ほしかったもの
非日常的な日常
先に入った那智さんの靴もそろえて部屋に入ったら、すでにお道具袋を取り出していた。
期待と不安とが入り交じり「お風呂いれますか?」とまるで見えていないかのような話題を振ってごまかす。
一瞬考えて「ああ、そうだね」という返事にすぐ可愛がるテンションではないのだと理解して、ホッとするような肩すかしのような気持ちになる。
しばらく忙しい時期が続いて、一度「足りない」と伝えてしまった後のひさしぶりの丸一日のお休みだったから、わたしもどのようなテンションでいたらいいのかわからなかったので、この短い時間だけでも複雑な気持ちだった。
忙しい原因だったイベントが終わってすぐのお休みだったので、お風呂が先ならリラックスしていただこう(その後、可愛がってもらいますよ〜〜)とバスソルトを準備したり、かいがいしいわたし(笑)
バスルームから戻ったら、今度は袋からお道具を出して並べはじめている。
鞭、縄、電マ、洗濯バサミ(4つ!!)などなど。
一旦治めたドギマギが、また否応なくわき上がる。
シャツやズボンを脱いでTシャツとトランクスでリラックスした那智さん、わたしの分のハンガーをベッドに置いていてくれたから「わたしはどうしますか?」と聞くと、また一瞬考えて「まだ、そのまま」とのことだったので、ピンクのブラウスと白いタイトスカートのまま、いたたまれなく「座っていいですか?」と許可を得てソファに腰かける。
ほどなくして首輪を手にした那智さんもソファに。
首輪にリード、もうそれだけでうれしくてうれしくて、見えない尻尾は千切れんばかりに振れている。
短い紐で両手首もひとつのまとめられて、那智さんの手で拘束されることはなんて幸せ。
ホテルのサービスについていたフルーツゼリーをスプーンですくい口元に運んでくれる。
食べさせてくれるんだ。
首輪とリードに手首拘束で食べさせてくれるなんて!!
盆と正月が一度に来たくらいな幸福ではありませんか!!!
はうはうとよろこび、たまらず「くっついていいですか?」と聞くと「ダメ(笑)」と拒否されたけど、それさえもうれしい。
食べ終わったら一括りにした手首を頭の上まで持ち上げ紐の端を二の腕あたりで結び、手首を頭の後ろに持っていくような形で簡易拘束された。
ソファから立たせてもらう。
こういうときね、丁寧に支えてくれるんだ。
加虐行為はするけれど、ぞんざいに扱わないのが那智さん流なのだ。
タイトスカートをめくられパンツを脱がしてもらう。
触ると、うう、濡れてるよね^^;
くしゃくしゃとたくし上げられてお尻を露わにしたまま、ベッドにうつ伏せにされる。
並べた道具から鞭を手にした。
鞭かあ、怖いよう。
すこしひさしぶりだったから、どうなるか不安が頭をかすめるけど、もうわたしはこれが必要なのだとため息をつく。
腕を拘束されたまま、お守りの枕を抱えることもままならない状態でのひさしぶりの鞭になった。
中くらいより少し強い力だったと思う。
ベッドに対して横にうつ伏せになっていたので足下側からしか打てないから最初の数発は左側からばかりだった。
打つたびに巻き込んで右の腰にゴムの角が刺さる。
時折振り下ろされる腿やふくらはぎは皮膚が破裂するんじゃないかと思う痛さ。
カウントするように、連続して、強さ早さ場所、執拗に、分散して、たくさんたくさん打たれる。
そのたび自分の内腿がびちゃびちゃに濡れていくのがわかる。
二の腕の拘束が抜けて両手首を括っただけになった、すこし自由(簡易だったからね)
拘束されての鞭は怖さが増すからと苦手に思っていたけれど、今日はまったく気にならない。
