夢見る頃をすぎても3
独特な幸福感
どこから書いていこう。
ちょっと無計画にキーボードを叩きはじめています。
まず毎度毎度なんだけど、このエントリーを書くことを快諾してくれて、わたしたちとの時間を『とても大きなプラス』で『いまでも大好きな時間』と言ってくれたモカちゃんに、あなたへの感謝と大好きだよの気持ちを込めて。
どうかここから書くことは那智さんとわたしの間のことだとご理解いただき、いま新しい道を歩いている(彼ができたんだよ^^)モカちゃんに祝福の気持ちで読んでいただけるとうれしいです。
夏の日だった。
一度モカちゃんとランチしていろいろ話してまだ間もないうち、また3人でご飯を食べようということを提案した、わたしから。
一 時しのぎとはいえ連絡を取らないなんて一方的なやり方をしているのも心苦しかったし、あの時間はウソじゃなかったことを那智さんの顔を見てモカちゃんにより 感じてほしかったし、逆にモカちゃんの顔を見て那智さんにも安心(そう簡単に安心できないにしても)してもらいたかったから。
モカちゃんを見る那智さんを見るのは少し怖い気もしたけど、提案したのにはもうひとつ期待していることがあったからだ。
それは、どんなに3人の心地よい空間が蘇っても那智さんは那智さんでいてくれる。
もともとの3人のバランスにプラス『わたしに対する最大限の配慮』を感じることで癒え切れていない傷を一刻も早く治したいという期待だった。
那智さんは『2度デートすれば元に戻れる』と言っていたけど、いくらデートを重ねてもどうしても『元に戻る』と感じられない自分に焦っていたのかもしれない。
『根幹を揺るがす』ようなものにはならずにいたから那智さんが好きという気持ちは比較的早く感じられるようになっていたけど、無邪気に無垢に那智さんのことをまっすぐ疑うことなく信じる『女の子』的感覚がなくなったままだったのだ。
これがないと、わたしは心底幸福に感じられないので、ちょっと焦っていた。
3人で会うことで、もしかしたらその部分が回復できるのではないか、早く回復させたいという気持ちもあったのだ。
那智さんはこれは『お試し』にしようと言った。
3人で会って誰かが不快に感じたら正直に話して、またその先を考えようと。
わたしが悲しくなることはもちろんだけど、例えばモカちゃんが居心地悪くてなんてこともあるかもしれない。
最初に『お試しね』としておくことで悲しくなる予防線を張ろうとしてたんだ。
これはモカちゃんにも伝えてあった。
自分と会うことを『お試し』なんていう位置付けにされても彼女は快く了解してくれた。
これは彼女の素直な心と、付き合っていた中でおそらくわたしたちに悪意はないということを理解してくれていたのだと思う。
そして那智さんは傷を回復させたいと焦るわたしに『会って楽しく過ごすことと傷を治すことは切り離して考えたほうがいい』と釘を刺していた。
「俺がりん子を大好きなことはわかっているだろ?でも俺はウソをつきたくないから、いつも通り俺のしたいようにする」
そんなふうに言う那智さんは『会って楽しく過ごすこと』と『傷を癒すこと』は別物だと理解していたんだね。
わたしは、3人の笑い合う時間への郷愁と『女の子』を回復させる足がかりになるかもという期待と、また悲しくなるかもしれないという僅かな怖さでその日を待っていた。
ご飯はお酒も入って、とても楽しいものになった。
モ カちゃんは妹キャラでいつつも、ほんの少し見えないラインを引いてこちらに気遣いながらも大いに楽しんでくれているようだったし、那智さんも細心の注意を払 い、あの3人の空気を保ちながらもわたしを優先するように心がけ、でもモカちゃんにも楽しんでもらうようにしていた(たぶん、そう気配りしてくれていたと 思う)
ほとんどカンペキだった。
言葉は悪いけど、こんなふうに那智さんがいつでもわたしを優先してくれていたら、この先あの濃い関係とは違っても、また一緒にご飯を食べたり楽しいお付き合いが続けられるような気持ちになっていた。
その日モカちゃんはいつもと違う髪型をしていて、ちょっぴり大人っぽい印象だった。
お酒も進み、那智さんがその雰囲気を『ホントは子供のくせに』ってからかい出した。
ちょっとイヤな予感。
モカちゃんを子供扱いすることは那智さんの無意識の常套手段だ。
僅かにラインを引いてくれているモカちゃんのラインを乗り越えさせたくなっているのが伝わった。
