爪
140字もどき
マッサージをしていて爪が伸びていたことに気づく。
ちょっと爪伸びてますね、ごめんなさい
親指でぐいぐいと押しながら、その爪が那智さんの背中を痛めてしまっているようで、すこし気にしてみた。
ふふふ
と那智さんが笑う。
どうしました?
さっき、爪伸びてるなって俺も思った記憶があるんだけど、なんで思ったかなって思い出した
爪を立てられていたからだ
いつ、そんなことしました?
俺の手を握ってたとき
たぶん、りん子が上になってたときかな
たいがいのことは記憶にある。
人間、頭が真っ白になることなんて、そう簡単にはないもの。
でも、さっき那智さんに抱かれている間、那智さんの手を握った記憶がない。
上になった記憶は当然あるのだけど、手を握った記憶がないのだ。
簡単には真っ白にならないと思っているわたしが無意識に握ったことも記憶が抜け落ちたことも、ちょっとうれしい。
爪を立てるなんて、昭和のエロ小説に出てくる描写みたいなことをしてしまって気恥ずかしいけど、ちょっとうれしい。
「等式」感想です。「初奴じゃ、近う寄れ。フフフ・・」なんて言う感覚です。(笑)男に生まれて良かった、と思える、男感性丸出しの感想でした。昭和と言われようが、この大人のエロい感覚は好きです。
マッサージをしていて爪が伸びていたことに気づく。
ちょっと爪伸びてますね、ごめんなさい
親指でぐいぐいと押しながら、その爪が那智さんの背中を痛めてしまっているようで、すこし気にしてみた。
ふふふ
と那智さんが笑う。
どうしました?
さっき、爪伸びてるなって俺も思った記憶があるんだけど、なんで思ったかなって思い出した
爪を立てられていたからだ
いつ、そんなことしました?
俺の手を握ってたとき
たぶん、りん子が上になってたときかな
たいがいのことは記憶にある。
人間、頭が真っ白になることなんて、そう簡単にはないもの。
でも、さっき那智さんに抱かれている間、那智さんの手を握った記憶がない。
上になった記憶は当然あるのだけど、手を握った記憶がないのだ。
簡単には真っ白にならないと思っているわたしが無意識に握ったことも記憶が抜け落ちたことも、ちょっとうれしい。
爪を立てるなんて、昭和のエロ小説に出てくる描写みたいなことをしてしまって気恥ずかしいけど、ちょっとうれしい。
「等式」感想です。「初奴じゃ、近う寄れ。フフフ・・」なんて言う感覚です。(笑)男に生まれて良かった、と思える、男感性丸出しの感想でした。昭和と言われようが、この大人のエロい感覚は好きです。
海の街1
非日常的な日常
今年の夏は海へ。
待ち合わせた駅から特急に乗って、程よい遠さの海の街。
知り合いの持っているリゾートマンションをお借りして1泊の夏の旅行。
那智さんは何度か行ったことがあるのは知っている。
その知り合いたちやバイクでひとり。
ひとりで行ったときはときどき画像付きでメールをくれた。
漁港の定食屋の煮付け、夕暮れの海。
一緒に旅をしているようなうれしさと那智さんの見ている景色を知らないもどかしさ。
いつか共有できるといいな〜と思っていたから、この夏の旅行は短いけれど念願叶った時間だった。
夏の海に向かう列車、そりゃあ混んでいる。
帰りは早々に特急の指定を確保したけど、行きは集合時間が不確実だったので、特急は諦め、在来線を乗り継ぐことにした。
それでも乗り継ぎが良ければ特急と30分しかかわらないし、乗り換えも1回だけなので比較的のんびりできる。
ただ、混んでいて座れないとしばらく大変だな〜という感じだった。
朝、ターミナル駅で待ち合わせて海行きのホームに向かう。
一番乗り継ぎの良い電車までまだしばらくあるからしばらくホームで並んでいるつもりだったけど、なんだか思ったより人が少ない。
これなら座れるかもしれない。
ふと、思いついた。
那智さん、グリーン車にしませんか?
これだけ空いているのだから、グリーン券を買えば座れる可能性はすごく高いはず。
多少高くついても1時間、確実に座れるほうがいい。
那智さんも賛成してくれて、じゃあ、ホームで並んでいる係と買い出し係と二手に分かれて電車までの時間を有効活用することになった。
並び係のわたしは自分が提案した案が、この後のしっちゃかめっちゃかな時間を招くとは微塵も想像することなく、買い出しをしている那智さんのことをご機嫌で待っているのだった。
電車の時間は迫っているのにわたしの後ろに並ぶ人がいっこうに現れない。
そんなに戦々恐々として並ぶ必要なかったかもしれないな〜とちょっと肩すかしにあった気分で電車を待つ。
カツサンドとシュウマイとビールと焼酎とその他もろもろを買ってきてくれた那智さん、わくわく旅行気分も盛り上がる^^
ホームに滑りこんできた電車。
普通車両はそれなりで、グリーン車はほとんど人がいない。
これは、もしかして、遊べるかもね〜、りん子
あうう、もちろん遠出の列車の中で那智さんが遊ばないわけないことは存じておりますが、このガラガラぶりは『相当な遊び』を予想させる。
みんな2階に乗るから、俺たちは1階にしよう^^
そう言ってサクサクとグリーン車の階段を降りる。
たしかに、唯一、わたしたちの後に並んだ年配のカップルは2階に上がっていったようだ。
果たして。
目の前には無人の1車両。
人がいてもいなくても、何かしらの方法でお外遊びはする。
だから、人がいないほうが見られることがないからいいんだ、だけど、人がいなければ『すごい』ことになる。
この無人のグリーン車を、わたしはどんな気分で眺めればいいのだ。
いいね〜(笑)
露出行為は那智さんだけではなく、わたしにとっても性的快感があるのはわかっている、でも、それでも、この人がまったくいない車両と那智さんのうれしそうな声に、どう反応していいのか、戸惑う。
荷物を片付け席につくころ列車は動き出した。
あっという間にホームは見切れた。
途端。
那智さんの手がマキシ丈のワンピースの裾を大胆にめくる。
あれよあれよという間に、もう片方は胸に。
乱暴に乳首をいじり、あっさり入った指をはげしく揺さぶる。
慌てるとか恥じらうとか、何もさせてくれないほど、何の風情もなく。
次は◯◯〜
うわ!!
意外にも次の駅が近かった!!
幸い、ここは地下なのでこの姿は誰にも見られずにすんでいるけど、それでも那智さんの手は止まらない。
もう一度アナウンス。
窓から見える景色が地下線路から駅の明るさに変わりはじめている。
速度が落ちる。
ホームの端が視界に飛び込んでくる。
まだ。
ホームに人の姿…、ぱっと手が離れた。
何事もなかったように列車はゆっくりと停車する。
ああ、那智さん、ぎりぎりを楽しんでる。
ほどなく、列車が走り出す。
また楽しそうに容赦なくわたしの体に手を伸ばす。
さっきよりすこし大胆に。
指でかき回され、ああ、気持ちよくなってくる。
地下から地上に出た。
急に景色が変わる。
ビルや他の路線の線路が視界に飛び込み、一気に現実味が増す。
顔を伏せ、ときおりちらりと外を見て、外だということわざと自分に見せつけるような感じ。
那智さん、ガシガシかき回す、かき回す。
…、かき回せど、かき回せど、いっこうに列車のスピードは変わらない。
さっきアナウンスで「次は◯◯町〜」と聞こえてから、ずいぶん経つ。
その前の区間より、◯◯町は遠いのか。
那智さん、きっとさっきの区間のイメージで短期決戦を想像して最初からガシガシしていたのだろう。
想像よりこの時間が長くなっていることにふたりしてじゃっかん気づきはじめてきた…。
でも、そこは負けず嫌いさん、想像より長かったとしても途中でやめるわけない。
ガシガシのテンションを意地でも維持したまま。
わたしも気持ちいいのはいいのだけど、なんともいえない空気でお応えする。
間もなく、◯◯町〜
わずかに、安堵の空気(?)
