ぐずりweek3
独特な幸福感
「所有している、所有されている」お伽噺のような感覚。
世間には、もっと過酷なことをして「所有物」であることを模索しているカップルがいっぱいいて、その方たちに比べたら(特にSM的なことでは)全然大したことない私が、それでも所有されていると思いたいと願っているのは、おこがましいかもしれないけれど。
簡単に口にできる言葉じゃないから、日々確認したいともがいている。
那智さんは、何事にも型にはめたり、人と比べたりしない人。
ううん、私が、人一倍そうしてしまう人間なのかもしれない。
SMのお決まりパターンは苦手なくせに、自分の感じていることに「証拠」みたいなものが欲しくて、「こうだったら、所有してる?これができれば凄い?」なんて、無意味に掟を決めて、結果辛くなっている^^;
那智さんは「俺の物」と思えればそうだし、「あなたのもの」と思っていればそうだと言う。
お腹が空いたからご飯を食べるように、愛しいと思ったら手を握るように、意識することなく「りん子は俺の物」なのだそうだ。
だから、どうしたら「俺の物」と思えるかなんて、考えたこともないのでしょう。
付き合いはじめのころは、それでも「証」を探していたようですが、いまは自然なことになっている。
(ただ、以前チラッと「俺がいくら俺の物と思っても、所有されているほうがそうじゃないと思ったら、その関係は成り立たない。逆に「俺の物じゃない」と思っていても「私はあなたのもの」とりん子が思っていれば、それは俺の物。だから、りん子の気持ちで左右する部分が大きい」と言っていたこのがあったな…。これって、那智さんにしてはりん子任せのちょっと珍しい意見でした)
一部(もう所有とか、あなたのものとか面倒だから、とりあえず総称して、一部で!)と思える事柄の相違を話せる間もなく、時間が経っている。
アンテナを張り巡らし、何か引っ掛からないか探しているけれど、見つからない。
だんだんと私の「素直になれない」雪だるまがころころと大きくなってくる。
素直になれないって、何も那智さんの言う通りにしていることじゃなくて、喜怒哀楽を伝えることなのです。
だから、いつものメールのやり取りでも、いちいち言葉尻につまずいて心にシミを作ってしまう。
素直な時は「その言い方はいや」とか「もっとこう言って」とか言えて、シミにならない。
もちろん私がそんなことを言っても、そこから先は那智さん次第で、訂正したり謝罪したり窘められたり、解決方法は色々なのです。
ちゃんと伝えることが大事なのです。
そんなつまずきが、3つくらい続いて(しかも3つのうちのひとつは、那智さんが一部と感じる社会性に関する大事な行事を忘れてたの!)、その他にもちょっとあって(端折っちゃってる 笑)ああ、もうだめ、全然メールの言葉が可愛くなれない。
またもや静かに爆発。
「全然素直になれません」
「なぜ素直になれないの?」
ここでまず、シミになったメールのやり取りひとつひとつを訴える。
「あの言葉は悲しかった」「あの言葉の真意がわからない」(どう?うっとうしいでしょう!!)、それにひとつずつ答えてくれる。
「そう、悲しかったんだ、でも、俺に他意はないよ」
その答えは特別ものじゃないけれど、私は気持ちを伝えるだけて、心は落ち着くのだ。
それで、シミの部分は消すことができた。
「もうシミはない?」
その言葉に甘えて、私は心にくすぶっていた、最大の気持ちを一気に吐き出してしまった。
「那智さん、私、あなたのものって思えなくなるかもしれない」
「所有している、所有されている」お伽噺のような感覚。
世間には、もっと過酷なことをして「所有物」であることを模索しているカップルがいっぱいいて、その方たちに比べたら(特にSM的なことでは)全然大したことない私が、それでも所有されていると思いたいと願っているのは、おこがましいかもしれないけれど。
簡単に口にできる言葉じゃないから、日々確認したいともがいている。
那智さんは、何事にも型にはめたり、人と比べたりしない人。
ううん、私が、人一倍そうしてしまう人間なのかもしれない。
SMのお決まりパターンは苦手なくせに、自分の感じていることに「証拠」みたいなものが欲しくて、「こうだったら、所有してる?これができれば凄い?」なんて、無意味に掟を決めて、結果辛くなっている^^;
那智さんは「俺の物」と思えればそうだし、「あなたのもの」と思っていればそうだと言う。
お腹が空いたからご飯を食べるように、愛しいと思ったら手を握るように、意識することなく「りん子は俺の物」なのだそうだ。
だから、どうしたら「俺の物」と思えるかなんて、考えたこともないのでしょう。
付き合いはじめのころは、それでも「証」を探していたようですが、いまは自然なことになっている。
