市中引き回しの刑!!
非日常的な日常
予告はこんなメールだった。
「○○(地名)を手首を縛って歩こう」
少し前のデートの前日、私はこんなメールを受け取った。
このとき那智さんと私の想像に違いができた。
那智さんは、私の両手首を縛って、ジャケットか何かで覆って歩こうと 考えていたらしい。
時々、ジャケットを外そうとしたりして、慌てる私を楽しもうとしていた。
私は違ったのだ。
「独特な幸福感」の「一般常識(お散歩編)」でした、「キーチェーンをジーンズに付けて、チェーンの先を那智さんが持って私を引く」ことが印象に残っていたから、今回は片手首を縛って、紐の先を那智さんが持つお散歩と思ってしまったのだ。
これは、隠しようがなく、人目に晒すには、異常ではないけど、普通じゃない。
だから、電話やメールで、慌てふためいてしまった。
那智さんからしてみたら、ジャケットで隠すのだから、なぜそんな慌てるのか疑問に思ったけど、よくよく話してみたら、私の想像の方が酷さを上回っていたということで合点がいったそうだ。
「ごめんね~。そんなに酷いことしてほしかったのに、気が付いてあげられなくって(笑)」
「違うんです~。キーチェーンのことがあったから~。」
何を言っても無駄。
結局、そのときのデートではしなかったのです(気分やその時の条件でしなかったりもある、でも、言ったことはいつか必ず実行するけど)が、「手首を縛ってお散歩」は私の脳みそにインプットされていた。
だから、ワンピースの前を全開にした露出が終わって一息ついたのも束の間、那智さんがスーツのポケットからロープを取り出したとき、私は次に何が起こるのか想像が付いてしまって、目を閉じる。
以前から那智さんが持っていたそのオレンジ色の綿ロープ、最近私を縛るときはもっぱら麻縄だから、久しぶりの登場だ。
私と知り合う前から使っていた憎々しい(笑)それは、可哀想に1メートルほどに切断されて、もう女性の体を覆うことはできない、一瞬溜飲が下がる。
でも、そんなことを考えている余裕はない。
両手首を差し出し、オレンジ色の綿ロープでひとつにまとめられる。
その瞬間、那智さんがさっと身を引き、2、3歩私から離れた。
ぽつんと両手を縛られた私が取り残されて、慌てて那智さんに駆け寄る。
ああ、もう恥ずかしい、両手を縛った状態で駆け寄る姿はみじめだ。
駆け寄って腕を取る。
ちょっと重なるように背後に回って、両手で那智さんの肘の辺りを掴めば、甘えて寄り添う恋人同士に見えなくもないはずだ。
上手にカモフラージュできてホッとすると、今度はこの異質な状態と従属感で、うっとりしはじめてしまう。
感じるとまではいかないこのうっとりとした私は、那智さんには退屈なことのようで、ただのお散歩ですましてはくれないのだ。
ベンチに腰掛けさせられ、那智さんは前に立ちカメラを構える。
足を大きく開くように言われる。
両手を縛られ、足を大きく広げ下着を露わにする。
さっき、公園清掃の男性がいたではないか、その人からこのベンチが死角になっていることを祈る。
たくさん広げないとおしまいにはしてくれない、誰も来ないように祈りながら、大きく股を広げる。
そして、手首は解放された。
今度はその紐を、ささっと器用に輪っかに結ぶ、「首つり結びって言うんだよね、確か」なんて言いながら、その輪を私の頭から首に通す。
もうされるがままだ。
朝の雨は上がって久しい、お昼近くになってきて、はじめより人が増えてきている。
そんな中、首を紐で縛られた女性が、その紐の先を男性に持たれ引かれて歩いているのだ。
いまは、まだ、周囲に人はいない。
「腕を放さなきゃ。」
組んだいる腕を解くように言われるから、恐る恐る放す。
まだ、人の気配はない。
私は数十センチ離れて紐を引かれて歩く。
もう、ドキドキして、でも、嬉しくて、なんだか誇らしい。
この勲章を胸に堂々と歩ける・・・・気がしたのは人が来るまでだった!!
