから朝イチまで泊まるだけのホテルだった。
時間で言ったら5、6時間、もっと短いかもしれない。
それだけど、繁華街のラブホの宿泊料金はバカみたいに高い。
時間いっぱい使えるなら問題ないけど、ほんの数時間のために足下見られているような料金設定に、コスパに拘る那智さんはなかなか納得してくれなくて、ずいぶん深夜のラブホ街をうろうろした。
どこも似たり寄ったりな料金だったけど、繁華街から奥に入るに連れて徐々に人影もなくなり、表示されている料金も下がってきたように感じる。
もう、そろそろ隣りの駅の界隈になるのではないかというほど深い街角に踏み込んだら、古い旅館のようなラブホがあった。
ここからの記憶はかなり曖昧です。
多少想像も入ってます。
きっと昔からある連れ込み宿だ。
申し訳程度の門と生け垣もあったような気もする。
薄ぼんやりと浮かぶ手書きかと思うようなフォントの料金設定の看板には、それまでのラブホとは違う価格が書かれてあった。
なんだか、怖いなと思いつつ、ついて行くしかないわたしは門をくぐり、引き戸を開ける那智さんの後について建物の中に入っていった。
いきなり、そこそこな広さの玄関。
靴を脱いで上がるらしい。
旅館で見たことがあるような板の間に朱色のマットが敷かれてある。
わたしたちの気配で、玄関の横のドアから男性が出てきた。
30代くらいの印象。
仮眠を取っていたみたいにぼんやりした感じだった。
たぶん、「いらっしゃいませ」なんて言われたはずだ、手にポットを持っていた。
そして、靴を脱いで上がるように促されたと思う。
スリッパに履き替え、男性の後について廊下を歩いた。
階段を登ったような記憶がある、中二階とか、そういう作りだったような気もする。
部屋に入ると、なんて言ったらいいのか、とにかく変だった。
まず、かすかにカビ臭い。
そして、暗い。
部屋の全体像がわからない。
暗くてわからないというのもあるのだけど、なんかね、部屋の中に岩風呂みたいな石の作り物があって、そこに橋のようなものがかかっていたり、その奥が暗いし、なにかごちゃごちゃと物が置かれているようで、部屋の奥まで見えないのだ。
いや、いま思い出しても、この記憶、本当だろうかと思う。
あと、オモチャみたいな作りのドレッサーがあったのも映像として残っている。
昔、親戚にお姉さんの部屋にあったようなリカちゃん人形についていそうな装飾のドレッサーだった。
薄暗い部屋の比較的明るい場所に置かれていた。
これも不確かな記憶だけど、あまりに変な部屋だったから、那智さん電話してくれていたような記憶もある。
何かしらの理由で断られたか、もしかしたら、電話取ってもらえなかったという記憶すらある。
さっきの男の従業員、寝ちゃったのかな
なんて、不自然さに蓋をするように笑い合った憶えもある。
とにかく、寝ちゃおうと、すぐベッドに入った。
きっとこの時点で深夜2時とかだった。
気持ち悪いと感じながらも、人はすっと眠りに落ちる瞬間もあるようで、次に記憶があるのは、外からの音だった。
枕元に窓があるようで、すぐ頭の上から外の雑踏が聞こえてきたのだ。
光が漏れて入ってきていたから2、3時間は経過していたのだろうか(夏の時期だったから4時くらいかな)
枕元から聞こえる雑踏にまぎれて、事件を起こした宗教団体の教祖の名前が歌詞になった団体の歌(わかるよね^^;)を若い声の数人がうかれたように歌っているのが聞こえてきていて、早朝から、なんでそれ?と思って聞いていたのだけど、どうも不思議なんだよね。
雑踏と声が聞こえてくる位置から推測すると、どうも、わたしの寝ている位置は彼らの足下あたりの高さなんだ。
とてもダイレクトに足音と振動が伝わってきていた。
わたしは半地下にいるらしかった。
たしか、階段を登ったような気がしていたので、不思議だった。
記憶があるのは、ここまで。
たぶん、なんの問題もなく支払いも済ませて帰ったはずなので(そのあたりの記憶もないんだけど)、ただ古い連れ込み宿だったってだけなんだろうけど、なんだか狐につままれたような気分になる。
部屋の隅まで見えないとか、登ったつもりが地下だったとか、確認しようと思えば確認できるし、これほど強烈なところだったら、もっと記憶に残っていそうなんだけど、自分の行動と記憶が、自分のものではないような不思議な印象で残っている。
もしかしたら、あまりに酷いホテルだったから、脳が記憶しないようにしたのかもしれないけどね(笑)
那智さんは、どれくらい覚えているかな。
ちょっと不思議な体験でした^^