手首だけだからかもしれないけど、それよりきっと痛いことが感情のほとんどを占めてしまっているからのような気がする。
ときどきプラウスの中に手を入れて乳首を摘んでくれたり、おまんこに振れてくれたり、そのたびに腰がガクガク震えてどんどん淫乱になっていく。
どれくらいだろう。
50発くらいかな。
ずいぶん、朦朧としてきたところで、那智さんがリードを引いてベッドから起こした。
クシャクシャになった髪が汗で顔に貼りついて、すでにボロボロなわたしをリードを引いてトイレまで連れていかれる。
那智さんのおしっこかなとぼんやりした頭で思っていたら
おしっこして
と指示。
ということは、このあと電マだ。
(わたし、おしっこ出ちゃうんだよね、で、ベッド濡らすと思うと気になって没頭できないの^^;)
鞭でだいぶおかしくなった体と脳に電マか。
わたしの体力持つのだろうかとすこし不安になる。
たしか、ここで洋服を脱がしてもらった(手首の拘束も解かれたかな記憶曖昧)
おしっこと脱衣ですこし覚醒してきた頭に電マの追い打ち。
快感物質を出され恍惚とした脳に否応ない直接的な刺激の覚醒。
鞭の刺激とは別の部分を刺激する。
何回イッたか、ひとまず日頃と同じくらいの電マタイムが終了して妙に冴えた脳とぐったりする体を横たえていると、また鞭を持つ那智さん。
また、鞭?
鞭はひと区切りしたらおしまいのことが多い、鞭とセックスをくり返したこともあるけど、それはごく稀なことだったので、面食らう。
今度はベッドに平行に横になっているので左右どちらからも打てるから、もっともっと打ち方を楽しんでいるみたいだ。
打ち上げられた魚みたいにビクンビクンと体が跳ねる。
のたうち回り、那智さんを仰ぎ見る。
(あ、このときまだ両手拘束されていた、手首括ったまま体をひねって那智さんを見上げた記憶あり、いや、待て手首拘束したまま洋服は脱げないから解いているはず、曖昧 笑)
わたしを見下ろす目。
『見下ろす』というのは、よほどわかりやすい表情をしてくれないと感情が読み取りにくいと気づく。
那智さんにわたしを蔑む感情がないことはわかっているけど、視線だけ下に向けるとひんやりしたものになるのだ。
那智さん、どう思っているのだろう。
感情が読み取れない。
蔑まない人のひんやりした瞳。
突き放したような、手のひらに乗せているような。
たまらなくステキ。
もどかしい気持ちさえも快感だ。
さっきと同じくらい打っただろうか。
鞭を置き、また電マを持った。
このあたりから記憶は曖昧だ。
ああ、まだ続くのかという衝撃とわたしはどうなるのだという混乱。
そして、満ち足りていく不思議な気持ち。
電マ2セット目(笑)
ダメ、記憶なし^^;
そして、また鞭。
無理よ、そんな立て続けに。
覚醒するような快感と痛みによる恍惚のくり返しに、もう自分がどうなるかわからない。
というか、わたしは意思のない人形ですべては自分の外側で起きているようだ。
言葉を発しているつもりだけど、どれだけ外に響いているかもわからない。
たくさんたくさん打たれる中、今度は洗濯バサミを手に取るのが見えた。
どうするのだろう。
恐怖に震える。
恐怖に震えることができる幸せ。
左右のお尻にひとつずつ。
残念ながら(?)ただでさえお肉のお尻は鞭で痺れていて洗濯バサミで挟んでもあまり強い痛みにはならない。
ここはさすがに安堵。
でも、それをどうするか想像ができるので、気休めの安堵だ。
バシン、バシン、バシン。
強い強い鞭の打撃で洗濯バサミを撃ち落とす。
落しきれずわずかな皮膚を摘んで耐えているそれは『ちーー』という痛み。
早く落してほしいけど、怖い!!