それでも、またホームに入り、人の姿が見えて、スピードが落ちて、人々の視界に入る一歩手前でさっと引く。
なんだかピンポンダッシュしているみたい。
そそそと着衣を直しながら
◯◯町は遠かったですね〜
次も、その次も同じように発車したら様々な方法でわたしを感じさせ、ホームギリギリで解放の繰り返し。
途中、ひとりの男性が乗ってきてふたつ前の通路を挟んだ席についた。
そのときはすこし規模を小さくして可愛がり。
その男性が降りてしまってからは、さらに大胆になっていく。
ビルや道路や民家が流れる中。
那智さんはとうとうわたしのワンピースを肩をおろし、胸を全部露出させてしまった。
誰かに見られたらどうしようという思いは当然あるけど、このスピードがすこし困惑を緩和させている。
はうはうと身悶えするのは困惑や羞恥だけではない。
わたしは恥ずかしさに顔を伏せながら、でも意識して外を見る。
ここが外だと言い聞かせるように。
わたしには露出願望がある。
人が蔑みと羨望と欲望の視線を向けるような、はしたない姿に自己愛を感じるような露出。
普通ならあり得ないところで乳房を露出させてしまいたいという欲望。
でも、そんな恥ずかしく怖く、申し訳ないことをひとりでできるわけない。
そして、その恥ずかしい自己愛はわたしを支配する『誰か』によって導き出されることではじめて完結するのだ。
いま、那智さんにされるがままにほとんど半裸になって乳房を露出させて体を窓に向け、乳首を愛撫されている。
流れる景色を垂れた髪の隙間から目に焼き付け、願望が叶っていることを心に刻もうとしていた。
「等式」感想です。私の好きな旅行日記が出てきた。この時もネタは満載だったような気がする。りん子の記憶力の鋭さで旅行を反芻できるのは本当に嬉しい。今回も楽しみにしているよ~。貸し切りの電車車両で何が繰り広げられたか。(笑)
今年の夏は海へ。
待ち合わせた駅から特急に乗って、程よい遠さの海の街。
知り合いの持っているリゾートマンションをお借りして1泊の夏の旅行。
那智さんは何度か行ったことがあるのは知っている。
その知り合いたちやバイクでひとり。
ひとりで行ったときはときどき画像付きでメールをくれた。
漁港の定食屋の煮付け、夕暮れの海。
一緒に旅をしているようなうれしさと那智さんの見ている景色を知らないもどかしさ。
いつか共有できるといいな〜と思っていたから、この夏の旅行は短いけれど念願叶った時間だった。
夏の海に向かう列車、そりゃあ混んでいる。
帰りは早々に特急の指定を確保したけど、行きは集合時間が不確実だったので、特急は諦め、在来線を乗り継ぐことにした。
それでも乗り継ぎが良ければ特急と30分しかかわらないし、乗り換えも1回だけなので比較的のんびりできる。
ただ、混んでいて座れないとしばらく大変だな〜という感じだった。
朝、ターミナル駅で待ち合わせて海行きのホームに向かう。
一番乗り継ぎの良い電車までまだしばらくあるからしばらくホームで並んでいるつもりだったけど、なんだか思ったより人が少ない。
これなら座れるかもしれない。
ふと、思いついた。
那智さん、グリーン車にしませんか?
これだけ空いているのだから、グリーン券を買えば座れる可能性はすごく高いはず。
多少高くついても1時間、確実に座れるほうがいい。
那智さんも賛成してくれて、じゃあ、ホームで並んでいる係と買い出し係と二手に分かれて電車までの時間を有効活用することになった。
並び係のわたしは自分が提案した案が、この後のしっちゃかめっちゃかな時間を招くとは微塵も想像することなく、買い出しをしている那智さんのことをご機嫌で待っているのだった。
電車の時間は迫っているのにわたしの後ろに並ぶ人がいっこうに現れない。
そんなに戦々恐々として並ぶ必要なかったかもしれないな〜とちょっと肩すかしにあった気分で電車を待つ。
カツサンドとシュウマイとビールと焼酎とその他もろもろを買ってきてくれた那智さん、わくわく旅行気分も盛り上がる^^
ホームに滑りこんできた電車。
普通車両はそれなりで、グリーン車はほとんど人がいない。
これは、もしかして、遊べるかもね〜、りん子
あうう、もちろん遠出の列車の中で那智さんが遊ばないわけないことは存じておりますが、このガラガラぶりは『相当な遊び』を予想させる。
みんな2階に乗るから、俺たちは1階にしよう^^
そう言ってサクサクとグリーン車の階段を降りる。
たしかに、唯一、わたしたちの後に並んだ年配のカップルは2階に上がっていったようだ。
果たして。
目の前には無人の1車両。
人がいてもいなくても、何かしらの方法でお外遊びはする。
だから、人がいないほうが見られることがないからいいんだ、だけど、人がいなければ『すごい』ことになる。
この無人のグリーン車を、わたしはどんな気分で眺めればいいのだ。
いいね〜(笑)
露出行為は那智さんだけではなく、わたしにとっても性的快感があるのはわかっている、でも、それでも、この人がまったくいない車両と那智さんのうれしそうな声に、どう反応していいのか、戸惑う。
荷物を片付け席につくころ列車は動き出した。
あっという間にホームは見切れた。
途端。
那智さんの手がマキシ丈のワンピースの裾を大胆にめくる。
あれよあれよという間に、もう片方は胸に。
乱暴に乳首をいじり、あっさり入った指をはげしく揺さぶる。
慌てるとか恥じらうとか、何もさせてくれないほど、何の風情もなく。
次は◯◯〜
うわ!!
意外にも次の駅が近かった!!
幸い、ここは地下なのでこの姿は誰にも見られずにすんでいるけど、それでも那智さんの手は止まらない。
もう一度アナウンス。
窓から見える景色が地下線路から駅の明るさに変わりはじめている。
速度が落ちる。
ホームの端が視界に飛び込んでくる。
まだ。
ホームに人の姿…、ぱっと手が離れた。
何事もなかったように列車はゆっくりと停車する。
ああ、那智さん、ぎりぎりを楽しんでる。
ほどなく、列車が走り出す。
また楽しそうに容赦なくわたしの体に手を伸ばす。
さっきよりすこし大胆に。
指でかき回され、ああ、気持ちよくなってくる。
地下から地上に出た。
急に景色が変わる。
ビルや他の路線の線路が視界に飛び込み、一気に現実味が増す。
顔を伏せ、ときおりちらりと外を見て、外だということわざと自分に見せつけるような感じ。
那智さん、ガシガシかき回す、かき回す。
…、かき回せど、かき回せど、いっこうに列車のスピードは変わらない。
さっきアナウンスで「次は◯◯町〜」と聞こえてから、ずいぶん経つ。
その前の区間より、◯◯町は遠いのか。
那智さん、きっとさっきの区間のイメージで短期決戦を想像して最初からガシガシしていたのだろう。
想像よりこの時間が長くなっていることにふたりしてじゃっかん気づきはじめてきた…。
でも、そこは負けず嫌いさん、想像より長かったとしても途中でやめるわけない。
ガシガシのテンションを意地でも維持したまま。
わたしも気持ちいいのはいいのだけど、なんともいえない空気でお応えする。
間もなく、◯◯町〜
わずかに、安堵の空気(?)