(ただ、以前チラッと「俺がいくら俺の物と思っても、所有されているほうがそうじゃないと思ったら、その関係は成り立たない。逆に「俺の物じゃない」と思っていても「私はあなたのもの」とりん子が思っていれば、それは俺の物。だから、りん子の気持ちで左右する部分が大きい」と言っていたこのがあったな…。これって、那智さんにしてはりん子任せのちょっと珍しい意見でした)
一部(もう所有とか、あなたのものとか面倒だから、とりあえず総称して、一部で!)と思える事柄の相違を話せる間もなく、時間が経っている。
アンテナを張り巡らし、何か引っ掛からないか探しているけれど、見つからない。
だんだんと私の「素直になれない」雪だるまがころころと大きくなってくる。
素直になれないって、何も那智さんの言う通りにしていることじゃなくて、喜怒哀楽を伝えることなのです。
だから、いつものメールのやり取りでも、いちいち言葉尻につまずいて心にシミを作ってしまう。
素直な時は「その言い方はいや」とか「もっとこう言って」とか言えて、シミにならない。
もちろん私がそんなことを言っても、そこから先は那智さん次第で、訂正したり謝罪したり窘められたり、解決方法は色々なのです。
ちゃんと伝えることが大事なのです。
そんなつまずきが、3つくらい続いて(しかも3つのうちのひとつは、那智さんが一部と感じる社会性に関する大事な行事を忘れてたの!)、その他にもちょっとあって(端折っちゃってる 笑)ああ、もうだめ、全然メールの言葉が可愛くなれない。
またもや静かに爆発。
「全然素直になれません」
「なぜ素直になれないの?」
ここでまず、シミになったメールのやり取りひとつひとつを訴える。
「あの言葉は悲しかった」「あの言葉の真意がわからない」(どう?うっとうしいでしょう!!)、それにひとつずつ答えてくれる。
「そう、悲しかったんだ、でも、俺に他意はないよ」
その答えは特別ものじゃないけれど、私は気持ちを伝えるだけて、心は落ち着くのだ。
それで、シミの部分は消すことができた。
「もうシミはない?」
その言葉に甘えて、私は心にくすぶっていた、最大の気持ちを一気に吐き出してしまった。
「那智さん、私、あなたのものって思えなくなるかもしれない」
CMその2!
独り言
那智さんの匂いを嗅ぐのが好き。
「全身奉仕」(当事者たちは「奉仕」とは思っていないけど^^)で、那智さんの体の隅々までペロペロすりすりする時には、脇や下半身の匂いを嗅いで、幸せになる。
なぜでしょうね〜、体臭なんて、人によって違うのはわかるけど、特別香水みたいなわけじゃないんだし、体臭は体臭なのでしょうけど、那智さんのがいい。
那智さんとまったく同じ匂いの人がいるとして、じゃあその人の匂いを嗅いだらうっとりするのかというと、申し訳ないけれど、そうならないのよね。(試したことないけど、絶対)
やっぱり心の問題。
そして、その時の感覚は二種類あって、興奮と弛緩。
どちらかを強く感じるときもあれば、両方一緒に感じるとこもある。
いっぱい叩かれて呆然としているとき、那智さんの匂いを嗅ぎたくてしょうがなくなる。
ぐったりとベッドに横たわる私の横で、スーツを脱いでいる。
早く側にきてください、ぼんやりと思う。
那智さんが私の横に来た。
もう、我慢できないよ〜、那智さんの匂いを嗅がせて。
急いで脇にくっついて、くんくんと嗅ぐ。
ところが、あいにくこの日は風邪気味で、鼻水ずるずるのためになかなか匂いが嗅げない。
ずこずこと鼻をすすっていると、「しょうかねーなー」的な感じで、ティッシュを取って私の鼻に当ててくれた。
那智さんの指で、片方の鼻の穴を押さえられて、「チーン」と鼻をかむ。
続けて、もう片方。
いやん♪幸せ幸せ♪♪
もう、この赤ちゃん扱いが幸せで、体中の力が抜けまくり、全部が緩んでお腹を見せたわんこ状態になるの。
これが、弛緩ヴァージョンのワンシーン(笑)
興奮やミックスヴァージョンのワンシーンは、気が向いたら、またいつか。
今日は、CMなので…。
なんだか、「あなたのものじゃない」なんて、物騒(?)な台詞を吐いたりん子。
この後、二人はどうなっていくのでしょうか!?
…そんなこと言っていますが、事後報告で書いているほうは、進むにつれて「ただの欲求不満かい!?」とツッコミを入れたくなるような結末が見えているから、実は、いまちょっと筆が鈍っております。
で、CMでハードルを下げてみました。
渦中のときには、それをブログに吐き出すのではなく、那智さんに吐き出して解決するべきと思っているので、なるべくノロケの事後報告にしたいと心がけておりますが(そうじゃないときもあるけどね)、事後報告も考えもの?
