Mだからってね
非日常的な日常
はじめて行ったそのハプニングバーは、リアルにエッチというより、エッチな会話や雰囲気を味わうようなところらしい。
一回しか行ったことないから、「らしい」なんだけど。
場合によっては盛り上がり、場合によってはおしゃべりだけの時もあるような所らしい。
その日は、とても混んでいて店の奥のソファの席に、先客のカップルと相席させてもらうことになった。
特に、いやらしいこともなく、店内は常連らしい人で賑わい、話が弾んでいる様子。
私たちが度々訪れる別のハプニングバーは、スタッフの気遣いがとても行き届いているところで、常連だけで盛り上がるようなことはなく、はじめての人やポツンとした人をフォローするのがとてもうまい。
だから、私たちも気に入っているの。
はじめてのこのお店は、混んでいるからしかたないけど、そのフォローが感じられず(かと言って、スタッフが付きっきりでも困るんだけどね)「なんだかな〜」と、私個人は心の中でぼやいていた。
正直に言うと「はじめて来たんだから、ちょっとチヤホヤしなさいよ〜」っていう感じ!
相席したカップルは、人と交わる(いろんな意味よ、会話も含めて♪)ことはあまり興味がないみたいで、那智さんが会話を楽しもうと話しかけるけど、いまひとつ、二人でいちゃいちゃしてる。
私たちも、しょうがないからお酒飲んで二人でお話しして過ごす。
しばらくしたら、50代くらいの男性と若い女性が3人が来店して、隣のソファに来た。
女性3人はべらせて、和服(甚平だったかな、忘れちゃった)を着て現れたその男性、ただならぬ雰囲気。
どうやら、「調教師」?「縄師」?かなにか、堅気ではない人のよう。
一人の女性の上半身を裸にして、縄で縛りはじめた。
誰もとなく話しかけるように、説明している。
「この子は、Mでもなんでもないんだけど、こうやって縛ると縄酔いしてしまうんだ。」
確かに、ソファに座っていたときには、みんなできゃっきゃと騒いでいたけど、縛られて床に座って急に大人しくなっている。
その男性とその女性は、パートナーでも主従関係でもないらしいし、もともとMでもないらしい。
それなのに、縛られて急にスイッチオンになるみたい。
絞り出された胸をギューッと鷲掴みされて「ひゃああ」なんて声を上げてる。
私のすぐ右横で繰り広げられる光景とSM談義に、どう反応してよいかわからず、私は見て見ぬふりをしていた。
「ほら、触ってみなさい」
私に言っている。
その女性の乳首を触らせようとしているのだ。
いやよね!?見ず知らずの女に勝手に触られるのいやよね!?
戸惑っていると、その女性が私の足下に擦り寄ってきた。
いいの?
那智さんに助けを求めると、頷いているから、触らないといけないみたい。
私は、怖々と腫れ物に触るように、乳首に触れる。(そんなんじゃ気持ち良くないよね、実際 笑)
全然気乗りしない状況で事が進んでいくから、私はずっと戸惑ったままだ。
恐る恐るな私を見て、何を思ったのかいきなりその男性は那智さんに縄の扱い方講習みたいなことを始め出した。
那智さんに、私(りん子)の手首を縛ってみるように言うのだ。
那智さんに縛られるのは、例え知らない人の提案でも、例え講習の一環でも、嬉しい。
ささっと手首に縄を巻く那智さんを、喜びいっぱいの気分で見つめる。
「そうじゃないんだよね〜。」
そう言いながら、その男性がせっかく縛ってくれた縄を解きだした。
なに?なに?やめてよ、嬉しいのに。
那智さん、私、男性の順でソファに座り、私は手首だけ右側の男性に向け、顔は那智さんにくっつけてる。
解いた後、「ここはきつくならないよに」なんて言いながら、私の手首を縛りはじめた。
那智さんも場の空気を考えて、話を聞いている。
触るな!私の体に触るな!!これは那智さんのものだ!!!
本当はその男性を蹴り飛ばしたいくらいだったけど、それはできないから、那智さんの肩に顔を埋めて「那智さんがいい、那智さんさんがいいの!!」を精一杯ささやいて、訴えていた。
那智さんが、リクエストして縛ってもらってるんじゃないのに、知らない人に手首を差し出すことが、こんなにいやでいやでしょうがないなんて、思ってもみなかった。
いつも行くハプニングバーでは、女装したスタッフの男性に縛ってもらうことがある。
それは那智さんさんのリクエスト。
そうすると、縛ってもらうことは嬉しいことになる(その人縛るのお上手ですし)。
純粋に縛られることや縄の感触だけでも、気持ちのよいことにはかわりない。
那智さんに出会う前にも縛られた時には、夢が叶ったと、高揚を感じた。
でも、「この人」という重要事項を知ってしまったいまは、縄だけで感じることはできないんじゃないかなと思う。
まして、その男性のように私の心が拒否モードだったら、それは「嫌な事」になる(当たり前か!?)