それでも、またホームに入り、人の姿が見えて、スピードが落ちて、人々の視界に入る一歩手前でさっと引く。
なんだかピンポンダッシュしているみたい。
そそそと着衣を直しながら
◯◯町は遠かったですね〜
次も、その次も同じように発車したら様々な方法でわたしを感じさせ、ホームギリギリで解放の繰り返し。
途中、ひとりの男性が乗ってきてふたつ前の通路を挟んだ席についた。
そのときはすこし規模を小さくして可愛がり。
その男性が降りてしまってからは、さらに大胆になっていく。
ビルや道路や民家が流れる中。
那智さんはとうとうわたしのワンピースを肩をおろし、胸を全部露出させてしまった。
誰かに見られたらどうしようという思いは当然あるけど、このスピードがすこし困惑を緩和させている。
はうはうと身悶えするのは困惑や羞恥だけではない。
わたしは恥ずかしさに顔を伏せながら、でも意識して外を見る。
ここが外だと言い聞かせるように。
わたしには露出願望がある。
人が蔑みと羨望と欲望の視線を向けるような、はしたない姿に自己愛を感じるような露出。
普通ならあり得ないところで乳房を露出させてしまいたいという欲望。
でも、そんな恥ずかしく怖く、申し訳ないことをひとりでできるわけない。
そして、その恥ずかしい自己愛はわたしを支配する『誰か』によって導き出されることではじめて完結するのだ。
いま、那智さんにされるがままにほとんど半裸になって乳房を露出させて体を窓に向け、乳首を愛撫されている。
流れる景色を垂れた髪の隙間から目に焼き付け、願望が叶っていることを心に刻もうとしていた。
「等式」感想です。私の好きな旅行日記が出てきた。この時もネタは満載だったような気がする。りん子の記憶力の鋭さで旅行を反芻できるのは本当に嬉しい。今回も楽しみにしているよ~。貸し切りの電車車両で何が繰り広げられたか。(笑)
海の街2
独特な幸福感
那智さんの好きなだけぐちゃぐちゃにされて、わたしの夢も叶えてもらって、食べて飲んだ記憶はあるのだけど、どのタイミングでいただいたのかを覚えていないほどな時間が過ぎ^^
乗り換えをして、目的の駅へ。
いちゃあなんだけど、田舎の街だ。
リゾートっぽくもおしゃれっぽくもない。
駅前に一件お土産屋さんがあるくらい。
でも、漁港の街なので海産物は豊富だそうで食べ物のおいしい田舎町っていうのもいい。
タクシーでリゾートマンションの近くのスーパーまで行ってもらう。
途中、一旦停車してもらって、魚屋で岩牡蠣も買って。
スーパーからマンションまでは歩いて15分くらい。
荷物は増えるけど、まあ、買い物をしている間タクシーを待たせるほど裕福ではないし、那智さんと一緒にえっちらおっちら歩くのも楽しいので、スーパーからは歩くことにした。
サラダ、刺身、生ハム、ほとんど調理しないでもいいような宴会食材と、ビールと焼酎と白ワイン。
缶ビールの本数はいつも那智さんと攻防が繰り広げられる。
ビールはほとんどわたし用なんだけど、いつもつい必要最小限しか買おうとしないのだ、それで、いざ飲みはじめてみると『足りない!!』ということになる。
那智さんはたぶん、前言撤回が好きじゃないのだろう(笑)最初からたくさん買うのはいいのだけど、足りなくて買い足すのがイヤな人なので、ここで何缶買うかで攻防が繰り広げられるのだ!!
でも、何度かの「やっぱり足りません〜;;」を繰り返し、最近はわたしの必要最小限はすこしずつ変わってきている。
わたしが「これくらいかな〜」とカゴに入れると、「ホント?あと2缶くらいいるんじゃない?」と那智さんがいう、と、その通り入れる(で、ちゃんと飲みきれる^^;)
なんだか、ビールの量さえコントロールされているようで、従属嗜好としては、うれしい^^
そんなこんなで、このときは350を6缶とロング缶を2缶(だったかな?)に決定^^
それでもやっぱり踏み切れず、ビールの棚を2往復くらいはした^^;
そして、この大量の缶ビールがその後の出来事を良くも悪くも彩ることになるのだった。
さらに焼酎と白ワインのボトル、その他もろもろ。
なんだか想像よりたくさんになってしまった。
わたしの鞄のほうが大きめで余裕があったので重い酒類をそちらに詰めて那智さんが担ぐことになった。
もともと旅行の荷物が入っている中に液体たんまりとその他、かなりの重さになっている。
それを当然のように担いでくれて、なおかつこちらに申し訳ないな〜と恐縮させない那智さんの空気が好き。
恐縮ではなく感謝の気持ちで後ろからついていく。
タクシーが通ったら乗っちゃいましょう!!
後ろから見ていてもすごくすごく重たそうな那智さんに、そんなこと言いつつ大通りから横道に逸れ、静かな住宅街、しばらく行ってちょっと気合いの坂をのぼるとマンションがあるそうだ。
雲行きが怪しくなってきた。
うっすらと影を作っていた日差しがみるみるうちに雨雲で真っ暗になってきていた。
明らかに通り雨のシナリオ。
土砂降りはキライじゃない、いや、むしろ好きだ。
でも、この大荷物を抱えてのそれは避けたい。
濡れて萌えるのは自分だけでいい、荷物は濡れないほうがいい。
降りそうですね〜
ああ、もうちょっとなんだけどな
なんとかもってもらいたい気持ちでふたりとも心なしか急ぎ足。
ポツ、ポツ…
ああ、雨粒。
かすかな雨粒。
そう思って、数歩、ほんの数歩歩いただけで大粒の雨が勢いよく落下してきて、ほんの数十メートル先では、笑っちゃうくらいの土砂降りになっていた。
わー、那智さん、降ってきた〜!!
慌てて、この先の行く末を案じていたら、ちょうど左手に何やら事務所のような建物。
ひとまず、そこの軒先をお借りする。
おそらく個人経営の工務店か何かだろう。
全面ガラスの引き戸、ガラスには工務店の名前や電話番号がペイントされていて、それが目隠しの代わりを果たしている。
ペイントの合間から伝わる様子からはデスクや応接セットやキャビネットらしきものもあるのもわかる。
デスクに人が座っているのもわかる。
ふうとひと息ついて、アスファルトを勢いよく打ち付ける土砂降りの雨をみる、ちょっと気がかりが生まれる。
通り雨だからそんなに長くはかからないだろうけど、それでも1、2分というわけにはいかないだろう。
すみのほうをお借りしているとはいえ、個人商店の軒先を何分の一かを大荷物を抱えたスーツの男と派手めなマキシワンピを纏った女が陣取ってしまっていることが申し訳ない気持ちになって、気になっていた。
大迷惑をかけているわけではないけれど、ちょっと気になるポイントだった。
わたしが気になったのとほとんど同時に那智さんが振り返り体を上下させはじめる。
ガラス戸の向こう側にいる人に視線を合わせようとしているのだ。
わたしは那智さんに視線を向ける。
両手を合わせて会釈する那智さん。
中の人と視線が合ったのだろう、軒先をお借りすることを詫びてくれたのだ。
うれしい。
人によって『気づかう』ポイントはいろいろだろう。
誰かが気にすることがわたしはぜんぜん気にならなくて、もしかしたらその人からしたらわたしは『気づかいができない人』になっているかもしれない、逆もありだ。
万人に共通する気づかいは難しい、だから、みんな自分の正解の『気づかい』を真摯な思いで遂行するしかないのだけど。
その気づかいのポイントがきっと那智さんとわたしはとてもとても近い。
それを感じられたこと。
そして、それをいち早く行動に表してくれたこと。
わたしが気にしないように、先頭に立つ人として。
そのふたつがうれしい。
これで安心して雨宿りができる。
そして、このハプニングを楽しめる^^
ミュールの足がすこし疲れたから『よいしょ』としゃがませてもらった。
ビール、開けるか〜、すこしは軽くなるしな(笑)
はーい、飲みましょ、飲みましょ
那智さんが抱えてくれていた旅行カバンから350mlをひと缶、プシュッと開けて手渡す。
ぐびぐびぐびと流し込む那智さんを見上げる。
わたしにもくれた。
同じようにぐびぐびと飲む。
おいしい!!
