一番困ったこと3
非日常的な日常
半べそで那智さんの手を引き、ファーストフード店の前で、足を踏ん張り「いやいや」をして抵抗する。
行きたくない方向へリードを引かれて、動かない犬のようだ。
状況を説明しても「紙おむつは優秀」を変えてくれない。(紙おむつメーカーの回し者か!?)
「私だけ外で待っています~!」
「ダメ、あとでどうなっても知らないよ。先に上がっていて。」
有無を言わせず、二階へ行かされる。
洗面所に立てこもってしまおうか、それとも椅子に座らずに立っていようか、本当に困る。
ゆるい排泄物でたぷたぷした私は階段を上りながら、一所懸命考える。
二階に上がると、カップルが一組と、女性が1人、ぽつんぽつんと座っている。
店内を見渡し、片方がソファ(っていうの?ベンチシートっていうの?壁沿いに横に繋がっている長い椅子、向かいの椅子は普通のでね)になっている席の端が空いているのを見つけてそこに注意深く腰掛けてみる。
もう必死だ。
お尻全体を椅子に乗せるなんてもってのほか(ぶちゅ~~って出ちゃいそうだもの)、片方のお尻の更に外側1/3くらいだけ椅子に乗せ、足を踏ん張り、テーブルに乗せた肘と、お尻の僅かな一点で体重を支える。
幸い、カップルと女性は遠いからこの不自然な座り方には気付きそうもない。
多分ほとんど臭いもないはずだ。(麻痺してなければ・・すごいぞ紙おむつ!)
なぜ、洗面所にも入らず、とりあえず腰掛けたのだろう。
100%困っているけど、100%無理なことではなかったのだ。
2%くらいは、まだこの状態で過ごせると思ったのだ。
あと数分くらいなら。
言う通りにしたかったのだ。
言う通りにしないと後悔しそうだったからだ。
100%無理ならば、それは納得できるだろう。
まだ、端に腰掛けてみるという道が残っている限り、言う通りにしたいのだ。
座って溢れるのがわかったら、すぐトイレに駆け込もう、そう思ったから腰掛けて那智さんを待つ。
1人は不安、那智さん早くそばに来て。
テレパシーでも送るように階段辺りをじっと見つめる。
やっと那智さんが上がってきて、ホッとしたのも束の間、トレーの上の物を見て「死刑宣告」される。
ドリンクだけじゃない、ハンバーガーも乗っている。
そんなに長居をするつもりなのか。
もう私は下を向いて死刑執行を待つ気分。
「顔を上げて。」
言われるとおり顔を上げる。
「はい。」
ハンバーガーを食べさせようと口のそばに持ってきている。
首を振るけど許してくれない。
「食べなさい。」
私は下半身をグチャグチャにしながら、ハンバーガーを一口食べる。
「どうか、早く食べ終わってください。」
口に出すわけにはいかない、言えば言うほど遅くなるんだ。
祈るように那智さんの口元を見つめる。
次第に、体重を支えるお尻と、力を入れた足が痛くなってくる。
でも、これが残り2%の座り方だ。
動いてはいけない。
食べ終わり、コーヒーを飲み干し、やっと出られると思ったのが甘かった。
那智さんは、食後の一服、煙草に火を付けたのだ。
恐らく、この瞬間私は「信じられない」と言わんばかりに目を丸く見開いたはずだ。
那智さんが楽しそうな表情になったから、私の顔色が変わったのを自覚する。
私は、目を閉じ大きく息を吐き、覚悟を決める。
残り何%大丈夫かわからない、だけど、これは那智さんが望んだことだ。
だから、私はもう全部那智さんに委ねる。
もし万が一、私の筋力がなくなって上手く座れず、漏れてしまったとしても、那智さんがなんとかしてくれる。
お店に謝罪して、まわりから好機の目で見られても、私と手を繋いでお店を出てくれる。
だから、もう私は覚悟を決めて一服にお付き合いする。
それに、ここでまた「ジタバタ」したら、追加注文しに行かれそうだ(これが大人しくする一番の理由?)
ホテルに入って、そのままお風呂場に行く。
上着を脱いで、スカートを脱ぎ、紙おむつ一枚の姿になる。
慎重に外した那智さんの一言「こんなに凄かったの~?」(だから、言ったではありませんか!!)
持ってきたビデオカメラでその私を撮ろうとしている。
もう私は疲れ果てて、抵抗する気力も体力も残っていないから「とんでもなく汚い私を撮るのですか?」とだけ言葉を発して、あとはされるがままだ。
丁寧に洗ってもらって、ベッドで休ませてもらう。
やはり少し滲み出てしまってようで、スカートの一部が湿っていた。
洗面所から、その汚れを洗っている気配がしている。
大変ですね、那智さん。
あなたと私、どちらが大変でしょう。
そして、どちらが幸せでしょうね。
翻弄されて、漂って、委ねた後の休息は、この上なく幸福だ。
汚くても、困っても、どうしようもなく幸せだ。
スカートを洗って、部屋に戻った那智さん。
「さすがの紙おむつでも、あれは無理だね~。」
って、何度も訴えたでしょ!!!!