正面から女性2人組の姿が見えた、慌てて那智さんの腕にしがみつき下を向く、もう本当に下を向く。
那智さんは、ずっと紐を引いている。
すれ違う気配はわかるけど、その人たちが私たちのどんな視線を送っているのかまではわからない。
顔を上げる勇気はないから、地面と足元しか見ない。
ずっと、小声で那智さんに聞いている「こっち見ていましたか?気付いていますか?」もう必死だ。
「今度は、後ろから若い子が来てるよ。」
絶対におかしいと思うだろう、髪でロープは見えなくても不自然なくらいにうつむいて歩いているんだもの。
時折引かれてよろめく、首吊り結びというくらいだから引くたびに首を締め付けていく。
恥ずかしくて、苦しくて、困って、この場をやり過ごすことしか頭になくて、でも、那智さんの好きなようにされるのは嬉しくて、これでも私は感じている。
体が震えるほど感じている。
立ち止まって、いく。
多分、若い女性はその間に私たちを追い抜いた。
そのまま出口へ向かって外に出るのだ。
そこは、この都市で一番大きな繁華街。
移動中のサラリーマンやランチを楽しみに来た奥様方、お使い物のOLさん、学校も近くにあるのだろう若い人もいる。
そこを首に紐を付けた私は那智さんに引かれてすり抜けていく。
もう、何人の人とすれ違っているのかわからない。
雑踏とすれ違う人々の足元が、私を混乱させる。
私は、ただ時間が過ぎるのを、腕にしがみつき、うつむいて待つだけだ。
どのくらい歩いただろう、随分街中まできて紐は解かれた。
その紐を私のバッグにリボンのように結ぶけど、もうそれは誇らしいアクセサリーだ。
興奮冷めやらぬ中、少し安堵して聞いてみる。
「那智さんは、あんな女性を引っ張って歩いて恥ずかしくないのですか?」
少し考えて「まこが、恥ずかしがっていたら、俺は恥ずかしくない。もしりん子が堂々としていたら、逆に恥ずかしいかもしれないな。」と、答えた。
そういうものなのか。
自分が施すことにより、横にいる女性が翻弄されている様は、那智さんにとっては恥ずかしいことではなく、もしかしたら気分がいいのかもしれない。
そうなのだ。
那智さんは、私の感情が大きく揺れ動くことが大好きなのだ。
だから、恥ずかしかったり、痛かったり、快感で、大きく揺さぶるのだ。
世の中にはもっと奇抜な格好で街を歩いている人もいる、まして裸でもない、一見普通の服装で、ほんの少し普通じゃないこと、首に紐を結んでいてそれを引かれる。
これを、恥ずかしいと思う私の感覚は、普通なのだろうか。
そして、それを嬉しいと思うことは、異常なのだろうか。
人目に付かないかもしれない状態で、下着姿を晒すことと、人の往来の激しいところで、紐を引かれるという異常ではないけど普通ではないことをすることと、どちらが大変なことなのでしょう。
「そうですか。私が堂々としていたら、那智さんは恥ずかしいのですね(笑)」
「じゃあ、やってみる?意地の張り合いで勝負する?」
とんでもない、私は「負けず嫌い」ならぬ「勝つの嫌い」なのですから、意地の張り合いなんてするわけがない♪
予告はこんなメールだった。
「○○(地名)を手首を縛って歩こう」
少し前のデートの前日、私はこんなメールを受け取った。
このとき那智さんと私の想像に違いができた。
那智さんは、私の両手首を縛って、ジャケットか何かで覆って歩こうと 考えていたらしい。
時々、ジャケットを外そうとしたりして、慌てる私を楽しもうとしていた。
私は違ったのだ。
「独特な幸福感」の「一般常識(お散歩編)」でした、「キーチェーンをジーンズに付けて、チェーンの先を那智さんが持って私を引く」ことが印象に残っていたから、今回は片手首を縛って、紐の先を那智さんが持つお散歩と思ってしまったのだ。
これは、隠しようがなく、人目に晒すには、異常ではないけど、普通じゃない。
だから、電話やメールで、慌てふためいてしまった。
那智さんからしてみたら、ジャケットで隠すのだから、なぜそんな慌てるのか疑問に思ったけど、よくよく話してみたら、私の想像の方が酷さを上回っていたということで合点がいったそうだ。
「ごめんね~。そんなに酷いことしてほしかったのに、気が付いてあげられなくって(笑)」
「違うんです~。キーチェーンのことがあったから~。」
何を言っても無駄。
結局、そのときのデートではしなかったのです(気分やその時の条件でしなかったりもある、でも、言ったことはいつか必ず実行するけど)が、「手首を縛ってお散歩」は私の脳みそにインプットされていた。
だから、ワンピースの前を全開にした露出が終わって一息ついたのも束の間、那智さんがスーツのポケットからロープを取り出したとき、私は次に何が起こるのか想像が付いてしまって、目を閉じる。
以前から那智さんが持っていたそのオレンジ色の綿ロープ、最近私を縛るときはもっぱら麻縄だから、久しぶりの登場だ。
私と知り合う前から使っていた憎々しい(笑)それは、可哀想に1メートルほどに切断されて、もう女性の体を覆うことはできない、一瞬溜飲が下がる。