ほとんど飲んで、那智さんのもう一回渡す。
ずいぶん、飲んだね〜(笑)
はい^^
もうひと缶きます?
ふた缶目。
今度は、わたしが最初に飲む。
たくさんたくさん飲む。
相変わらずの土砂降り。
自転車に乗った少年たちがぎゃーぎゃー言いながら駆け抜けていった。
また飲む。
すこし酔いが回って(というか、電車から飲んでいるから、いつから酔いのスタートだかわからない^^;)、たのしい。
はい、那智さん
うれしくなって、また渡す。
飲むね〜(笑)
空の端がすこし明るくなってきた。
きっと、そのうち上がるだろう。
さらにもうひと缶開けた。
那智さんと一緒にいるとハプニングもたのしい。
それは那智さんがハプニングが起きても変わらないでいてくるし、きっとわたしが気を揉むことがないようにいつも手を引いて先に歩いてくれるからだ。
だから、わたしはたくさん飲む。
すこしだけ、那智さんの荷物軽くなれ!!って思って、おいしくたのしく、たくさんたくさん飲んだ。
りん子、軽くしようと思って無理して飲んでない?(笑)
あはは、はい、でもおいしいです^^
何缶買うかで悩んだのに、上乗せ分くらいここで飲んじゃってますよね(笑)
那智さんがすこしでもラクになるなら、わたしはよろこんでビールをいただきます。
やさしさにやさしい気持ちでお返しする。
土砂降りの雨を眺めながら軒先で飲むビール。
いろんな出来事がちょっぴりビールをおいしくしてくれた^^
「等式」感想です。夏の暑さ、雨の湿度、軒下のシチュエーションがビールのおつまみでした。以前は荷物が重いなんて人前で発言するのは「男が廃る」と思っていたのに加齢による筋肉の衰えは、その見栄を凌駕しつつあります。他人から聞いた話ですが、「力」はある人程、失った時に取り戻そうとしたり、 過敏になるそうです。精力・筋力・忍耐力・権力・以下ネットより引用、握力・威力・魔力・魅力・視力・聴力・暴力・気力・武力、元々無ければ失う恐怖や喪失感もないでしょうけれど、備わっていた人には重要なことですよね。
那智さんの好きなだけぐちゃぐちゃにされて、わたしの夢も叶えてもらって、食べて飲んだ記憶はあるのだけど、どのタイミングでいただいたのかを覚えていないほどな時間が過ぎ^^
乗り換えをして、目的の駅へ。
いちゃあなんだけど、田舎の街だ。
リゾートっぽくもおしゃれっぽくもない。
駅前に一件お土産屋さんがあるくらい。
でも、漁港の街なので海産物は豊富だそうで食べ物のおいしい田舎町っていうのもいい。
タクシーでリゾートマンションの近くのスーパーまで行ってもらう。
途中、一旦停車してもらって、魚屋で岩牡蠣も買って。
スーパーからマンションまでは歩いて15分くらい。
荷物は増えるけど、まあ、買い物をしている間タクシーを待たせるほど裕福ではないし、那智さんと一緒にえっちらおっちら歩くのも楽しいので、スーパーからは歩くことにした。
サラダ、刺身、生ハム、ほとんど調理しないでもいいような宴会食材と、ビールと焼酎と白ワイン。
缶ビールの本数はいつも那智さんと攻防が繰り広げられる。
ビールはほとんどわたし用なんだけど、いつもつい必要最小限しか買おうとしないのだ、それで、いざ飲みはじめてみると『足りない!!』ということになる。
那智さんはたぶん、前言撤回が好きじゃないのだろう(笑)最初からたくさん買うのはいいのだけど、足りなくて買い足すのがイヤな人なので、ここで何缶買うかで攻防が繰り広げられるのだ!!
でも、何度かの「やっぱり足りません〜;;」を繰り返し、最近はわたしの必要最小限はすこしずつ変わってきている。
わたしが「これくらいかな〜」とカゴに入れると、「ホント?あと2缶くらいいるんじゃない?」と那智さんがいう、と、その通り入れる(で、ちゃんと飲みきれる^^;)
なんだか、ビールの量さえコントロールされているようで、従属嗜好としては、うれしい^^
そんなこんなで、このときは350を6缶とロング缶を2缶(だったかな?)に決定^^
それでもやっぱり踏み切れず、ビールの棚を2往復くらいはした^^;
そして、この大量の缶ビールがその後の出来事を良くも悪くも彩ることになるのだった。
さらに焼酎と白ワインのボトル、その他もろもろ。
なんだか想像よりたくさんになってしまった。
わたしの鞄のほうが大きめで余裕があったので重い酒類をそちらに詰めて那智さんが担ぐことになった。
もともと旅行の荷物が入っている中に液体たんまりとその他、かなりの重さになっている。
それを当然のように担いでくれて、なおかつこちらに申し訳ないな〜と恐縮させない那智さんの空気が好き。
恐縮ではなく感謝の気持ちで後ろからついていく。
タクシーが通ったら乗っちゃいましょう!!
後ろから見ていてもすごくすごく重たそうな那智さんに、そんなこと言いつつ大通りから横道に逸れ、静かな住宅街、しばらく行ってちょっと気合いの坂をのぼるとマンションがあるそうだ。
雲行きが怪しくなってきた。
うっすらと影を作っていた日差しがみるみるうちに雨雲で真っ暗になってきていた。
明らかに通り雨のシナリオ。
土砂降りはキライじゃない、いや、むしろ好きだ。
でも、この大荷物を抱えてのそれは避けたい。
濡れて萌えるのは自分だけでいい、荷物は濡れないほうがいい。
降りそうですね〜
ああ、もうちょっとなんだけどな
なんとかもってもらいたい気持ちでふたりとも心なしか急ぎ足。
ポツ、ポツ…
ああ、雨粒。
かすかな雨粒。
そう思って、数歩、ほんの数歩歩いただけで大粒の雨が勢いよく落下してきて、ほんの数十メートル先では、笑っちゃうくらいの土砂降りになっていた。
わー、那智さん、降ってきた〜!!