渦中の「きーーー」みたいなほうが、書き易いかもしれないわ。
那智さんの匂いを嗅ぐのが好き。
「全身奉仕」(当事者たちは「奉仕」とは思っていないけど^^)で、那智さんの体の隅々までペロペロすりすりする時には、脇や下半身の匂いを嗅いで、幸せになる。
なぜでしょうね〜、体臭なんて、人によって違うのはわかるけど、特別香水みたいなわけじゃないんだし、体臭は体臭なのでしょうけど、那智さんのがいい。
那智さんとまったく同じ匂いの人がいるとして、じゃあその人の匂いを嗅いだらうっとりするのかというと、申し訳ないけれど、そうならないのよね。(試したことないけど、絶対)
やっぱり心の問題。
そして、その時の感覚は二種類あって、興奮と弛緩。
どちらかを強く感じるときもあれば、両方一緒に感じるとこもある。
いっぱい叩かれて呆然としているとき、那智さんの匂いを嗅ぎたくてしょうがなくなる。
ぐったりとベッドに横たわる私の横で、スーツを脱いでいる。
早く側にきてください、ぼんやりと思う。
那智さんが私の横に来た。
もう、我慢できないよ〜、那智さんの匂いを嗅がせて。
急いで脇にくっついて、くんくんと嗅ぐ。
ところが、あいにくこの日は風邪気味で、鼻水ずるずるのためになかなか匂いが嗅げない。
ずこずこと鼻をすすっていると、「しょうかねーなー」的な感じで、ティッシュを取って私の鼻に当ててくれた。
那智さんの指で、片方の鼻の穴を押さえられて、「チーン」と鼻をかむ。
続けて、もう片方。
いやん♪幸せ幸せ♪♪
もう、この赤ちゃん扱いが幸せで、体中の力が抜けまくり、全部が緩んでお腹を見せたわんこ状態になるの。
これが、弛緩ヴァージョンのワンシーン(笑)
興奮やミックスヴァージョンのワンシーンは、気が向いたら、またいつか。
今日は、CMなので…。
なんだか、「あなたのものじゃない」なんて、物騒(?)な台詞を吐いたりん子。
この後、二人はどうなっていくのでしょうか!?
…そんなこと言っていますが、事後報告で書いているほうは、進むにつれて「ただの欲求不満かい!?」とツッコミを入れたくなるような結末が見えているから、実は、いまちょっと筆が鈍っております。
で、CMでハードルを下げてみました。
渦中のときには、それをブログに吐き出すのではなく、那智さんに吐き出して解決するべきと思っているので、なるべくノロケの事後報告にしたいと心がけておりますが(そうじゃないときもあるけどね)、事後報告も考えもの?
渦中の「きーーー」みたいなほうが、書き易いかもしれないわ。
ぐずりweek4
独特な幸福感
どうしてだろう、なぜそう思ってしまうのだろう。
私はこの私の判断基準の困ってしまう。
でも、自然な感情だからどうすることもできない。
そして、それを心に止めておくことは、那智さんは望まないし私もしたくはない。
「素直に伝える」、心に思っていることを100%公開するなんて、それは不可能なこと。
だけど、それを伝えないとお互いの心に「シミ」を残すような結果になることは、伝える。
だから、伝える。
このどうしようもなく、情けない私の感情を伝える。
「二人だけの濃厚な空気の中で跪くことで、あなたのものと思える」
前にも書いたけど、SMをしなくても、それは感じられることで、更に会話の中ででも得られるものだと。
私は充分に大切にされている。
愛されている。
那智さんは私の幸せを考えてくれている。
すべてが上手くいくように、心を砕いてくれている。
それだけで、充分じゃないか。
私も那智さんを愛している。
一方的に与えられているような私たちの関係だけど、私は「私」を充分に与えていることを知っている。
これは「一部」ではなく、愛情の部分でそう感じている。
相思相愛。
こんなに愛情を注がれて、それだけで「一部」と思えない。
贅沢なことだ。
でも、そう感じてしまうのだもの、しょうがない。
「私、那智さんのものって思えなくなってしまうかもしれない。」
「なぜ?」
質問には、答えない。
「とても愛している。それだけでいいじゃないですか。とても愛している、でも、あなたのものじゃない、でも、心から愛している。それじゃダメですか?」
「りん子は、そう思えないの?」
「思えなくなってしまうかもしれないのです。あなたのものって望むから苦しくなるのだから、それは考えないで、とても愛してるで充分じゃないですか。それじゃダメですか?」
しばらく黙っている、那智さん。
「いやだ。やっぱりそれはいやだな。」
今夜は、知人と約束していることを知っている。
その約束は、キャンセルしても、それほど差し支えないことも知っている。
だから、我が儘を言って、キャンセルしてもらった。
この手の我が儘はめずらしいかもしれない。
じゃあ、りん子はどうしたら俺の物と思えるんだ。もし、それがわかっているなら教えて。できるかできなかは俺自身が判断する。
「那智さんが、この前『俺の物と思える瞬間』について言ったことと…」
「俺、なんて言ったっけ?」
そこ!!