ほら、いままで自分に懐いていた後輩に彼氏ができたら嬉しい反面ちょっとこちらを懐かしく思わせたくなるような心理ね。
(これは那智さんの意識にはまったくなかったそうです。でもわたしには感じられたから、そのまま記しておきます)
でもそこからどうなることもなく数時間はあっという間に過ぎた。
ほろ酔いの上機嫌。
那智さんもずいぶん酔っぱらってるな〜という感じだった。
駅までの道のり。
以前、酔った勢いで下着を買ってもらったショップのそばを通った。
ピンクやふわふわ、苺やらハートやらの『女の子』的ルームウェアやインナーを扱っているところだ。
「この前、りん子にパンツ買ったんだよ。モカにも買ってあげようか〜。あ、でも時間ないか」
電車の時間が迫っていたから自身で却下して買ってあげることになならなかったけど、わたしはちょっとヒヤヒヤしていた。
今日の記念にわたしと同じパンツを買ってあげるとしたら、それはさほど問題ない。
でも少し違う。
ただ、那智さんは『買ってあげたくなっている』のだ。
那智さんという人は、人が喜ぶことをすることが大好きだ。
もう性癖と言ってしまえるほど。
恐らくモカちゃんはいまさら苺のパンツをもらっても困惑するだろうけど、あの頃の関係値が蘇り、一瞬喜んでしまうことは想像できる。
ラインを引いてくれていた彼女を『一瞬喜ばす』ことで一瞬引き戻したいのか、単に喜ばせたいだけか、とにかく那智さんの『喜ばせたい』欲望が、わたしのほしい種類の『喜ばせたい』が、わたしではなくモカちゃんに向いていると感じられてヒヤヒヤしていた。
結局そのまま駅につき、方向が違うわたしだけ駅で別れた。
笑って手を振り、ホームに向かう。
携帯の時間を見る。
那智さんとモカちゃんは同じ電車に乗り、那智さんが先に降りる。
その間7分。
那智さんずいぶん酔っぱらっていたな。
もしかしたら、キスくらいしちゃうかもしれないな。
いや、キスくらい多分平気だ、わたしのいないところでキスしたいと思う気持ちがイヤなんだな。
いつもなら別れたらすぐ『今日も幸せでした』ってメールするけど、なんだかモカちゃんがいる間にメールをすると那智さんを監視しているみたいでイヤだな。
なんとなく、さっきのパンツのこともあるしちょっとイヤな予感がするけど、那智さんがわたしを悲しませるようなことはしないと信頼しよう。
きっと7分後には『いま別れたよ』ってメールしてくれるかもしれない。
いろいろ考えてメールを送るのをやめた。
電車に乗り、もう一度時間をチェックする。
もう7分は過ぎている。
そろそろいいかなと『今日も幸せでした』といつも通りメールを送る。
那智さんから返信はなかった。
ちょっと気になりはしたけど、お酒を飲んだときはよくあること、乗り過ごしたりして数時間後に『おやすみ^^』といきなりメールが来たりするのであまり深く考えるのはやめておいた。
この夜。
わたしがメールを送ろうか悩んでいた7分間。
もちろんキスなんてしていない。
ましてホテルに行ったりなんてこともない。(そりゃ、モカちゃん拒否するでしょうし^^)
だけど『女の子』がいることが幸福なわたしに、苦しかったことが過去のものになっていなかったわたしに、充分過ぎるほどのダメージを与えることを那智さんはしていたのだ。
それは翌日の夕方モカちゃんから届いたメールで知ることになる。
3人でご飯を食べた翌日、『昨日は酔っぱらって寝過ごしちゃった』とかなんとかいつもと同じパターンで一日がはじまった。
『喜ばせたい性 癖(笑)』がチラチラッと見え隠れしていたけど、それでも細心の注意を払ってくれたことに感謝の気持ちを伝え、なんとかまた時々モカちゃんと会ってみんな で楽しくご飯を食べたりできそうだし、那智さんに対するまっすぐに信頼する気持ちも取り戻せるかもしれないと、少し期待していた。
夕方になってモカちゃんからメールが届いた。
そこには明るいトーンで、昨夜わたしと別れた後駅の売店でクマのクッキーを買ってもらったことが書かれていた。
そうなんだ。
那智さんは、わたしが彼を信頼しようと思っていた時間に、モカちゃんにクマのクッキーを買ってあげていたんだ。
わたしのいないところで『喜ばせたい』をしたこと自体許せないのだけど、それが『クマのクッキー』だったのだ。
怒りと失望に震えるようだった。
どこから書いていこう。