Mだからって、なんでも縛ればいいってもんじゃないのですね。
もしかしたら、私はどんどん「M」じゃなくなっているのかもしれない。
はじめて行ったそのハプニングバーは、リアルにエッチというより、エッチな会話や雰囲気を味わうようなところらしい。
一回しか行ったことないから、「らしい」なんだけど。
場合によっては盛り上がり、場合によってはおしゃべりだけの時もあるような所らしい。
その日は、とても混んでいて店の奥のソファの席に、先客のカップルと相席させてもらうことになった。
特に、いやらしいこともなく、店内は常連らしい人で賑わい、話が弾んでいる様子。
私たちが度々訪れる別のハプニングバーは、スタッフの気遣いがとても行き届いているところで、常連だけで盛り上がるようなことはなく、はじめての人やポツンとした人をフォローするのがとてもうまい。
だから、私たちも気に入っているの。
はじめてのこのお店は、混んでいるからしかたないけど、そのフォローが感じられず(かと言って、スタッフが付きっきりでも困るんだけどね)「なんだかな〜」と、私個人は心の中でぼやいていた。
正直に言うと「はじめて来たんだから、ちょっとチヤホヤしなさいよ〜」っていう感じ!
相席したカップルは、人と交わる(いろんな意味よ、会話も含めて♪)ことはあまり興味がないみたいで、那智さんが会話を楽しもうと話しかけるけど、いまひとつ、二人でいちゃいちゃしてる。
私たちも、しょうがないからお酒飲んで二人でお話しして過ごす。
しばらくしたら、50代くらいの男性と若い女性が3人が来店して、隣のソファに来た。
女性3人はべらせて、和服(甚平だったかな、忘れちゃった)を着て現れたその男性、ただならぬ雰囲気。
どうやら、「調教師」?「縄師」?かなにか、堅気ではない人のよう。
一人の女性の上半身を裸にして、縄で縛りはじめた。
誰もとなく話しかけるように、説明している。
「この子は、Mでもなんでもないんだけど、こうやって縛ると縄酔いしてしまうんだ。」
確かに、ソファに座っていたときには、みんなできゃっきゃと騒いでいたけど、縛られて床に座って急に大人しくなっている。
その男性とその女性は、パートナーでも主従関係でもないらしいし、もともとMでもないらしい。
それなのに、縛られて急にスイッチオンになるみたい。
絞り出された胸をギューッと鷲掴みされて「ひゃああ」なんて声を上げてる。
私のすぐ右横で繰り広げられる光景とSM談義に、どう反応してよいかわからず、私は見て見ぬふりをしていた。
「ほら、触ってみなさい」
私に言っている。
その女性の乳首を触らせようとしているのだ。
いやよね!?見ず知らずの女に勝手に触られるのいやよね!?
戸惑っていると、その女性が私の足下に擦り寄ってきた。
いいの?
那智さんに助けを求めると、頷いているから、触らないといけないみたい。
私は、怖々と腫れ物に触るように、乳首に触れる。(そんなんじゃ気持ち良くないよね、実際 笑)
全然気乗りしない状況で事が進んでいくから、私はずっと戸惑ったままだ。
恐る恐るな私を見て、何を思ったのかいきなりその男性は那智さんに縄の扱い方講習みたいなことを始め出した。
那智さんに、私(りん子)の手首を縛ってみるように言うのだ。
那智さんに縛られるのは、例え知らない人の提案でも、例え講習の一環でも、嬉しい。
ささっと手首に縄を巻く那智さんを、喜びいっぱいの気分で見つめる。
「そうじゃないんだよね〜。」
そう言いながら、その男性がせっかく縛ってくれた縄を解きだした。
なに?なに?やめてよ、嬉しいのに。
那智さん、私、男性の順でソファに座り、私は手首だけ右側の男性に向け、顔は那智さんにくっつけてる。
解いた後、「ここはきつくならないよに」なんて言いながら、私の手首を縛りはじめた。
那智さんも場の空気を考えて、話を聞いている。
触るな!私の体に触るな!!これは那智さんのものだ!!!
本当はその男性を蹴り飛ばしたいくらいだったけど、それはできないから、那智さんの肩に顔を埋めて「那智さんがいい、那智さんさんがいいの!!」を精一杯ささやいて、訴えていた。
那智さんが、リクエストして縛ってもらってるんじゃないのに、知らない人に手首を差し出すことが、こんなにいやでいやでしょうがないなんて、思ってもみなかった。
いつも行くハプニングバーでは、女装したスタッフの男性に縛ってもらうことがある。
それは那智さんさんのリクエスト。
そうすると、縛ってもらうことは嬉しいことになる(その人縛るのお上手ですし)。
純粋に縛られることや縄の感触だけでも、気持ちのよいことにはかわりない。
那智さんに出会う前にも縛られた時には、夢が叶ったと、高揚を感じた。
でも、「この人」という重要事項を知ってしまったいまは、縄だけで感じることはできないんじゃないかなと思う。
まして、その男性のように私の心が拒否モードだったら、それは「嫌な事」になる(当たり前か!?)
Mだからって、なんでも縛ればいいってもんじゃないのですね。
もしかしたら、私はどんどん「M」じゃなくなっているのかもしれない。