那智さんは、よく忘れる。
那智さんにとってはそれは重要なことではないのだろう。
でも、那智さんは、時々(私にとって)大事なことを忘れる。
「じゃあ、いままた考えてください。どういうときに、そう思える?」
「…りん子と次何をしようかなって、考えるときかな。」
んんんん?
前は「社会性」って言っていたよね!?
だから、お外デーとや親しい友人に私の話をしたりするときだって。
「那智さん、この前は社会性だって言ってましたよ。」
「そうだっけ?でも、それも社会性に繋がるよな(これは苦し紛れの見解か?)。次に会える時のことを考える、○○や××でデートとかね、それはお外デーとだから、社会性も満たされる。そこでいかにりん子を可愛がるか、それともそのあとで可愛がるか、それも含めて考える。俺には全部ひとつのこと。俺の物と思って考えるひとつのことなんだけどな。…りん子はどうしたら一部って思えるの?」
「私は、那智さんに『りん子をああしたい、こうしたい』と思ってもらえて、それを伝えてもらえたら、思えます。二人だけの濃厚な空気の中で跪くことで、あなたのものと思える」
「それなら、考えてるよ。○○に遊びに行こうとかね。」
う〜ん、当たらずも遠からじ?
私はデートプランが知りたいのではないような気がするけど、那智さんにとっては、どこに行こうが「りん子を可愛がる」ことはセットになっていて、それを全部まとめて、一部なのだと思う。
「なんだよ、単に欲求不満なだけじゃないの〜。じゃあ、いいこと教えてあげるよ。俺の考えることが知りたいんだろ?」
前回会った時には雨が降っていたからやめたけど、いつか確実にやろうと思ってること。
「わんこの尻尾を付けて、首輪にリードであの坂を四つん這いで歩く。ちょうどいいね、お外で社会性も持てて、跪けるだろ!?」
がーーーーーーーーん。
そんなこと考えていたのですか。
そして、前回のデートの前にはそんなこと一言も言っていなかったっていうことは、その場でいきなり指示のつもりだったのですか。
那智さんが私に施すことを考えてくれることは嬉しい。
そして、それを伝えてくれて、そこから派生するいろんな感情が「あなたのもの」と思える大きな要因になっている。
でも、私はひとつ忘れていた。
那智さんは「言ったら、する」人だったのだ。
いきなり、その場で告知されるのも困るけど、漠然とした青写真しか描けていないものを口にした途端に、実行するものになってしまうのだった。
しかも今回は、私は催促してしまったみたいで、それが「いつかやる」ではなくて「この次確実にやる」に昇格させてしまったのだ。
ああ、困った。
とても困って、回避方法や最小被害に止める対策を練る。
そして、2%くらいは、感じている。
この、感情のごちゃ混ぜにされていることが、あなたのものなのだと改めて思う。
その日はそれで「きゃーきゃー」して、満足でおしまい(情けない…)
私のぐずりは「お外で四つん這い」で、見事吹っ飛んでいつものご機嫌なりん子ちゃんに戻るのでした。
数日後、普段通りにしている私に「いま思えば、単に欲求不満なだけで俺の物って思えなくなるってことが、納得いかないんだよな。」と不満気味に言う。
「施す側は、頭の中に色々あっても、受ける方はそれを知る術がないのだから、知らないことは存在しないと思ってしまうのですよ。だから、不安になっちゃうの。」
と弁解して、その場を切り抜ける。
このぐずりの顛末は、なんだか情けないことでおしまいなんだけど(まあ、私個人としては、とても大切な出来事でしたけど)、これはいつかお話しする「お外で四つん這い」の長い序章ということで、なんとかお許しいただけたらな〜と思っています…。
ダメかな…^^;
ダメだよね…。
どうしてだろう、なぜそう思ってしまうのだろう。
私はこの私の判断基準の困ってしまう。
でも、自然な感情だからどうすることもできない。
そして、それを心に止めておくことは、那智さんは望まないし私もしたくはない。
「素直に伝える」、心に思っていることを100%公開するなんて、それは不可能なこと。
だけど、それを伝えないとお互いの心に「シミ」を残すような結果になることは、伝える。
だから、伝える。
このどうしようもなく、情けない私の感情を伝える。
「二人だけの濃厚な空気の中で跪くことで、あなたのものと思える」
前にも書いたけど、SMをしなくても、それは感じられることで、更に会話の中ででも得られるものだと。
私は充分に大切にされている。
愛されている。
那智さんは私の幸せを考えてくれている。
すべてが上手くいくように、心を砕いてくれている。
それだけで、充分じゃないか。
私も那智さんを愛している。
一方的に与えられているような私たちの関係だけど、私は「私」を充分に与えていることを知っている。
これは「一部」ではなく、愛情の部分でそう感じている。
相思相愛。
こんなに愛情を注がれて、それだけで「一部」と思えない。
贅沢なことだ。
でも、そう感じてしまうのだもの、しょうがない。
「私、那智さんのものって思えなくなってしまうかもしれない。」
「なぜ?」
質問には、答えない。
「とても愛している。それだけでいいじゃないですか。とても愛している、でも、あなたのものじゃない、でも、心から愛している。それじゃダメですか?」
「りん子は、そう思えないの?」
「思えなくなってしまうかもしれないのです。あなたのものって望むから苦しくなるのだから、それは考えないで、とても愛してるで充分じゃないですか。それじゃダメですか?」
しばらく黙っている、那智さん。
「いやだ。やっぱりそれはいやだな。」
今夜は、知人と約束していることを知っている。
その約束は、キャンセルしても、それほど差し支えないことも知っている。
だから、我が儘を言って、キャンセルしてもらった。
この手の我が儘はめずらしいかもしれない。
じゃあ、りん子はどうしたら俺の物と思えるんだ。もし、それがわかっているなら教えて。できるかできなかは俺自身が判断する。
「那智さんが、この前『俺の物と思える瞬間』について言ったことと…」
「俺、なんて言ったっけ?」
そこ!!