ちょっと無計画にキーボードを叩きはじめています。
まず毎度毎度なんだけど、このエントリーを書くことを快諾してくれて、わたしたちとの時間を『とても大きなプラス』で『いまでも大好きな時間』と言ってくれたモカちゃんに、あなたへの感謝と大好きだよの気持ちを込めて。
どうかここから書くことは那智さんとわたしの間のことだとご理解いただき、いま新しい道を歩いている(彼ができたんだよ^^)モカちゃんに祝福の気持ちで読んでいただけるとうれしいです。
夏の日だった。
一度モカちゃんとランチしていろいろ話してまだ間もないうち、また3人でご飯を食べようということを提案した、わたしから。
一 時しのぎとはいえ連絡を取らないなんて一方的なやり方をしているのも心苦しかったし、あの時間はウソじゃなかったことを那智さんの顔を見てモカちゃんにより 感じてほしかったし、逆にモカちゃんの顔を見て那智さんにも安心(そう簡単に安心できないにしても)してもらいたかったから。
モカちゃんを見る那智さんを見るのは少し怖い気もしたけど、提案したのにはもうひとつ期待していることがあったからだ。
それは、どんなに3人の心地よい空間が蘇っても那智さんは那智さんでいてくれる。
もともとの3人のバランスにプラス『わたしに対する最大限の配慮』を感じることで癒え切れていない傷を一刻も早く治したいという期待だった。
那智さんは『2度デートすれば元に戻れる』と言っていたけど、いくらデートを重ねてもどうしても『元に戻る』と感じられない自分に焦っていたのかもしれない。
『根幹を揺るがす』ようなものにはならずにいたから那智さんが好きという気持ちは比較的早く感じられるようになっていたけど、無邪気に無垢に那智さんのことをまっすぐ疑うことなく信じる『女の子』的感覚がなくなったままだったのだ。
これがないと、わたしは心底幸福に感じられないので、ちょっと焦っていた。
3人で会うことで、もしかしたらその部分が回復できるのではないか、早く回復させたいという気持ちもあったのだ。
那智さんはこれは『お試し』にしようと言った。
3人で会って誰かが不快に感じたら正直に話して、またその先を考えようと。
わたしが悲しくなることはもちろんだけど、例えばモカちゃんが居心地悪くてなんてこともあるかもしれない。
最初に『お試しね』としておくことで悲しくなる予防線を張ろうとしてたんだ。
これはモカちゃんにも伝えてあった。
自分と会うことを『お試し』なんていう位置付けにされても彼女は快く了解してくれた。
これは彼女の素直な心と、付き合っていた中でおそらくわたしたちに悪意はないということを理解してくれていたのだと思う。
そして那智さんは傷を回復させたいと焦るわたしに『会って楽しく過ごすことと傷を治すことは切り離して考えたほうがいい』と釘を刺していた。
「俺がりん子を大好きなことはわかっているだろ?でも俺はウソをつきたくないから、いつも通り俺のしたいようにする」
そんなふうに言う那智さんは『会って楽しく過ごすこと』と『傷を癒すこと』は別物だと理解していたんだね。
わたしは、3人の笑い合う時間への郷愁と『女の子』を回復させる足がかりになるかもという期待と、また悲しくなるかもしれないという僅かな怖さでその日を待っていた。
ご飯はお酒も入って、とても楽しいものになった。
モ カちゃんは妹キャラでいつつも、ほんの少し見えないラインを引いてこちらに気遣いながらも大いに楽しんでくれているようだったし、那智さんも細心の注意を払 い、あの3人の空気を保ちながらもわたしを優先するように心がけ、でもモカちゃんにも楽しんでもらうようにしていた(たぶん、そう気配りしてくれていたと 思う)
ほとんどカンペキだった。
言葉は悪いけど、こんなふうに那智さんがいつでもわたしを優先してくれていたら、この先あの濃い関係とは違っても、また一緒にご飯を食べたり楽しいお付き合いが続けられるような気持ちになっていた。
その日モカちゃんはいつもと違う髪型をしていて、ちょっぴり大人っぽい印象だった。
お酒も進み、那智さんがその雰囲気を『ホントは子供のくせに』ってからかい出した。
ちょっとイヤな予感。
モカちゃんを子供扱いすることは那智さんの無意識の常套手段だ。
僅かにラインを引いてくれているモカちゃんのラインを乗り越えさせたくなっているのが伝わった。
