普通のひとで愛し合おう15
そんな中、那智さんはある人とコミュニケーションを取りはじめた(以後Sさんとします)
はじめは簡単なやり取りでおしまいになるはずだったのだけど、いろいろな思惑が重なり一時かなり濃密なコミュニケーションを取るほどになっていった。
Sさんとのやり取りは、ずっと絶望感ばかりだった那智さんには久々に充実感を感じることができるものだった。
当初は簡単なやり取りでおしまいになるとわたしとも約束をしていたのだけど、このときの那智さんにとって充実感や楽しみがあることはいいことかと思ったし、何より、それが那智さんを元気にさせてくれるならと、気がつけば容認するような形になっていった。
(もともと、那智さんが他者とコミュニケーションを取っているのを見てるの萌えな部分もアリで^^;)
このときのわたしは、那智さんに対する一言一句、一挙手一投足、をコントロールしていた。
わたしが少しでもマイナスな言動をすると、見放される恐怖に支配され。
わたしが少しでも那智さんを頼る言動をすると、『りん子が支えてくれなくなる』恐怖に支配されてしまう。
少しだけ労ってほしいと思い、『那智さん、こんな状態でしたよ』などと大変さをアピールすると、絶望を直視してしまうようで、余計に辛くなってしまっていた。
いまはどう声をかければ絶望感から浮上できるか。
『あなたがいてくれてしあわせ』と自己肯定感を感じてもらおう。
それが過ぎると今度は『プレッシャー』に感じられてしまうから、今度はすこし引いて『どんな那智さんも好き』と許容を表現しておこう。
こんなふうだ。
マイナス感情はもちろん、プラスの言葉でさえ、かけどきを計らないといけなかった。
そんな状態の中での多少前向きになれる他者とのコミュニケーションを、わたしはこの年末から年明けまでの2か月間容認した。
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