ヒラヒラ計画、第1弾?
独特な幸福感
小学生の頃、算数の授業で「集合」というのを習った記憶がある。(ごめんなさい、本当にお勉強できなかったから、『記憶』しか残っていない)
ふたつの丸が重なったり、大きな丸の中に小さい丸が含まれていたり(そんな感じでしたよね)、今日のお話はそれを思い出してしまった出来事です。
ある日、那智さんが、お洋服のホームページを私に紹介した。
コルセットだ。
下着としてのそれというより、コルセットを主にしたお洋服を扱うブランド。
飾りや刺繍の入った凝ったもの、デニムやレザーの珍しい素材のもの。
コルセットスカートやコルセットワンピースもある。
どれも後ろでリボンを締めるのだ。
きつく締めている感じと、それによって作り出されるメリハリもある体のライン、加えて後ろのリボンがお好みのようだ。(ね!オリジナルなセンスでしょ!)
「こんなの、どう?着られる?」と聞いてくる。
恐らく大量生産していない凝ったお洋服だから、お遊びで着るには高価過ぎる。
那智さんは、自分とのデート以外で、仕事やお友達とのランチなどに使えないか考えているのだ(常にコストパフォーマンスを考えるところも、時には悪い癖)。
さすがに、それは無理だろうと否定。
でも、肩ひもと裾がフリルになっている黒いワンピースや、白いフリルのブラウスと合わせたバーバリーチェックのジャンパースカートなど、どれもウエストが絞られている分スカートがふわっとしていて、私の憧れている「ロリータ」に遠いものではないそれらは、やはり気になる。
ショップがあるから行ってみようという話になるが、調べたショップは、若い子が着るブランドばかりを集めたビルにある。
「うわあ、○○かあ〜!」さすがの那智さんも、苦笑いの場所だ。
「そこで試着できる?」
「那智さんも一緒ですよね?」
「当然」
それならできる。
那智さんが一緒なら大丈夫という強気と、いままで試着できなかった(「独特な幸福感」の「ピンク3」を参照してね)フリルのワンピースが着られるかもしれな いと、憧れのロリータとはちょっと違うけど裾の広がったワンピースを味わえるのかもしれないという期待で、ショップに行くことを決める。
そして、その日がやって来た。
麻縄で縛られ、散々鞭で打たれたから、体中痣だらけだ。
「店員さんに聞いてもいい?こういう系統の服が置いてあるからSMをしている人も来ますか?この子マゾなんですよね、ほら、今日も鞭で打ったからこんなに痣になってるんですよって。店員は何て言うかな?」
そんなことを言って脅かすのだ。
他人が困るようなことをしてはいけません(汗)
少しワクワクしていた気持ちは、そんな言葉にかき消される。
更に、目的のビルが近づいてきて、なんて場違いなところに足を踏み込もうとしているのか、あまりの違和感に逃げ出したい気分だ。
そのビルに入っていく人は、若い女の子ばかり。
40代の男性はもちろん、30代の女性すら浮いてしまう(と思う)、娘の洋服を見に来た夫婦といったほうがしっくりいく。
エスカレーターを上がっていく、そのショップのある階になると、いままでの流行のお洋服が置いてあるフロアとは明らかに雰囲気が違うのがわかる。
多少知っているロリータのショップや「ゴスロリ」といわれるお洋服のショップが並ぶ。
それぞれ店構えが凝っていて、絵本の中やお城の地下室のような作り。
もう、ためらう!!
でも、パニエで広がったスカートがディスプレイされているから、やっぱり嬉しい。
フロアの奥に進むと、目的のショップがあった。
こちらは貴族のお部屋といった感じか(見たことないけど 笑)。
「本当に入るの〜。」とか何とか言いながら、那智さんはすいすいと入っていく。
様々なコルセットやお洋服、アクセサリーや傘や靴まで置いてある。
髪を金色に染めて、カラーコンタクトを入れ、コルセットワンピースに身を包んだ店員さんが、丁寧に接客してくれる。
那智さんは「彼女の年齢でも、許されますか?」なんて、時々ふざけたりしながらも、その丁寧な応対にお遊びはやめにしたようで、サイズ展開やコーディネイトなど真剣に聞き始めている。
「仕事では着られない。コーディネイトができないから、ワンピースがいい。」とだけ私の希望を言って、選んだ服を試着する。
最後に店員さんにリボンを締めてもらって完成。
肩ひもと胸の縁、裾が黒いレースで縁取られた、グレーのツイードのワンピースは、ウエストが細く強調されている分スカートが広がっている。
心地よい締め付けだ。
「わあ、かわいい」ここで、車のキーを差し込んでエンジンをかけた状態になってしまった。
履いている黒いハイソックスも合っている。
那智さんはスカートの丈が短いことが気になるようだ。
あくまでも、使える物を望んでいる。
ただ、いまあるワンピースはどれも同じように短めのようだ(私は背が高いから、余計にミニになってしまう)。
そこで、店員さんが黒いレースが2重3重になったスカートを持ってきた。
上半身にコルセットを付けたときに履くスカートだから、これにはコルセットは付いていない。
それをワンピースの下に履くのだ。
「こちらのほうが、少し丈が長いので裾から覗くようにすれば丈は大丈夫ではないですか?パニエの代わりになりますから、スカートもきれいに膨らみますよ。」
パ、パ、パニエ!!!!