たまらない恐怖。
鞭と洗濯バサミのコラボで何回か。
もう、脳も体もマヒしていて、痛いと思えない。
いや、たぶん、痛い^^;
とうとう痛いことが気持ちよくて、うれしくて、腰が波打ち、もっともっととお尻を上げて鞭を欲しがってしまっていた。
あられもない姿だろう。
那智さんは、それを「可愛い、可愛い」と褒めてくれる。
こんな動物みたいなはしたない姿を可愛いと言ってくれると、わたしはどんどん淫乱になれる。
遠くで聞こえる声に反応する曲芸をするアシカだ。
たしか、もう1セット電マ。
次の鞭でお尻以外の背中を数発。
まだ続くのか、そして、あらたな場所も打つのかと、呆然とする。
鞭と電マのくり返しにヘトヘト、ボロボロになる。
もうほとんど記憶がないけれど、ただ『代え難い感情と快感』だったという漠然とした記憶だけはある。
いい顔
と那智さんも満足そう。
きっとくしゃくしゃの髪に汗と涎でボロボロだけど満たされた表情のはずだ。
惚けたようにベッドに座っていると、また洗濯バサミを持ってきた。
乳首だ…
絶望
小さく首を振りため息を吐く。
98%のわたしは絶望する中、2%のモンスターがうれしそうにパタリと尻尾を振った。
わたしはこの絶望さえも欲しているのかと諦念の思い。
しかし、とても大切にしてくれている人から感じる絶望はたまらなく甘美だ。
何が原因かわからないけど、このところ乳首がとても痛いのだ。
那智さんから散々弄ばれているから強くなってもいいのではないかと思うのだけど。
だから、2回くらい洗濯バサミで『痛すぎます』のセーフティワードを発動してしまっていた。
それは、本当に痛すぎるというより、先の痛みを想像して弱気になったゆえの痛すぎますだったとは自覚してる。
(だって、外したあとにさらに潰したりするのわかってるんだもん^^;)
だけど、このときは弱気ゆえの発動はやめようと思った。
すでに痴人状態に近いわたしだったから抵抗感も少なかったのかもしれないけど、朦朧とした頭で、そう思った。
痛いことがわたしには必要だと、もうイヤというほど自覚してきた。
それならば、那智さんがしてくれる痛いことを受け止める。
欲しい痛み以外を拒否するのではなく、恐怖や弱気をできるだけ混ぜず痛みだけを感じ、そして、那智さんに全面的に委ねる気持ちを貫くのだ。
なにより、わたしのモンスターは絶望に目をキラキラさせてしまっているではないか。
わたしは那智さんがくれる痛みも絶望も呆然も、どれも全部いただく。
洗濯バサミを左右につける。
見れば怖いくせに視界を下に向ける。
潰されてぺしゃんこになり、重みでひん曲がる乳首。
もう、ものすごく痛い。
全部いただくと思っていても怯えた目をしていたのだろう、もしかしたら恐怖を言葉にしていたかもしれない。
ベッドにちょんと座って痛みに耐えるわたしの頭をやさしく抱え込んでキスをする。
髪を撫でとろけるような甘い甘いキス。
痛みを甘さで凌駕しようとしてくれているのか、励ましてくれているのか。
両極端の感覚に目眩を起こしそうだ。
一瞬、ふーっと痛みが引くような錯覚に捉われるけど、洗濯バサミのバネはそんなに簡単に弱まらない。
連続する強烈な痛みは、またすぐ襲う。
那智さん、痛いです
たぶん、そう言った。
撫でていた腕をほどき背中に回す。
やさしく強く抱きしめてくれた。
押しつぶされて乳首はひしゃげているだろう。
もう、わからない。
わたしも那智さんの背中に腕を回し離れないとしがみついた。
抱擁から解放され、洗濯バサミを外され、やっぱり思い切り乳首を痛めつけられた。
悲鳴を上げながら、それでも、わたしはこれがいいのだと思うのだ。
モンスターが遊び疲れて眠るようにボロボロのわたしは安堵するのだった。
