ピアス3
独特な幸福感
ビルの入口を入り、エレベーターホール。
内装工事をしているのかブルーシートが敷き詰められていて、作業服の男性がいる。
そのそばに大きなキャリーバックの女性、電話をかけている。
「オーディションに来た◯◯です」、このビル、きっと場所的にどこかの小さなプロダクションでも入っているのかな。
扉が開いたエレベーターからはいかにも芸能界な感じのキレイなおねえさんふたり。
なにか書類を持って颯爽と降りてきた。
やっぱりプロダクションが入っているんだね。
都会の一等地、そこの雑居ビルに流れる空気と、これから自分がすることのギャップになんとなく気後れしてしまって、首を飾っていたチョーカーも外した。
内装工事の人と一緒にエレベーターに乗った。
美容整形外科の階を那智さんが押してくれることさえ、なんだか、恥ずかしい。
内装工事の人を残してクリニックのある階に到着した。
エレベーターのドアが開いて目の前に広がる光景は『おまんこにピアス』とは程遠いものだった。
さすが一等地の美容整形外科。
白を基調とした清潔感と高級感が漂うエントランスを抜け、広いカウンターの受付には若いキレイなおねえさんが3人、「こんにちは〜」と華やかな雰囲気で出迎えてくれる。
はううう。
いや、もちろん不潔な感じも寂れた感じも不安だから困る。
でも、あまりのエレガントさは違う意味で、居心地悪い(笑)
予約していた◯◯ですが
那智さんが言葉を発してくれた。
ああ、このおねえさんたちにわたしがおまんこにピアスを入れること知られちゃったよ。
変態オヤジから欲情の目で見られるほうが、まだましかもしれない、この美しくエレガントな空間は居たたまれない羞恥。
こちらへどうぞ
よどみない仕草で受付のひとりが個室に案内してくれた。
通された個室は狭いながらも、やはり清潔感と高級感。
(あ、でもテーブルの色とか憶えていないな)
では、今日は『性器ピアス』をあけられるということで、こちらのカルテと同意書にご記入をお願いします
最後のサインは名字を書いてください
せ、せ、せ、せいきぴあす!!
はい、おっしゃるとおりです、せいきぴあすです!!
むしろ隠語とか使われるよりずっといいんですけど、どこまでもよどみない感じにどんどん居たたまれなさが増す。
ざっと説明をしてもらってからカルテを渡され、おねえさんは一度退室した。
カルテを記入する手がむるむるしている、うう、やっぱり緊張しているんだ。
あの人の接客はすばらしいね
緊張をほぐそうとしてくれているのか、さっきのおねえさんの印象を話しはじめる那智さん。
『性器ピアス』っていうのも他の言葉と変わらなく発してて、淡々とでも事務的になりすぎず、笑顔も適度、あれくらいがちょうどいいよね
慣れてるんだろうな
ああ、たしかに、こういう場面で感じる『過剰』さがない。
過剰に事務的でもないし、過剰に愛想でもない、ちょうどいい具合だった。
そう改めて感じると、もう一度彼女が入ってきてからの、わたしの過剰な意識もすこし緩和されたような気がした。
カルテを書き終えたころ、その他の説明にもう一度彼女が来る。
最初は何か聞かれるたびに那智さんのほうを見て、那智さんに答えてもらうようにして、ちょっと『あなたのもの』感を味わっていたのだけど、彼女の平易な様子に意識しているほうが恥ずかしいような気もしてきて、ちゃんと目を見て話を聞くことにした。
やましいことはないんだし、ケアの話などはわたしがちゃんと聞かないといけない、那智さんの女だという自負で姿勢を正そう。
そうはいっても『性器ピアス』が連呼されるたびに心の中ではひゃーひゃーの連続なんだけど。
順次、男性を使いますので、安心してください
よどみない説明。
??順次、男性って?
医師は男性なのは知ってるけど、なんでその他が男性アピール?