もう私の心の足はアクセルに乗せている、エンジンをふかしている感じ。
もしくは闘牛が前足で地面を蹴って勢いを付けている状態。
嬉々として試着室に吸い込まれていく。
もう、どうしよう、可愛い!!!
私のアクセルは床に付く勢いで、踏まれた。
さっきもウエストの細さでスカートの広がりが感じられたが、パニエを仕込んだから、もうお姫様みたいにふんわりとしている。
心は「アリス」だ。
体を動かすと、その倍くらいスカートが揺れる。
嬉しくて嬉しくて、不必要に体を揺らしてふんわりを堪能する。
那智さんの好みのコルセットと、私の憧れのお姫様が集合の真ん中で重なった。
もう一着、コルセットスカートも試着してみる。
なんとか普段遣いできるものを模索している那智さん。
でもね〜、アリスはワンピースじゃなくちゃね〜。
帰りのエレベーターでも、私はフワフワしてはしゃいでしまっている。
「なんか目がハートだよ。」呆れる那智さんを横目に、アリスは上機嫌だ(笑)
集合のりん子の丸が大きくなっている。
ビルの裏側から外に出ると、ビールの美味しいお店が目の前にあった。
上機嫌な私は那智さんを昼間のビールにお誘いする。(アリスがビールでいいのか!?)
ビールが拍車を掛けて、私はどんどん強気になってくる。
もう、フワフワが頭から離れない。
那智さんは、相変わらず、高価なものをどうやったら普段にも着られて、無駄にならないかを画策している。
だから、どちらかというと二回目に試着した、コルセットスカートを推しているのだ。
あれなら、そんなに違和感ないのでは、ということだ。(それだって、ありますよね〜)
強気な私は「那智さん、ワンピース似合ってましたよね!短いけど一緒に歩いてくれますよね!1」と迫る。
試着するまでの戸惑う私からの、あまりの豹変に、那智さんが戸惑い気味だ。
私が強気、那智さんが戸惑うなんて、構図はめずらしい。
そのめずらしさも加味されて、きゃっきゃとはしゃぎながら、もっと鼻息荒くする。
「着る頻度や着回しで高いお金を払うのはつまらない。例え着る機会が少なくても、本当に着たいと思う物にお金は払うものだ!!」なんて、ビール片手に豪語する。
ああ、気持ちいい♪
苦笑いしながら、戸惑う那智さんのことも楽しんでしまう。
集合の大きな丸が、小さな丸を「含んだ」気分だ。
しかし、負けず嫌いの、私の愛しの那智さんは、そんな小さな丸状態に長時間落ち着くわけがない。
トイレから戻った私の目に映ったのは、さっき私に痛い思いをさせたゴムのバラ鞭だ。
バラ鞭をテーブルの上に、わざわざ出して、置いているのだ。
折りたたんであるから、ぱっと見にはわからない(わかる人はわかる?)。
でも、ビールとおつまみの置いてあるテーブルには、不自然な物だ。
口を開け、目を丸くして、辺りを伺い、慌ててバッグにしまう。
顔を赤くして「やめてください〜」と小さい声で訴える。
あ〜あ、この瞬間に私は那智さんに含まれた。
逆転だ。
それにしても、そんな方法でしか逆転できなかった自分自身に那智さんも照れ笑いしている。
まあ、でも、このポジションが心地よいのはわかっている。
幸福なポジションに収まって、お店を後にする。
「もう少し、りん子が調子に乗ったら、バラ鞭をテーブルから垂らしてやろうと思ってたよ♪」
そうならなくて、ホッとする。
だけど、時々強気のりん子も楽しい時間だ。
実は、集合の丸が書かれているノート自体が那智さんだもの。
私の丸が、どんなに変形しようとも、那智さんの上で好きに変わっているだけなのだもの。
「丸」じゃなくて「円」?