「等式」感想です。肉体の快感と痛覚、精神の快感と痛覚を全て混ぜて境がない、もしくは判断出来ない状態にしてみたかった。どうやら、その様になってきたみたいです。何時も目指しているわけではありませんがね、目指すと出来、不出来が出てきてしまう。
先に入った那智さんの靴もそろえて部屋に入ったら、すでにお道具袋を取り出していた。
期待と不安とが入り交じり「お風呂いれますか?」とまるで見えていないかのような話題を振ってごまかす。
一瞬考えて「ああ、そうだね」という返事にすぐ可愛がるテンションではないのだと理解して、ホッとするような肩すかしのような気持ちになる。
しばらく忙しい時期が続いて、一度「足りない」と伝えてしまった後のひさしぶりの丸一日のお休みだったから、わたしもどのようなテンションでいたらいいのかわからなかったので、この短い時間だけでも複雑な気持ちだった。
忙しい原因だったイベントが終わってすぐのお休みだったので、お風呂が先ならリラックスしていただこう(その後、可愛がってもらいますよ〜〜)とバスソルトを準備したり、かいがいしいわたし(笑)
バスルームから戻ったら、今度は袋からお道具を出して並べはじめている。
鞭、縄、電マ、洗濯バサミ(4つ!!)などなど。
一旦治めたドギマギが、また否応なくわき上がる。
シャツやズボンを脱いでTシャツとトランクスでリラックスした那智さん、わたしの分のハンガーをベッドに置いていてくれたから「わたしはどうしますか?」と聞くと、また一瞬考えて「まだ、そのまま」とのことだったので、ピンクのブラウスと白いタイトスカートのまま、いたたまれなく「座っていいですか?」と許可を得てソファに腰かける。
ほどなくして首輪を手にした那智さんもソファに。
首輪にリード、もうそれだけでうれしくてうれしくて、見えない尻尾は千切れんばかりに振れている。
短い紐で両手首もひとつのまとめられて、那智さんの手で拘束されることはなんて幸せ。
ホテルのサービスについていたフルーツゼリーをスプーンですくい口元に運んでくれる。
食べさせてくれるんだ。
首輪とリードに手首拘束で食べさせてくれるなんて!!
盆と正月が一度に来たくらいな幸福ではありませんか!!!
はうはうとよろこび、たまらず「くっついていいですか?」と聞くと「ダメ(笑)」と拒否されたけど、それさえもうれしい。
食べ終わったら一括りにした手首を頭の上まで持ち上げ紐の端を二の腕あたりで結び、手首を頭の後ろに持っていくような形で簡易拘束された。
ソファから立たせてもらう。
こういうときね、丁寧に支えてくれるんだ。
加虐行為はするけれど、ぞんざいに扱わないのが那智さん流なのだ。
タイトスカートをめくられパンツを脱がしてもらう。
触ると、うう、濡れてるよね^^;
くしゃくしゃとたくし上げられてお尻を露わにしたまま、ベッドにうつ伏せにされる。
並べた道具から鞭を手にした。
鞭かあ、怖いよう。
すこしひさしぶりだったから、どうなるか不安が頭をかすめるけど、もうわたしはこれが必要なのだとため息をつく。
腕を拘束されたまま、お守りの枕を抱えることもままならない状態でのひさしぶりの鞭になった。
中くらいより少し強い力だったと思う。
ベッドに対して横にうつ伏せになっていたので足下側からしか打てないから最初の数発は左側からばかりだった。
打つたびに巻き込んで右の腰にゴムの角が刺さる。
時折振り下ろされる腿やふくらはぎは皮膚が破裂するんじゃないかと思う痛さ。
カウントするように、連続して、強さ早さ場所、執拗に、分散して、たくさんたくさん打たれる。
そのたび自分の内腿がびちゃびちゃに濡れていくのがわかる。
二の腕の拘束が抜けて両手首を括っただけになった、すこし自由(簡易だったからね)