もしかして、「紙おむつへの過信」が一番の困惑の原因なのかも(笑)
半べそで那智さんの手を引き、ファーストフード店の前で、足を踏ん張り「いやいや」をして抵抗する。
行きたくない方向へリードを引かれて、動かない犬のようだ。
状況を説明しても「紙おむつは優秀」を変えてくれない。(紙おむつメーカーの回し者か!?)
「私だけ外で待っています~!」
「ダメ、あとでどうなっても知らないよ。先に上がっていて。」
有無を言わせず、二階へ行かされる。
洗面所に立てこもってしまおうか、それとも椅子に座らずに立っていようか、本当に困る。
ゆるい排泄物でたぷたぷした私は階段を上りながら、一所懸命考える。
二階に上がると、カップルが一組と、女性が1人、ぽつんぽつんと座っている。
店内を見渡し、片方がソファ(っていうの?ベンチシートっていうの?壁沿いに横に繋がっている長い椅子、向かいの椅子は普通のでね)になっている席の端が空いているのを見つけてそこに注意深く腰掛けてみる。
もう必死だ。
お尻全体を椅子に乗せるなんてもってのほか(ぶちゅ~~って出ちゃいそうだもの)、片方のお尻の更に外側1/3くらいだけ椅子に乗せ、足を踏ん張り、テーブルに乗せた肘と、お尻の僅かな一点で体重を支える。
幸い、カップルと女性は遠いからこの不自然な座り方には気付きそうもない。
多分ほとんど臭いもないはずだ。(麻痺してなければ・・すごいぞ紙おむつ!)
なぜ、洗面所にも入らず、とりあえず腰掛けたのだろう。
100%困っているけど、100%無理なことではなかったのだ。
2%くらいは、まだこの状態で過ごせると思ったのだ。
あと数分くらいなら。
言う通りにしたかったのだ。
言う通りにしないと後悔しそうだったからだ。
100%無理ならば、それは納得できるだろう。
まだ、端に腰掛けてみるという道が残っている限り、言う通りにしたいのだ。
座って溢れるのがわかったら、すぐトイレに駆け込もう、そう思ったから腰掛けて那智さんを待つ。
1人は不安、那智さん早くそばに来て。
テレパシーでも送るように階段辺りをじっと見つめる。
やっと那智さんが上がってきて、ホッとしたのも束の間、トレーの上の物を見て「死刑宣告」される。
ドリンクだけじゃない、ハンバーガーも乗っている。
そんなに長居をするつもりなのか。
もう私は下を向いて死刑執行を待つ気分。
「顔を上げて。」
言われるとおり顔を上げる。
「はい。」
ハンバーガーを食べさせようと口のそばに持ってきている。
首を振るけど許してくれない。
「食べなさい。」
私は下半身をグチャグチャにしながら、ハンバーガーを一口食べる。
「どうか、早く食べ終わってください。」
口に出すわけにはいかない、言えば言うほど遅くなるんだ。
祈るように那智さんの口元を見つめる。
次第に、体重を支えるお尻と、力を入れた足が痛くなってくる。
でも、これが残り2%の座り方だ。
動いてはいけない。
食べ終わり、コーヒーを飲み干し、やっと出られると思ったのが甘かった。
那智さんは、食後の一服、煙草に火を付けたのだ。
恐らく、この瞬間私は「信じられない」と言わんばかりに目を丸く見開いたはずだ。
那智さんが楽しそうな表情になったから、私の顔色が変わったのを自覚する。
私は、目を閉じ大きく息を吐き、覚悟を決める。
残り何%大丈夫かわからない、だけど、これは那智さんが望んだことだ。
だから、私はもう全部那智さんに委ねる。
もし万が一、私の筋力がなくなって上手く座れず、漏れてしまったとしても、那智さんがなんとかしてくれる。
お店に謝罪して、まわりから好機の目で見られても、私と手を繋いでお店を出てくれる。
だから、もう私は覚悟を決めて一服にお付き合いする。
それに、ここでまた「ジタバタ」したら、追加注文しに行かれそうだ(これが大人しくする一番の理由?)
ホテルに入って、そのままお風呂場に行く。
上着を脱いで、スカートを脱ぎ、紙おむつ一枚の姿になる。
慎重に外した那智さんの一言「こんなに凄かったの~?」(だから、言ったではありませんか!!)
持ってきたビデオカメラでその私を撮ろうとしている。
もう私は疲れ果てて、抵抗する気力も体力も残っていないから「とんでもなく汚い私を撮るのですか?」とだけ言葉を発して、あとはされるがままだ。
丁寧に洗ってもらって、ベッドで休ませてもらう。
やはり少し滲み出てしまってようで、スカートの一部が湿っていた。
洗面所から、その汚れを洗っている気配がしている。
大変ですね、那智さん。
あなたと私、どちらが大変でしょう。
そして、どちらが幸せでしょうね。
翻弄されて、漂って、委ねた後の休息は、この上なく幸福だ。
汚くても、困っても、どうしようもなく幸せだ。
スカートを洗って、部屋に戻った那智さん。
「さすがの紙おむつでも、あれは無理だね~。」
って、何度も訴えたでしょ!!!!
もしかして、「紙おむつへの過信」が一番の困惑の原因なのかも(笑)