一緒にご飯2
非日常的な日常
ずっとずっとお皿を舐めていたかったけど、もうケチャップは全部なくなってしまった。
残念な、でも、満たされた気分で頭を上げ、那智さんの腿に寄りかかる。
撫でられて気持ちが良い。
この時間が永遠に続いてくれないかと、真剣にお願いしたくなる。
ゴトゴトゴト。
しゃべり声と一緒に人が上がって来る気配がした。
これはスタッフじゃない!!ということはフロアに入ってくる。
一気に現実に引き戻されるようだ。
だけど、いきなり叩き起こされたようで、脳みそは回らないのにあわあわしてる感じ。
ビクッとするわたしの頭を太腿に押し付けて、そのままでいるように示す。
那智さんの足下で四つん這いのままじっとしている。
怖い、でも、わたしには選択肢がない、なぜって那智さんのわんこ幸せなんだもの。
カップルかな、男女だ。
何か話しながらフロアに入ってきた。
犬が警戒するように身を潜め、音だけでどこに座るのか伺う。
冷静に、それをしているつもりだけど、相変わらず寝起きのような脳みそで恐怖をぼんやりがごちゃ混ぜ。
黒っぽい足がどやどやと通り過ぎるのが見えた。
どうか、話し声が途切れないで。
不審な影に気付いたら一瞬会話が途切れるだろうから、そうじゃなければ大丈夫だと思える。
那智さんも同じように様子を伺っているみたいだ。
わたしの首を撫でながら、体をひねっている感じがする。
多分、フロアの反対側の壁添いだ。
真ん中に腰の高さの仕切りがあって、その仕切りの両側に席がある。
その向こう側。
多分、座ったままでは見えないだろう。
立ち上がり覗き込めば、テーブルの下の動く物体に気付くはず。
僅かに安堵。
でも、不必要な気配を発してはいけない。
じっと動かないように那智さんにもたれ掛かっている。
ずっと静かに撫でてくれている。
緊張が徐々にほどけていく感じ。
ああ、また、幸せになれた。
警戒は解けてないけど、でも、このままでいたいと思った。
手が伸びて来てVネックのニットの胸元に。
ブラジャーの隙間に手を入れて、乳首を思い切り握り潰された。
痛い、痛い!!!
何をするの那智さん!!
声出さないのに、動けないのに。
もしかしたら、これで飛ばそうとしているの!?
無理です、痛いだけです。
歯を食いしばり堪える。
とても困るけど、那智さんと秘密のじゃれ合いっこをしているみたいで、わたしは痛がりながら見えない尻尾をぶんぶん振ってしまっている。
手が離れて、その手が頬に触れた。
「いいよ。」と小さな声。
そっと、そっと、席に戻る。
あ〜ん、絶対おかしいよぉ。
さっきまで人いなかったんだもの。
ターミネーターのシュワちゃんが、いきなり地上に現れたみたいな感じ。
何もないところから「ぬー」って人がムクムクと現れる(笑)
もう、恥ずかしい!!!
もうひとカップル上がってきた。
そのカップルはわたしたちの並び、テーブルをふたつほど挟んだ席に座った。
ただ、この席の間にも仕切りがあるので、お互いに肩から上くらいしか見えない。
「顔上げて。」
恐る恐る顔を上げる。
那智さんの肩越しに最初に来た男女の女性の姿が見えた。
不審に思っているかもしれないけど、多分あの角度ならはっきりはわからなかったよね。(不審に思わせてごめんなさい)
ちょっと、ホッとする。
那智さんが床からお皿を取って紙ナフキンで拭っている。
コーヒー冷めちゃったかな。
2人の視線が同時にコーヒーに…いやな予感。
お皿にコーヒーを注いだ。
ああ、これを飲むのね。
まさかカフェオレボウルのように口に運ぶなんてことはないでしょうから、舌で掬うのよね。
で、それをどこでするの…?