むしろ場所が場所だから女性のほうがいいんだけど、いや、もしかしたら、万が一のために腕力があるほうがいいのか?
となにやら恐ろしげな疑問は湧くけど、ひゃーひゃーの最中なのでひとまずうなずいておく。
「看護師が来ますので、それまでお待ちください」彼女は出て行き、とにかく手続きは終わった。
彼女が出ていってから、なんだか落ち着かない。
那智さんはわたしを安心させようとしてくれて、話を振ってくれる。
純チタン性を使うから、安心だって言ってたしね
と安心材料を話してくれて
…、純チタン性…
じゅんちたんせい
じゅんじだんせい
順次男性
…
あ〜、純チタン性っていってたんだ!!
わたしったら、バカ^^;聞き間違えてたんだ。
そうだよね、順次男性なんて、意味不明だよね^^;
ああ、やっぱり緊張してる…。
自分の聞き間違いがおかしくなってひとり笑っていると、那智さんもすこしリラックスしたのか
俺たち、なにに見えるかな(笑)
あー、わたし職業『サービス業』って書いちゃったから、ぜったいそういう関係って思われたですね!
べつに会社員でもよかったのに
キャバ嬢には思わないよな
年取ってるから、チーママ?
もしくは、愛人?
那智さん三つ揃えのスーツを来ているから『パパ感』満載なのだ(笑)
そのうち、隣りの個室から声は聞こえてきた。
3日間はお化粧はしないでください
でも、◯◯(聞き取れない)だから、半分は大丈夫です
どうやら顔のどこかのプチ整形みたいな雰囲気。
いま、多いんだろうな
そうですね
目を二重にするのとおまんこにピアス入れるのだったら、どっちが抵抗あるかな
その人が前向きになれるなら整形もありだと思っている。
(ただ、整形依存みたいになってしまうのは危険だから、ちゃんと本質を見極める必要あるけどね)
でも、たしかに、自分の顔に手を加えることへの覚悟を考えたら性器ピアスがそんなに大それたことではないような感じさえする。
そうですね
ピアス入れさせるご主人様はいるけど、二重にさせるご主人様はいない
奴隷の証として二重にしろ!!なんて、あまり聞かないですもんね(笑)
もちろん、諸々覚悟やリスクが伴うことは重々承知の上だけど、なんとなく、自分が大げさな気がしてくる。
緊張しすぎて変なハイ状態、自分の感覚がおかしいような気もしてくる。
そんな変なハイ状態の中、わたしを恐怖の戦場にいざなう敵か味方か!?な『看護師』がヒタヒタとこちらへ近づいてくるのだった。
「等式」感想です。美容整形で働く人は、接客に対する相当な教育を受けるのだろうなと思いました。私わの接客者に向かう意識が過剰になっているので、完全に値踏みするような目で相手を見ている。その中で受ける好印象は訓練の賜物かその人の持っている資質か?!(笑)
ビルの入口を入り、エレベーターホール。
内装工事をしているのかブルーシートが敷き詰められていて、作業服の男性がいる。
そのそばに大きなキャリーバックの女性、電話をかけている。
「オーディションに来た◯◯です」、このビル、きっと場所的にどこかの小さなプロダクションでも入っているのかな。
扉が開いたエレベーターからはいかにも芸能界な感じのキレイなおねえさんふたり。
なにか書類を持って颯爽と降りてきた。
やっぱりプロダクションが入っているんだね。
都会の一等地、そこの雑居ビルに流れる空気と、これから自分がすることのギャップになんとなく気後れしてしまって、首を飾っていたチョーカーも外した。
内装工事の人と一緒にエレベーターに乗った。
美容整形外科の階を那智さんが押してくれることさえ、なんだか、恥ずかしい。
内装工事の人を残してクリニックのある階に到着した。
エレベーターのドアが開いて目の前に広がる光景は『おまんこにピアス』とは程遠いものだった。
さすが一等地の美容整形外科。
白を基調とした清潔感と高級感が漂うエントランスを抜け、広いカウンターの受付には若いキレイなおねえさんが3人、「こんにちは〜」と華やかな雰囲気で出迎えてくれる。
はううう。
いや、もちろん不潔な感じも寂れた感じも不安だから困る。
でも、あまりのエレガントさは違う意味で、居心地悪い(笑)
予約していた◯◯ですが
那智さんが言葉を発してくれた。
ああ、このおねえさんたちにわたしがおまんこにピアスを入れること知られちゃったよ。
変態オヤジから欲情の目で見られるほうが、まだましかもしれない、この美しくエレガントな空間は居たたまれない羞恥。
こちらへどうぞ
よどみない仕草で受付のひとりが個室に案内してくれた。
通された個室は狭いながらも、やはり清潔感と高級感。
(あ、でもテーブルの色とか憶えていないな)
では、今日は『性器ピアス』をあけられるということで、こちらのカルテと同意書にご記入をお願いします
最後のサインは名字を書いてください
せ、せ、せ、せいきぴあす!!