拘束されての鞭は怖さが増すからと苦手に思っていたけれど、今日はまったく気にならない。
手首だけだからかもしれないけど、それよりきっと痛いことが感情のほとんどを占めてしまっているからのような気がする。
ときどきプラウスの中に手を入れて乳首を摘んでくれたり、おまんこに振れてくれたり、そのたびに腰がガクガク震えてどんどん淫乱になっていく。
どれくらいだろう。
50発くらいかな。
ずいぶん、朦朧としてきたところで、那智さんがリードを引いてベッドから起こした。
クシャクシャになった髪が汗で顔に貼りついて、すでにボロボロなわたしをリードを引いてトイレまで連れていかれる。
那智さんのおしっこかなとぼんやりした頭で思っていたら
おしっこして
と指示。
ということは、このあと電マだ。
(わたし、おしっこ出ちゃうんだよね、で、ベッド濡らすと思うと気になって没頭できないの^^;)
鞭でだいぶおかしくなった体と脳に電マか。
わたしの体力持つのだろうかとすこし不安になる。
たしか、ここで洋服を脱がしてもらった(手首の拘束も解かれたかな記憶曖昧)
おしっこと脱衣ですこし覚醒してきた頭に電マの追い打ち。
快感物質を出され恍惚とした脳に否応ない直接的な刺激の覚醒。
鞭の刺激とは別の部分を刺激する。
何回イッたか、ひとまず日頃と同じくらいの電マタイムが終了して妙に冴えた脳とぐったりする体を横たえていると、また鞭を持つ那智さん。
また、鞭?
鞭はひと区切りしたらおしまいのことが多い、鞭とセックスをくり返したこともあるけど、それはごく稀なことだったので、面食らう。
今度はベッドに平行に横になっているので左右どちらからも打てるから、もっともっと打ち方を楽しんでいるみたいだ。
打ち上げられた魚みたいにビクンビクンと体が跳ねる。
のたうち回り、那智さんを仰ぎ見る。
(あ、このときまだ両手拘束されていた、手首括ったまま体をひねって那智さんを見上げた記憶あり、いや、待て手首拘束したまま洋服は脱げないから解いているはず、曖昧 笑)
わたしを見下ろす目。
『見下ろす』というのは、よほどわかりやすい表情をしてくれないと感情が読み取りにくいと気づく。
那智さんにわたしを蔑む感情がないことはわかっているけど、視線だけ下に向けるとひんやりしたものになるのだ。
那智さん、どう思っているのだろう。
感情が読み取れない。
蔑まない人のひんやりした瞳。
突き放したような、手のひらに乗せているような。
たまらなくステキ。
もどかしい気持ちさえも快感だ。
さっきと同じくらい打っただろうか。
鞭を置き、また電マを持った。
このあたりから記憶は曖昧だ。
ああ、まだ続くのかという衝撃とわたしはどうなるのだという混乱。
そして、満ち足りていく不思議な気持ち。
電マ2セット目(笑)
ダメ、記憶なし^^;
そして、また鞭。
無理よ、そんな立て続けに。
覚醒するような快感と痛みによる恍惚のくり返しに、もう自分がどうなるかわからない。
というか、わたしは意思のない人形ですべては自分の外側で起きているようだ。
言葉を発しているつもりだけど、どれだけ外に響いているかもわからない。
たくさんたくさん打たれる中、今度は洗濯バサミを手に取るのが見えた。
どうするのだろう。
恐怖に震える。
恐怖に震えることができる幸せ。
左右のお尻にひとつずつ。
残念ながら(?)ただでさえお肉のお尻は鞭で痺れていて洗濯バサミで挟んでもあまり強い痛みにはならない。
ここはさすがに安堵。
でも、それをどうするか想像ができるので、気休めの安堵だ。
バシン、バシン、バシン。
強い強い鞭の打撃で洗濯バサミを撃ち落とす。
落しきれずわずかな皮膚を摘んで耐えているそれは『ちーー』という痛み。
早く落してほしいけど、怖い!!
