モカ2
モカ
好きな人が自分じゃない誰かを抱く。
それを目の当たりにして、嫉妬に狂い泣き叫びたい。
こんな妄想をしたことがある人は少なくないと思う。
わたしもそんな1人だった。
漠然とした妄想が、那智さんと付き合うようになってもっと生々しい具体的な願望に膨らんでいく。
那智さんがいとしげに女性の髪を撫で、くちづけをし、鞭を打つ姿を動けないように拘束されて見せられたい。
『それはわたしのものだ!!』と泣き叫んでも猿ぐつわをされた口からはうめき声にしかならない。
最後まで一瞥もされないまま、泣きつかれて部屋の隅で小さくなって眠るわたし。
感情を爆発させるツールにしたいのか。
不幸を感じることで幸せの再確認をしたいのか。
それとも髪を撫でる女性に自分を投影して喜びたいのか。
そして、これは特殊な感覚なのかもしれないのだけど。
那智さんが女性を口説いたり父性を見せたりする様子に出会うと欲情するという、変なスイッチが自分にあることも知ってしまった。
わたしのこの願望はもう何年も前から那智さんに話していた。
那智さんの過去の女性の話を聞いては傷ついて喜んで感じて。
トゲトゲの蜂蜜をたっぷり塗ったバイブを差し込まれたような感覚になっていた。
テレクラに電話してもらって、それを聞かせてもらったり。
出張先で金銭を介して女性に相手してもらえないか、お願いしたり。
普通なら理解できないような願望を抱えて、自分でも困ってしまっていた。
そういう機会はゼロではなくて。
すみれさんは、その最大の出来事だった。
それぞれの思惑の中で『一度きり』のこと。
那智さんが1人の女性に向き合う姿を見て、わたしも心を砕き。
ハプバーで1人拘束されてスタッフの指をしゃぶることで欲情を吐き出し。
優しいキスに一瞬焦がれ。
女性が感じていく姿に、なんだか感動すら覚え。
いままで感じたことのない様々な感情を持つことができた。
とても貴重な体験だった。
すみれさんとはあれが最良の形だったのであれ以外考えられないのだけど、でももともとわたしが望んでいたものとは少し違うとも思っていた。
彼女はゲストだった。
ゲストはもてなしたい。
だから嫉妬や焦がれるという関係にはなれなかったのだ。
優しいキスで一瞬感じた『焦がれる』、これがわたしの望んだことで、一瞬味わえたからよりそう感じるようになった。
ゲストでは相手を気遣う気持ちが大きくなるから、ちゃんと焦がれられない。
じゃあ、焦がれるようになるにはと考えると。
相手の女性をないがしろにするようなことにならないか。
那智さんとわたしの関係は、言っちゃあなんだけど強固だ(^^;)、そこにそれがわかってて焦がれるための女性を用意するなんて、とてもイヤな人間になりそうで、その想像をするたび自分で自分をたしなめるような気持ちになっていた。
その役割に手をあげてくださった方もいましたが、結局、申し訳ない気持ちが先にたってしまってせっかくのご好意をお断りするようなこともあった。
ただ、これらの経験から、わたしはどうやら嫉妬で泣き狂いたいという気持ちよりも(それもあるけど)、那智さんが女性にしているところを見て女性の気持ちになり、女性を口説く様子を見て自分を当てはめて、その那智さんの声や指に欲情して、でも『それはわたしじゃない』ということで感じるらしいのだ。
その女性とも那智さんとも同化しているような、でも同化できないもどかしいような気持ちに欲情する。
不思議な同化の快感なのだ。
『焦がれる』と表現するとしっくりくるのだけど、とにかく、泣き狂うよりも『焦がれたい』が強いんだなって思うようになった。
那智さんが楽しみながら抱き、相手の女性も喜び、なおかつわたしはそのどちらにも同化できるような錯覚を覚える。
そんな関係、誰も傷つけることなく成立させることは不可能に近い。
那智さんにそれを期待するあまり叶えてくれないとつっかかる自分もいやで、いろいろ試行錯誤したものの、叶わないものなのかもしれないと。
ある時期から、このことを考えることも口にすることもしないようにしたのだ。
もかに出会う前の1年?2年?くらいはそんなふうにわたしの『焦がれる』に蓋をして、これはそういうものだと思っていた。
次は、那智さんのいままでの気持ちをお話しします。