でも、そんなことを考えている余裕はない。
両手首を差し出し、オレンジ色の綿ロープでひとつにまとめられる。
その瞬間、那智さんがさっと身を引き、2、3歩私から離れた。
ぽつんと両手を縛られた私が取り残されて、慌てて那智さんに駆け寄る。
ああ、もう恥ずかしい、両手を縛った状態で駆け寄る姿はみじめだ。
駆け寄って腕を取る。
ちょっと重なるように背後に回って、両手で那智さんの肘の辺りを掴めば、甘えて寄り添う恋人同士に見えなくもないはずだ。
上手にカモフラージュできてホッとすると、今度はこの異質な状態と従属感で、うっとりしはじめてしまう。
感じるとまではいかないこのうっとりとした私は、那智さんには退屈なことのようで、ただのお散歩ですましてはくれないのだ。
ベンチに腰掛けさせられ、那智さんは前に立ちカメラを構える。
足を大きく開くように言われる。
両手を縛られ、足を大きく広げ下着を露わにする。
さっき、公園清掃の男性がいたではないか、その人からこのベンチが死角になっていることを祈る。
たくさん広げないとおしまいにはしてくれない、誰も来ないように祈りながら、大きく股を広げる。
そして、手首は解放された。
今度はその紐を、ささっと器用に輪っかに結ぶ、「首つり結びって言うんだよね、確か」なんて言いながら、その輪を私の頭から首に通す。
もうされるがままだ。
朝の雨は上がって久しい、お昼近くになってきて、はじめより人が増えてきている。
そんな中、首を紐で縛られた女性が、その紐の先を男性に持たれ引かれて歩いているのだ。
いまは、まだ、周囲に人はいない。
「腕を放さなきゃ。」
組んだいる腕を解くように言われるから、恐る恐る放す。
まだ、人の気配はない。
私は数十センチ離れて紐を引かれて歩く。
もう、ドキドキして、でも、嬉しくて、なんだか誇らしい。
この勲章を胸に堂々と歩ける・・・・気がしたのは人が来るまでだった!!
正面から女性2人組の姿が見えた、慌てて那智さんの腕にしがみつき下を向く、もう本当に下を向く。
那智さんは、ずっと紐を引いている。
すれ違う気配はわかるけど、その人たちが私たちのどんな視線を送っているのかまではわからない。
顔を上げる勇気はないから、地面と足元しか見ない。
ずっと、小声で那智さんに聞いている「こっち見ていましたか?気付いていますか?」もう必死だ。
「今度は、後ろから若い子が来てるよ。」
絶対におかしいと思うだろう、髪でロープは見えなくても不自然なくらいにうつむいて歩いているんだもの。
時折引かれてよろめく、首吊り結びというくらいだから引くたびに首を締め付けていく。
恥ずかしくて、苦しくて、困って、この場をやり過ごすことしか頭になくて、でも、那智さんの好きなようにされるのは嬉しくて、これでも私は感じている。
体が震えるほど感じている。
立ち止まって、いく。
多分、若い女性はその間に私たちを追い抜いた。
そのまま出口へ向かって外に出るのだ。
そこは、この都市で一番大きな繁華街。
移動中のサラリーマンやランチを楽しみに来た奥様方、お使い物のOLさん、学校も近くにあるのだろう若い人もいる。
そこを首に紐を付けた私は那智さんに引かれてすり抜けていく。
もう、何人の人とすれ違っているのかわからない。
雑踏とすれ違う人々の足元が、私を混乱させる。
私は、ただ時間が過ぎるのを、腕にしがみつき、うつむいて待つだけだ。
どのくらい歩いただろう、随分街中まできて紐は解かれた。
その紐を私のバッグにリボンのように結ぶけど、もうそれは誇らしいアクセサリーだ。
興奮冷めやらぬ中、少し安堵して聞いてみる。
「那智さんは、あんな女性を引っ張って歩いて恥ずかしくないのですか?」
少し考えて「まこが、恥ずかしがっていたら、俺は恥ずかしくない。もしりん子が堂々としていたら、逆に恥ずかしいかもしれないな。」と、答えた。
そういうものなのか。
自分が施すことにより、横にいる女性が翻弄されている様は、那智さんにとっては恥ずかしいことではなく、もしかしたら気分がいいのかもしれない。
そうなのだ。
那智さんは、私の感情が大きく揺れ動くことが大好きなのだ。
だから、恥ずかしかったり、痛かったり、快感で、大きく揺さぶるのだ。
世の中にはもっと奇抜な格好で街を歩いている人もいる、まして裸でもない、一見普通の服装で、ほんの少し普通じゃないこと、首に紐を結んでいてそれを引かれる。
これを、恥ずかしいと思う私の感覚は、普通なのだろうか。
そして、それを嬉しいと思うことは、異常なのだろうか。
人目に付かないかもしれない状態で、下着姿を晒すことと、人の往来の激しいところで、紐を引かれるという異常ではないけど普通ではないことをすることと、どちらが大変なことなのでしょう。
「そうですか。私が堂々としていたら、那智さんは恥ずかしいのですね(笑)」
「じゃあ、やってみる?意地の張り合いで勝負する?」
とんでもない、私は「負けず嫌い」ならぬ「勝つの嫌い」なのですから、意地の張り合いなんてするわけがない♪