はい、おっしゃるとおりです、せいきぴあすです!!
むしろ隠語とか使われるよりずっといいんですけど、どこまでもよどみない感じにどんどん居たたまれなさが増す。
ざっと説明をしてもらってからカルテを渡され、おねえさんは一度退室した。
カルテを記入する手がむるむるしている、うう、やっぱり緊張しているんだ。
あの人の接客はすばらしいね
緊張をほぐそうとしてくれているのか、さっきのおねえさんの印象を話しはじめる那智さん。
『性器ピアス』っていうのも他の言葉と変わらなく発してて、淡々とでも事務的になりすぎず、笑顔も適度、あれくらいがちょうどいいよね
慣れてるんだろうな
ああ、たしかに、こういう場面で感じる『過剰』さがない。
過剰に事務的でもないし、過剰に愛想でもない、ちょうどいい具合だった。
そう改めて感じると、もう一度彼女が入ってきてからの、わたしの過剰な意識もすこし緩和されたような気がした。
カルテを書き終えたころ、その他の説明にもう一度彼女が来る。
最初は何か聞かれるたびに那智さんのほうを見て、那智さんに答えてもらうようにして、ちょっと『あなたのもの』感を味わっていたのだけど、彼女の平易な様子に意識しているほうが恥ずかしいような気もしてきて、ちゃんと目を見て話を聞くことにした。
やましいことはないんだし、ケアの話などはわたしがちゃんと聞かないといけない、那智さんの女だという自負で姿勢を正そう。
そうはいっても『性器ピアス』が連呼されるたびに心の中ではひゃーひゃーの連続なんだけど。
順次、男性を使いますので、安心してください
よどみない説明。
??順次、男性って?
医師は男性なのは知ってるけど、なんでその他が男性アピール?
むしろ場所が場所だから女性のほうがいいんだけど、いや、もしかしたら、万が一のために腕力があるほうがいいのか?
となにやら恐ろしげな疑問は湧くけど、ひゃーひゃーの最中なのでひとまずうなずいておく。
「看護師が来ますので、それまでお待ちください」彼女は出て行き、とにかく手続きは終わった。
彼女が出ていってから、なんだか落ち着かない。
那智さんはわたしを安心させようとしてくれて、話を振ってくれる。
純チタン性を使うから、安心だって言ってたしね
と安心材料を話してくれて
…、純チタン性…
じゅんちたんせい
じゅんじだんせい
順次男性
…
あ〜、純チタン性っていってたんだ!!
わたしったら、バカ^^;聞き間違えてたんだ。
そうだよね、順次男性なんて、意味不明だよね^^;
ああ、やっぱり緊張してる…。
自分の聞き間違いがおかしくなってひとり笑っていると、那智さんもすこしリラックスしたのか
俺たち、なにに見えるかな(笑)
あー、わたし職業『サービス業』って書いちゃったから、ぜったいそういう関係って思われたですね!
べつに会社員でもよかったのに
キャバ嬢には思わないよな
年取ってるから、チーママ?