慌てて、この先の行く末を案じていたら、ちょうど左手に何やら事務所のような建物。
ひとまず、そこの軒先をお借りする。
おそらく個人経営の工務店か何かだろう。
全面ガラスの引き戸、ガラスには工務店の名前や電話番号がペイントされていて、それが目隠しの代わりを果たしている。
ペイントの合間から伝わる様子からはデスクや応接セットやキャビネットらしきものもあるのもわかる。
デスクに人が座っているのもわかる。
ふうとひと息ついて、アスファルトを勢いよく打ち付ける土砂降りの雨をみる、ちょっと気がかりが生まれる。
通り雨だからそんなに長くはかからないだろうけど、それでも1、2分というわけにはいかないだろう。
すみのほうをお借りしているとはいえ、個人商店の軒先を何分の一かを大荷物を抱えたスーツの男と派手めなマキシワンピを纏った女が陣取ってしまっていることが申し訳ない気持ちになって、気になっていた。
大迷惑をかけているわけではないけれど、ちょっと気になるポイントだった。
わたしが気になったのとほとんど同時に那智さんが振り返り体を上下させはじめる。
ガラス戸の向こう側にいる人に視線を合わせようとしているのだ。
わたしは那智さんに視線を向ける。
両手を合わせて会釈する那智さん。
中の人と視線が合ったのだろう、軒先をお借りすることを詫びてくれたのだ。
うれしい。
人によって『気づかう』ポイントはいろいろだろう。
誰かが気にすることがわたしはぜんぜん気にならなくて、もしかしたらその人からしたらわたしは『気づかいができない人』になっているかもしれない、逆もありだ。
万人に共通する気づかいは難しい、だから、みんな自分の正解の『気づかい』を真摯な思いで遂行するしかないのだけど。
その気づかいのポイントがきっと那智さんとわたしはとてもとても近い。
それを感じられたこと。
そして、それをいち早く行動に表してくれたこと。
わたしが気にしないように、先頭に立つ人として。
そのふたつがうれしい。
これで安心して雨宿りができる。
そして、このハプニングを楽しめる^^
ミュールの足がすこし疲れたから『よいしょ』としゃがませてもらった。
ビール、開けるか〜、すこしは軽くなるしな(笑)
はーい、飲みましょ、飲みましょ
那智さんが抱えてくれていた旅行カバンから350mlをひと缶、プシュッと開けて手渡す。
ぐびぐびぐびと流し込む那智さんを見上げる。
わたしにもくれた。
同じようにぐびぐびと飲む。
おいしい!!
ほとんど飲んで、那智さんのもう一回渡す。
ずいぶん、飲んだね〜(笑)
はい^^
もうひと缶きます?
ふた缶目。
今度は、わたしが最初に飲む。
たくさんたくさん飲む。
相変わらずの土砂降り。
自転車に乗った少年たちがぎゃーぎゃー言いながら駆け抜けていった。
また飲む。
すこし酔いが回って(というか、電車から飲んでいるから、いつから酔いのスタートだかわからない^^;)、たのしい。
はい、那智さん
うれしくなって、また渡す。
飲むね〜(笑)
空の端がすこし明るくなってきた。
きっと、そのうち上がるだろう。
さらにもうひと缶開けた。
那智さんと一緒にいるとハプニングもたのしい。
それは那智さんがハプニングが起きても変わらないでいてくるし、きっとわたしが気を揉むことがないようにいつも手を引いて先に歩いてくれるからだ。
だから、わたしはたくさん飲む。
すこしだけ、那智さんの荷物軽くなれ!!って思って、おいしくたのしく、たくさんたくさん飲んだ。
りん子、軽くしようと思って無理して飲んでない?(笑)
あはは、はい、でもおいしいです^^
何缶買うかで悩んだのに、上乗せ分くらいここで飲んじゃってますよね(笑)
那智さんがすこしでもラクになるなら、わたしはよろこんでビールをいただきます。
やさしさにやさしい気持ちでお返しする。
土砂降りの雨を眺めながら軒先で飲むビール。
いろんな出来事がちょっぴりビールをおいしくしてくれた^^
「等式」感想です。夏の暑さ、雨の湿度、軒下のシチュエーションがビールのおつまみでした。以前は荷物が重いなんて人前で発言するのは「男が廃る」と思っていたのに加齢による筋肉の衰えは、その見栄を凌駕しつつあります。他人から聞いた話ですが、「力」はある人程、失った時に取り戻そうとしたり、 過敏になるそうです。精力・筋力・忍耐力・権力・以下ネットより引用、握力・威力・魔力・魅力・視力・聴力・暴力・気力・武力、元々無ければ失う恐怖や喪失感もないでしょうけれど、備わっていた人には重要なことですよね。
海の街3
非日常的な日常
マンションに到着したのがお昼前。
空気を入れ替え宿泊の準備を軽くする。
お昼は那智さんが行ったことがある地元のお寿司屋さんに決まっていた。
その前にマンション内にプールがあるからすこしだけ水浴びに^^
といっても、わたしだけ水着を持ってきていたから、那智さんはビール片手にプールサイドでおくつろぎ。
お昼前だからか、そもそも利用者が少ないのか、子ども用プールに二組の親子がいるだけで大きなプールには誰もいない。
通り雨の後は真夏の日差し。
大きく体を伸ばしゆっくりと泳ぐ。
広々としたプールにひとりだけ、なんて贅沢な気分。
水面から顔を上げると那智さんがデッキチェアに腰かけてこちらを見てくれている。
気持ちいいです^^
また一往復。
ときどき那智さんのほうに視線を向けると、また視線が合う。
まぶしいのか、それとも那智さんも楽しんでくれているのか、細めた目がわたしを見守ってくれているような錯覚にさせる。
完全に『プールで遊ぶ女の子と微笑ましく見守るお父さん』^^;
誰もいないプールの贅沢に輪をかけて、贅沢(笑)
那智さんの視線が本当のお父さんのそれとは違うことはわかっているけど、でも、それに限りなく近いものをすこしでも味わいたくて、何度も水面から顔を出し、何度も振り返る。
ほんのすこしでも那智さんの『女の子』でいられる時間を引き延ばすように。
お昼の時間も近づいているから、名残惜しくも早々にプールを後にした。
那智さんが入ったことのある地元のお寿司をおいしくいただき。
そのままお散歩。
田舎町を探索。
昔ながらの作りの商店が立ち並ぶ町並みにノスタルジーを感じつつ、漁港まで。
深く濃い青の空と刺すような日差し、でも、あまり暑苦しくないのは海が近いからかな。
港でおじいさんと一緒に釣りをしていた女の子がふいに声をかけてきた。
「これ、釣ったんだよ!!」
あはは、かわいい、見知らぬ大人に言いたくなるほどうれしかったのかな。
そう!?すごいね〜♪
と、普通にお返事をするわたしの隣りで
イェーィ!!
とその子に向けて手をあげて、ハイタッチのスタイル!!
すぐ女の子の反応して那智さんの手にパチンとハイタッチ!!
いやん、那智さんったら、やっぱり子供を扱うのうまい〜。
那智さんの子供扱いの上手さに父性を重ね、萌えして、ハイタッチしてもらえた小さな子に、ほんのちょっぴり羨望のまなざしのほろ苦い漁港の思い出(笑)
(笑マークにしているけど、けっこう真剣だったりする^^;)
途中足りないものを買い足してマンションに戻る。
それが午後3時。
ちょっと一服して大浴場に行こうという段取りだった。
はずなんだけど、那智さんがわたしを可愛がりだした。
乱暴に押し倒しワンピースを剥ぎ好き勝手に可愛がる。
キスをして乳首を潰され、おまんこに入れたおちんぽ様でわたしの口を塞ぐ。
那智さん、お風呂は…?
何を言ってもおかまいなし。
いったいなんのスイッチが入ってしまったのだろう。
今度はスリッパを持ってきてお尻をスパンキング。
ぱーーーんとクリアな音が響くけど、これは音だけだった^^;ぜんぜん痛くない^^;
まるで人形で遊ぶように胴体も手も足も好き勝手に上や下に動かされていたけど、反応はわたしのものだ。
痛くないものは、痛いようには反応できない。
つまらない反応しかしないことに那智さんの勢いを加速させたようだ。
玄関から外履きのサンダルを持ってきた。
思い描けます?