お皿を手で掴む様子が視界に入って、わたしは両手で顔を覆う。
床は厳しいです。
しばらく心の中で覚悟を決める時間を作る。
結局覚悟なんて決まらないの、覚悟決めなくてもするだけのこと。
観念して両手を外すと、テーブルの上にお皿が載ったままだった。
ああ、よかった床じゃない。
さすがに、すぐ横に人がいるし、いままでいた人がいなくなるのは怪しいものね。
胸を撫で下ろす。
…、でも、ここで、テーブルの上に置いたわんこ皿で、コーヒーを飲むというおかしなことには変わりない。
だけど、ハードルが少し下がったみたい。
辺りを警戒して、静かに顔を埋める。
舌を出し、音を立てないように、でも、なるべくたくさん掬えるように、舌を使う。
冷めたコーヒーをピチャピチャと飲む。
周りの人は気付いているかしら。
最初に入ってきた男女からは、那智さんの背中が壁になってはっきりと状況を把握できることはないだろう。
後から来た、横に座ったカップルは、仕切りがあるから、これも微妙だ。
女性が前屈みになってなにかしている、程度に思って気にしないでいてくれたらいいのだけど…。
ちょっとその気になって、覗きこめば、お皿も見えるし、そこには異様な光景が広がってる。
どうか、気にしないでいてください。
舌だけで水分を飲むのは、時間がかかる。
なかなか減ってくれない。
だけど、残すのは寂しいので、一所懸命飲む。
ぺろぺろとお皿から。
那智さんの手が動く気配がした。
カップを取り、残りのコーヒーを飲んでいる。
一緒だ。
甘い一体感。
いつも那智さんと一緒。
これがとても嬉しい。
わたしは尻尾を振って並んで歩く、犬。
決して、リードを引っ張ったり、一歩下がることを強制されたりしない。
この「一緒」という感覚が、わたしを幸せにしてくれる。
この前の「違う場所」のお話のときに、鞭の画像を載せました。
なんとなく、新鮮でいいかなって思って。
わんこのお話用に「お皿」の画像も残しておこうと、那智さんがホテルでお昼寝してる最中にひっそりと撮影会をしました。
アイテムをいろいろ撮るの、楽しい。
お皿をテーブルに載せて、う〜んテーブルの上じゃないよな…。
犬は床だよね。
そう思って、部屋の入り口のタイルの上に置いてみる。
ドアが端に写り、いかにも犬らしい場所。
写真に撮って、う〜ん、これも違うなと思う。
那智さんはわたしを「犬」にするけど、玄関にポツリと置かれたそのお皿のような「寂しげな犬」を想像させる画像は似合わない。
床に置いても「那智さんの足下」付きじゃないと、イメージが違う。
あえて「寂しい」とか「蔑む」とかするこはあるかもしれないけど、その画像から連想される「犬だから、玄関の床」というのは合わないなと思ったの。
犬だから、那智さんの足下。
故に、床やアスファルト。
そんな感じ。
いつも、その「一緒」という感じが、わたしを寂しくさせないで幸せにしてくれる。
だから、つい言うことききたくなっちゃうのだ。
ずっとずっとお皿を舐めていたかったけど、もうケチャップは全部なくなってしまった。
残念な、でも、満たされた気分で頭を上げ、那智さんの腿に寄りかかる。
撫でられて気持ちが良い。
この時間が永遠に続いてくれないかと、真剣にお願いしたくなる。
ゴトゴトゴト。
しゃべり声と一緒に人が上がって来る気配がした。
これはスタッフじゃない!!ということはフロアに入ってくる。
一気に現実に引き戻されるようだ。
だけど、いきなり叩き起こされたようで、脳みそは回らないのにあわあわしてる感じ。
ビクッとするわたしの頭を太腿に押し付けて、そのままでいるように示す。
那智さんの足下で四つん這いのままじっとしている。
怖い、でも、わたしには選択肢がない、なぜって那智さんのわんこ幸せなんだもの。
カップルかな、男女だ。
何か話しながらフロアに入ってきた。
犬が警戒するように身を潜め、音だけでどこに座るのか伺う。
冷静に、それをしているつもりだけど、相変わらず寝起きのような脳みそで恐怖をぼんやりがごちゃ混ぜ。
黒っぽい足がどやどやと通り過ぎるのが見えた。
どうか、話し声が途切れないで。
不審な影に気付いたら一瞬会話が途切れるだろうから、そうじゃなければ大丈夫だと思える。
那智さんも同じように様子を伺っているみたいだ。
わたしの首を撫でながら、体をひねっている感じがする。
多分、フロアの反対側の壁添いだ。
真ん中に腰の高さの仕切りがあって、その仕切りの両側に席がある。
その向こう側。
多分、座ったままでは見えないだろう。
立ち上がり覗き込めば、テーブルの下の動く物体に気付くはず。
僅かに安堵。
でも、不必要な気配を発してはいけない。
じっと動かないように那智さんにもたれ掛かっている。
ずっと静かに撫でてくれている。
緊張が徐々にほどけていく感じ。
ああ、また、幸せになれた。
警戒は解けてないけど、でも、このままでいたいと思った。
手が伸びて来てVネックのニットの胸元に。
ブラジャーの隙間に手を入れて、乳首を思い切り握り潰された。
痛い、痛い!!!
何をするの那智さん!!
声出さないのに、動けないのに。
もしかしたら、これで飛ばそうとしているの!?