ほら、いままで自分に懐いていた後輩に彼氏ができたら嬉しい反面ちょっとこちらを懐かしく思わせたくなるような心理ね。
(これは那智さんの意識にはまったくなかったそうです。でもわたしには感じられたから、そのまま記しておきます)
でもそこからどうなることもなく数時間はあっという間に過ぎた。
ほろ酔いの上機嫌。
那智さんもずいぶん酔っぱらってるな〜という感じだった。
駅までの道のり。
以前、酔った勢いで下着を買ってもらったショップのそばを通った。
ピンクやふわふわ、苺やらハートやらの『女の子』的ルームウェアやインナーを扱っているところだ。
「この前、りん子にパンツ買ったんだよ。モカにも買ってあげようか〜。あ、でも時間ないか」
電車の時間が迫っていたから自身で却下して買ってあげることになならなかったけど、わたしはちょっとヒヤヒヤしていた。
今日の記念にわたしと同じパンツを買ってあげるとしたら、それはさほど問題ない。
でも少し違う。
ただ、那智さんは『買ってあげたくなっている』のだ。
那智さんという人は、人が喜ぶことをすることが大好きだ。
もう性癖と言ってしまえるほど。
恐らくモカちゃんはいまさら苺のパンツをもらっても困惑するだろうけど、あの頃の関係値が蘇り、一瞬喜んでしまうことは想像できる。
ラインを引いてくれていた彼女を『一瞬喜ばす』ことで一瞬引き戻したいのか、単に喜ばせたいだけか、とにかく那智さんの『喜ばせたい』欲望が、わたしのほしい種類の『喜ばせたい』が、わたしではなくモカちゃんに向いていると感じられてヒヤヒヤしていた。
結局そのまま駅につき、方向が違うわたしだけ駅で別れた。
笑って手を振り、ホームに向かう。
携帯の時間を見る。
那智さんとモカちゃんは同じ電車に乗り、那智さんが先に降りる。
その間7分。
那智さんずいぶん酔っぱらっていたな。
もしかしたら、キスくらいしちゃうかもしれないな。
いや、キスくらい多分平気だ、わたしのいないところでキスしたいと思う気持ちがイヤなんだな。
いつもなら別れたらすぐ『今日も幸せでした』ってメールするけど、なんだかモカちゃんがいる間にメールをすると那智さんを監視しているみたいでイヤだな。
なんとなく、さっきのパンツのこともあるしちょっとイヤな予感がするけど、那智さんがわたしを悲しませるようなことはしないと信頼しよう。
きっと7分後には『いま別れたよ』ってメールしてくれるかもしれない。
いろいろ考えてメールを送るのをやめた。
電車に乗り、もう一度時間をチェックする。
もう7分は過ぎている。
そろそろいいかなと『今日も幸せでした』といつも通りメールを送る。
那智さんから返信はなかった。
ちょっと気になりはしたけど、お酒を飲んだときはよくあること、乗り過ごしたりして数時間後に『おやすみ^^』といきなりメールが来たりするのであまり深く考えるのはやめておいた。
この夜。
わたしがメールを送ろうか悩んでいた7分間。
もちろんキスなんてしていない。
ましてホテルに行ったりなんてこともない。(そりゃ、モカちゃん拒否するでしょうし^^)
だけど『女の子』がいることが幸福なわたしに、苦しかったことが過去のものになっていなかったわたしに、充分過ぎるほどのダメージを与えることを那智さんはしていたのだ。
それは翌日の夕方モカちゃんから届いたメールで知ることになる。
3人でご飯を食べた翌日、『昨日は酔っぱらって寝過ごしちゃった』とかなんとかいつもと同じパターンで一日がはじまった。
『喜ばせたい性 癖(笑)』がチラチラッと見え隠れしていたけど、それでも細心の注意を払ってくれたことに感謝の気持ちを伝え、なんとかまた時々モカちゃんと会ってみんな で楽しくご飯を食べたりできそうだし、那智さんに対するまっすぐに信頼する気持ちも取り戻せるかもしれないと、少し期待していた。
夕方になってモカちゃんからメールが届いた。
そこには明るいトーンで、昨夜わたしと別れた後駅の売店でクマのクッキーを買ってもらったことが書かれていた。
そうなんだ。
那智さんは、わたしが彼を信頼しようと思っていた時間に、モカちゃんにクマのクッキーを買ってあげていたんだ。
わたしのいないところで『喜ばせたい』をしたこと自体許せないのだけど、それが『クマのクッキー』だったのだ。
怒りと失望に震えるようだった。
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