ほら、昔お父さんたちが庭やベランダつっかけで履いていたような、茶色くてゴム製で靴底が凸凹しているヤツ。
むき出しになったお尻をそれで打ちはじめた。
痛い、痛いです、那智さん!!
硬くて重いゴツゴツしたものがお尻を痛めつけるのだ、とても痛い。
玄関から持ってきたものだから、きっとお尻をすこし汚しているかもしれない。
数発の痛みと那智さんに汚されていることに感じはじめてもおかしくないのだけど、このときは訳のわからない怒濤の展開に戸惑いのほうが大きくて、苦痛のほうがずっと大きい。
かなり真剣に拒否をしてしまう。
那智さんはもともとわたしを可愛がりたいのだから、この展開でこの先の快感は難しいと判断したのだろう、拒否に応じてくれた。
それでも、責めはおしまいにならない。
指をつっこんでかき回し、電マを使って何度も何度もイカせる。
タバコを吸い、コーヒーを口にして、またセックスをはじめる。
お風呂に入るのは!?
この先の予定は!?
時間の長さではなく、先が見えないことの戸惑いが出口の見えないトンネルに紛れ込んでしまったような気持ちにさせる。
それなのに半ば強制的に感じさせられて、もう、体中に『使用済み』ハンコを押されたみたいになって、だんだんと逃げ出したくなってきてしまう。
もう、わたしの体に触らないで!!という気持ちになってしまいそうだ。
那智さん、もう、ちょっとおしまいにしてください!!
じゃあ、あと1回イッたら〜(笑)
電マで痺れて変な感覚のおまんこにさらに電マを押当てて、余ったほうの手でおまんこをかき回しながら、うれしそうに笑う。
時計を見たら午後6時だった。
3時間。
これが長いのか短いのかわからないけど。
時間より、何より。
途中指をつっこみながら、那智さん、たぶん、ほんのすこし眠そうにしていた、一瞬目がとろんとなっていたのだ。
それなのに、それでも、かまい続けようとする情熱。
その情熱はどこから来るのだろう。
こんなふうにわたしを食べてしまうような強烈な個性を感じるとき、情熱というキレイなものではない那智さんの歪みを感じる。
かまいたがりや父性だけではない何か、もっと、本人は意識していないかもしれない深い底を覗いているような気持ちになるのだ。
いつもいつもここまでなるわけではないけど、このときみたいに飛び抜けて食らい尽くされそうなことが9年の付き合いで何回かは確実にある。
で、そうなると、わたしはもうお腹いっぱい、わたしの体に触れてくれるなのギブアップ状態になるのです^^
もう触れてくれるなのギブアップ状態になってはじめて解放されて、そこからはモードチェンジ。
お風呂から上がって、那智さんは岩牡蠣と悪戦苦闘。
わたしはそのほかの宴会準備。
ちょうどサッカー中継があるから、それを見ながら宴会開始。
那智さん、きっと眠かったのですよね。
試合修了まではなんのか起きていたけど、終わったらもうお布団に入っちゃった。
今日もずっと先頭に立ってたのしい時間をくれていたのだから、ゆっくり休んでいただきましょう^^
那智さんの寝息を聞きながら、すこし飲み直し、片付けをして、わたしも眠りにつくのでした。
「等式」感想です。そうですね、酔うと、取付かれたように集中してりん子をかわいがる時があるかもしれません。その、「気」がりん子に恐怖を感じさせるのかな。プールでの振り返る視線は「子供」のものでした。(笑)
マンションに到着したのがお昼前。
空気を入れ替え宿泊の準備を軽くする。
お昼は那智さんが行ったことがある地元のお寿司屋さんに決まっていた。
その前にマンション内にプールがあるからすこしだけ水浴びに^^
といっても、わたしだけ水着を持ってきていたから、那智さんはビール片手にプールサイドでおくつろぎ。
お昼前だからか、そもそも利用者が少ないのか、子ども用プールに二組の親子がいるだけで大きなプールには誰もいない。
通り雨の後は真夏の日差し。
大きく体を伸ばしゆっくりと泳ぐ。
広々としたプールにひとりだけ、なんて贅沢な気分。
水面から顔を上げると那智さんがデッキチェアに腰かけてこちらを見てくれている。
気持ちいいです^^
また一往復。
ときどき那智さんのほうに視線を向けると、また視線が合う。
まぶしいのか、それとも那智さんも楽しんでくれているのか、細めた目がわたしを見守ってくれているような錯覚にさせる。
完全に『プールで遊ぶ女の子と微笑ましく見守るお父さん』^^;
誰もいないプールの贅沢に輪をかけて、贅沢(笑)
那智さんの視線が本当のお父さんのそれとは違うことはわかっているけど、でも、それに限りなく近いものをすこしでも味わいたくて、何度も水面から顔を出し、何度も振り返る。
ほんのすこしでも那智さんの『女の子』でいられる時間を引き延ばすように。
お昼の時間も近づいているから、名残惜しくも早々にプールを後にした。
那智さんが入ったことのある地元のお寿司をおいしくいただき。
そのままお散歩。
田舎町を探索。
昔ながらの作りの商店が立ち並ぶ町並みにノスタルジーを感じつつ、漁港まで。
深く濃い青の空と刺すような日差し、でも、あまり暑苦しくないのは海が近いからかな。
港でおじいさんと一緒に釣りをしていた女の子がふいに声をかけてきた。
「これ、釣ったんだよ!!」
あはは、かわいい、見知らぬ大人に言いたくなるほどうれしかったのかな。
そう!?すごいね〜♪
と、普通にお返事をするわたしの隣りで
イェーィ!!
とその子に向けて手をあげて、ハイタッチのスタイル!!
すぐ女の子の反応して那智さんの手にパチンとハイタッチ!!
いやん、那智さんったら、やっぱり子供を扱うのうまい〜。
那智さんの子供扱いの上手さに父性を重ね、萌えして、ハイタッチしてもらえた小さな子に、ほんのちょっぴり羨望のまなざしのほろ苦い漁港の思い出(笑)
(笑マークにしているけど、けっこう真剣だったりする^^;)
途中足りないものを買い足してマンションに戻る。
それが午後3時。
ちょっと一服して大浴場に行こうという段取りだった。
はずなんだけど、那智さんがわたしを可愛がりだした。
乱暴に押し倒しワンピースを剥ぎ好き勝手に可愛がる。
キスをして乳首を潰され、おまんこに入れたおちんぽ様でわたしの口を塞ぐ。
那智さん、お風呂は…?
何を言ってもおかまいなし。
いったいなんのスイッチが入ってしまったのだろう。
今度はスリッパを持ってきてお尻をスパンキング。
ぱーーーんとクリアな音が響くけど、これは音だけだった^^;ぜんぜん痛くない^^;
まるで人形で遊ぶように胴体も手も足も好き勝手に上や下に動かされていたけど、反応はわたしのものだ。
痛くないものは、痛いようには反応できない。
つまらない反応しかしないことに那智さんの勢いを加速させたようだ。
玄関から外履きのサンダルを持ってきた。
思い描けます?
ほら、昔お父さんたちが庭やベランダつっかけで履いていたような、茶色くてゴム製で靴底が凸凹しているヤツ。
むき出しになったお尻をそれで打ちはじめた。
痛い、痛いです、那智さん!!