那智さんは、よく忘れる。
那智さんにとってはそれは重要なことではないのだろう。
でも、那智さんは、時々(私にとって)大事なことを忘れる。
「じゃあ、いままた考えてください。どういうときに、そう思える?」
「…りん子と次何をしようかなって、考えるときかな。」
んんんん?
前は「社会性」って言っていたよね!?
だから、お外デーとや親しい友人に私の話をしたりするときだって。
「那智さん、この前は社会性だって言ってましたよ。」
「そうだっけ?でも、それも社会性に繋がるよな(これは苦し紛れの見解か?)。次に会える時のことを考える、○○や××でデートとかね、それはお外デーとだから、社会性も満たされる。そこでいかにりん子を可愛がるか、それともそのあとで可愛がるか、それも含めて考える。俺には全部ひとつのこと。俺の物と思って考えるひとつのことなんだけどな。…りん子はどうしたら一部って思えるの?」
「私は、那智さんに『りん子をああしたい、こうしたい』と思ってもらえて、それを伝えてもらえたら、思えます。二人だけの濃厚な空気の中で跪くことで、あなたのものと思える」
「それなら、考えてるよ。○○に遊びに行こうとかね。」
う〜ん、当たらずも遠からじ?
私はデートプランが知りたいのではないような気がするけど、那智さんにとっては、どこに行こうが「りん子を可愛がる」ことはセットになっていて、それを全部まとめて、一部なのだと思う。
「なんだよ、単に欲求不満なだけじゃないの〜。じゃあ、いいこと教えてあげるよ。俺の考えることが知りたいんだろ?」
前回会った時には雨が降っていたからやめたけど、いつか確実にやろうと思ってること。
「わんこの尻尾を付けて、首輪にリードであの坂を四つん這いで歩く。ちょうどいいね、お外で社会性も持てて、跪けるだろ!?」
がーーーーーーーーん。
そんなこと考えていたのですか。
そして、前回のデートの前にはそんなこと一言も言っていなかったっていうことは、その場でいきなり指示のつもりだったのですか。
那智さんが私に施すことを考えてくれることは嬉しい。
そして、それを伝えてくれて、そこから派生するいろんな感情が「あなたのもの」と思える大きな要因になっている。
でも、私はひとつ忘れていた。
那智さんは「言ったら、する」人だったのだ。
いきなり、その場で告知されるのも困るけど、漠然とした青写真しか描けていないものを口にした途端に、実行するものになってしまうのだった。
しかも今回は、私は催促してしまったみたいで、それが「いつかやる」ではなくて「この次確実にやる」に昇格させてしまったのだ。
ああ、困った。
とても困って、回避方法や最小被害に止める対策を練る。
そして、2%くらいは、感じている。
この、感情のごちゃ混ぜにされていることが、あなたのものなのだと改めて思う。
その日はそれで「きゃーきゃー」して、満足でおしまい(情けない…)
私のぐずりは「お外で四つん這い」で、見事吹っ飛んでいつものご機嫌なりん子ちゃんに戻るのでした。
数日後、普段通りにしている私に「いま思えば、単に欲求不満なだけで俺の物って思えなくなるってことが、納得いかないんだよな。」と不満気味に言う。
「施す側は、頭の中に色々あっても、受ける方はそれを知る術がないのだから、知らないことは存在しないと思ってしまうのですよ。だから、不安になっちゃうの。」
と弁解して、その場を切り抜ける。
このぐずりの顛末は、なんだか情けないことでおしまいなんだけど(まあ、私個人としては、とても大切な出来事でしたけど)、これはいつかお話しする「お外で四つん這い」の長い序章ということで、なんとかお許しいただけたらな〜と思っています…。
ダメかな…^^;
ダメだよね…。
スイッチ
独特な幸福感
私と出会う以前、SMをしていたときには「Sモードスイッチ」なるものを入れていた那智さん。
もちろん、いきなり豹変!!というわけではないでしょうけれど、相手も含めて、その気になるには「モード切り替え」が必要だったのでしょう。
私に対しても2回か3回くらいは、そんな空気を発していたと思う。
はじめてホテルに行って抱かれているときに「これがないと生きていかれないだろう?」と聞かれて、その台詞は芝居がかった言葉だな〜と、でも、一緒に芝居がかれないな〜と思って、意外と冷静に「そうとは言えません」とかなんとか答えていたはず。(那智さん、恥ずかしい?)