小学生の頃、算数の授業で「集合」というのを習った記憶がある。(ごめんなさい、本当にお勉強できなかったから、『記憶』しか残っていない)
ふたつの丸が重なったり、大きな丸の中に小さい丸が含まれていたり(そんな感じでしたよね)、今日のお話はそれを思い出してしまった出来事です。
ある日、那智さんが、お洋服のホームページを私に紹介した。
コルセットだ。
下着としてのそれというより、コルセットを主にしたお洋服を扱うブランド。
飾りや刺繍の入った凝ったもの、デニムやレザーの珍しい素材のもの。
コルセットスカートやコルセットワンピースもある。
どれも後ろでリボンを締めるのだ。
きつく締めている感じと、それによって作り出されるメリハリもある体のライン、加えて後ろのリボンがお好みのようだ。(ね!オリジナルなセンスでしょ!)
「こんなの、どう?着られる?」と聞いてくる。
恐らく大量生産していない凝ったお洋服だから、お遊びで着るには高価過ぎる。
那智さんは、自分とのデート以外で、仕事やお友達とのランチなどに使えないか考えているのだ(常にコストパフォーマンスを考えるところも、時には悪い癖)。
さすがに、それは無理だろうと否定。
でも、肩ひもと裾がフリルになっている黒いワンピースや、白いフリルのブラウスと合わせたバーバリーチェックのジャンパースカートなど、どれもウエストが絞られている分スカートがふわっとしていて、私の憧れている「ロリータ」に遠いものではないそれらは、やはり気になる。
ショップがあるから行ってみようという話になるが、調べたショップは、若い子が着るブランドばかりを集めたビルにある。
「うわあ、○○かあ〜!」さすがの那智さんも、苦笑いの場所だ。
「そこで試着できる?」
「那智さんも一緒ですよね?」
「当然」
それならできる。
那智さんが一緒なら大丈夫という強気と、いままで試着できなかった(「独特な幸福感」の「ピンク3」を参照してね)フリルのワンピースが着られるかもしれな いと、憧れのロリータとはちょっと違うけど裾の広がったワンピースを味わえるのかもしれないという期待で、ショップに行くことを決める。
そして、その日がやって来た。
麻縄で縛られ、散々鞭で打たれたから、体中痣だらけだ。
「店員さんに聞いてもいい?こういう系統の服が置いてあるからSMをしている人も来ますか?この子マゾなんですよね、ほら、今日も鞭で打ったからこんなに痣になってるんですよって。店員は何て言うかな?」
そんなことを言って脅かすのだ。
他人が困るようなことをしてはいけません(汗)
少しワクワクしていた気持ちは、そんな言葉にかき消される。
更に、目的のビルが近づいてきて、なんて場違いなところに足を踏み込もうとしているのか、あまりの違和感に逃げ出したい気分だ。
そのビルに入っていく人は、若い女の子ばかり。
40代の男性はもちろん、30代の女性すら浮いてしまう(と思う)、娘の洋服を見に来た夫婦といったほうがしっくりいく。
エスカレーターを上がっていく、そのショップのある階になると、いままでの流行のお洋服が置いてあるフロアとは明らかに雰囲気が違うのがわかる。
多少知っているロリータのショップや「ゴスロリ」といわれるお洋服のショップが並ぶ。
それぞれ店構えが凝っていて、絵本の中やお城の地下室のような作り。
もう、ためらう!!
でも、パニエで広がったスカートがディスプレイされているから、やっぱり嬉しい。
フロアの奥に進むと、目的のショップがあった。
こちらは貴族のお部屋といった感じか(見たことないけど 笑)。
「本当に入るの〜。」とか何とか言いながら、那智さんはすいすいと入っていく。
様々なコルセットやお洋服、アクセサリーや傘や靴まで置いてある。
髪を金色に染めて、カラーコンタクトを入れ、コルセットワンピースに身を包んだ店員さんが、丁寧に接客してくれる。
那智さんは「彼女の年齢でも、許されますか?」なんて、時々ふざけたりしながらも、その丁寧な応対にお遊びはやめにしたようで、サイズ展開やコーディネイトなど真剣に聞き始めている。
「仕事では着られない。コーディネイトができないから、ワンピースがいい。」とだけ私の希望を言って、選んだ服を試着する。
最後に店員さんにリボンを締めてもらって完成。
肩ひもと胸の縁、裾が黒いレースで縁取られた、グレーのツイードのワンピースは、ウエストが細く強調されている分スカートが広がっている。
心地よい締め付けだ。
「わあ、かわいい」ここで、車のキーを差し込んでエンジンをかけた状態になってしまった。
履いている黒いハイソックスも合っている。
那智さんはスカートの丈が短いことが気になるようだ。
あくまでも、使える物を望んでいる。
ただ、いまあるワンピースはどれも同じように短めのようだ(私は背が高いから、余計にミニになってしまう)。
そこで、店員さんが黒いレースが2重3重になったスカートを持ってきた。
上半身にコルセットを付けたときに履くスカートだから、これにはコルセットは付いていない。
それをワンピースの下に履くのだ。
「こちらのほうが、少し丈が長いので裾から覗くようにすれば丈は大丈夫ではないですか?パニエの代わりになりますから、スカートもきれいに膨らみますよ。」
パ、パ、パニエ!!!!