たまらない恐怖。
鞭と洗濯バサミのコラボで何回か。
もう、脳も体もマヒしていて、痛いと思えない。
いや、たぶん、痛い^^;
とうとう痛いことが気持ちよくて、うれしくて、腰が波打ち、もっともっととお尻を上げて鞭を欲しがってしまっていた。
あられもない姿だろう。
那智さんは、それを「可愛い、可愛い」と褒めてくれる。
こんな動物みたいなはしたない姿を可愛いと言ってくれると、わたしはどんどん淫乱になれる。
遠くで聞こえる声に反応する曲芸をするアシカだ。
たしか、もう1セット電マ。
次の鞭でお尻以外の背中を数発。
まだ続くのか、そして、あらたな場所も打つのかと、呆然とする。
鞭と電マのくり返しにヘトヘト、ボロボロになる。
もうほとんど記憶がないけれど、ただ『代え難い感情と快感』だったという漠然とした記憶だけはある。
いい顔
と那智さんも満足そう。
きっとくしゃくしゃの髪に汗と涎でボロボロだけど満たされた表情のはずだ。
惚けたようにベッドに座っていると、また洗濯バサミを持ってきた。
乳首だ…
絶望
小さく首を振りため息を吐く。
98%のわたしは絶望する中、2%のモンスターがうれしそうにパタリと尻尾を振った。
わたしはこの絶望さえも欲しているのかと諦念の思い。
しかし、とても大切にしてくれている人から感じる絶望はたまらなく甘美だ。
何が原因かわからないけど、このところ乳首がとても痛いのだ。
那智さんから散々弄ばれているから強くなってもいいのではないかと思うのだけど。
だから、2回くらい洗濯バサミで『痛すぎます』のセーフティワードを発動してしまっていた。
それは、本当に痛すぎるというより、先の痛みを想像して弱気になったゆえの痛すぎますだったとは自覚してる。
(だって、外したあとにさらに潰したりするのわかってるんだもん^^;)
だけど、このときは弱気ゆえの発動はやめようと思った。
すでに痴人状態に近いわたしだったから抵抗感も少なかったのかもしれないけど、朦朧とした頭で、そう思った。
痛いことがわたしには必要だと、もうイヤというほど自覚してきた。
それならば、那智さんがしてくれる痛いことを受け止める。
欲しい痛み以外を拒否するのではなく、恐怖や弱気をできるだけ混ぜず痛みだけを感じ、そして、那智さんに全面的に委ねる気持ちを貫くのだ。
なにより、わたしのモンスターは絶望に目をキラキラさせてしまっているではないか。
わたしは那智さんがくれる痛みも絶望も呆然も、どれも全部いただく。
洗濯バサミを左右につける。
見れば怖いくせに視界を下に向ける。
潰されてぺしゃんこになり、重みでひん曲がる乳首。
もう、ものすごく痛い。
全部いただくと思っていても怯えた目をしていたのだろう、もしかしたら恐怖を言葉にしていたかもしれない。
ベッドにちょんと座って痛みに耐えるわたしの頭をやさしく抱え込んでキスをする。
髪を撫でとろけるような甘い甘いキス。
痛みを甘さで凌駕しようとしてくれているのか、励ましてくれているのか。
両極端の感覚に目眩を起こしそうだ。
一瞬、ふーっと痛みが引くような錯覚に捉われるけど、洗濯バサミのバネはそんなに簡単に弱まらない。
連続する強烈な痛みは、またすぐ襲う。
那智さん、痛いです
たぶん、そう言った。
撫でていた腕をほどき背中に回す。
やさしく強く抱きしめてくれた。
押しつぶされて乳首はひしゃげているだろう。
もう、わからない。
わたしも那智さんの背中に腕を回し離れないとしがみついた。
抱擁から解放され、洗濯バサミを外され、やっぱり思い切り乳首を痛めつけられた。
悲鳴を上げながら、それでも、わたしはこれがいいのだと思うのだ。
モンスターが遊び疲れて眠るようにボロボロのわたしは安堵するのだった。
「等式」感想です。肉体の快感と痛覚、精神の快感と痛覚を全て混ぜて境がない、もしくは判断出来ない状態にしてみたかった。どうやら、その様になってきたみたいです。何時も目指しているわけではありませんがね、目指すと出来、不出来が出てきてしまう。
COMMENT
最近ぐらんぐらんしてる中で、がつんと頭をハンマーで叩かれるようなエントリーでした。
なんだか分からないけど衝撃的だったことを、ここに書かせて下さい。
りん子さんの文章読んでいると、私は引きずり込まれて呆然としてしまいますー。
必要が恐怖を凌駕してしまったことに頭ぼんやり。
と、たまには脈絡ないまとまらないコメントを残してみよう!