でも、あるとき「りん子とは自然にSMができる」と言い出して、それからはほとんど普段と変わらない空気でSMをするようになった。
それは、那智さんにとっては、とても居心地のよい状態のようで、私も嬉しい。
そうは言っても、鞭を振るうときの冷静に輝く眼差しは、あの瞬間しか見ることのできない特別なことですけどね、それがスイッチ入れる意識がなくできることが、いいのでしょうね。
だから、いまの那智さんには「Sモードスイッチ」はないの。
一方の私は。
もともと「それっぽい」ものが苦手だったので、自分の中には「スイッチ」はないと思っていた。
何人かの人とSMをしたけれど、どうもそのスイッチがないらしく、「ご挨拶」とか言われても、どうも冷めた気持ちになってしまう。
そんなときに、スイッチがあって、それを入れてしまえば、ある意味楽だったのではないかな〜と思う。
でも、いまの私にはスイッチがある。
それは、「入れる」のではなくて「入っちゃう」、スイッチなんだけど、ある。
電車の中で太腿をつねられたり、ジーンズのベルトに鎖を付けられたり、スイッチオンを考えなくても、自然に入ってしまうのだ。
それは、数年の付き合いの中で、いつの間にかできあがったスイッチで、那智さんの「ほーら」っていう声だけでも入るときもあるくらい無意識だ。
ただ、例外もあって、例えば「ここで声を出したら、とてもとても恥ずかしい場所」で可愛がられて、必死に自分の手で口を塞いでいるときに、那智さんがその手を掴んで引きはがしてしまったりするとき。
そんなときは、入っちゃってるけど、更に「入れる」って感じだ。
もともとスイッチオンだったけど、もう知らない、ダメなら那智さんがまた塞いでくれるはず!!とトップスピードに加速するように、ほんの少し意識してアクセルを踏むみスイッチを入れる。
そうしないと、それ以上の我慢はつらい。
そうすると、この上なく、気持ちいい。
そして、どう転んでも、そうなるまで続けられるのだ。
それなのに、そうなると毎回ほんの少し嫌われる。(この矛盾はつらいのよ)
入っちゃうのは許せても、入れてしまうのは許せない!?これは微妙で面倒な那智さん心。
入り方は、いろいろだけど、いまの私にはスイッチがあるな〜。
ないとやってられない的なところもあるけどね。
私と出会う以前、SMをしていたときには「Sモードスイッチ」なるものを入れていた那智さん。
もちろん、いきなり豹変!!というわけではないでしょうけれど、相手も含めて、その気になるには「モード切り替え」が必要だったのでしょう。
私に対しても2回か3回くらいは、そんな空気を発していたと思う。
はじめてホテルに行って抱かれているときに「これがないと生きていかれないだろう?」と聞かれて、その台詞は芝居がかった言葉だな〜と、でも、一緒に芝居がかれないな〜と思って、意外と冷静に「そうとは言えません」とかなんとか答えていたはず。(那智さん、恥ずかしい?)