無理です、痛いだけです。
歯を食いしばり堪える。
とても困るけど、那智さんと秘密のじゃれ合いっこをしているみたいで、わたしは痛がりながら見えない尻尾をぶんぶん振ってしまっている。
手が離れて、その手が頬に触れた。
「いいよ。」と小さな声。
そっと、そっと、席に戻る。
あ〜ん、絶対おかしいよぉ。
さっきまで人いなかったんだもの。
ターミネーターのシュワちゃんが、いきなり地上に現れたみたいな感じ。
何もないところから「ぬー」って人がムクムクと現れる(笑)
もう、恥ずかしい!!!
もうひとカップル上がってきた。
そのカップルはわたしたちの並び、テーブルをふたつほど挟んだ席に座った。
ただ、この席の間にも仕切りがあるので、お互いに肩から上くらいしか見えない。
「顔上げて。」
恐る恐る顔を上げる。
那智さんの肩越しに最初に来た男女の女性の姿が見えた。
不審に思っているかもしれないけど、多分あの角度ならはっきりはわからなかったよね。(不審に思わせてごめんなさい)
ちょっと、ホッとする。
那智さんが床からお皿を取って紙ナフキンで拭っている。
コーヒー冷めちゃったかな。
2人の視線が同時にコーヒーに…いやな予感。
お皿にコーヒーを注いだ。
ああ、これを飲むのね。
まさかカフェオレボウルのように口に運ぶなんてことはないでしょうから、舌で掬うのよね。
で、それをどこでするの…?
お皿を手で掴む様子が視界に入って、わたしは両手で顔を覆う。
床は厳しいです。
しばらく心の中で覚悟を決める時間を作る。
結局覚悟なんて決まらないの、覚悟決めなくてもするだけのこと。
観念して両手を外すと、テーブルの上にお皿が載ったままだった。
ああ、よかった床じゃない。
さすがに、すぐ横に人がいるし、いままでいた人がいなくなるのは怪しいものね。
胸を撫で下ろす。
…、でも、ここで、テーブルの上に置いたわんこ皿で、コーヒーを飲むというおかしなことには変わりない。
だけど、ハードルが少し下がったみたい。
辺りを警戒して、静かに顔を埋める。
舌を出し、音を立てないように、でも、なるべくたくさん掬えるように、舌を使う。
冷めたコーヒーをピチャピチャと飲む。
周りの人は気付いているかしら。
最初に入ってきた男女からは、那智さんの背中が壁になってはっきりと状況を把握できることはないだろう。
後から来た、横に座ったカップルは、仕切りがあるから、これも微妙だ。
女性が前屈みになってなにかしている、程度に思って気にしないでいてくれたらいいのだけど…。
ちょっとその気になって、覗きこめば、お皿も見えるし、そこには異様な光景が広がってる。
どうか、気にしないでいてください。
舌だけで水分を飲むのは、時間がかかる。
なかなか減ってくれない。
だけど、残すのは寂しいので、一所懸命飲む。
ぺろぺろとお皿から。
那智さんの手が動く気配がした。
カップを取り、残りのコーヒーを飲んでいる。
一緒だ。
甘い一体感。
いつも那智さんと一緒。
これがとても嬉しい。
わたしは尻尾を振って並んで歩く、犬。
決して、リードを引っ張ったり、一歩下がることを強制されたりしない。
この「一緒」という感覚が、わたしを幸せにしてくれる。
この前の「違う場所」のお話のときに、鞭の画像を載せました。
なんとなく、新鮮でいいかなって思って。
わんこのお話用に「お皿」の画像も残しておこうと、那智さんがホテルでお昼寝してる最中にひっそりと撮影会をしました。
アイテムをいろいろ撮るの、楽しい。
お皿をテーブルに載せて、う〜んテーブルの上じゃないよな…。
犬は床だよね。
そう思って、部屋の入り口のタイルの上に置いてみる。
ドアが端に写り、いかにも犬らしい場所。
写真に撮って、う〜ん、これも違うなと思う。
那智さんはわたしを「犬」にするけど、玄関にポツリと置かれたそのお皿のような「寂しげな犬」を想像させる画像は似合わない。
床に置いても「那智さんの足下」付きじゃないと、イメージが違う。
あえて「寂しい」とか「蔑む」とかするこはあるかもしれないけど、その画像から連想される「犬だから、玄関の床」というのは合わないなと思ったの。
犬だから、那智さんの足下。
故に、床やアスファルト。
そんな感じ。
いつも、その「一緒」という感じが、わたしを寂しくさせないで幸せにしてくれる。
だから、つい言うことききたくなっちゃうのだ。
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