なんだか分からないけど衝撃的だったことを、ここに書かせて下さい。
りん子さんの文章読んでいると、私は引きずり込まれて呆然としてしまいますー。
必要が恐怖を凌駕してしまったことに頭ぼんやり。
と、たまには脈絡ないまとまらないコメントを残してみよう!
>首輪とリードに手首拘束で食べさせてくれるなんて!!
>盆と正月が一度に来たくらいな幸福ではありませんか!!!
クリスマスまで一緒に来そうな!!!
ほんと喜びですよねー!
>盆と正月が一度に来たくらいな幸福ではありませんか!!!
クリスマスまで一緒に来そうな!!!
ほんと喜びですよねー!
見下ろす姿をステキと、
わたしも快感の中で惚れ直すくらいの気持ちになりました。
でも、最近は見下ろされることがなかったので…
とても懐かしい気持ちを思い出した感じです。
ありがとう~りん子さん。
わたしも快感の中で惚れ直すくらいの気持ちになりました。
でも、最近は見下ろされることがなかったので…
とても懐かしい気持ちを思い出した感じです。
ありがとう~りん子さん。
モンスターが出てくる隙のないような
濃い時間のお話しですね。
とってもうらやましいです(*´艸`)
足りない、とお伝えできる那智さんとりん子さんの関係、
読んでも読んでも終わらない記事の量が物語る
積み重ねた時間の大きさを感じます。
濃い時間のお話しですね。
とってもうらやましいです(*´艸`)
足りない、とお伝えできる那智さんとりん子さんの関係、
読んでも読んでも終わらない記事の量が物語る
積み重ねた時間の大きさを感じます。
もんちゃん
すごいよ!!
脈絡ないなんてこと、ぜんぜんないし、『必要が恐怖を凌駕する』、これこそ一連の物語の重要事項。
それをそのワンセンテンスで表してくれたことで、エントリーにハッキリと輪郭を持たせることができたと思うのです。
だから、すごいの!!
わたしが長々書いているから、コメントにも推敲が必要に思われるかもしれないけど、こんなふうに溢れる気持ちをそのまま書いてくれることにも真実が存在するものなのだよねって思いました。
推敲しても脈絡ないと思っていても(わたしは思ってないけどね^^)、なんでもいいよ。
どっちもうれしいから^^
すごいよ!!
脈絡ないなんてこと、ぜんぜんないし、『必要が恐怖を凌駕する』、これこそ一連の物語の重要事項。
それをそのワンセンテンスで表してくれたことで、エントリーにハッキリと輪郭を持たせることができたと思うのです。
だから、すごいの!!
わたしが長々書いているから、コメントにも推敲が必要に思われるかもしれないけど、こんなふうに溢れる気持ちをそのまま書いてくれることにも真実が存在するものなのだよねって思いました。
推敲しても脈絡ないと思っていても(わたしは思ってないけどね^^)、なんでもいいよ。
どっちもうれしいから^^
灯里さん
もんちゃんが全体を通した重要ポイントだとしたら、灯里さんのこの反応は個の重要ポイント!!
そうなのよ、これ、たまらなくいでしょ〜〜♪♪
わたしも下書き読み返して盆と正月だけじゃ足りないか?!と思っていたのでクリスマス追加いたします^^
こういうピンポイントなコメントも大好き、ありがとうね^^
もんちゃんが全体を通した重要ポイントだとしたら、灯里さんのこの反応は個の重要ポイント!!