でも、あるとき「りん子とは自然にSMができる」と言い出して、それからはほとんど普段と変わらない空気でSMをするようになった。
それは、那智さんにとっては、とても居心地のよい状態のようで、私も嬉しい。
そうは言っても、鞭を振るうときの冷静に輝く眼差しは、あの瞬間しか見ることのできない特別なことですけどね、それがスイッチ入れる意識がなくできることが、いいのでしょうね。
だから、いまの那智さんには「Sモードスイッチ」はないの。
一方の私は。
もともと「それっぽい」ものが苦手だったので、自分の中には「スイッチ」はないと思っていた。
何人かの人とSMをしたけれど、どうもそのスイッチがないらしく、「ご挨拶」とか言われても、どうも冷めた気持ちになってしまう。
そんなときに、スイッチがあって、それを入れてしまえば、ある意味楽だったのではないかな〜と思う。
でも、いまの私にはスイッチがある。
それは、「入れる」のではなくて「入っちゃう」、スイッチなんだけど、ある。
電車の中で太腿をつねられたり、ジーンズのベルトに鎖を付けられたり、スイッチオンを考えなくても、自然に入ってしまうのだ。
それは、数年の付き合いの中で、いつの間にかできあがったスイッチで、那智さんの「ほーら」っていう声だけでも入るときもあるくらい無意識だ。
ただ、例外もあって、例えば「ここで声を出したら、とてもとても恥ずかしい場所」で可愛がられて、必死に自分の手で口を塞いでいるときに、那智さんがその手を掴んで引きはがしてしまったりするとき。
そんなときは、入っちゃってるけど、更に「入れる」って感じだ。
もともとスイッチオンだったけど、もう知らない、ダメなら那智さんがまた塞いでくれるはず!!とトップスピードに加速するように、ほんの少し意識してアクセルを踏むみスイッチを入れる。
そうしないと、それ以上の我慢はつらい。
そうすると、この上なく、気持ちいい。
そして、どう転んでも、そうなるまで続けられるのだ。
それなのに、そうなると毎回ほんの少し嫌われる。(この矛盾はつらいのよ)
入っちゃうのは許せても、入れてしまうのは許せない!?これは微妙で面倒な那智さん心。
入り方は、いろいろだけど、いまの私にはスイッチがあるな〜。
ないとやってられない的なところもあるけどね。
漫画喫茶にて
非日常的な日常
漫画喫茶というところに初めて入った。
薄暗い店内の案内された番号の個室に入ると、二人掛けのソファと同じ幅のデスクにパソコンが置いてあるだけだ。
壁と言えば立派な感じだけど、その壁はパーテーションくらいのもの。
しかも、学校のトイレのように背丈より少し高い所までしか壁がない。
頭上はフロア共通の空間が広がっている。
ここで声を出したら、筒抜け。
でも、この日は、お外で散々遊んでもらったから、私はとても欲情してしまっている。
早く「抱いて」ほしい。
なんでもいいから、してほしい。
パソコンをいじる那智さんに「おちんちんをください」とお願いする。
ズボンのファスナーを下ろして、出してくれたそれにむしゃぶりつく。
嬉しい。
デスクの下に滑り込み、那智さんの足の間に座って、一心不乱にくわえる。
パソコンをしていた那智さんの手が、私の髪を掴んでおちんちんから引きはがす。
そのまま下に押し込んで、私の頭を足で踏んだ。
漫画喫茶の床に寝そべって、頭を踏まれた。
固いタイルの床に左の頬を押し付けるように、右の頬と耳の辺りを踏みつけられている。
革靴の固い底が耳を押しつぶして痛い。
それから逃れるように、頭を少しずらして、仰向けに近い状態にする。
靴は私の耳から頬、口や鼻に移動していく。
ずっと強い力でぐりぐりと踏まれている。
靴の底が唇に当たる。
砂やほこりでジャリジャリしている。
足先が私の唇に無理矢理割り込み、開いた口に靴を突っ込まれる。
ゴツゴツした感触が口の中を襲う。
嬉しい。
嬉しい。
嬉しい。
那智さんに踏まれて、嬉しい。
多分顔はひしゃげている。
多分仰向けで股を広げてしまっている。
おろしたてのジャケットを着ているなんてことも、ここが漫画喫茶だってことも、なにも気にならない。
目を開けているかもしれない、声を出しているかもしれない。
靴で踏まれて、靴を舐め、醜く酷く扱われることが、嬉しくて、痛くて、気持ちいい。
海に潜っているような、自分だけの世界に恍惚している合間にも、息継ぎをするために一瞬海面に顔を出す瞬間があって、意識が僅かに覚醒する。
そんなときにぼんやりと見える那智さんの冷徹な楽しそうな瞳がたまらない。
または、足だけ私に向けて、パソコンに気持ちを向けていたりする冷めた扱いも幸せだ。
だけど、そういう那智さんを垣間みれるのは一瞬で、あとはまた深い海の底に沈んでいくように自分も世界を漂う。
どれくらいの時間踏み潰されていたかわからない。
痛いことも、ジャリジャリした感触も、脳みそに届かなくなっていた。
また髪を引かれて那智さんの足の間に座らされる。
自分の姿や態度や様子がどうなっているのか想像もつかないし、どうでもいい。
涙が出ている。
「那智さん、私那智さんにこうされると嬉しいの。那智さん、こうするの好きかわからないけど、私はこれで幸せになれるの。」
嬉しくて、嬉しくて、泣いている。