好きな人が自分じゃない誰かを抱く。
それを目の当たりにして、嫉妬に狂い泣き叫びたい。
こんな妄想をしたことがある人は少なくないと思う。
わたしもそんな1人だった。
漠然とした妄想が、那智さんと付き合うようになってもっと生々しい具体的な願望に膨らんでいく。
那智さんがいとしげに女性の髪を撫で、くちづけをし、鞭を打つ姿を動けないように拘束されて見せられたい。
『それはわたしのものだ!!』と泣き叫んでも猿ぐつわをされた口からはうめき声にしかならない。
最後まで一瞥もされないまま、泣きつかれて部屋の隅で小さくなって眠るわたし。
感情を爆発させるツールにしたいのか。
不幸を感じることで幸せの再確認をしたいのか。
それとも髪を撫でる女性に自分を投影して喜びたいのか。
そして、これは特殊な感覚なのかもしれないのだけど。
那智さんが女性を口説いたり父性を見せたりする様子に出会うと欲情するという、変なスイッチが自分にあることも知ってしまった。
わたしのこの願望はもう何年も前から那智さんに話していた。
那智さんの過去の女性の話を聞いては傷ついて喜んで感じて。
トゲトゲの蜂蜜をたっぷり塗ったバイブを差し込まれたような感覚になっていた。
テレクラに電話してもらって、それを聞かせてもらったり。
出張先で金銭を介して女性に相手してもらえないか、お願いしたり。
普通なら理解できないような願望を抱えて、自分でも困ってしまっていた。
そういう機会はゼロではなくて。
すみれさんは、その最大の出来事だった。
それぞれの思惑の中で『一度きり』のこと。
那智さんが1人の女性に向き合う姿を見て、わたしも心を砕き。
ハプバーで1人拘束されてスタッフの指をしゃぶることで欲情を吐き出し。
優しいキスに一瞬焦がれ。
女性が感じていく姿に、なんだか感動すら覚え。
いままで感じたことのない様々な感情を持つことができた。
とても貴重な体験だった。
すみれさんとはあれが最良の形だったのであれ以外考えられないのだけど、でももともとわたしが望んでいたものとは少し違うとも思っていた。
彼女はゲストだった。
ゲストはもてなしたい。
だから嫉妬や焦がれるという関係にはなれなかったのだ。
優しいキスで一瞬感じた『焦がれる』、これがわたしの望んだことで、一瞬味わえたからよりそう感じるようになった。
ゲストでは相手を気遣う気持ちが大きくなるから、ちゃんと焦がれられない。
じゃあ、焦がれるようになるにはと考えると。
相手の女性をないがしろにするようなことにならないか。
那智さんとわたしの関係は、言っちゃあなんだけど強固だ(^^;)、そこにそれがわかってて焦がれるための女性を用意するなんて、とてもイヤな人間になりそうで、その想像をするたび自分で自分をたしなめるような気持ちになっていた。
その役割に手をあげてくださった方もいましたが、結局、申し訳ない気持ちが先にたってしまってせっかくのご好意をお断りするようなこともあった。
ただ、これらの経験から、わたしはどうやら嫉妬で泣き狂いたいという気持ちよりも(それもあるけど)、那智さんが女性にしているところを見て女性の気持ちになり、女性を口説く様子を見て自分を当てはめて、その那智さんの声や指に欲情して、でも『それはわたしじゃない』ということで感じるらしいのだ。
その女性とも那智さんとも同化しているような、でも同化できないもどかしいような気持ちに欲情する。
不思議な同化の快感なのだ。
『焦がれる』と表現するとしっくりくるのだけど、とにかく、泣き狂うよりも『焦がれたい』が強いんだなって思うようになった。
那智さんが楽しみながら抱き、相手の女性も喜び、なおかつわたしはそのどちらにも同化できるような錯覚を覚える。
そんな関係、誰も傷つけることなく成立させることは不可能に近い。
那智さんにそれを期待するあまり叶えてくれないとつっかかる自分もいやで、いろいろ試行錯誤したものの、叶わないものなのかもしれないと。
ある時期から、このことを考えることも口にすることもしないようにしたのだ。
もかに出会う前の1年?2年?くらいはそんなふうにわたしの『焦がれる』に蓋をして、これはそういうものだと思っていた。
次は、那智さんのいままでの気持ちをお話しします。