ホテル話はおしまいです^^
「等式」感想です。この話ねー、それはそれは不思議な出来事でした。悪く言うと、「お化け屋敷」良く言うと「アトラクション」?遊園地のようでした。確かに記憶が薄いのです。朝も、どうやって出たのか覚えてないし。覚えているのはこんな気持ち悪い空間だから料金が安いのかなと思った位かな。(笑)
さて、シーツやかけ布団のない強烈なお部屋を体験したわたしたちですが、いままでで一番強烈だったホテルの思い出は、付き合いってまだそれほど経っていないころだったので、いまから10年くらい前のこと。
ただ、どうにも詳細が思い出せないんだ。
まるで狐につままれたような現実味のない記憶しか残っていないの。
あれは、たしか、那智さんと朝まで一緒にいられる夜だった。
とはいえ、もともとそういう予定だったわけではなかったので、宿泊場所を探さないといけない状態だった。
繁華街で深夜まですごし、そこから朝イチまで泊まるだけのホテルだった。
時間で言ったら5、6時間、もっと短いかもしれない。
それだけど、繁華街のラブホの宿泊料金はバカみたいに高い。
時間いっぱい使えるなら問題ないけど、ほんの数時間のために足下見られているような料金設定に、コスパに拘る那智さんはなかなか納得してくれなくて、ずいぶん深夜のラブホ街をうろうろした。
どこも似たり寄ったりな料金だったけど、繁華街から奥に入るに連れて徐々に人影もなくなり、表示されている料金も下がってきたように感じる。
もう、そろそろ隣りの駅の界隈になるのではないかというほど深い街角に踏み込んだら、古い旅館のようなラブホがあった。
ここからの記憶はかなり曖昧です。
多少想像も入ってます。
きっと昔からある連れ込み宿だ。
申し訳程度の門と生け垣もあったような気もする。
薄ぼんやりと浮かぶ手書きかと思うようなフォントの料金設定の看板には、それまでのラブホとは違う価格が書かれてあった。
なんだか、怖いなと思いつつ、ついて行くしかないわたしは門をくぐり、引き戸を開ける那智さんの後について建物の中に入っていった。
いきなり、そこそこな広さの玄関。
靴を脱いで上がるらしい。
旅館で見たことがあるような板の間に朱色のマットが敷かれてある。
わたしたちの気配で、玄関の横のドアから男性が出てきた。
30代くらいの印象。
仮眠を取っていたみたいにぼんやりした感じだった。
たぶん、「いらっしゃいませ」なんて言われたはずだ、手にポットを持っていた。
そして、靴を脱いで上がるように促されたと思う。
スリッパに履き替え、男性の後について廊下を歩いた。
階段を登ったような記憶がある、中二階とか、そういう作りだったような気もする。
部屋に入ると、なんて言ったらいいのか、とにかく変だった。
まず、かすかにカビ臭い。
そして、暗い。
部屋の全体像がわからない。
暗くてわからないというのもあるのだけど、なんかね、部屋の中に岩風呂みたいな石の作り物があって、そこに橋のようなものがかかっていたり、その奥が暗いし、なにかごちゃごちゃと物が置かれているようで、部屋の奥まで見えないのだ。
いや、いま思い出しても、この記憶、本当だろうかと思う。
あと、オモチャみたいな作りのドレッサーがあったのも映像として残っている。
昔、親戚にお姉さんの部屋にあったようなリカちゃん人形についていそうな装飾のドレッサーだった。
薄暗い部屋の比較的明るい場所に置かれていた。
これも不確かな記憶だけど、あまりに変な部屋だったから、那智さん電話してくれていたような記憶もある。
何かしらの理由で断られたか、もしかしたら、電話取ってもらえなかったという記憶すらある。
さっきの男の従業員、寝ちゃったのかな
なんて、不自然さに蓋をするように笑い合った憶えもある。
とにかく、寝ちゃおうと、すぐベッドに入った。
きっとこの時点で深夜2時とかだった。
気持ち悪いと感じながらも、人はすっと眠りに落ちる瞬間もあるようで、次に記憶があるのは、外からの音だった。
枕元に窓があるようで、すぐ頭の上から外の雑踏が聞こえてきたのだ。
光が漏れて入ってきていたから2、3時間は経過していたのだろうか(夏の時期だったから4時くらいかな)
枕元から聞こえる雑踏にまぎれて、事件を起こした宗教団体の教祖の名前が歌詞になった団体の歌(わかるよね^^;)を若い声の数人がうかれたように歌っているのが聞こえてきていて、早朝から、なんでそれ?と思って聞いていたのだけど、どうも不思議なんだよね。