この声がどれくらいの大きさで発せられているのか、この言葉通りに発しているのか、いま思い出しても計れない、ぼんやりとした記憶だ。
「そうだね。」と那智さんが、答えてくれたような気がしているから、多分そんなようなことを言ったのだろう。
唇に指が触れた。
ビンタだ。
顔が大きく横に振れる。
痛いはず、でも、わからない。
歯に当たって唇が腫れているのが、わかった。
頬骨も腫れている。
「那智さん、こことここ、腫れてる」
唇と頬を指で指す。
きっと嬉しそうに訴えているだろう。
「そう、ごめんな、じゃあ、反対側も腫らしてあげるね。」
平手で叩かれて、顔が振れる。
元に戻して、また、振れる。
何回か繰り返したあと、よろけてそのまま那智さんの太腿に頭を預ける。
片方の手で髪を掴んで、その状を保つようにして、今度は連続して上からビンタの雨を降らせる。
いつまで降り続けるかわからないこの雨が、ずっと止まないでいてほしいと、遠い彼方の意識が思う。
数日経ってから「あれ?あのとき腹殴ったっけ?」と聞かれた。
憶えていません。
殴るつもりでいたらしい。
どうしよう、どんどんバイオレンスになっていく。
漫画喫茶というところに初めて入った。
薄暗い店内の案内された番号の個室に入ると、二人掛けのソファと同じ幅のデスクにパソコンが置いてあるだけだ。
壁と言えば立派な感じだけど、その壁はパーテーションくらいのもの。
しかも、学校のトイレのように背丈より少し高い所までしか壁がない。
頭上はフロア共通の空間が広がっている。
ここで声を出したら、筒抜け。
でも、この日は、お外で散々遊んでもらったから、私はとても欲情してしまっている。
早く「抱いて」ほしい。
なんでもいいから、してほしい。
パソコンをいじる那智さんに「おちんちんをください」とお願いする。
ズボンのファスナーを下ろして、出してくれたそれにむしゃぶりつく。
嬉しい。
デスクの下に滑り込み、那智さんの足の間に座って、一心不乱にくわえる。
パソコンをしていた那智さんの手が、私の髪を掴んでおちんちんから引きはがす。
そのまま下に押し込んで、私の頭を足で踏んだ。
漫画喫茶の床に寝そべって、頭を踏まれた。
固いタイルの床に左の頬を押し付けるように、右の頬と耳の辺りを踏みつけられている。
革靴の固い底が耳を押しつぶして痛い。
それから逃れるように、頭を少しずらして、仰向けに近い状態にする。
靴は私の耳から頬、口や鼻に移動していく。
ずっと強い力でぐりぐりと踏まれている。
靴の底が唇に当たる。
砂やほこりでジャリジャリしている。
足先が私の唇に無理矢理割り込み、開いた口に靴を突っ込まれる。
ゴツゴツした感触が口の中を襲う。
嬉しい。
嬉しい。
嬉しい。
那智さんに踏まれて、嬉しい。
多分顔はひしゃげている。
多分仰向けで股を広げてしまっている。
おろしたてのジャケットを着ているなんてことも、ここが漫画喫茶だってことも、なにも気にならない。
目を開けているかもしれない、声を出しているかもしれない。
靴で踏まれて、靴を舐め、醜く酷く扱われることが、嬉しくて、痛くて、気持ちいい。
海に潜っているような、自分だけの世界に恍惚している合間にも、息継ぎをするために一瞬海面に顔を出す瞬間があって、意識が僅かに覚醒する。
そんなときにぼんやりと見える那智さんの冷徹な楽しそうな瞳がたまらない。
または、足だけ私に向けて、パソコンに気持ちを向けていたりする冷めた扱いも幸せだ。
だけど、そういう那智さんを垣間みれるのは一瞬で、あとはまた深い海の底に沈んでいくように自分も世界を漂う。
どれくらいの時間踏み潰されていたかわからない。
痛いことも、ジャリジャリした感触も、脳みそに届かなくなっていた。
また髪を引かれて那智さんの足の間に座らされる。
自分の姿や態度や様子がどうなっているのか想像もつかないし、どうでもいい。
涙が出ている。
「那智さん、私那智さんにこうされると嬉しいの。那智さん、こうするの好きかわからないけど、私はこれで幸せになれるの。」
嬉しくて、嬉しくて、泣いている。
この声がどれくらいの大きさで発せられているのか、この言葉通りに発しているのか、いま思い出しても計れない、ぼんやりとした記憶だ。
「そうだね。」と那智さんが、答えてくれたような気がしているから、多分そんなようなことを言ったのだろう。
唇に指が触れた。
ビンタだ。
顔が大きく横に振れる。
痛いはず、でも、わからない。
歯に当たって唇が腫れているのが、わかった。
頬骨も腫れている。
「那智さん、こことここ、腫れてる」
唇と頬を指で指す。
きっと嬉しそうに訴えているだろう。
「そう、ごめんな、じゃあ、反対側も腫らしてあげるね。」
平手で叩かれて、顔が振れる。
元に戻して、また、振れる。
何回か繰り返したあと、よろけてそのまま那智さんの太腿に頭を預ける。
片方の手で髪を掴んで、その状を保つようにして、今度は連続して上からビンタの雨を降らせる。
いつまで降り続けるかわからないこの雨が、ずっと止まないでいてほしいと、遠い彼方の意識が思う。
数日経ってから「あれ?あのとき腹殴ったっけ?」と聞かれた。
憶えていません。
殴るつもりでいたらしい。
どうしよう、どんどんバイオレンスになっていく。