そうなのよ、これ、たまらなくいでしょ〜〜♪♪
わたしも下書き読み返して盆と正月だけじゃ足りないか?!と思っていたのでクリスマス追加いたします^^
こういうピンポイントなコメントも大好き、ありがとうね^^
あこさん
で(前コメレスからの流れで^^;)。
あこさんが反応してくれたこれも!!
『拘束首輪リード食べさせ』が精神的ピンポイントだとそたら、見下ろす目の下りは性的ピンポイント!!
ここも気づいてくれて、うれしいよう^^
好きな男に見下ろされることはたまらないねぇ。
懐かしいかぁ、またそんなシーンが現れるといいね、もしそうじゃなかったら、また別の惚れ直すシーンを見つけよう!!
で(前コメレスからの流れで^^;)。
あこさんが反応してくれたこれも!!
『拘束首輪リード食べさせ』が精神的ピンポイントだとそたら、見下ろす目の下りは性的ピンポイント!!
ここも気づいてくれて、うれしいよう^^
好きな男に見下ろされることはたまらないねぇ。
懐かしいかぁ、またそんなシーンが現れるといいね、もしそうじゃなかったら、また別の惚れ直すシーンを見つけよう!!
Renさん
そして(また前コメレスからの流れですみません^^;)、Renさんのわたしたち全体を表してくれるコメントもうれしいです。
4コマ漫画なら、これで完成(笑)
男女及び上下の関係で『足りない』を伝えることはとてもためらうことだけど、主導権を握っている上に対して現状を伝えることはお互いにとって+のことだと思います^^
その大切さを感じてくれて、それが読み終わらないエントリーから感じ取ってくれたことはうれしい^^
読み終わらないは、すごい褒め言葉、大変かもしれないけど、よかったら読んでくださいね!!
そして(また前コメレスからの流れですみません^^;)、Renさんのわたしたち全体を表してくれるコメントもうれしいです。
4コマ漫画なら、これで完成(笑)
男女及び上下の関係で『足りない』を伝えることはとてもためらうことだけど、主導権を握っている上に対して現状を伝えることはお互いにとって+のことだと思います^^
その大切さを感じてくれて、それが読み終わらないエントリーから感じ取ってくれたことはうれしい^^
読み終わらないは、すごい褒め言葉、大変かもしれないけど、よかったら読んでくださいね!!
りん子さん
こんにちは。
靴をそろえて部屋に入る。
ここはりん子さんと一緒だぁ~~
なんて、エントリーとはまったく関係ない事
を考えながら読んでしまった・・・(汗)
お風呂をお聞きしてから入れるんだ。
とか、那智さんは自分で洋服は脱ぐんだ。とか(^^;
へぇ~~なるほど~~
なんて、まったく違う覗き見したような
読者ですみません(汗)
でも、それもなかなか楽しいのです。
こんにちは。
靴をそろえて部屋に入る。
ここはりん子さんと一緒だぁ~~
なんて、エントリーとはまったく関係ない事
を考えながら読んでしまった・・・(汗)
お風呂をお聞きしてから入れるんだ。
とか、那智さんは自分で洋服は脱ぐんだ。とか(^^;
へぇ~~なるほど~~
なんて、まったく違う覗き見したような
読者ですみません(汗)
でも、それもなかなか楽しいのです。
ここさん
きゃー、ここさんまでいい視点!!
うれしいなぁ。
うんうん、たしかに、こういう細かい事柄をよそ様と自分のところで重ねるとそれぞれ特徴があっておもしろいよね。
それも立派な読み方だ^^
靴を揃えるの同じなんだ!
ここさんは脱がせて差し上げるの!?
お風呂、聞くんだよね〜、うちは^^;
たのしいお話、ありがとう!!
きゃー、ここさんまでいい視点!!
うれしいなぁ。
うんうん、たしかに、こういう細かい事柄をよそ様と自分のところで重ねるとそれぞれ特徴があっておもしろいよね。
それも立派な読み方だ^^
靴を揃えるの同じなんだ!
ここさんは脱がせて差し上げるの!?
お風呂、聞くんだよね〜、うちは^^;
たのしいお話、ありがとう!!