硬くて重いゴツゴツしたものがお尻を痛めつけるのだ、とても痛い。
玄関から持ってきたものだから、きっとお尻をすこし汚しているかもしれない。
数発の痛みと那智さんに汚されていることに感じはじめてもおかしくないのだけど、このときは訳のわからない怒濤の展開に戸惑いのほうが大きくて、苦痛のほうがずっと大きい。
かなり真剣に拒否をしてしまう。
那智さんはもともとわたしを可愛がりたいのだから、この展開でこの先の快感は難しいと判断したのだろう、拒否に応じてくれた。
それでも、責めはおしまいにならない。
指をつっこんでかき回し、電マを使って何度も何度もイカせる。
タバコを吸い、コーヒーを口にして、またセックスをはじめる。
お風呂に入るのは!?
この先の予定は!?
時間の長さではなく、先が見えないことの戸惑いが出口の見えないトンネルに紛れ込んでしまったような気持ちにさせる。
それなのに半ば強制的に感じさせられて、もう、体中に『使用済み』ハンコを押されたみたいになって、だんだんと逃げ出したくなってきてしまう。
もう、わたしの体に触らないで!!という気持ちになってしまいそうだ。
那智さん、もう、ちょっとおしまいにしてください!!
じゃあ、あと1回イッたら〜(笑)
電マで痺れて変な感覚のおまんこにさらに電マを押当てて、余ったほうの手でおまんこをかき回しながら、うれしそうに笑う。
時計を見たら午後6時だった。
3時間。
これが長いのか短いのかわからないけど。
時間より、何より。
途中指をつっこみながら、那智さん、たぶん、ほんのすこし眠そうにしていた、一瞬目がとろんとなっていたのだ。
それなのに、それでも、かまい続けようとする情熱。
その情熱はどこから来るのだろう。
こんなふうにわたしを食べてしまうような強烈な個性を感じるとき、情熱というキレイなものではない那智さんの歪みを感じる。
かまいたがりや父性だけではない何か、もっと、本人は意識していないかもしれない深い底を覗いているような気持ちになるのだ。
いつもいつもここまでなるわけではないけど、このときみたいに飛び抜けて食らい尽くされそうなことが9年の付き合いで何回かは確実にある。
で、そうなると、わたしはもうお腹いっぱい、わたしの体に触れてくれるなのギブアップ状態になるのです^^
もう触れてくれるなのギブアップ状態になってはじめて解放されて、そこからはモードチェンジ。
お風呂から上がって、那智さんは岩牡蠣と悪戦苦闘。
わたしはそのほかの宴会準備。
ちょうどサッカー中継があるから、それを見ながら宴会開始。
那智さん、きっと眠かったのですよね。
試合修了まではなんのか起きていたけど、終わったらもうお布団に入っちゃった。
今日もずっと先頭に立ってたのしい時間をくれていたのだから、ゆっくり休んでいただきましょう^^
那智さんの寝息を聞きながら、すこし飲み直し、片付けをして、わたしも眠りにつくのでした。
「等式」感想です。そうですね、酔うと、取付かれたように集中してりん子をかわいがる時があるかもしれません。その、「気」がりん子に恐怖を感じさせるのかな。プールでの振り返る視線は「子供」のものでした。(笑)
海の街4
非日常的な日常
ふいに唇に乾いた感触。
那智さんがキスをしてくれた。
あたりは明るい、朝になっていた。
乾いた那智さんの唇とほんのすこし湿度のある体温がわたしに触れた。
あああああ。
意識は眠っているはずなのに、体中がむるむると震える。
細胞がいきなり目覚めて、内蔵も産毛も全身が那智さんを欲しているのがわかる。
昨日、あんなにお腹いっぱいギブアップだったことがウソのように、唇が触れただけであっけなく欲情している自分がおかしい。
一度押し広げられた穴はもとには戻らないのだろうか。
与えられて、欲している自分にわたしの欲望はどれだけ消化が早いんだと思う。
そのまま抱かれる。
あっさりと欲情しているから、簡単だ。
上になるように指示される。
最近のわたしは騎乗位もとても感じるようになっているので、下から見上げられる恥ずかしさより快感を欲するほうが勝っているから、ほとんどためらいなく指示通りに動く。
ああ、気持ちいい。
那智さんが乳首を触ってくれると快感が倍増する。
ひたすら快感に没頭する。
気持ちいい角度、動き、那智さんの上で腰を振る自分の姿に酔うように。
快感が競り上がってきた。
那智さん、イッてもいいですか?
天を仰ぎ競り上がる快感を取り逃がさないように唱える。
こっち向いて
なぜ?
目を見て
指示された。
目を見ながら「イッてもいいですか?」と聞き「いいよ」を合図に快感を放出させる。
滅多に命令をしない那智さんの指示は甘美だ。
胸をぎゅっと掴まれたように苦しく気持ちいい。
そんな甘美な指示に酔いながら、また自分の快感に没頭しはじめると、また
目を見て
と、指示。
どうしたんだろう?
ずっと見ていろということなのだろうか。
意図がわからずすこし戸惑いながらも指示に従う。
その後も、快感に目をつぶりそうになると指示、恥ずかしさに顔を伏せようとすると、また指示。
ずっとずっと那智さんの目を見つめている。
那智さんに突かれ気持ちよくて大声を出す、動きに合わせて快感の大きさが変わる。
いまわたしの快感はこの視線を釘付けにしている男性が司っているのだ。
「ずっと見ていろ」とは言われていない、でも、目を逸らすと、引き戻す。
その都度引き戻され、見つめる不自由さが、コントロールされているよろこびと那智さんの魅力になって、気がつけば、わたしはよろこんで那智さんだけを見つめていた。
腕枕に抱かれながら。
目を見ろって言われてどうだった?
那智さんステキって思ったのと、那智さんのものって思いました
この快感は那智さんがくれているって感じていました
りん子さ、前に「快感に没頭したいから」俺のことは考えないようにするって言ってただろ?
ああ、はい
たしかに、セックスのときに自己嫌悪や相手がどう思うかとかいろいろなことを考えてしまってぜんぜん没頭できなかったわたしが那智さんに荷物を預け、徐々に夢中になりはじめた頃、あえて、那智さんのことを意識せず自分の快感だけに没頭するように仕向けようと宣言したことはある。
もちろん、完全に那智さんを意識しないなんて無理なんだけど、できるだけ自分の快感を優先する練習のために意識しようとしたのだ。
那智さんも、わたしがセックスに対して冷めている部分を排除しようとしていたから、当然受け入れてくれたし、より快感を得られるように楽しんでくれていたけど、とにかく、そんなふうに意識するように決めて宣言したことがあるのはたしかだ。
あれは、あれで必要なことだったんだけど、あの話が出たとき、じゃあ、いつかは俺を意識することのほうが気持ちいいと思うようにさせようって決めてたんだ(笑)
りん子はコントロールされるほうが幸せなんだから、俺を意識して感じられたほうがより気持ちいいと思ったんだよ
だから、目を見るように?!
うん、たくさん感じられるようになるまで待って、感じられるようになってから、その快感を俺が与えていると思えば、その俺を意識しているほうがもっと感じるだろうなってね
だから、ずっとこの機会を待ってたの(笑)
そうですよね!!
だって、わたしがその宣言をしたのって、…ずいぶん前、2、3年前ですよね!!
そうだね
じゃあ、そんな前から計画していたのですか!!