もしくは、愛人?
那智さん三つ揃えのスーツを来ているから『パパ感』満載なのだ(笑)
そのうち、隣りの個室から声は聞こえてきた。
3日間はお化粧はしないでください
でも、◯◯(聞き取れない)だから、半分は大丈夫です
どうやら顔のどこかのプチ整形みたいな雰囲気。
いま、多いんだろうな
そうですね
目を二重にするのとおまんこにピアス入れるのだったら、どっちが抵抗あるかな
その人が前向きになれるなら整形もありだと思っている。
(ただ、整形依存みたいになってしまうのは危険だから、ちゃんと本質を見極める必要あるけどね)
でも、たしかに、自分の顔に手を加えることへの覚悟を考えたら性器ピアスがそんなに大それたことではないような感じさえする。
そうですね
ピアス入れさせるご主人様はいるけど、二重にさせるご主人様はいない
奴隷の証として二重にしろ!!なんて、あまり聞かないですもんね(笑)
もちろん、諸々覚悟やリスクが伴うことは重々承知の上だけど、なんとなく、自分が大げさな気がしてくる。
緊張しすぎて変なハイ状態、自分の感覚がおかしいような気もしてくる。
そんな変なハイ状態の中、わたしを恐怖の戦場にいざなう敵か味方か!?な『看護師』がヒタヒタとこちらへ近づいてくるのだった。
「等式」感想です。美容整形で働く人は、接客に対する相当な教育を受けるのだろうなと思いました。私わの接客者に向かう意識が過剰になっているので、完全に値踏みするような目で相手を見ている。その中で受ける好印象は訓練の賜物かその人の持っている資質か?!(笑)
COMMENT
続きがとても気になります。(^^*)
アソコにいつも異物があるのって、どんな感じだろう?って
想像しながら読みました。
とても痛そうで、でもとても甘美な事だと思いました。
アソコにいつも異物があるのって、どんな感じだろう?って
想像しながら読みました。
とても痛そうで、でもとても甘美な事だと思いました。
梨梨子さん
わたしが着けたのはクリトリスフードなので、日常ほとんど違和感ありません^^
だから、異物感というものはないんだけど、でも、あり得ないところを飾るというのは甘美なものだとは感じています。
続き、引っぱるけど、楽しんでね〜(笑)
わたしが着けたのはクリトリスフードなので、日常ほとんど違和感ありません^^
だから、異物感というものはないんだけど、でも、あり得ないところを飾るというのは甘美なものだとは感じています。
続き、引っぱるけど、楽しんでね〜(笑)
りん子さん
ドキドキするぅ~~~
そして、聞き間違いこれ私もよくあるから
ウケる!!
いや~でもこんな時はウケてる場合じゃないよね。もう緊張MAXだよね。
証を残すってやはり大変な事なんですね。
でも、憧れます。
続き楽しみです。
チャットも入りたいような・・・
緊張しちゃうな(汗)
ドキドキするぅ~~~
そして、聞き間違いこれ私もよくあるから
ウケる!!
いや~でもこんな時はウケてる場合じゃないよね。もう緊張MAXだよね。
証を残すってやはり大変な事なんですね。
でも、憧れます。
続き楽しみです。
チャットも入りたいような・・・
緊張しちゃうな(汗)
ここさん
もうね、証残すなんて美しいこと言ってられないのよ!!(笑)
ひたすら早く終わってくれ状態でした^^;
この後もドキドキやらトホホやら続きますけど、楽しんでね〜。
チャットはお気軽に^^
ドキドキするのも、楽しむのもここさん次第^^
わたしはいつものわたしで『います』から〜♪
もうね、証残すなんて美しいこと言ってられないのよ!!(笑)
ひたすら早く終わってくれ状態でした^^;
この後もドキドキやらトホホやら続きますけど、楽しんでね〜。
チャットはお気軽に^^
ドキドキするのも、楽しむのもここさん次第^^
わたしはいつものわたしで『います』から〜♪