雑踏と声が聞こえてくる位置から推測すると、どうも、わたしの寝ている位置は彼らの足下あたりの高さなんだ。
とてもダイレクトに足音と振動が伝わってきていた。
わたしは半地下にいるらしかった。
たしか、階段を登ったような気がしていたので、不思議だった。
記憶があるのは、ここまで。
たぶん、なんの問題もなく支払いも済ませて帰ったはずなので(そのあたりの記憶もないんだけど)、ただ古い連れ込み宿だったってだけなんだろうけど、なんだか狐につままれたような気分になる。
部屋の隅まで見えないとか、登ったつもりが地下だったとか、確認しようと思えば確認できるし、これほど強烈なところだったら、もっと記憶に残っていそうなんだけど、自分の行動と記憶が、自分のものではないような不思議な印象で残っている。
もしかしたら、あまりに酷いホテルだったから、脳が記憶しないようにしたのかもしれないけどね(笑)
那智さんは、どれくらい覚えているかな。
ちょっと不思議な体験でした^^
ホテル話はおしまいです^^
「等式」感想です。この話ねー、それはそれは不思議な出来事でした。悪く言うと、「お化け屋敷」良く言うと「アトラクション」?遊園地のようでした。確かに記憶が薄いのです。朝も、どうやって出たのか覚えてないし。覚えているのはこんな気持ち悪い空間だから料金が安いのかなと思った位かな。(笑)
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COMMENT
もしかしてあの街の外れだと坂道マジックだったかもしれませんねぇ。もっと前の時代だとフロントに逃亡避けに脱いだ靴を隠されるとか、後から部屋にポットを持ってくるからすぐに始めちゃダメとか。岩風呂っぽい造りや橋が掛かってるみたいなとこ、結構行きました( ̄▽ ̄;)
私も...
夢か現実か分からない記憶があります。(^o^;)
ガレージ式やったのに、
入ったら薄暗い、いやカナリ暗い廊下を
まぁまぁ歩いて、お部屋に到着。
机の上に謎の栄養ドリンクが2本あったけど、怖くて飲めず。(苦笑)
「お代は枕の下にお願いします」
って手書きのメモがあるけど、
料金が分からず、
電話してみたけど、誰も出ず...。
とにかく早く帰ろう!!
ってコトで、滞在時間は15分位。
1発やって、枕の下に5000円置いて、
怖くて逃げるように帰ってきました。
(2000円か5000円札の2択で不本意ながら。笑)
今はもう営業してないけど、
建物がそのままなので、前を通る度に
「あれはなんやったんやろう?」
って、思う11年前の思い出...f(^^;
夢か現実か分からない記憶があります。(^o^;)
ガレージ式やったのに、
入ったら薄暗い、いやカナリ暗い廊下を
まぁまぁ歩いて、お部屋に到着。
机の上に謎の栄養ドリンクが2本あったけど、怖くて飲めず。(苦笑)
「お代は枕の下にお願いします」
って手書きのメモがあるけど、
料金が分からず、
電話してみたけど、誰も出ず...。
とにかく早く帰ろう!!
ってコトで、滞在時間は15分位。
1発やって、枕の下に5000円置いて、
怖くて逃げるように帰ってきました。
(2000円か5000円札の2択で不本意ながら。笑)
今はもう営業してないけど、
建物がそのままなので、前を通る度に
「あれはなんやったんやろう?」
って、思う11年前の思い出...f(^^;
熟桃さん
あはは、あの街ではなくて、隣りの繁華街です^^
どちらにしてもカオス(笑)
わたしはその手の昔の連れ込み宿?は初体験だったので面食らいました^^;
岩風呂も橋もありなんだね〜、なんかちょっと安心しました^^
あはは、あの街ではなくて、隣りの繁華街です^^
どちらにしてもカオス(笑)
わたしはその手の昔の連れ込み宿?は初体験だったので面食らいました^^;
岩風呂も橋もありなんだね〜、なんかちょっと安心しました^^
さちこさん
ああ、不思議なラブホ体験、いろいろあるんだね!
料金ないのも手書きも恐ろしげ^^;
でも、建物があるってことは現実のことだったのだろうけど、実体験として夢のような感覚しか残っていないのだとしたら、同じような体験だね^^
で、15分で、『いたして』出たのは賞賛に値します♪
ああ、不思議なラブホ体験、いろいろあるんだね!
料金ないのも手書きも恐ろしげ^^;
でも、建物があるってことは現実のことだったのだろうけど、実体験として夢のような感覚しか残っていないのだとしたら、同じような体験だね^^
で、15分で、『いたして』出たのは賞賛に値します♪