うん(笑)
ああ。
本当だ。
那智さんの目を見ることで恥ずかしさや気が散る懸念よりも、この快感は那智さんに手綱を握られコントロールされている従属の快感のほうがずっと大きかった。
那智さんのうれしそうな欲情を光らせ、反面包み込むような眼差しに「わたしは那智さんのもの」と叫びたくなる。
これは、大きな快感を得ることができてはじめて成立する快感だ。
そして、もうひとつの大きなポイントは「ずっと見ていろ」とは言われなかったことだ。
目を逸らすと呼び戻し、また自由にさせる、それを繰り返すことで命令ではなく、わたしの意思でわたしが見たいと思っていることを植え付けるのだ。
命令よりも、もっと確実な自分の意思。
犬が飼い主を見上げて一挙手一投足を見逃すまいとするような幸福。
おそらく、わたしはこの幸福と快感が好きになっている。
それにしても、相変わらず長期計画を立てて遂行してくれる気の長さと情熱に感謝しつつも、呆れる…いえ、感心します(笑)
「等式」感想です。いつかは「そうする」の意思の継続は叶う物だなと思う。物事、長期計画で気負いもせず、出来ることだけ胆としていくなんて、私の性分ではなかったはずなのに、それが負担でなく出来てきているのが不思議に思う。花や野菜を育てたり、仕事上での大人の喧嘩も同様です。
加齢すると気が長くなるのか、それとも俗に言う大人の余裕?(笑)私をリアルでご存知の方は笑ってしまいますね。
りん子(^-^)たしかに、那智さん、わたしに対しては根気強く育てていますけど、わりとそれ以外は即決型でしたよね。決まらないの嫌い(笑)それが最近はわたし以外でもそういうふうになっているのは年齢のせいもあるかもしれないけど、わたしで鍛えられたとも言えませんか?(笑)
ふいに唇に乾いた感触。
那智さんがキスをしてくれた。
あたりは明るい、朝になっていた。
乾いた那智さんの唇とほんのすこし湿度のある体温がわたしに触れた。
あああああ。
意識は眠っているはずなのに、体中がむるむると震える。
細胞がいきなり目覚めて、内蔵も産毛も全身が那智さんを欲しているのがわかる。
昨日、あんなにお腹いっぱいギブアップだったことがウソのように、唇が触れただけであっけなく欲情している自分がおかしい。
一度押し広げられた穴はもとには戻らないのだろうか。
与えられて、欲している自分にわたしの欲望はどれだけ消化が早いんだと思う。
そのまま抱かれる。
あっさりと欲情しているから、簡単だ。
上になるように指示される。
最近のわたしは騎乗位もとても感じるようになっているので、下から見上げられる恥ずかしさより快感を欲するほうが勝っているから、ほとんどためらいなく指示通りに動く。
ああ、気持ちいい。
那智さんが乳首を触ってくれると快感が倍増する。
ひたすら快感に没頭する。
気持ちいい角度、動き、那智さんの上で腰を振る自分の姿に酔うように。
快感が競り上がってきた。
那智さん、イッてもいいですか?
天を仰ぎ競り上がる快感を取り逃がさないように唱える。
こっち向いて
なぜ?
目を見て
指示された。
目を見ながら「イッてもいいですか?」と聞き「いいよ」を合図に快感を放出させる。
滅多に命令をしない那智さんの指示は甘美だ。
胸をぎゅっと掴まれたように苦しく気持ちいい。
そんな甘美な指示に酔いながら、また自分の快感に没頭しはじめると、また
目を見て
と、指示。
どうしたんだろう?
ずっと見ていろということなのだろうか。
意図がわからずすこし戸惑いながらも指示に従う。
その後も、快感に目をつぶりそうになると指示、恥ずかしさに顔を伏せようとすると、また指示。
ずっとずっと那智さんの目を見つめている。
那智さんに突かれ気持ちよくて大声を出す、動きに合わせて快感の大きさが変わる。
いまわたしの快感はこの視線を釘付けにしている男性が司っているのだ。
「ずっと見ていろ」とは言われていない、でも、目を逸らすと、引き戻す。
その都度引き戻され、見つめる不自由さが、コントロールされているよろこびと那智さんの魅力になって、気がつけば、わたしはよろこんで那智さんだけを見つめていた。
腕枕に抱かれながら。
目を見ろって言われてどうだった?
那智さんステキって思ったのと、那智さんのものって思いました
この快感は那智さんがくれているって感じていました
りん子さ、前に「快感に没頭したいから」俺のことは考えないようにするって言ってただろ?
ああ、はい
たしかに、セックスのときに自己嫌悪や相手がどう思うかとかいろいろなことを考えてしまってぜんぜん没頭できなかったわたしが那智さんに荷物を預け、徐々に夢中になりはじめた頃、あえて、那智さんのことを意識せず自分の快感だけに没頭するように仕向けようと宣言したことはある。
もちろん、完全に那智さんを意識しないなんて無理なんだけど、できるだけ自分の快感を優先する練習のために意識しようとしたのだ。
那智さんも、わたしがセックスに対して冷めている部分を排除しようとしていたから、当然受け入れてくれたし、より快感を得られるように楽しんでくれていたけど、とにかく、そんなふうに意識するように決めて宣言したことがあるのはたしかだ。
あれは、あれで必要なことだったんだけど、あの話が出たとき、じゃあ、いつかは俺を意識することのほうが気持ちいいと思うようにさせようって決めてたんだ(笑)
りん子はコントロールされるほうが幸せなんだから、俺を意識して感じられたほうがより気持ちいいと思ったんだよ
だから、目を見るように?!
うん、たくさん感じられるようになるまで待って、感じられるようになってから、その快感を俺が与えていると思えば、その俺を意識しているほうがもっと感じるだろうなってね
だから、ずっとこの機会を待ってたの(笑)
そうですよね!!
だって、わたしがその宣言をしたのって、…ずいぶん前、2、3年前ですよね!!
そうだね
じゃあ、そんな前から計画していたのですか!!
うん(笑)
ああ。
本当だ。
那智さんの目を見ることで恥ずかしさや気が散る懸念よりも、この快感は那智さんに手綱を握られコントロールされている従属の快感のほうがずっと大きかった。
那智さんのうれしそうな欲情を光らせ、反面包み込むような眼差しに「わたしは那智さんのもの」と叫びたくなる。
これは、大きな快感を得ることができてはじめて成立する快感だ。
そして、もうひとつの大きなポイントは「ずっと見ていろ」とは言われなかったことだ。
目を逸らすと呼び戻し、また自由にさせる、それを繰り返すことで命令ではなく、わたしの意思でわたしが見たいと思っていることを植え付けるのだ。
命令よりも、もっと確実な自分の意思。
犬が飼い主を見上げて一挙手一投足を見逃すまいとするような幸福。
おそらく、わたしはこの幸福と快感が好きになっている。
それにしても、相変わらず長期計画を立てて遂行してくれる気の長さと情熱に感謝しつつも、呆れる…いえ、感心します(笑)
「等式」感想です。いつかは「そうする」の意思の継続は叶う物だなと思う。物事、長期計画で気負いもせず、出来ることだけ胆としていくなんて、私の性分ではなかったはずなのに、それが負担でなく出来てきているのが不思議に思う。花や野菜を育てたり、仕事上での大人の喧嘩も同様です。
加齢すると気が長くなるのか、それとも俗に言う大人の余裕?(笑)私をリアルでご存知の方は笑ってしまいますね。
りん子(^-^)たしかに、那智さん、わたしに対しては根気強く育てていますけど、わりとそれ以外は即決型でしたよね。決まらないの嫌い(笑)それが最近はわたし以外でもそういうふうになっているのは年齢のせいもあるかもしれないけど、わたしで鍛えられたとも言えませんか?(笑)