もう私の心の足はアクセルに乗せている、エンジンをふかしている感じ。
もしくは闘牛が前足で地面を蹴って勢いを付けている状態。
嬉々として試着室に吸い込まれていく。
もう、どうしよう、可愛い!!!
私のアクセルは床に付く勢いで、踏まれた。
さっきもウエストの細さでスカートの広がりが感じられたが、パニエを仕込んだから、もうお姫様みたいにふんわりとしている。
心は「アリス」だ。
体を動かすと、その倍くらいスカートが揺れる。
嬉しくて嬉しくて、不必要に体を揺らしてふんわりを堪能する。
那智さんの好みのコルセットと、私の憧れのお姫様が集合の真ん中で重なった。
もう一着、コルセットスカートも試着してみる。
なんとか普段遣いできるものを模索している那智さん。
でもね〜、アリスはワンピースじゃなくちゃね〜。
帰りのエレベーターでも、私はフワフワしてはしゃいでしまっている。
「なんか目がハートだよ。」呆れる那智さんを横目に、アリスは上機嫌だ(笑)
集合のりん子の丸が大きくなっている。
ビルの裏側から外に出ると、ビールの美味しいお店が目の前にあった。
上機嫌な私は那智さんを昼間のビールにお誘いする。(アリスがビールでいいのか!?)
ビールが拍車を掛けて、私はどんどん強気になってくる。
もう、フワフワが頭から離れない。
那智さんは、相変わらず、高価なものをどうやったら普段にも着られて、無駄にならないかを画策している。
だから、どちらかというと二回目に試着した、コルセットスカートを推しているのだ。
あれなら、そんなに違和感ないのでは、ということだ。(それだって、ありますよね〜)
強気な私は「那智さん、ワンピース似合ってましたよね!短いけど一緒に歩いてくれますよね!1」と迫る。
試着するまでの戸惑う私からの、あまりの豹変に、那智さんが戸惑い気味だ。
私が強気、那智さんが戸惑うなんて、構図はめずらしい。
そのめずらしさも加味されて、きゃっきゃとはしゃぎながら、もっと鼻息荒くする。
「着る頻度や着回しで高いお金を払うのはつまらない。例え着る機会が少なくても、本当に着たいと思う物にお金は払うものだ!!」なんて、ビール片手に豪語する。
ああ、気持ちいい♪
苦笑いしながら、戸惑う那智さんのことも楽しんでしまう。
集合の大きな丸が、小さな丸を「含んだ」気分だ。
しかし、負けず嫌いの、私の愛しの那智さんは、そんな小さな丸状態に長時間落ち着くわけがない。
トイレから戻った私の目に映ったのは、さっき私に痛い思いをさせたゴムのバラ鞭だ。
バラ鞭をテーブルの上に、わざわざ出して、置いているのだ。
折りたたんであるから、ぱっと見にはわからない(わかる人はわかる?)。
でも、ビールとおつまみの置いてあるテーブルには、不自然な物だ。
口を開け、目を丸くして、辺りを伺い、慌ててバッグにしまう。
顔を赤くして「やめてください〜」と小さい声で訴える。
あ〜あ、この瞬間に私は那智さんに含まれた。
逆転だ。
それにしても、そんな方法でしか逆転できなかった自分自身に那智さんも照れ笑いしている。
まあ、でも、このポジションが心地よいのはわかっている。
幸福なポジションに収まって、お店を後にする。
「もう少し、りん子が調子に乗ったら、バラ鞭をテーブルから垂らしてやろうと思ってたよ♪」
そうならなくて、ホッとする。
だけど、時々強気のりん子も楽しい時間だ。
実は、集合の丸が書かれているノート自体が那智さんだもの。
私の丸が、どんなに変形しようとも、那智さんの上で好きに変わっているだけなのだもの。
「丸」じゃなくて「円」?
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